最近の三重の教育事情

Sさんより情報提供


平成12年3月17日付伊勢新聞
県議会行革調査特別委
【県同和教育研究協議会】

 芝博一議員(県政会)は同協会への県の補助について、文部省が教育研究団体への助成廃止を決め、各都道府県に通達を出す中、同協議会だけを助成対象に残した理由を質問。
 中林教育長は「文部省は文部省の考えでなくしたが、県では同協会を今後の同和教育の振興に必要な団体と考え残した」と説明した。12年度は一千百万円を助成するという。
 さらに芝委員は、同協議会の事務局職員は研修として派遣されている教職員が移めており、在職期間が9年間が1人、6年間が1人、2年から5年までが5人と、長期にわたっていることを指摘。これに対し中林教育長は「確かに研修は長期で1年と決まっている。厳密な意味での法違反ではないが、私も見直すべきだと思う」と答えた。
 芝委員は「同和教育は重要だが、同協議会の組織の在り方や特別扱い的な補助金の助成は、県民に対して説明がつかない」と改善を求めた。橋川委員長も「組織などについて綿密に調査し、報告してほしい」と要求し、中林教育長は了承した。


  平成12年3月17日付産経新聞
県議会行革調査特別委
県教職員への不正給与
県、実態調査し報告へ
4カ月かけ会計検査院に
 県教委に対して会計検査院が二月二十八日から三月三日までの日程で会計検査に入ったことにからみ、中林正彦教育長は十六日開かれた県議会行政改革調査特別委員会で、「会計検査院としても教職員の給与が国庫負担金の対象額でもあるので、引き続き調査、検討するとともに、三重県の実態調査結果の報告を待つーとの講評をいただいた」と報告した。
 期間中、担当六人が財務内容などをチェック。
平成十年七月に続く通常の会計検査で、前回は国費の不正流用などが発覚している。
 中林教育長の報告によると会計検査院は、勤務時間中の県教職員組合(三教組)活動にかかわる県教委の調査で、年次有給休暇など所要の手続きをとらず、給与を受けながら組合活動をしていた教職員が多数見られ、正規の勤務をしない時間についても給与が支払われている状況があることを認識。義務教育諸学校の教職員の給与については国が原則として2分の1を負担しており、この問題は国庫負担金の対象額にかかわるものであるので、会計検査院として今後も引き続き調査検討するーという。さらに県教委の調査結果報告も待つ−という。
 県教委としては約4力月かけ、同調査をまとめ、不正給与額などを算出し、その後、会計検査院に報告するとした。
 この日の県教委にかかわる審議では県教委が、組織機構・定員の見直し▽開かれた学校づくり▽職員の身分・勤務体制の見直し−など31項目にわたる県教育行政システム改革の進ちょく状況を説明。学校評議員設置要綱の前倒し制定など12項目がすでに実施ずみ−と報告した。
 しかし、委員の間からは校長をサポートし助言し、各校の管理者としての地位を確立させるための学校評議制度などで質疑が相次ぎ、この日で終了予定だった同委員会を5月臨時議会の役員改選までの間に、引き続き開催して審議していくことを決めた。
 また、浜田耕司委員(自民)は同改革に関して県教育委員としての対応をただし、作野史朗県教育委員長は「学校はともすれば閉鎖的になる社会で、県教育行政システム改革は意義深いこと。教育委員会としても改革を見守りたい」とした。
 岩名秀樹委員(自民)は、「県教委の改革への態度は、慇懃(いんぎん)無礼で、上手に言い訳をするが、その場しのぎ(の答弁や対応)で、上っ面だけの改革にしかみえない。県民はもっと真剣な議論を求めている」と手厳しく批判した。
 松田直久委員(県政会)も「学習者起点の教職員の意識改革というが、この間の改革は現場の教職員にとっては、なにかテレビをみているような(他人事の)改革にすぎないのではないか」と批判。
 中林教育長は「確かに今は(県教委側から教職員側への)一方通行の働きかけだが、今後は教職員自身にさまぎまなことを考えてもらい、意識改革をはかってもらうよう努力する」と述べていた。


祖国と青年 (前回はこちら

三重の教育正常化運動はいま(中)
日教組王国・三重県に教育は蘇るか。

 皇學館大學助教授 新田 均
情報提供Sさん:平成12年3月18日のメール


 祖国と青年12年3月号

自民党県議団と
三教組幹部との対決

 平成12年12月14日、自民党三重県議団と三教組幹部との意見交換会が内々で開かれた。この意見交換会の開催については「波動21」の勉強会で私たちも予告されており、一部の人々の間では「自民党は三教組と妥協するつもりではないのか」との不安もささやかれていた。しかし、これは杷憂にすぎなかった。自民党県議団の岩名秀樹幹事長(四日市市選出)、山本教和政調会長(志摩郡選出)、橋川すきや行政改革調査特別委員会委員長(度会郡選出)らの教育改革にかける決意は並々ならぬもので、その追求は厳しく、三教組幹部はタジタジだったらしい。漏れ聞いたその内容をまとめれば次のようである。

