ファイナンシャル・インセンティブ理論

内発的動機づけ理論

  • 内発的動機づけもは、(1)仕事自体が楽しいということから来るものと、(2)成長欲求あるいは達成への欲求(チャレンジ精神)からくるものとがある。
  • 内発的動機付けの要因となる、「自己コントロール感」は、外的報酬によって自分が他からコントロールされていると知覚することによって減少する。
  • ただし、パフォーマンスに関係のない金銭報酬などにその傾向が出てパフォーマンスが低下するが、パフォーマンスと連動した報酬の場合はその傾向が出にくい。
  • パフォーマンスと連動した報酬が、内発的動機付けを高める別の要因である「能力感」を高めると、内発的動機付けが高まる、またパフォーマンスと連動する報酬は、達成への欲求を刺激し、チャレンジ精神を与え、それが内発的動機付けにつながる
  • 内発的動機付けと外発的動機付けの両方が高まっている状態のときにもっともパフォーマンスが高くなる。適切な外的報酬を用いることによりそれが可能となる。

公平性の理論

  • 結果公平性によると、人々は、自分のインプットと得られた報酬を自分と同等の人と比較し、少なすぎる、あるいはもらいすぎている場合には不快感を感じ、それを是正しようとする
  • 人々は、結果公平性が保たれているときには、手続き公平性にあまり注目しない
  • 人々は、結果公平性が得られなくても、手続き公平性が得られている場合には不満足はくいとめられる
  • 結果公平性が得られない場合、手続きに注意が行き、手続き不公平性を知覚した場合は不満足や怒りが生じる

期待理論

  • 人間は、自分の努力がパフォーマンスにつながる期待、パフォーマンスが価値の高い報酬につながる期待が高いときに、もっとも力を入れる。
  • 成果に対するファイナンシャル・インセンティブが本人にとって価値のあるものでない場合には、インセンティブは機能しない
  • 自分の努力がパフォーマンスに結びつかない仕事や構造になっているとき(自分だけでなく他のメンバーの努力も必要とする場合など)も、成果に連動したファイナンシャルインセンティブは機能しない

目標理論・社会的認知理論

  • 成果に基づくインセンティブは、パフォーマンスに関する自信と関連がなければ機能しない
  • パフォーマンスに関する自信があれば、それはインセンティブを得るための高い目標の選択につながる。
  • インセンティブが魅力的でも、それに到達するためのパフォーマンスに関する自信がなければ、努力はしなくなる

エージェンシー理論

  • 代理人とエージェントとの利害が一致しない場合にはエージェンシー問題が生じる
  • 代理人よりもエージェントの方が分散能力が低いためリスク回避的である
  • 代理人がエージェントの行動を低コストで監視することが可能な場合は、最も効果的な報酬は行動に基づいたものとなる
  • 代理人がエージェントの行動を監視することが困難な場合は、利害を一致させるため、エージェントへの報酬を業績ベースにする
  • エージェントは代理人よりもリスク回避的なため、成果報酬の場合には、リスクプレミアムの上乗せを要求する

予測理論

  • 人間は、得をする可能性がある場合は、リスクを避け、損をする可能性がある場合はリスクを負う傾向がある
  • ペイ・フォー・パフォーマンスの場合、ある程度の賃金の上昇が見込めるときは、その上昇を守るために、さらにリスクを犯すことはしない、つまりがんばってさらなるパフォーマンスを生み出そうとしなくなる
  • 逆に、賃金の下落が予想されるときには、それを挽回するために、リスクを負った行動をとり、事態を悪化させる可能性もある

トーナメント理論

  • 上位ランクへの昇進による賃金の増加が高いと、トーナメント効果をもたらし、下位ランクのメンバーの競争心が刺激される