チームはどのように発展していくのか

Gersickのグループ発展モデル"Punctuated Equilibrium Model"

近年では、プロジェクトチーム、組織横断チームなど、個人よりもグループやチームでの活動、またチームワークなどを重視するトレンドがあります。そこで、今回は、チームがどのように発展していくのかについての1つのモデルを紹介します。

チームの発展に関するもっとも古典的なモデルは、Tuckmanのステージモデルです。これは、チーム(グループ)は、いくつかのステージを踏みながら発展していくというものです。そのステージとは、(1)Forming (2)Storming (3)Norming (4)Performingです。つまり、最初は、チームそのものが組成される過程があり、次に訪れるのが、ある種の混乱です。各メンバーがどのように行動すればよいのかの戸惑いなどが含まれます。そして第三段階でチーム内に一定の行動規範が形成されてきて、第四段階で、チームとしての活動が円滑に進むようになり、高い業績が出せるようになる、という感じです。

Tuckmanの発展モデルは、チームが一定のステージを経ながら徐々に発展していくというものでしたが、Gersickから見ると、それは実際のチームで起こっていることを的確に反映していないのではないかという疑問がありました。そこで、彼女が様々なチームを観察した結果の発見を基にしたのが、Punctuated Equiliblium Modelです。このモデルは、チームメンバー間で共有している時間概念が、ある種のペースメーカーとしての役割を果たし、それがチームの発展に影響するというものです。

彼女の大きな発見は、第一に、チームというのは、実際にはいくつかのステージを段階的に踏んで発展していくものではない、ということです。次に、どんな期間のチームを見ても、例えば1、2日のグループワークから、一週間、数ヶ月、一年など、を見ても、たいてい、チ
ームのライフサイクルのおよそ半分のところで大きな変化が訪れる、ということです。つまり、彼女のモデルによると、チームは最初の段階、例えばファーストミーティングあたりで、大体の大枠が出来上り、それ以降、あまり変化を見せないのです。しかし、チームの終わりからさかのぼって半分の地点までくると、そこでそれまで蓄積されてきた経験、方向性による疑問、このままでよいのか、などの問題がいろいろ出てきて、チームの様子が大きく変わります。そして、そこで起こった変化はまたチームの最後まであまり変わらず推移する、というものです。こういった特徴が、いろいろなチームで観察されました。

このモデルでは、時間という概念が重要な役割を果たします。メンバーは、チームのライフサイクルを考え、締切りを気にしており、ちょうど締切りまで半分のところまで来たときに大きく軌道修正しようとする現象が起こるわけです。

このモデルは、例えば外部コンサルタントなどがいつチームの変革に介入するべきかどうかに教訓を与えます。つまり、チームの最初の段階か、ライフサイクルの中間あたりが、介入にもっとも適している、ということです。逆に、それ以外の時期に介入すると、メンバーからの抵抗が予想されます。ある程度、慣性の法則に乗っかって動いているからです。

また、プロジェクトチームのマネージャやプロジェクトマネジメントなどにも重要な示唆を与えるでしょう。チームのライフサイクルをどのように設定したらよいか、そのライフサイクルの中で、いつ、どんな行動をしたらよいのか、などを考える際の一つのフレームワークになると思います。

参考

Gersick, CJG (1988). Time and transition in work teams: Toward a new model of group development. Academy of Management Journal, 31, 9-41.