プロフェッショナルとマネージャー

プロフェッショナルは、属人的な知識やスキルによって高度な技術やサービスを提供していこうとする者であるのにたいし、ビューロクラシーは専門的分業による組織化によって技術やサービスの提供の効率性を上げていこうとするものである。この2つは、基本的に葛藤の関係にあるといわれている。かみ砕いて言えば、いわゆるプロとして企業組織に属する、「企業内プロフェッショナル」と、彼らをマネジメントする側である経営陣やシニアマネージャーとの間には、葛藤が生じることが多いというのである。

その理由としては、マネージャーは、組織の側に立って、組織の利益を優先するべきである立場なのに対し、プロフェッショナルは、どちらかといえば自分の職業に忠誠が深く、プロフェッショナルとしての職業倫理基準に従おうとするためである。企業の利益を第一に考える人々と、職業そのものの発展や忠誠を優先する人々との葛藤である。

Bacharachらの研究者は、以下の表に示されるような、プロフェッショナルとマネージャーのそれぞれの立場が好む戦略のあり方の対比を示した。

マネージャーが好む戦略 プロフェッショナルが好む戦略
相互依存的なタスクデザイン 自己完結型タスクデザイン
短期訓練、社内OJT、限定的教育 長期的、外部機関による訓練、全体的教育
組織内階層を昇るキャリアデザイン プロとしての職業階層を昇るキャリアデザイン
組織的なプロジェクトを基軸 プロとしての専門分野を基軸
本人のプロジェクトの選択の余地の限定 本人の関心と職業への貢献に基づく完全なプロジェクト選択
権威権力の維持、コントロールと指示に基づくマネジメント 学会などの影響やアドバイス、イデオロギー
結果よりも手段を細かく規定する 手段と結果を出すための参画と自律
監視監督 一般的な管理のみ、職業基準からの評価

文献

Bacharach, S. B., Bamberger, P., & Conley, S. C. (1991). Negotiating the "see-saw" of managerial strategy. In P. S., Tolbert & S. R., Barley (Eds.), Research in the Sociology of Organizations, 8, 217-238. Greenwich, CT: JAI Press.