  1.  自民党側は、政治的行為の制限を定めた地方公務員法を引用して、公立学校の教職員が選挙活動をおこなっている事実について三教組の考えを質した。これに対して、三教組幹部は「選挙活動は教師の立場ではできないが一般市民の立場ではできる」と答えた。そこで 「学校の教師という看板をかかげて活動しないと約束できるのか」と追及されると、「完全にやめるわけにはいかない」と開き直ったらしい。この点に関して、ある議員からは「ある教師は右に子ども達の父母の名簿、左に三教組が推す候補者のポスターを置いて、その家庭に電話をかけるという活動をさせられた。それを断れなかったのは、やらなければ村八分にされるからだった」という生々しい現場の報告まであったという。
  2.  組合幹部は、松浦論文で指摘された「オール開示」 や「不正出張」などの事実を全面的に認め、是正に努めていると回答した。その上、松浦論文で指摘された楠町立楠中学校の道徳の時間における偏向教育についても、その内容が偏ったものであることを認めた上で、「すべての公立中学においてそのような授業が行われているわけではない」と弁解したらしい(ところが、この中学の授業は、三重県を代表する模範授業として、平成10年1月の日教組の全国教研で発表されたようである)。
  3.  国旗の掲揚・国歌の斉唱について、組合幹部は「法律ができる前とは違う」と答えた。「それなら、積極的に行うように組合としても通知を出してはどうか」という大胆な提案に対して、「とにかく、今後の実績を見て欲しい」とかろうじて答えている。
  4.  松浦氏や私の言論活動について、三教組が皇學館大學に圧力をかけているのではないかという追及に対して、三教組幹部は「そんなバカなことはしていない。この前東京からも問い合わせがあったが、そんなバカなことはしていないと答えた」と言いつつ、あわてて 「ただし、皇學館大学卒業生の教員が、そのような手紙を書くと言っていたことは知っている」と付け加えたそうだ。組合ではなく、“皇撃館の卒業生の教員が自分の判断でやったこと”と言いたかったらしい。

 この自民党と三教組との意見交換会以降、教育正常化運動の舞台はいよいよ県議会へと移り、様々な問題が噴出し、色々な事件が勃発することとなる。それを一挙に述べるわけにはいかないので、とりあえず、一番展開の激しかった勤務時間中の組合活動を正す動きにしぼって述べていきたい。

教育警察常任委員会と
第二回代表者会議

 中林県教育長が11月24日に勤務時間中の組合活動を戒める通知を出したことは既に述べたが、これは私たちの予想を遥かに越えた効力を発揮した。この日以来、勤務時間中に組合活動を行う教師は年休をとるようになり、四日市市では3学期から時間割を組み替えるという異例の措置をとってまで組合執行委員の授業時間を増加させた。勤務時間中の不正な組合活動は姿を消し、222人という大量の先生が子ども達のいる現場へと復帰したのである。
 このような状況の中で、12月15日に県議会教育警察常任委員会が開かれた。この委員会で、浜田耕司県議が「教育長も勤務時間内の組合活動があったことを認めている。
 県はカラ出張の裏金を
OBも含めて返還したが、組合活動によるヤミ手当ともいえる不当な給与を返還させる考えはないのか」と質した。これに対して、中林県教育長は「それも含めて学校管理に関する代表者会議で検討していただくが、一般論として法に照らせば、不当利益は(返還して)けじめをつけるべきだと考える」と述べて、単に過去の真実を調査するばかりでなく、不正給与の返還も視野に入れていることをはじめて明らかにした。
 また、この日の夕方に開かれた第2回の「学校管理に関する代表者会議」(以下「代表者会議」略す)では、勤務時間に関する実態調査を「個人申告」形式とし、学校長などの所属長が「聴き取り」を行うことなどを決めた。そして調査対象事項は、今回はとりあえず、勤務時間内の組合活動の総時間数だけに限定することになった。

史上初の「決算」継続審査

 12月16日に開かれた県議会予算決算特別委員会では県教委の勤務実態調査が終わっていないことを理由に、平成10年度の三重県歳入歳出決算を「継続審査」とした。戦後の三重県議会史上はじめての出来事である。
 この件について、自民党県議団は当初「不認定」に持ち込む決意だったようだが、県政会(旧新進党系)との話し合いのすえ、結局、継続審査ということになったらしい。
 しかし、結果的には県教委にとって「不認定」よりも「継続審査」の方が厳しい選択となったのではないか、というのが自民党県議団の見方のようだ。何故なら、継続審査の期限である2月中旬ころまでに不正給与の究明を行わねばならず、その上で「不認定」となれば正に「傷口に塩」という結果になってしまうというのである。
 明けて平成12年1月20日、再び予算決算特別委員会が開かれたが、県教委の勤務実態調査が終了しておらず、改善策も示されていないことから、再び「継続審査」となった。
 2月16日、三たび予算決算特別委員会が開かれた。この日の委員会でも、自民党県議団と共産党県議団が、いまだ県教委の調査結果がまとまっておらず、対応策も示されていないことを理由として、さらに「継続審査」とすることを主張したが、これに対して、県政会と県民連合(社民党・三教組系)が、県教委関係費以外は審査を終えているとして、教育費だけを分割して継続審査とすることを主張して対立した。そして、採決の結果、教育費を除いた決算を認定するという、これまた県政史上初の「部分認定」となった。このまま行けば、県教委の決算は「不認定」となる、という見方が新聞などで伝えられている。

