デ・プロフェッショナリゼーション(脱プロ化)

プロフェッショナルは、本来、自律的に一貫した仕事ができる職種である。自律的とは、プロフェッショナル以外の人々、例えば、自分がサービスを施すクライアントなどから、口出しやプレっジャーを受けないで仕事ができるということである。プロフェッショナルは独自の倫理基準を持っているので、それに従うのがもっとも適切であるという意識もあるのである。

さて、現代の特徴の一つは、独立して仕事をするプロフェッショナルが減少する代わりに、大組織が発達し、多くのプロフェッショナルがそれに属するようになってきたということである。その組織は、法律事務所、会計事務所、病院といったプロフェッショナル組織もあれば、一般の製造メーカー、サービス業者のような非プロフェッショナル組織も含まれる。非プロフェッショナル組織であっても、自社でプロフェッショナルを雇うことが有利だと思うならば、積極的にプロフェッショナルを雇い入れることになる。例えば企業の法務部門はその典型である。

プロフェッショナルが、サラリーマンとして組織で活動するならば、本来もつプロフェッショナルとしての特徴や志向が、組織が追求する官僚制機構、規模の経済、範囲の経済などと葛藤が生じる。その解消の一つの方向性が「デ・プロフェッショナリゼーション」つまり脱プロ化である。

脱プロ化とは、プロフェッショナルがプロフェッショナルとしての特徴を失って、より一般的なホワイトカラーやサラリーマンと同じ特徴を持ってくることである。それによって、プロフェッショナルは、自身の職業よりも、自分の属する組織自体に自身を帰属し、愛着を持ち、コミットメントを高めることになる。そうなれば、組織としては、運営がしやすくなるのである。

その原因としては、プロフェッショナルを雇い入れる組織が、彼らに対してパワーを発揮することにより、彼らの自律性や職業倫理にプレッシャーをかけることがあげられる。仕事のやり方は、組織の利益を優先するならば、より相互依存的になり、プロフェッショナルは他の職種や人材と共同で相互依存的な仕事をすることを要求される。そうなると、独立して自己完結した仕事のやり方ができなくなってくる。また、職業倫理に基づく行動規範よりも、組織の文化、戦略に沿った行動規範を要求される。組織として利益を出し、反映することを第一とする行動が求められてくるのである。プロフェッショナルは、組織内で管理されることによって、自分自身及び仕事を自律的にコントロールしていく能力が剥奪され、より組織にコントロールされる労働者と化していくのである。

文献

Barley, S. R. (1996). The new world of work. London: British-North American Research.