「理論」とは何か

 

なぜ理論が必要なのか

  • 理論は世界を理解するための道具である。
  • 理論がないと、世界はあまりに複雑に見える。理論によって、その複雑性を低減することができる。複雑な世界から、意味のある情報をうまくまとめて、その関係性を表現するというわけだ。そうすることが、世界を理解するのに役立つ

理論とは何か

  • 理論とは、世界、現象に関する命題や仮説が論理的に結びついたものである。
  • 命題や、仮説は、概念や変数の結びつきによって表現される
  • つまり、理論とは、概念や変数(意味のある情報のまとまり)の関係性、つながりによって成り立つものである。単独の概念や変数では理論は作れない。必ず複数の概念なり変数が含まれているはずである。

理論の役割

  • 概念や変数がつながっているだけでは、理論としての役割を果たしているとは言えない。
  • 理論は、世界を説明したり、理解したりするためにある
  • 理論は、5W1Hに答えるものである
  • WHAT(どんな概念や変数が)HOW(どのように、どんな順序で結びついているのか)WHY(そして、そうなっているのは何故か)WHEN、WHERE、WHICH(そういったつながりを制限するのは何か、特定の場所?特定の時間?特定のもの?)

理論の発展

  • 理論は常に不完全である。なぜなら理論は証明できないからである。
  • 理論は間違っていることだけ、証明できる(反証)。つまり、例外が1つ見つかれば、その理論は完全でないことが証明できる
  • 理論は、よい理論にとって変わられることを前提としている
  • 前の理論に取って代わるべき、よい理論とは、5W1Hに新しい見解を与えるものである
  • WHAT(どんな新しい変数が加わったか)HOW(関係の順序や新しい変数の関係の仕方に変化があったか)WHEN、WHERE、WHICH(理論を制限する要素について、何か新しい発見があったか。理論の範囲を広げるものか、範囲を狭めるものか)WHY(理論の前提となっている世界観の変化に大きな影響を与えるものであるか)
  • 世界観あるいはパラダイムは、理論を組み立てる前提となる世界の見方である。これは証明も反証もできない類のものである、世界観が好ましいかそうでないかは、判断に委ねられる
  • その判断に影響を与える理論は、よい理論であるといえる

優れた理論とは

  • 理論が優れているか、そうでないか、何らかの基準によって判断する必要があろう
  • その判断の基準となる要素がいくつかある
  • 論理的結合と簡潔性:理論は、命題や仮説が論理的に結びついているものであるが、この結びつきに用いられる論理が間違っている場合は、価値を持たない。論理的かどうかは最低限必要な要素である。また一般的に、同じ情報をもつ理論であったら、簡潔なほうがそうでないよりも良い。これは経済的な視点からも言えることである、何も同じことをいうのに長々とした理論にする必要はない
  • 反証可能性:理論は、反証によってのみ、それが適切かどうか判断できる。なぜなら理論は証明できないからである。ということは、反証できないような命題や仮説は、理論が適切かどうか判断するための手段を講じることができないので、よくない。よい理論は、常に反証できる余地を残しておきながら、依然として反証できていない理論をいう。しかし、いつでも反証される可能性を維持しているわけである
  • 現象・世界の理解:理論は、われわれが現象や世界を理解することに寄与しなければならない。これは理論の役割、存在意義からして当然にことである。そもそも世界を理解する為に理論があるのだから
  • 実用性:理論も、世界や現象を理解するだけではなく、理論に含まれている概念や変数をわれわれが操作することによって、われわれにとって好ましい結果をもたらすこともある程度期待される。そうすることによって、理論が具体的な形でわれわれの生活に役立つことになる
  • 実用性のみが、理論の良否を判断する基準となってはいけない。なぜなら、実用性は、われわれが概念や変数を操作できることを前提としている。となると、操作できない変数を含む理論はあまり実用的でないがために、悪い理論となってしまう。それは好ましくない
  • 予測性:理論は、世界や現象をある程度予測できることが望ましい。理論を用いて世界を理解するということは、なんらかの概念、変数が変化すれば、べつの概念、変数がどう変化するかが分かることでもある。したがって、あるていど世界を予測できるようになるはずである