住民監査請求の衝撃

 県議会が決算の継続審査をはじめて決定した12月16日、同一の問題について住民監査請求が提出された。市民団体「三重の教育を正す会」代表の山野世志満氏ら3人が、県監査委員に対して、公立学校教職員の勤務時間中の組合活動は不正な給与の受け取りに当たるとして、年間約8〜10億円の給与の返還を求める請求を提出したのである。
 12月28日、県監査委員は、この請求を却下したが、却下理由は、山野氏らの請求が「住民監査請求」の要件を満たしていないというものであった。住民監査請求の場合には、どの職員の、どのような行為に関する、どの機関の支出行為が、違法もしくは不当な公金の支出にあたるのかを具体的に特定しなければならず、単に監査のきっかけとなる程度に特定するだけでは不十分だ、というのである。簡単に言えば、教員個人、その具体的行為、そしてそれに対する不当な給与の支出の事実、さらにその支出を行った機関を特定しろ、というのである。残念な結果ではあったが、この経験は、後に広島の市民団体によって活かされることになる。

1万5千人に対する実態調査

12月17日の行政改革調査特別委員会において、芝博一県議(県政会・鈴鹿市選出)の質問に対し、中村正昭県教育次長は「文部省に出向き、勤務時間管理や国旗・国歌への対応の事情を説明をした」事実を明らかにした。これについて芝県議は、文部省の直接介入の有無に関係なく、県教委として自主的に、文部省が広島県教委に対して行った指導項目について検討する意思があるのかどうかを質した。これに対して、中林県教育長は「12月20日に県教委内にプロジェクトチームをつくり、そこで検討していく」と答えた。12月20日、そのプロジェクトチームが結成された。「学校運営改革担当」という名称で、勤務評定制度、勤務時間管理、主任制のあり方、職員会議の位置付け、校長権限の再確認などを検討し改善することを使命とするものである。
 同日、勤務時間内の組合活動の実態調査を開始するにあたって管理職の意思疎通をはかるために、中林県教育長は、県内69市町村の教育長と小中学校長ら約7百人を久居市の市民会館に集めた。また、県立高校長ら約70人は津市内に集められた。寒風吹きすさぶなか全県下の教育長・公立学校長が召集されたことだけでも画期的であるが、そこでは、全県下の公立学校の教職員と
OBに対して、勤務時間中の組合活動の実態を「過去3年にさかのぼって調査する」ことが通知された。
 この調査の開始を、各学校長は沈痛な面もちで、職員会議の場で報告したという。ほとんどの学校では、シンと静まりかえったまま職員会議が終わり、あたかも大政奉還を告げられた時の幕臣たちのようなありさまだったという。

調査の進展と変わりゆく現場

 三重県で実態調査が開始されて間もない12月29日、広島県教委は、「破り年休」問題で、勤務時間中の組合活動の自己申告を求めた職務命令に従わなかった教職員1311人を戒告処分とした。この処分が三重県の調査の進展にどのような影響を与えたのかは定かでないが、現場では「広島のようにはなりたくない」という悲鳴に近い声が聞かれたという。年が明けた平成12年1月14日の「代表者会議」において、中村県教育次長は調査の進捗状況について「予想以上に先生方が協力的」と報告している。
 1月24日に開かれた行政改革調査特別委員会で、芝県議は「三重県に会計検査院が来るのが遅れているのは、不正出張の調査が完了するのを待っているためだという噂を聞いているがどうか」と質した。これについて、中林県教育長は「1月6日に来る予定だったが、2月28日になったと聞いている」と答えた。芝県議がさらに「来たら調査結果を見せるのか」と追及したのに対し、教育長は「当然伝えます」と答えた。会計検査院の来県が遅れた理由は明らかにされなかったが、とにかく“県教委の調査結果がまとまる時期に会計検査院がやってくる”ということは現実のものとなった。
 ちなみに、「衆議院決算行政監視委員会」に不正給与の支出に対する苦情を申し立てていた複数の市民の下へ、1月27日付けで、同委員長中村正三郎氏の名で

