公共財ジレンマと協調行動

社会ジレンマとは

  • 個人の利益の最大化と、グループの利益の最大化のどちらかを選択しなければならない状況(どちらかを選べばどちらかを犠牲にする)
  • グループにおいて、グループの目標を達成するために協力するか、自分の目標を達成する為に非協力的な行動をとるかの選択に関係している
  • チームワークに関する問題点をよく表している

公共財(パブリック・グッズ)とは

  • 公共財とは、一度形成されると、誰もが利用できるモノやサービスであるとする
  • グループのメンバーが協力して作り上げるなにかに喩えることができる
  • グループ全体の報酬をメンバーに均等に分ける場合、グループ報酬は公共財と似た性質を持つ

フリーライディングと公共財ジレンマ

  • フリーライディングは、自分は公共財の形成に対して協力はせず、できあがった公共財を利用する行為である
  • フリーライディングは、個人の利益の追求という視点からみた場合、他のメンバーが公共財の形成に貢献するかぎりにおいて、もっとも経済的で利益の高い選択である。
  • しかし、他のメンバーも、フリーライディングを志向した場合、だれも公共財の形成に貢献しなくなるため、ペイオフはゼロとなる
  • また、自分が公共財の形成に貢献したにもかかわらず、他の人が貢献せずに利益だけ享受する場合は避けたい
  • このような状況において、公共財の形成に貢献するべきか、しないべきかの選択が公共財ジレンマである
  • 皆が公共財の形成に協力すれば、利益は高まるし、皆が公共財の形成に協力しなければ、利益はゼロとなる。自己利益の追求という視点から見ると、多くの場合協力しないことになってしまう
  • 上記の例は、チームワークがうまく働かず、チームが崩壊する状況と似ている

公共財ジレンマにおいて協調を促す条件

  • コミュニケーション:特に、フェイス・トゥー・フェイスによるコミュニケーションは、公共財ジレンマを防ぐのに有効である
  • グループ・アイデンティティ:メンバーがグループに対して一体感を持っていること、あるいはメンバー同士が一体感を持っていること、そうすることによって、共通の目標を達成することへの価値観が醸成される
  • 自分の重要性:公共財ジレンマにおいて、自分の行動がメンバーのペイオフに大きな影響を与える場合、例えば、自分がある閾値にいる場合。自分が協力することがきっかけとなってグループ全員に利益がもたらされる場合と、自分が協力しないことによって、グループメンバーのペイオフがゼロになってしまうかの分かれ目に自分がいるという知覚。自分の行動だけでは、メンバーのペイオフに大きな影響を与えない場合はそうでない
  • 覚え書き、念書:法的な効力はなくても、自分がグループに協力するというなんらかの念書をとっておくこと
  • 可視性:自分の行動と、グループの公共財に対する貢献度が、自分や他からもよく見えること、自分の行動と公共財への貢献度が曖昧な場合は効果が薄れる
  • 説明責任:自分が行動したことに対する説明をしなければならない状況

公共財ジレンマにおける個人差

  • 公共財ジレンマ状況で協調行動をとるか、非協調行動をとるかには個人差がある
  • 競争的な性格:競争的であって、協同的でない性格の人は、協力しない傾向がある、逆に、協調的な性格の人ほど、協調行動をしやすい
  • 集団主義、個人主義:個人主義のほうが、自己の利益を優先する傾向が強いため、非協調的な行動をとりやすい、いっぽう集団主義の場合は、個人よりも集団の利益を優先させる特質があるため、協調的行動をとりやすい