意思決定に関わる情報処理プロセス

選択的注意・認知プロセス

  • ノイズを含む現象から、情報処理に必要な情報を選択して知覚するプロセス
  • オートマチック注意プロセスとコントロール注意プロセス(前者は、過去からの習慣や癖、その他の性質によって、半ば無意識的に注意を払う過程、後者は、意識的に注意を向ける過程)コントロール注意プロセスは多くの認知資源を必要とするので限界がある
  • オートマチックなプロセスは、人々の日常の情報処理の過程で、多大な認知資源を用いることによる負荷を低減することを可能にする
  • オートマチックなプロセスのおかげで、人々は、ある1つのことに対する情報処理におわれることなく、他のことに注意を払ったりする余裕が生まれる
  • 状況が馴染みの深い場合、期待に沿っている場合などは、オートマチックな注意プロセスが働き、状況が馴染みのない場合になったり、自分の期待と反することが起こったりする場合に、より意識的に注意を払うプロセスが出現する
  • 選択的注意プロセスは、人がどのようなカテゴリーあるいはスキーマを持っているかにも左右される
  • 選択的注意のプロセスのために、真に必要な情報が知覚されるまえにフィルターにかけられて振るい落とされてしまう可能性がある

情報のコード化、組織化と蓄積

  • 知覚された情報は、シンボリックなコードに変換される
  • カテゴリー化(多くの情報をある意味のあるまとまりに集約して頭の中に蓄積しようとするプロセス)
  • カテゴリー、プロトタイプ、イメージ、スキーマ(情報のファジーな集合、象徴やシンボル、人に対するカテゴリー、仕事に対するカテゴリーなど)
  • カテゴリーはいったん形成されると、なかなか変化しない
  • コントロールされたカテゴリー化(状況が馴染みの無い場合、通常とは異なる場合、などは、注意深い観察や思考過程を用いてカテゴリー化を推進する)
  • 帰属過程(状況の因果関係の推論)が、カテゴリー化において重要な役割を果たす
  • カテゴリーマッチング(知覚した情報から、特徴的な部分を抽出し、それと、頭の中にある既存のカテゴリーと比較する。カテゴリーサーチを通じて類似したカテゴリーを選択し、マッチすればそれを用いた情報処理プロセスに移行する。類似したカテゴリーがない、あるいは類似したカテゴリーとの格差が大きければ、新しいカテゴリーを作成するプロセスに移行する)
  • コード化された情報は、人間の長期記憶に貯蔵され、必要なときにそこから引き出すことができるようにしておく
  • 長期記憶での蓄積の特徴(どれだけ長く保持されるか、どれだけ詳細に記憶されるか)は、蓄積プロセスの前の情報処理過程(どれだけ注意して観察したか、どのようにコード化されたか)に左右される。

情報の探索と想起のプロセス

  • ある事項を思い出すとき、最初にカテゴリーとのマッチングによって得られた特徴が想起プロセスに影響する
  • カテゴリーに含まれる特徴が、想起に大きく左右する一方で、カテゴリーに含まれていなかった特殊な特徴などが思い出されない場合が起こる
  • カテゴリーの頭の中での整理の仕方が、物事の想起に影響する
  • カテゴリーを修正したりするプロセスが、想起に必要な記憶も変化させる可能性がある

情報のインテグレーションと判断プロセス

  • どのような情報が想起されるかによって、判断が異なることがある
  • カテゴリーの存在が、物事を判断する際のバイアスにつながる(特定の特徴しか想起しない、実際の情報と異なった特徴も併せて想起される、など)
  • 判断プロセスにおいては、その時のムードや感情的要因が影響を与える場合がある