「過日受け付けました苦情は、包括的に国政に反映される資料として、決算行政監視委員会理事会に報告されました」

という文書が届けられている。
 このころから、インターネット上で、現場の混乱を伝える情報が乱れとぶようになった。松浦、新田、自民党県議などを名指しで攻撃するものあり、三教組幹部のふがいなさを非難するものあり、こんなことになったのも三教組が「ぐるみ選挙」を押しっけてきたからだと嘆くものあり。
 三教組幹部を非難する記事には「三教組幹部の恥ずかしい 『全面屈伏』」との見出しがつけられ、「今の三教組幹部には、もう闘争を組織する智恵も経験も持ち合わせていないと言わざるを得ません」「『大変だ、大変だ』としか言えず今頃、付け焼き刃的にやっと支部長らを集めて『自由主義史観の学習会』をして取り繕って、下部組合員からの批判をかわそうとしています」などと書かれていた。
 また、1月28日付けの『三重タイムズ』は、以前は勤務時間中の組合活動に対して肯定的な発言をしていた三教組支部や学校長が「世論の風向きが自分たちに不利と分かると手のひらを返すように態度が豹変し」、反省の弁を口にするようになったと伝えている。
 さて、1月27日に開かれた「代表者会議」において、中村県教育次長は、不正勤務時間の集計はまだなされていないが、実態として不正勤務があることが分かったので「今後は、その責任の所在と返還方法を検討していく」と述べた。この三重県の動きと連動してでもいるかのように、2月8日、広島県では「教育の正常化をめざす市民オンブズマンの会」によって「破り年休」問題に関して“教員個人を特定した”住民監査請求が提出された。さらに、2月10日、広島県教委は、勤務時間中の組合活動が特定できた教職員2個人に給与返還を求めるとともに、勤務時間中の組合活動を認めた1370人を口頭による厳重注意処分とした。
 ことここに至って、これまでどちらかといえば、中林県教育長や三教組の主体的対応に任せている感のあった北川正恭三重県知事も、積極的に発言するようになってきた。
 2月8日に行われた講演会で、「『この辺で許してもらえないか』とばかり動いていては全く解決にならない。(教育改革は)中途半端では絶対駄目」「この際全部出して、あるべき姿はこうだ、という決意が、学校の先生、校長先生、教委になければ、きっと不幸な目にあう」と、県教育事務所職員らにハッパをかけたのである。
 2月21日に調査結果が公表され、2月28日には会計検査院が来県し、3月2日には県議会本会議が開かれる。自民党関係者によれば、三重県議団は、この3月の県議会で教育改革の大勢を決する、という腹積もりのようだ。2月下旬から3月上旬にかけて、三重県の教育界は戦後史上初ともいえる大きな山場をむかえることになる(なお、こうした騒ぎの中で、年度末の人事異動に関する三重県教育界の長年の悪しき慣行であった「内々示」も、いつの間にか消えてしまったらしい)。


Sさんより: この記事は部落解放同盟と対立関係にある全解連の記事です
2000年3月15日 解放の道

三重県立松阪商業高校長自殺事件
“確認・糾弾路線から手をひけ”
真相解明へ「県民の会」が県教委と懇談


 【三重】「解同」の確認・糾弾会が続けられているなかで、学校長の自殺という傷ましい事件がおこった問題に対し、「三重県立松阪商業高校長自殺の真相を明らかにする県民の会」は2月27日に県教委と懇談をもちました。当初から「県民の会」は交渉を強く要求していましたが、県教委は交渉に難色を示し、懇談こいうかたちをとったものです。
 懇談会で県教委同教課は、表向きは遺族への気配りを装っていますが、自らの責任と良心の呵責の回避、他への責任の転嫁をはかるものに終始しました。また、あくまでも差別意識に固執し、「県民の会」との部落差別に対する認識・見解の相違が歴然とするものとなりました。とくに、運動団体と一体化した「糾弾学習会」行為の姿勢を崩しませんでした。
 懇談で、全解連本部から参加した村崎勝利副委員長は、文部省も法務省も特定団体の確認・糾弾を否定していることを指摘、「確認・糾弾路線から何を学ぶのか」と厳しく指弾しました。他の参加者らも、「同和行政・教育からも手をひくべきだ」と強調しました。
 懇談後、「県民の会」は県教育委員会委員長宛に公開質問状を提出し、記者会見もおこないました。なお、同月25日に県教委から回答が出されましたか、従来通りの姿勢でなんらまともな回答となっていません。
 すでにこの事件では、新聞各社が報道、
「週刊新潮」が、自殺の疑惑とともに「県民の会」の意向を反映させた記事を掲載し、反響を呼んでいます。
 「県民の会」では、校長自殺の真相を明らかにするためひきつづき奮闘していくことにしています。


(参考)
月刊 解放の道3月号より引用

福岡県同教への教諭派遣・人件費支出の違法をただし、同和教育をおわらせる住民監査請求・住民訴訟

     植山 光朗


1 研修規則、給与条例等に違反

一 全国初の住民監査請求

 福岡県教育委員会は、民間の研究団体である福岡県同和教育研究協議会(県同教)事務局に小・中学、高校から教諭13人を「長期研修」の名目で派遣し、人件費年間約1億数千万円を支出しています。教諭としての職務に従事しない13人に人件費を支出するのは適法・不当として、県内の元教師や弁護士、全解連福岡県連の役員など約70人が呼びかけ人になって、麻生渡福岡県知事を相手に、支出相当額の損害賠償をもとめる住民監査請求を3月に提起します。県同教事務局への教諭派遣の違法性を監査請求で争うのは全国ではじめてのケースです。
 県同教事務局への教諭派遣は全国的にみてもゼロの県が多く、派遣している県でも3人から5人程度。
多い県では、三重県の9人と熊本の8人です。そのなかで福岡県の13人はとびぬけており、部落解放同盟に屈服した「同和教育」行政の歪みがきわだっています。
 今回の住民監査請求・住民訴訟は学校の教師として本来の職務に専念しないのに、教育公務員としての給与(1人平均年額890万円)をもらっているのはおかしいとする、公費の不正支出をただすことが目的ですが、わたしたち全解連や福岡県人権共闘、福岡県同和教育研究会(自前で運営している民主的研究団体)にとっては、「同和」教育を終わらせることにあります。

