校長が自殺し,教授が解任される!
“日教組王国”三重県の暗闇

正論編集部・上島嘉郎


 その一報が編集部に飛び込んできたのは昨年12月15日の夕方だった.
 「三重県立松阪商業高校の校長が自宅の庭で首を吊って自殺した」.遺書はなく動機は不明,という.東京で目にした限り,翌日の新聞はどこもベタ記事扱いで,自殺の真相に関する続報はその後もなかったが,昨秋から,“日教組王国”三重県教育の実態を批判する論を本誌上で展開してきた担当者として,松阪商業の校長自殺は看過できる事件ではなかった.とっさに思い浮かんだのは,昨年2月28日,卒業式を翌日に控えた広島県立世羅高校の石川敏浩校長の自殺である.広島県教委は同日午後から緊急会見を行い,辰野裕一教育長が,卒業式で学習指導要領に基づいて国旗掲揚・国歌斉唱をしたいとする石川校長に対して,高教組(広島県高等学校教職員組合=日教組系)に所属する教職員らが強く反発,同問題をめぐる協議が連日続けられ,悩んでいたことを明らかにした.
 この事件は国会でも取り上げられ,石川校長が自殺直前に遺書めいた走り書きのメモと日記を残していたことから,卒業式での国旗・国歌の取り扱いをめぐる学習指導要領とそれに反対する教組の板挟みに悩んだ末の悲劇だったことが広く認識されるに及んだ.そうした教育現場の混乱を収束,指導を後押しする目的から,「日の丸」を国旗に,「君が代」を国歌と定める法律につながったことは記憶に新しい.いったい松阪商業の校長の身に何があったのか.広島県の事例と似たような板挟み状況があったのか・・・,三重県の事情を直接取材してみた.


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