「根は同じ教師」の信頼感は大切に


 文部省,教育委員会の行政解釈は,かねがね職員会議を補助機関とする立場をとっており,学校管理規則で諮問機関めいた位置付けをしている場合も,教育委員会の公式見解としては補助機関とするのが通例である.
 近年の判例でも,職員会議は法令上の根拠があるものではなく,また,校務の運営について最終決定をする権限も有しておらず,校長はその職務を行うに当たって職員会議の意見を尊重すべきであるが,これに拘束されるべきものということはできない,とするものが大方である(例えば平成8年2月22日 大阪地裁).
 法律論としては,長らく続いた学校運営における職員会議の位置付け,つまり校長と職員会議の権限関係について一応の結論が出たようである.その意味で,東京都教育委員会が学校管理規則を改正して職員会議を校長の補助機関として明定しようというのは,むしろ当然の成り行きといえよう.
 もっとも,職員会議は,校長・教頭をはじめ,主任層もその他の教員も「根は同じ教師」であり,こと教育に関わる問題なら,同じ土俵で「教育の論理」に添って話し合えば,何とか話しがつくという,いわば「教育の専門家」同士の信頼感を背景に,学校慣行として学校運営に大きな役割を果たしてきた.この事実はこれからも大切にしてほしい.
 なお先の検討委員会は,具体的に学校予算の使途や校内人事についても校長主導で決定できるように通達し,さらに@必要な教師を他校からヘッドハンティングしてもよい,Aボランティア活動などの特色ある事業を校内で進めるため,予算の増額を求めることも可能にする,などの提言を行っている.
 また,検討委員会では,校長でさえ自校の授業を参観できないこともある学校の閉鎖性を問題にし,新たに「学校運営連絡協議会」の設置を促している.協議会は保護者や地域の人々で構成され,授業内容の公開を通じて問題点を指摘してもらったり,学校運営に意見を提言してもらったりして,学校を評価する.
 「校長が変れば,学校が変わる」というのは,高等学校にも当てはまることになりそうだ.


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