誠実性テストは人事採用に効果的か

誠実性テストとは、もともと、非生産性行為を行う人を採用するリスクを避けるために開発されました。昔はうそ発見器を用いる企業があったのですが、こういった機器の使用を禁じる社会的な動きが出てから、そのような機器を使わずに、非誠実な人材を見分けるテストとして、誠実性テストが開発されたわけです。

非生産性行為とは、たとえば無断欠勤、備品等の盗難、さぼりなど、企業のパフォーマンスに悪影響を与える行為です。誠実性テストで好ましくない結果を出した人材は、こういった行為をする可能性が高いと判断します。しかし、このようなテストに問題がないわけではありません。

一番大きな問題は、実際に非生産性行為を行う可能性の低い人に対して、テストが陽性反応を示してしまう危険性があることです。これは本人にとって重大な名誉毀損になります。医療の分野で言えば、重大な病気でないのにもかかわらず、検診の結果、重大な病気であると判定されてしまうのと同じ現象です。健康に関わるそういったエラーであればまだしも、エラーによって自分が非誠実な人間であるとレッテルを貼られてしまってはたまりません。また、テストの性質からいって、一度そういう結果を受ける普通の人は、別の機会に同じようなテストを受けてもまた同じように誤って非誠実と判断される可能性が非情に高いです。

それでは、誠実性テストはどれだけ予測力があるのでしょうか。実際の研究においては、誠実性テストは、非生産性行動のみならず、職務パフォーマンスにおいても比較的有効な予測力を持っているという結論がでました。人材のパーソナリティと職務パフォーマンスとの関連性においては、良心的性格は、様々な仕事におけるパフォーマンスと相関があることがわかっています。誠実性テストは、パーソナリティにおける良心的性格や、情緒的安定性や人当たりの良さなどの要素も測定しているため、この良心的性格の要素が、職務パフォーマンスとの相関に関係していると考えられます。また別の研究では、一般的認知能力と誠実性テストを組み合わせた採用は、最も効果的に高いパフォーマンスを生み出す人材を識別できる手段の一つであるということもわかりました。