二 校長も知らない県同教人事

 福岡県は、同和対策(加配)教員の配置数でも836人(99年度)と、兵庫県の443人のほぼ2倍、熊本県の104人の8倍も配置しています。県教委同和教育課はこのうち13人を「福岡県教育公務員の長期にわたる研修に関する規則」で「同和教育に関する研究業務に従事する」ことを名目に県同教事務局に派遣しています。教育公務員の長期研修の期間は、同規則では「1週間以上6カ月まで」となっていますが、県同教派遣の場合、平均で専従期間は4.4年、全国同和教育研究協議会会長を兼務する副会長は10年間という長さです。
 「県長期研修規則」は、教育公務員特例法第20条(研修の機会)2項(教員は授業に支障のない限り本属長一校長―の承認をうけて学校を離れて研修を行うことができる)を根拠法にしています。
 同規則によれば、研修員は「公募」し、研修の志望は「本人の志望に基づき」、「本属長(校長等)の承認」を必要とし、「研修員の費用の一部を補助することができる」としています。
 ところが派遣の経過を13人の在籍校のうち数校を訪問し、直接、校長と教頭に「実際のところ、どうなのですか」とただしてみました。校長らは異口同音に、県同教派遣教諭の人事は「すでに内示の段階で『その他』の別枠あつかいで、決まっている」「長期研修は校長の権限外のあつかい。
 誰を派遣するかは上(県教委、市教委)から下りてくる。校長推薦がひとり歩きしている」ということで共通していました。
 ある学校では、県同教教遣の教諭の籍はあるものの、1年間、まったく学校に顔をださず、卒業アルバムに名前も写真もないということでした。
 
市教委の説明では 「県同教への派遣は県からくる加配枠の中で操作される。たとえば4人派遣すれば別枠で4人の加配がくるシステム。だから手続上、市の推薦になっているが『事後承諾』が実態。この表向きのほかに、県同教や市同研からの推薦という裏ルートもあり、二本立てになっている」といいます。
 このように県同教派遣は「公募」もしなければ、当該校の校長も知らない、市町村教育委員会も県教委人事を「事後承諾」しているのが実態です。県同教派遣は、すべて規則に「例外」という異例の特別あつかい。教育現場ではまさに「同和」は聖域で侵すことも、批判することも、うわさをすることも憚られる状況です。そんな雰囲気が、残念ながら福岡県の教育界に存在しています。

三 法、条例違反の特別扱い

 13人は、県同教では会長、副会長、事務局長が「事務主査」、事務局次長と事務局員が「主任主事」と学校事務職の肩書きで研究業務に従事しています。学校事務職員には教育公務員特例法は適用されません。
 教特法第19、20条の「研修」は「児童の教育をつかさどる教諭は、憲法、教育基本法が定める教育目的や教育条理」にもとづき自主的な教育研究と人間的な修養を内容とするものです。学校事務員の研修は、地方公務員法第39条などで、任命権者の教育長が計画、実行する「勤務能力の発揮、増進」のための技術の習得で、双方の研修内容はまったく違うものです。
 13人は、教諭として本来の職務に従事せず、学校事務職として県同数の運営に従事し、給与は教諭として受給しています。
 そのうえ、長期研修規則では「研修員にはその費用の一部補助」ですが、給与は全額支給されています。住民監査請求は知事にたいし、このように法律、条例・規則に違反し、違法に支出された公費の損害賠償をもとめるのが、わたしたちの住民監査請求です。

