雇用の外部化促進トレンド

 

雇用の外部化の3つの次元

  1. 勤務スペースの外部化:オフィスでの職務から、オフィスを離れた職務(在宅勤務、クライアント先勤務など)
  2. 管理業務・定型業務の外部化:管理業務の派遣社員への移行、特定業務のアウトソーシング、パートタイム、アルバイトの活用など
  3. 雇用期間の短縮という意味での外部化:終身雇用、長期雇用一辺倒から、短期雇用や契約社員などの短期的雇用形態の活用など

雇用の外部化のメリット

  • 各部門が、人事部の厳格な採用管理下に置かれなくても労働力を利用できる(正社員採用だと、人事部その他の承認を得るのが大変である)
  • 基幹社員1人あたりの生産性や利益が向上する(外部労働力は計算に使わないので)
  • 業務遂行のうえでの人員調整が柔軟になると同時に、業務遂行に必要なスキルの柔軟化にも対応できる
  • 企業がもっとも強い部分に管理その他を集中することができる(そこは正規の社員で行ない、後は外部労働力を使う)
  • 賃金の市場価値以上の上昇を防ぐことができる(付加価値の低い仕事をする正社員であると、付加価値の高い仕事を行なう正社員の給与水準に引っ張られて高止まりしてしまう可能性がある)
  • 雇用の外部化によって、比較的低コストで労働力を獲得できる
  • 自社正社員があまりやりたくない業務を他社に委託することができる(職場の清掃など)
  • 外部労働力の利用は、組合化を困難にするので、組合化回避策にもなる

雇用の外部化のサプライサイドからの要因

  • 女性や高齢者の就業の増加:彼らはより柔軟性を求めている
  • 柔軟な雇用を志向することに対する世間の目が厳しくなくなってきた(通常は正社員として働くのがあたりまえという風潮があった)
  • 職場にいなくても働け、管理が可能な技術や環境が発達してきた
  • 人材派遣ビジネスや人材紹介ビジネスなど、非正規社員として働くことを支援するビジネスが増えてきている
  • 企業に囲われて管理されることが中心の環境から、よりマーケットを介して取引きができるような環境に変わりつつある(市場価値の把握、市場価値に応じた契約、報酬)

雇用の外部化のデマンドサイドからの要因

  • 永続的雇用の正規社員を維持するコストが高まり、企業側の負担が増えた
  • 募集、選考、採用、教育にかかるコストと、永続社員をレイオフすることへのコストが大きい
  • 結果的に単純労働をする正社員に対して高めの給与を与えなければ行けないことに対する負担
  • 競争の激化、外部環境の不確実性の高まりにより、労働力の柔軟化への対応が急務になってきている
  • 労働組合への対応策、特に組合化回避策が企業にとって必要となっていた
  • 人材不足で正社員として雇用するのが困難な高度なスキルを持つような人材を、利用することができる

 

 

 

文献

Pfeffer, J., & Barron, J. N. (1988). Taking the workers back out: recent trends in the structuring of employment. Research in Organizational Behavior. 10, 257-303.