グローバル賃金システム構築上の留意点

本社社員、現地社員、他地域社員の賃金の差異

社員の種類(本社、現地、他地域)のみならず、企業内における階層(エグゼクティブレベル、ミドルマネージャー、ロワマネージャー)などによる差異も考慮すると、グローバル賃金システムは非常に複雑にならざるを得ない

社員の種類の違いと賃金構造で考慮しなければいけないポイントとしては、海外手当て、住宅補助、物価水準の考慮、税金の考慮、成果主義報酬の有無など

異なる種類の社員が共存して仕事を行うため、賃金の違いが、不公平感の原因となり、お互いの溝を深めることにならないようにする必要がある

社員のライフサイクルを考慮したグローバル賃金システム

グローバル社員にとって、海外生活を共にする家族の負担も考慮しなければならないが、社員およびその家族のライフサイクルによって、ニーズが異なってくる(小さい子供を抱える社員、単身の社員、中学、高校などの子供を抱える社員など)

社員および家族のライフサイクルに合わせたニーズに応えるためのグローバル賃金システムは、複雑にならざるを得ない

グローバル社員の異動に伴う賃金の変更

本国社員の海外への赴任、海外赴任社員の本国への帰還、および海外赴任社員の異なる国への異動などに際しては、賃金システム、賃金水準の変化が予想される。その変化が、従業員の公平感、満足度に影響し、パフォーマンスに悪影響を及ぼさないようにする工夫が求められる

時代の急速な変化に対応した賃金システムの変更

時代の変化に伴い、企業のグローバルオペレーションの変化、国による役割の変更、従業員の多様性の増加、グローバルな人事異動の頻度の増大、などの変化が起こってくるが、賃金システムもその変化に対応していかなければならない

どの地域が戦略上重点的な地域なのか、どのレベル、どの職種の社員が戦略上、重要視される社員なのか、など、さまざまな要素を考慮した上で、企業戦略と合致したグローバル賃金システムの構築が求められる

自社では過去このようにしてきたから、という理由で同じシステムを踏襲するのは、好ましくない

参考

Harvey M (1993). Empirical evidence of recurring international compensation problems. Journal of International Business Studies, 1993 (4), 785-799.