海外赴任者の賃金設計

海外赴任者の賃金設計は、非常に複雑かつ難しい。その理由としては、赴任地の事情が国によって異なること、赴任地における赴任者の給料と現地人材の給料との関係を考慮しなければならないこと、赴任地の物価変動や為替レートの変動を考慮に入れなければならないこと、そのた税制上の問題、職務内容の違いなど、国内の賃金設計よりも数段複雑性が増す。

 

バランスシートアプローチ

  • 本国における給与水準から出発し、様々な要素をプラスマイナスすることにより、現地における賃金を決定する方法
  • 本社から海外赴任し、また本社に戻ってくる赴任パターンにとっては、理解がしやすい
  • 海外赴任者は、本国にいたとするときの給与水準、生活水準を維持するべきで、それよりも多すぎたり少なすぎたりするのは好ましくない、という考えに基づく
  • 本国の給料から出発し、現地での生活水準を加味したプラスマイナスが施され、さらに購買力を守るための手当ておよび海外赴任に伴うインセンティブや慰労金をプラスしていく
  • コストが大幅に増える可能性がある(例:アメリカの住宅水準を、東京への赴任者へも与える)
  • 本国からの赴任者と、現地人材との賃金格差が非常に大きくなる可能性がある

現地基準アプローチ

  • 現地における賃金水準から出発し、様々な要素を考慮することにより、賃金を設計する方法
  • 赴任者が、より現地に溶け込み、現地のオペレーションに深く関わることを望んでいる場合に用いられることが多い
  • 適用は容易でコスト増もそれほどではないが、調整に手間取る可能性がある
  • 赴任者が、現地における賃金を、本国の基準で見た場合に、不釣り合いを経験する可能性がある(本国の通過でみると、安すぎるなど)
  • 本国よりも、赴任国の賃金水準が高い場合などには、現地基準アプローチの納得性は高いと思われる

有利国基準アプローチ

  • 本国あるいは現地のどちらかを基準とするが、基準とすることによって赴任者にとって有利になるほう(つまり不利にならないほう)の国の賃金水準を基準にする
  • ケースに応じて基準とする国を変えるアプローチである

海外赴任者への手当

  1. 慰労手当:海外赴任に伴う困難(精神的、肉体的)などに報いるための手当
  2. 住宅手当:海外赴任における住宅事情に応じた手当
  3. 生活のセットアップにかかる費用の補助
  4. 渡航費用、引越し費用
  5. 赴任者、配偶者、子供などの教育費手当
  6. 言語学校授業料
  7. 現地通勤手当