信頼に影響を与える関係性

浅い依存関係

  • 信頼者が被信頼者に依存している関係であるが、依存度は比較的浅い
  • 信頼者にとっての結果は、被信頼者の行動などによって決まる
  • 信頼者にとっては、被信頼者の行動が安定していない、不確実であることによるリスクを伴う(自分の思ったように行動してくれないリスク)
  • 信頼者にとっては、被信頼者と重要な情報を共有できないリスクがある(相手のことがよくわからない可能性がある)
  • 価格を用いる関係性(相手に価格を提示して、売買を決めてもらうような関係)と、情報の非対称性や信頼性の面で類似している
  • 信頼するかどうかのポイント:相手の行動に一貫性があるかどうか、情報の非対称性が少なく、相手と重要な情報が共有できるか
  • 信頼形成に貢献する要素:抑止力の存在(裏切りに対する報復措置の利用可能性)

浅い相互依存関係

  • 信頼者と被信頼者は相互依存の関係にあるが、相互依存度は比較的浅い
  • 信頼者は、浅い依存関係と同様のリスクを負う
  • さらに、両者のコーディネーションがうまくいかないために、結果が悪くなるリスクも伴う
  • 個人と個人の対等の関係に類似している
  • 信頼するかどうかのポイント:行動の一貫性、行動の予測可能性
  • 信頼形成に貢献する要素:信頼するに足る新しい情報を発見できるかどうか

深い依存関係

  • 信頼者が被信頼者に依存している関係で、依存度が深い
  • 被信頼者の行動が、信頼者の知るところでない、遠いところで行なわれる場合が多い
  • 浅い依存関係に加え、信頼者が被信頼者を監視することができないので、不正を働かされるかもしれないというリスクがある
  • また、信頼者の真の要望や利益を軽視されたり、無視されたりするリスクもある
  • 信頼者が物事の結果をコントロールできないため、運命に身を任せるような状況に陥ることもある
  • 権威に基づく社会的階層関係(高い社会的地位の人と低い社会的地位の人との関係)に類似している
  • 信頼するかどうかのポイント:相手の誠実性、気遣い、慈悲の精神があるかどうか
  • 信頼形成に貢献する要素:義務感や責任感を重視する環境にあるかどうか

深い相互依存関係

  • 信頼者と被信頼者は相互依存の関係にあり、相互依存度が深い
  • お互いのコミュニケーションが重要な役割を果たすが、必ずしも常に効果的なコミュニケーションが行なわれるとは限らない
  • コミュニケーションのまずさによる、予測の不確実性というリスクもある(要望が相手にうまく伝わらないことに基づく行動の不確実性)
  • 血縁関係のような深い相互的関係に類似している
  • 信頼するかどうかのポイント:将来の予測、直観的判断、相手と共感できているか
  • 信頼形成に貢献するポイント:相手の信念や思いを本人の内なるものに同化させることができるか
 

文献

Sheppard, B. H., & Sherman, D. M. (1998). The grammars of trust: A model and general implications. Academy of Management Review, 23 (3), 422-437.