2 県同教は 「解同」の実働部隊

一 研究業務は不透明

 県同教はどういう団体なのか。県教委は「法人格のない民間の研究団体」といいます。事務局派遣の13人は学校業務という一職務専念義務を免除され、同和教育に関する研究業務に従事することを命じられています。研究業務に従事することが13人の職務専念義務と県教委は説明しています。
 研究業務に従事している13人の業務内容を知るために福岡県情報公開条例をつかって出勤簿と業務日誌、旅行命令簿を開示請求しました。ところが、業務日誌は作成していないとして不存在。出勤簿は個人情報ということで非開示。出勤簿の管理場所、責任者もはっきりしません。唯一、開示できたのは旅行(出張)命令簿だけです。
 1人の教諭の旅行(出張)命令簿(96年10月から97年3月末までの半年間)をみると、旅行回数は81回、延べ日数は96日間です。土日、休日をのぞく勤務日数は半年間で109日ですからこの教諭の旅行率は81%で、週のうち4日は出張。事務局勤務はわずかに1日ということになります。
 同様に別の教諭の旅行 (出張) 命令簿で95年の1年間をみると147回、延べ日数は173日です。出張率72%。命令簿のなかには新年早々、同和地区のない岩手県盛岡市に「同和教育の情報収集」として5日問、出張という記載もあります。
 このように13人の出張業務は、軒並み「同和教育に関する研究業務」「同和教育に関する情報の収集」という項目が多く、そのほか解放教育研究大会、解放保育実行委員会、事務連結など、研究業務の実態が抽象的であいまいです。出張に関しては研究業務を命じた同和教育課も「そのいちいちは把握していない」ということですから、事実上、放任している状況にあります。

二 いい加減な研究成果の報告

 また、「県研修規則」の第9条では業績報告を義務づけています。これも情報公開で13人の研究業務の報告書を開示請求してみました。
 請求したのは96、97、98年度の3年分です。業務報告書はいずれも
A4判2枚に「研究主題」「研究の概要」「成果、課題」をまとめた簡単なものです。
 ある人の「研究成果」の報告は、3年間、まったく同じ内容でした。
 まず、96年度の研究成果の報告は、「自尊感情の高揚、自学自習の力の育成、地域の教育力を高めるを切口として授業創造、9年間のカリキュラムづくりを中学校区総体として進めることで、学力向上の展望をもつことの大切さが確認できた」というもの。97年度の同報告は「自尊感情の高揚、自学自習の力の育成、地域の教育力を高めるを切口として授業創造、9年間のカリキュラムづくりを中学校区総体として進めることで、学力向上につながることが確認できた」で、98年度のそれは「自尊感情の高揚、自学自習の力の育成、地域の教育力を高めるを切口として授業創造、学校改革、人権のまちづくりを中学校区総体として進めることで、学力向上につながることが確認できた」と報告しています。一の部分だけを年度ごとにすこしずつ変えているだけです。
 さらに、96年度と98年度の研究成果がまったく同じ内容もあります。それは「全ての教科、全ての領域で、同和教育の営みがすすむことで、同和地区児童・生徒をはじめ、低学力にある全ての児童・生徒の確かな学力保障に結びつくことが確認できた」というものです。一字一句、同じ内容です。学校教育については門外漢のわたしでも、このような研究成果の報告では、1年間の研究実践の内容を疑りたくもなります。この研究実践がはたして890万円の公費の支出に該当するのでしようか。

三 「狭山事件」を教育課題に

 福岡県同教は「部落解放の教育を確立する『同和」教育の研究と実践につとめ、真に民主教育の実現を期することを目的」に1961年1月に発足しました。
 ところが、大阪の矢田事件(69年)、兵庫の八鹿高校事件(74年)を契機に「解同」の暴力的な確認・糾弾路線が、同和教育運動を変質させると、76年には「解同」の「狭山闘争」「部落民宣言」が教育実践として学校教育にもちこまれるようになりました。
 すると、なんの疑問もはさまず、県同教のスタンスは「解同」寄りというよりも、「解同」べったりになったのです。県同教は76年の定期総会で「狭山闘争を部落の解放をめぎす教育のもっとも中心的な課題として位置づけ」(76年5月、県同教会報)て以来、毎年、運動方針の重要な柱にするようになりました。
 93年4月には、「解同」が狭山裁判の再審請求の意見書を東京高裁に提出し、全国的に5・22狭山集団ゼッケン闘争の運動方針をうちだしたとき、これに呼応するかのように「今、改めて狭山を教育課題に」という県同教事務局の通達を各市同研に送りつけ、「『運動』を『教育』にもち込もうとすると『教育介入』という口実でとりくみを拒否する。この姿勢こそが部落差別そのもので、差別を温存させる」と狭山ゼッケン登校を指導しています。
 「同和教育と政治・社会運動の明確な区別。運動そのものも数奇という考え方の排除」は65年の同和対策審議会答申、84年6月の地対協意見具申、最近では96年の地対協意見具申でもかさねて指摘されていることです。しかし、いまでも県同教は「狭山の教育課題は、学力保障のうえでも極めて重要な視点と課題を包含している」(九九年度活動方針、同年五月)と依然として 「狭山」 に固執しているのです。

四 部落解放基本法制定の事務局

 県同教が、研究団体よりも運動団体になっている典型的な事例に部落解放民本法制定要求国民運動福岡県実行委員会の事務局として、「解同」の運動の一端を担っていることがあります。県同教会長が同実行委員会の副会長に就任しているのもそのひとつ。
 県同教の95年度定期総会 (同年5月)活動方針は「部落解放基本法の制定を強く国に迫らなければなりません。そのために教育と運動の結合が必要である」と公然と「運動と教育の一体化」を強調しています。
 96年5月、「解同」が国会に同基本法の制定をせまって波状攻撃をかけているとき、西日本新聞に「今国会で部落解放基本法を制定させよう」(同15日)の全面広告を掲載、「解同」と一体の運動を展開しました。99年度の活動方針書の中でも「県同教は、部落解放基本法制定要求国民運動福岡県実行委員会に参加し、部落問題の総合的・抜本的解決を図る基本法の制定をもとめる運動にとりくんできた」とあからさまに主張しています。このどこが研究団体といえましよう。むしろ「解同」以上に運動団体らしく行動しています。

