マネジメントにおける「公平性」とは

公平性は、マネジメントにとって非常に重要な問題です。賃金の決定、人事考課、人材の選別、雇用の削減など、様々な場面で、従業員に対して公平性をアピールする必要があります。なぜ、公平性が重要かと言う根拠は、公平理論から導き出されます。

公平理論においては、人は自分の組織へのインプットとアウトプットの比率を、自分と同等と思われる他者と比較し、その比率が同じかどうかという視点で公平か不公平か判断します。そして不公平だと判断した場合、インプットあるいはアウトプットのどちらかを調整し、公平と判断ができる水準にしようとする動機づけられます。従業員が不公平だ、と判断するようであると、それは彼らの士気を低下させたり、組織や職務への満足度を下げることになってしまいます。

問題なのは、公平性というのは、従業員が主観的に判断するものであるため、いくらマネジメント側で公平になるように努力しても、結果的に不公平ととられてしまう可能性があることです。ことに給料や昇進などでは、こういった可能性に敏感にならざるを得ないでしょう。

では、ここで「公平性」について、もう少し深く掘り下げて考えてみたいと思います。公平性には、大きく分けて「配分公平性」と「手続き公平性」とがあると考えられています。配分公平性とは、報酬などの価値のあるものが均等に配分されるかといった「結果」に関する公平性です。それに対して手続き公平性とは、ある手続きにおいて、皆が均等に扱われるチャンスがあるかといった、プロセスに関する公平性です。

一般的には、賃金や人事考課、昇進昇格などの結果のほうに重点をおいて公平性を判断する場合が多いでしょうが、プロセスそのものの公平性も重要な要素であることが認められてきています。手続き公平性を確保することがマネジメントにとって有効であることには理由があります。

まず、手続き公平性が保たれると、仮にある短期的な配分の結果が不公平であると従業員に知覚されても、長期的に平均してみれば、それは公平になるはずであるという思いを喚起させるからです。このような考え方は実証研究によってある程度支持されています。手続き公平性が必ずしも配分結果と関係がない場合にでも有効であることも確かめられています。その理由としては、そもそも人は組織に参加するに際して、自分が尊厳されることを欲しているというものです。したがって、手続きの公平性を確保することによって、各人が組織にとって大切な人材であるということを示すだけでも、彼らは高い公平感を得ることができるのです。

一連の研究によって、配分公平性と手続き公平性の関係についても解明されつつあります。たとえば、もしも、配分公平性が低い場合、手続き公平性の確保が、従業員の職務態度を向上させる度外が高く、その反対に、手続き公平性が低い場合、配分公平性の確保が従業員の職務態度を向上させる度外が高い、といった具合です。