海外赴任者の人材マネジメント

Expatriate Management

海外赴任者が必要である理由

  • 現地では、適した人材を採用するのが困難
  • 企業のビジョンやスタイルを現地に移転する必要がある
  • 本国の事業活動と現地のオペレーションが密接な関係がある
  • 現地の政治的情勢などが不安定な場合に本国との連絡を密にするため
  • 現地の文化が本国と異なる場合、本国との連絡をスムーズにさせる必要があるため

海外赴任者を利用する場合の利点

  • 本国の文化を知っているため、企業文化やその他の要素を現地に移転しやすい
  • 本国との連絡が密になるため、現地のコントロールやコーディネーションがやりやすい
  • 本国での勤務経験を反映させることにより、現地人材の国際性を高める
  • 海外経験の豊富な上級マネジメント層を育成することができる

海外赴任者を利用する場合の問題点

  • 現地の文化や言語などに適応する場合の問題
  • 現地拠点の外資系企業化(外国の会社という認識)を高める
  • 海外赴任者の移転や給与のコストが高くつく
  • 海外赴任者の個人的あるいは家族の問題が生じる可能性がある
  • 海外赴任者の不適応や派遣の失敗につながる場合もある
  • 現地人材の動機付けや帰属意識に悪影響を及ぼす場合もある
  • 現地の政府の規制によってさまざまな制約が起こりうる

海外赴任が失敗に終わる場合の要因

  • 責任の重圧:本国における職務の責任よりも重い責任によるプレッシャーに負けてしまう
  • 海外赴任者のキャリア破壊:本国から忘れ去られたり、帰国してから通常のキャリアトラックを歩めなくなることによる、人的資源の浪費
  • カルチャーショック:本国との文化の違いが大きすぎて適応できない
  • 海外赴任者の情緒的な不安定性による不適応
  • 海外赴任前の準備不足:異文化トレーニング、語学トレーニング、オリエンテーションを十分に行わないまま赴任させることによって不適応を招く
  • 技術的側面を強調しすぎる人選:技術を強調する反面、海外への適応性などを考慮しないまま人材を選抜してしまうことによる失敗
  • 問題人材の追い出し:本国や本部で使えない人材を海外に派遣させる
  • 家族の問題:配偶者や子供の不適応など

海外赴任者の帰国に伴う問題

  • 海外で身につけたスキルなどが国内で重宝されない、生かされない
  • ステイタスの低下、海外赴任によってキャリアパスに影響が出る
  • 海外赴任者の帰国に際して適切なポジションを与えられない、計画不足
  • 逆カルチャーショック、自国の文化に再適応できない

効果的な海外赴任者マネジメント

海外赴任者の選抜

  • 異文化への適応性、センシティビティを選考基準に含める
  • 自信や自律性のある人材、現地の人材への理解を示す能力がある人材、異文化によるプレッシャーに対してタフな人材など
  • 海外経験の豊富な上級マネージャーなどによる選考委員会を充実させる
  • 選考にあたっては、海外経験のある者を優先させる
  • 将来の海外赴任候補として、帰国子女の採用を行う
  • 海外赴任候補者の家族状況なども考慮に入れる

海外赴任者のトレーニング

  • 異文化トレーニング、現地文化のオリエンテーションを充実させる
  • 家族が現地に適応できるような事前準備、トレーニングやオリエンテーション
  • 赴任前の言語トレーニングを充実させる
  • 現地赴任のためのプラクティカルトレーニング(日常業務の予行演習)

海外赴任者のキャリア開発

  • 海外赴任者に対して、キャリアに不利になるのではなく、キャリアに有利になるような仕組みを整える
  • 海外赴任者に対して、キャリアに関するサポートを十分に行う

海外赴任者への報酬

  • 本国にとどまったとした場合にもらえる水準の報酬は維持する
  • 海外で働くインセンティブとして、プラスの報酬を海外赴任者に与える
  • 現地人材と同じポジションや現地の人材よりも低いレベルのポジションに就かせることを避ける(現地人材との給与の違いによる問題を避けるため)