人事制度は組織にフィットしているべきか、柔軟であるべきか。

人事制度と組織とのフィットは、大きく2種類あります。まずは企業の目的や戦略と、人事制度の内容が一致しているかというもので、これは垂直的フィットと呼ばれています。それに対して、個々の人事諸制度が整合的に結びついているというという意味でのフィットで、これは水平的フィットと呼ばれています。このようなフィットは望ましいものであると通常考えられます。

その一方で、人事制度は柔軟でなければならないという見方があります。つまり、企業は環境の変化に適合していかねばならず、そのためには人事制度自体も環境変化に対して柔軟に対応しなければならないということです。しかし、現状の組織と人事制度がフィットしすぎていると、この柔軟性が失われてしまうのではないかという見方、あるいは柔軟性を追求しすぎると、組織と人事制度のフィットが達成できないという見方があり、フィットと柔軟性はトレードオフにあるように思われます。このようなパラドクスに関してどのように考えたらよいのでしょうか。

フィットと柔軟性を同時に追求するということは可能です。変化の激しい環境に属する企業であれば、変わり続ける環境、組織に対してフィットし続けるダイナミックかつ有機的な人事制度が必要である、ということです。それは、ある戦略を遂行するために必要なスキルや行動についてよく理解し、そのニーズを満たすために必要な人事諸施策を熟知し、さらに求められる人事制度をすばやく導入する、という3つの要素を兼ねそろえることによって、フィットと柔軟性の両方を達成することができるという考えです。