アンケート調査に用いる測定尺度の作り方

(心理・行動変数)

測定する概念の定義

  • その分野でよく使われている概念の尺度か、比較的新しい概念なのか
  • その分野の現象を理解するため、理論を発展させるために有意義な概念であるか
  • 関連する文献、先行研究の有無
  • 他の概念との理論的なつながり、類似する概念、区別すべき概念、概念間の因果関係の仮説など

質問アイテムの作成

  • 同僚の研究者間での議論、実務家、マネージャー、従業員などとの議論
  • 関連する文献の参照、その分野の専門家の意見
  • フォーカスグループやインタビューなどによる情報収集
  • 尺度の種類の考慮(リッカートスケール、意味微分法など)
  • 概念の次元の検討(一次元か多次元か)
  • 専門家を交えた上で、質問アイテムの適正性を判断
  • 概念をカバーすると思われるアイテムを多く作成し、後のスタディーで適切なアイテムに絞っていく前段階の作業

測定尺度のプレテスト

  • ある程度少数の被験者を使って、作成したアイテムを用いてプレテストする
  • 回答スコアの分布をチェック(分布の歪みが大きかったり、十分な分散が確保できないアイテムを除く)
  • アイテム間の相関をチェック(相関の高いもの同士は、同じ概念を測定していることの証拠になる)相関が低いアイテムをはずしていく

本格的なアイテムの選択

  • アイテムの選択を本格的に行うために、十分な人数の被験者に対してテストを実施する
  • 被験者が正直に回答しているかどうかを試す尺度(社会的望ましさの尺度)などをアイテムに含める
  • 回収されたスコアを基にした因子分析(探索的因子分析あるいは確認的因子分析)
  • 探索的因子分析は、適切な手法(因子回転の種類など)の考慮
  • 信頼性の検証(アルファ係数、スプリットハーフ、パラレルテスト、再テスト法)
  • 信頼性検証のポイント(内部一貫性と、時間的安定性)
  • 信頼性は、妥当性のアッパーバウンド(信頼性が低ければ、それ以上の妥当性は望めない)であることに注意
  • 因子分析や信頼性の推定を基にして、不適切なアイテムを削除

各種妥当性の検証

  • 内容妥当性(測定尺度が、測定したい概念が含む内容を十分にカバーできているか)は、関連する文献や定義などからの判断する
  • 見かけ上の妥当性は、質問の文章などが適切かどうかなどによって判断する
  • 類似妥当性(類似した概念間の相関が高いか)は、類似する概念、かつその概念の信頼性・妥当性が過去の研究によって確められているようなもの、を同時に測定することによって、これらの概念間の相関を見る
  • 相違妥当性(異なる概念間の相関が低いか)は、異なる概念、かつその概念の信頼性・妥当性が過去の研究によって確められているようなもの、を同時に測定することによって、これらの概念間の相関を見る
  • 方法による分散(コモンメソッドバリアンス)が、類似妥当性、相違妥当性の結果に影響を与えていないかどうかを検討する
  • クライテリオン関係の妥当性(理論上、因果関係の存在や、ある変数によって他の変数を予測できるといった仮説)を、関連する変数を含めてテストすることによって確める
  • 通常は、該当する概念に影響を与えると理論上考えられる変数、およびその概念が影響を与えると思われる変数を含めた形でテストを実施する
  • 同時に測定することによる妥当性(コンカレント妥当性)と、時差を用いて、ある変数から別の変数を予測する妥当性(予測妥当性)との両方の方法が考えられる