自己、感情、ムードと職務モチベーション

私たちは職場で働くためだけに生きているわけではありません。家族との関係、自分の趣味、将来の夢、といった様々な文脈の中で、自分自身が主役になりながら生活しているわけです。単に人間の認知メカニズムのみに焦点を絞るのではなく、そういった自己の理解において職務モチベーションを考えるということも必要です。

その中では、特に感情とかムードが重要な役割を果たしていると考えられています。それは、自己のイメージに大きく影響します。感情やムードは、個人のパーソナリティと個人の置かれる環境の両方の要因によって起こります。ある重要な出来事が強い感情的な経験を起こしたり、もとからポジティブなムードを維持する性格であったり、グループや企業としてある一定のムードを共有していたりするわけです。

こういった感情やムードは、個人が職業選択を行ったり、自分の選択したものに力をそそいだりする過程に影響を与えます。ポジティブな感情やムードはより肯定的な自己概念を発達させ、チャレンジングな仕事を選んだり、それに向かって努力をしたりする原因となります。

さらに、選択だけでなく、日常の仕事を遂行していくうえでも、感情やムードは重要な働きを担っています。たとえばポジティブな感情やムードは、自分自身が目標に向かってより進歩しているという感覚を生じさせ、より高いパフォーマンスに向けた努力の源となります。