ハロー効果(後光効果)はとても複雑

人事評価などでよく取り上げられるバイアスに、「ハロー効果(後光効果)」があります。ハロー効果は、一般的には「ある特定の項目で際立った評価が他の評価項目にも影響すること」であるとされています。たとえば、Aさんがある特定の項目でひどく成績がよいために、他の項目でもよい評価が得られる、といった具合です。このハロー効果のメカニズムは実はかなり複雑です。

まず、ハローには「真のハロー」と「ハローエラー」があります。真のハローというのは、実際に評価項目同士が関連していることを指します。つまり、ある項目で優秀であれば別の項目も優秀となるような評価項目になっている、ということです。これは、評価者が人材を評価する際のバイアス、あるいはエラーではありません。一方で、ハローエラーは、実際に評価者が犯すエラーです。そして、真のハローとハローエラーの両方が加味された結果が「観察されるハロー」です。

実はハロー効果には、ポジティブハローエラーとネガティブハローエラーとがあります。ポジティブハローエラーは、評価者が人材を評価する際に、ある特定の評価が高いと感じた場合に、別の項目も高くしてしまうというエラーです。ネガティブハローエラーは、評価者が人材を評価する際に、ある特定の評価が高いと感じた場合に、別の評価を低くしてしまうというエラーです。だから、真のハローに対してハローエラーがポジティブに作用する場合と、ネガティブに作用する場合とがあります。

それでは、ハローエラーに焦点を絞って考えてみることにしましょう。評価者が犯すハローエラーには大きく3つの種類があります。1つめは対象者の全体的な印象が他の評価項目に影響を与えるというものです。つまり、ある特定で優れていたりした場合に、評価者の頭の中で、その人の全体的なイメージが形成されます。評価者は結局この全体的なイメージをもとにして各々の評価項目をチェックするので、好印象か悪印象かが如実に評価に表れてしまうというメカニズムです。

2つめは、ある特定の評価軸そのものが他の評価にも用いられる場合で、ある特定の評価軸において優秀であると認めた場合には、それが影響を与えて他の評価も優秀であると判断してしまう、反対にある評価軸でだめならば、それが影響を与えて他の評価軸までだめになる、というものです。

3つめは、評価者が評価軸の違いを判別できないために、みな同じような評価になってしまう、というものです。そもそも評価軸が複数ある、ということは、それぞれの評価軸は別の次元のパフォーマンスを測定しているはずなのに、評価者にはこの違いがよくわからず、おなじ次元であるように錯覚してしまうのです。

ハロー効果は単純ではなく、上で述べたようないろいろな要素が絡み合った複雑なメカニズムによって引き起こされるわけです。