悪しき慣行は本当に是正されるのか


 まず勤務評定の「オールB・開示」や「勤務時間内の組合活動」など本誌に掲載された一連の論文(平成11年10月号「私の日教組打倒論」渡邊毅氏=三重県公立中学校教諭,同12月号「“日教組”王国の惨状」松浦光修氏=皇學館大学助教授,平成12年2月号「揺らぎはじめた“日教組王国”」新田均氏=同)によって明らかにされた三重県教育界のさまざまな疑惑について,その後の推移を概観する.
 三重県教委と文部省のやりとりは昨年11月4日から頻繁になり,同日,文部省地方課から,本誌に掲載された三教組(三重県教職員組合)問題に関する事実関係と,勤評問題の実態報告を求められ,県教委が報告,以後年末まで計5回,文部省に出向いて状況を報告,国旗・国歌に関する指導などを受けた.また2月28日からは会計検査院も県教委の検査に入ることになっている.調査内容の詳細は不明だが,勤務時間中の組合活動が公費の不正支出に当たるかどうかが焦点になるとみられる.(九九九注:このことについては,こちらの方が詳しい)
 1月24日に開かれた三重県議会行政改革調査特別委員会で県教委は,勤務評定の詳しい実態や三教組役員の受け持ち授業時間数,文部省からの指導内容などについて明らかにしたが,それによると勤務評定は昨年9月の時点で,県内606校の小中学校すべてでオールB評価.77校の県立高校・盲聾養護学校のうち52校でオールB評価となっていた.県内では三教組の支部が全部で26あり,約1万3600人が加入,うち222人が支部長から執行委員長までの役員に就き,それらの教員の1週間の受け持ち授業時間は,少ない教員で4時間,半数近くの105人が10時間未満しか受け持っていなかった.ちなみに全国平均は小学校22時間,中学校16時間,高校15時間となっている.
 中林正彦県教育長は同委員会の質疑の中で,勤務中の組合活動が給与(公費)の不正支出とされた場合,「責任は関係するみんなにある」と述べ,県教委や学校幹部だけでなく,現場の教員にも責任が及ぶという考えを示した.また同委員会では,県教委と三教組が人事異動の内示後に,当該職員からの苦情について話し合いの場を設けてきたことが“是正すべき慣行”の実態として明らかにされたほか,三教組が組合費から拠出させている「主任手当」については,支給開始年度の昭和52年度から平成10年度までの間に支出された約21億2500万円のうち,三教組への拠出額とその使途は不明という報告がなされた.使途不明なのは,県教委から三教組に回答を求めたものの,拒否されたからだという.
 人事上の慣行については記者が得た県教委と三教組の具体的な申し合わせ事項に触れておくと,例えば高校では,@同一校3年以内の勤務者及び55歳以上の教員は異動なしA同一校3から7年の勤務者は本人の希望・承諾がなければ校長は異動させることができない,などである.取材に応じた元県立高校長によれば,これらの申し合わせは文章化され,現場だけでなく県教委と三教組の双方が保管しているはずだという.


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