3 「解同」の確認・糾弾を下支え

一 小郡中校長が糾弾直後に自殺

 県同教の果たしているもう一つの役割は、「解同」の「確認・糾弾」行為を下支えしていることです。93年9月25日の午後、小郡市文化ホールで小郡中学校の教師全員が糾弾されました。その年の5月、1年の男子生徒の喧嘩が「差別発言」とされ、学校の同和教育が不十分として糾弾されたものです。糾弾会の2日後、同校の校長(当時、54歳)が失踪、10日後に熊本県の菊池渓谷で遺体が発見されました。
 校長自殺という惨事をひきおこした糾弾会は名称は「公開学習会」でしたが、出席者からの匿名はがきによれば「集団によるつるしあげそのもの」でした。糾弾会には「解同」筑後地協側から組坂繁之県連書記長(現在、「解同」中央本部委員長)ら60人、県教委北筑後事務所、県同教へ団体加盟している小郡市同和教育研究協議会、小郡市内の各校の同推教員ら150人が参加して、中学校側を追及したものです。
 校長の失踪直後に、家族が警察に捜査願いをだすと「解同」筑後地協は市教委や校長会に「失踪は個人的な問題。学習会とは無関係」と箝口令をしき、市同研も「整然とかつ内容のある公開学習会だった」とわざわざ「市同研だより」(93年10月2日、第25号)を発行し、もみ消しにかかりました。
 ところが同紙面に、糾弾会に参加した女性教諭の手記が載っていました。それは「あなたたちは部落差別の深刻さ、差別発言の重大さをどのようにとらえているのか、…地区のひとたちが自分たちの生い立ちや怒りや痛みを叫ぶように語り、厳しい言葉も…」と正直に語っているものです。
 この女性教諭の手記は、その後、参加者の何人かから匿名でわたしたちに寄せられた手紙などで事実であることがわかりました。糾弾会は「中学校側へ厳しい無理な要求・暴言などがつぎつぎだされ、学習会の枠をこえた集団によるつるしあげそのものだった。参加者は中学校へ同情する反面、『解同』の横暴さを再認識した」という激しい内容だったのです。事件直後、現地で調査をした全解連や日本共産党など民主団体の調査団に、小郡市の教育長は「校長の自殺と公開学習会は無関係とはいえない」と素直に糾弾会と自殺の関係を認めたほどでした。

二 稲築中では県同教副会長が糾弾の急先鋒

 96年12月から翌97年3月にかけて、「解同」嘉飯山地協は、稲築中学校で92年から97年の間にあった生徒の「発言」や「落書き」など5件を「差別事件」としてむしかえし確認・糾弾をくりかえしました。その時の状況を町教委が録音した議事録をまとめた報告によると、「解同」県連役員で県同教副会長が、確認会の席上、学校側を恫喝していたことが明らかになっています。
 その下りを簡単に再現すると

 「解同」県連で
 県同教副会長…「おたく、どこと確認会をしているか知っているの?どこの団体と確認会しているか。わたしたちはどこの団体か、知っていますか?」
 稲築中の同和教育推進教員…嘉山地協!
 同副会長…その頭は?
 稲築中同推…部落解放同盟!
 同副会長…この事件はなんの事件ですか。女性差別ですか?
 稲築中同推…部落差別です。
 同副会長…なぜ、部落差別と確認できないの?部落差別ではないということですか? 

