平成 11年 (1999) 2月26日[金] 大安

主張 芽生えた正常化の灯守ろう


【広島の教育】
 「国旗・国歌」問題などで正常化に向けて動き出した広島県の教育界で、また元の異常な状態に戻そうとする動きが起きている。三月の卒業式を前に、君が代斉唱に反対したり、教育長の不信任を求めたりする動きである。せっかく広島に芽生えた正常化の灯を消してはならない。

 「広島の教育」をめぐっては、国旗・国歌を否定した元教育長文書のほか、道徳の授業の不実施や指導要録の未記入、校長と教職員組合の人事念書など“組合支配”ともいえる異常な実態が明らかになり、昨年、文部省による異例の現地調査が行われた。

 同県教育委員会も本腰を入れて教育正常化に取り組み、今春の卒業・入学式に向けては、国旗掲揚・国歌斉唱の通達を職務命令として出すなど例年にない強い指導を行っている。県PTA連合会など保護者三団体も立ち上がり、二十四日には、「広島県の教育を考える国会議員の会」(谷川和穂会長)も発足した。

 しかし、学校現場では、各地区で校長が教職員組合などから会合に呼ばれ、卒業式での君が代斉唱にブレーキをかけるような要請が行われているという。これに屈した校長らが「君が代の歌詞は身分差別につながる」とする“抗議文”を県教委に出した地区もある。だが、県教委の回答文にあるように、現行憲法は天皇を日本国及び日本国民の統合の象徴と定め、「君が代」はその天皇を持つ日本の繁栄を願った歌である。憲法の主権在民の理念に違反しないし、差別につながるものでもない。

 学習指導要領は卒業・入学式での国旗掲揚と国歌斉唱の指導を義務づけている。学校経営に最終的な責任を負うのは校長であり、組合などからの呼び出しに応じる必要はない。自分の判断で自信を持って、指導要領に沿った学校行事を行うべきである。

 教職員組合は現教育長の不信任署名を集めている。「私たちの任命権者である教育長たる資格はない」(広島県高校教職員組合)、「広島の教育を守るため不信任の意を表明する」(広島県教職員組合)というのだ。現教育長は前教育長が敷いた路線を踏襲し、広島の教育正常化の行政指導にあたっている。どこが教育長失格なのか。真に、広島の教育を守ろうとしているのは誰か。心ある教員は、こんな理不尽な署名運動に耳を貸すべきではない。

 “組合教育”の結果、国旗も国歌も知らずに社会へ出て困るのは子供たちである。組合側も自分たちの過去を謙虚に反省し、広島の子供たちの将来のことを考えてほしいものだ。


99.02.27

40校が国歌斉唱 広島県立高校の卒業式


 3月1日に卒業式を行う広島県内の全日制県立高校(分校含む)91校のうち、40校の式次第に国歌斉唱が盛り込まれたことが26日までの県教委の調査で分かった。
 学習指導要領を逸脱した教育が行われているとして文部省が是正指導した広島県では、辰野裕一・県教育長が今月23日、各県立学校長に卒業式・入学式での国旗掲揚と国歌斉唱を「職務命令」として指示。
 多くの学校では、実施を目指す校長と「君が代の歌詞に問題がある」として反対する教職員組合などとの話し合いが連日、深夜まで続いている。
 26日の県議会文教委員会では、平田嘉三・県教育委員長が「卒業式での国旗国歌の指導は学習指導要領に記載されており、必ず実施しなければならない。教育委員会として総力を挙げる」と異例の決意表明を行った。
 一方、社民党県連合や共産党県委員会などの代表は同日、県教委を訪れ、辰野教育長の職務命令撤回を求めた。


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