弱すぎる「決まりだから」という指導


 職員会議では,次のような発言もある.
 《教師 きちんと教えてこなかったことが日本の現状をつくってきてしまった.歴史の事実を知らせてこなかったことが問題.旗は目印.占領の印.正しい認識を子どもたちに持ってもらうことが大事.国の考え方も変わりつつある.よりグローバルな視点での議論が必要だ》
 考え産経新聞の記事(
5月27日付け一面掲載)によれば,国立市では数年前,ある小学校教師が,「平和教育」のためとして,日の丸の「赤は血の色.白は骨の色.さあ,みんなで繰り返しましょう」と児童に復唱させたという.
 荒唐無稽な愚論である.公立学校でこんなことを教えたら,まともな国なら国旗侮辱罪で処分されるだろう.

 ところで,これらの記録を読んでいて,私がもどかしく感じるのは,この種の愚論に対して管理職の側から的をついた反論がほとんどなされていないことだ.校長などの発言は,おおむね規則をタテにとったものでしかない.それは子どもへの対応の中にも現れる.国立二小での校長と児童とのやりとりの中で,校長が児童を説得しようとして繰り返しなされている発言は,「決められているから揚げたんだよ」というものだ.もちろん,国旗を掲げるのは「決まり」だから揚げるというのは少しも間違ってはいない.しかし,同時に,教師の偏向した史観によって影響された子どもが,日の丸を揚げるべきではないという主張の根拠として,戦争や歴史を持ち出したときには,その子どもの認識は間違いであることを正面から指導してほしいものである.
 しかし,このような事態は,おそらく国立二小に限らないであろう.文部省は,国旗国歌の指導については一貫して原則を堅持しているように見える.しかし,他方で歴史認識においては,教科書検定その他で,上の児童の発言やそれをそそのかしている教師の思惑に根拠を与えかねないようなことをしているのも否めない事実である.これでは児童を正しく指導する武器を与えないまま,学校の管理職に国旗国歌の指導を要求していることになる.歴史教育の改善なくして国旗国歌指導を徹底させることは難しいと言うことを国立の例は示している.


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