 というものです。この結果、すでに学内では教育課題として解決、整理していた過去の問題を「部落差別事件」として確認させられたのです。相手に一切の反論を許さないこのやり方は、およそ教育、学習とは縁遠く、脅し、恫喝以外のなにものでもありません。
 それでも、福岡県や県教委は、地対協意見具申などが 「反社会的な私的行為でむしろ部落問題解決に逆行するもの」と否定している「確認・糾弾行為」について、「その社会的教育効果まで否定できない」と容認しています。小郡中の校長自殺事件の時など「真相を県民に明らかにせよ」と究明をもとめた全解連側に、県教委や市同研らは「ビラなどまいて騒ぐと学校が混乱し、むしろ県民の差別意識を助長拡大する」と言論の封殺にでたのも、糾弾については一切の反論、批判はゆるさないという「解同」や県教委、県同教の傲慢さによるものです。
 3月16日に住民監査を請求 今回のわたしたちの住民監査請求は、このように実質上、「解同」の運動団体となり、「狭山人権・学習」を学校教育にもちこみ、その結果、子どるたちの間で「発言」「落書き」問題を誘発させ、確認・糾弾をくりかえしている県同教や傘下の各地区同研、同推などによる偏向教育をやめさせることにもあります。
 教育基本法第10条は 「教育は不当な支配に屈することなく、国民全体に直接責任を負う」ことを明記しています。「解同」という運動団体に追従する県同教に公費で13人の教諭を派遣することは教育基本法に違反し、「福岡県教育公務員の長期にわたる研修に関する規則」や県給与条例にも違反するものです。
 住民監査請求を準備しているわたしたちは、3月16日に県監査事務局に住民監査請求書を提出します。監査委員会は住民監査請求書を受けつけて2、3週間以内に口頭陳述を召集し、2カ月以内に結論をださなければなりません。
 万が一、わたしたちの住民監査請求が却下されたときは、却下の通知があった日から1カ月以内に、住民訴訟を提訴します。ひきつづき裁判の中で県同教の教諭派遣の適法性、公費の不正支出を明らかにし、偏向した「同和」教育の在り方を問い、県教委の「同和」教育行政の責任を追及していきます。
 わたしたちは、一人でも多くの県民に住民監査請求・住民訴訟に参加してもらうために、仮称「福岡県同教への適法な県費支出を是正させ、『同和』教育を一掃する監査請求・住民訴訟を支援する会」を県下の各地区ごとに組織して、この運動をひろめていきます。そのために県同教や県教委による 「狭山」教育や確認・糾弾で学校教育が混乱している実態を資料としてまとめ、パンフ『みんなでかえよう』(30ページ、500円)を編集しました。
 県同教への学校の教諭の派遣、その人件費の支払いを違法不当とする監査請求・住民訴訟ははじめての経験です。このたたかいはけっして福岡県といういち地域だけの問題ではなく、同和教育を終焉させたいという、全国のみなさんの願いでもあり、大事な歴史的なたたかいです。このたたかいは息のながいたたかいになります。ぜひ、全国のみなさんの激励と支援をお願いします。(うえやま・みつろう 福岡県連書記長)


平成11年12月26日付 中日新聞
平成十年七月に続く通常の会計検査で、前回は国費の不正流用などが発覚している。

根深い腐敗の温床
県教委の不正流用


 会計検査院の指摘で昨年秋、発覚した県教委の文部省委嘱教育関連事業費不正流用問題は、今年になって三重市民オンブズマン(代表・松葉謙三弁護士)が県教委幹部らを津地検に刑事告発する事態に発展した。

 会計検査院が不正流用を指摘したのは、文部省が委嘱する教育関係の各種調査、各学校が実施する研究指定校事業などの1993(平成5)−97年の事業費の一部、計2630万円。カラ謝礼やカラ出張などで浮かし、他の事業に流用したり、備品購入などに充てていたという。
 県教委は▽文部省からの事業費支払いが年度末になるため、年度途中の事業の費用をプールしておく必要があった▽費目間の用途の変更手続きが煩雑−などを理由に挙げた。田川敏夫・前教育長の減給のほか関係者39人の処分を発表し、流用金も幹部職員が私費で文部省に返還した。
 しかし、96年に発覚した県庁ぐるみの裏金問題に続く不祥事に、県民は大きく失望。オンブズマンらは「金を返せばいいという問題か。教育者として、あるまじき組織的な犯罪だ」と厳しく追及する姿勢を崩さなかった。
 1月19日、県庁講堂で県教委との「対話集会が開かれた。「不正支出の管理者はだれか。指揮命令系統は」 「もっとひどい不正を隠しているのでは。県教委に対し「厳しい質問が相次ぎ、田川前教育長は、釈明しながら「根本から正していきたい」と陳謝の言葉を繰り返した。
 しかし、オンブズマンはこうした県教委側の説明に納得しなかった。3月、県教委幹部ら15人を有印私文書偽造、同行使や詐欺などの疑いで津地検に告発捜査は今も続いているとみられる。
 松葉弁護士は「裏金問題後も不正が続いていたことに、ショックを受けた」と振り返る。教育者たちが起こした事態だけに、問題の根は深い。


平成10年11月17日付産経新聞

広島県同和教育研究協
研修で派遣の職員給与
国庫負担対象でない
会計検査院、県教委へ指摘


 広島県内の公立小・中学校教員を、広島県同和教育研究協議会(広同教)に派遣する県教委の研修事業について、会計検査院が「教育関係団体に常駐する教職員の給与は国庫負担の対象にはならない」指摘していることが16日分かった。文部省が返還を求めれば、県教委は指摘された7、8年度分の千数百万円を返還することになる。

 県教委は毎年度、研修事業として教員を大学院などに派遣するほか、広同教にはた、8年度に小・中学校の教員を3人ずつ派遣した。公立小・中学校の教職員給与の半額は国庫負担で、研修中の教職員給与も同じ扱いとなる。
 このため県教委は、広同教研修職員の給与も半額分の国庫補助を受けており、平成7、8年度の国庫負担金は千数百万円になる。
 「教育関係団体の事務局に常駐し、その事務に従事する教職員(の給与)は、国庫負担の対象にならない」との会計検査院の指摘に、県教委は「広同教での研修には意義がある」との解釈を示している。


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