99.02.27

国旗掲揚・国歌斉唱 各地の取り組み

東京 207都立高に徹底通知
大阪 参加は生徒の自主判断
北九州 昭和60年代から100%


 所沢高校以外にも卒業式、入学式の国旗掲揚、国歌斉唱をめぐり、正常化への取り組みが各地で続けられている。東京都立高校や大阪府立高校の現状、教育委員会の毅然(きぜん)とした対応で正常化した北九州市の事例などを探った。

【東 京】

 東京都教育庁は昨秋、207の都立高校に国旗掲揚と国歌斉唱の徹底を呼びかける通知を出した。同指導部によると、平成10年春の卒業式の国旗掲揚率は84.0%、国歌斉唱率は3.9%で、都道府県別で全国最低となっている。

 ある都立高校教員は「国旗は、これまで屋上の見えない所や生徒のこない時間に出していた」と話し、式開始前に屋外に掲揚されていた国旗が式の途中で降ろされるケースもあった。

 通知では、国旗は(1)式典会場の正面に掲げる(2)屋外では、掲揚塔、校門、玄関など、生徒や保護者、来校者が十分認知できるような場所に掲揚する(3)掲揚時間は、式典当日の生徒の始業時刻から終業時刻までとする。国歌斉唱に関しては、(1)式次第に「国歌斉唱」を記載する(2)式典の司会者が「国歌斉唱」と発声する−としている。

 また都立高校では、長年、多くの学校で職員会議が議決機関とされていたが、昨年夏に、職員会議はあくまで校長の意思決定の補助機関とする改善通知が出された。一部の高校では、教員が卒業式運営についての職員会議をボイコットする動きなども出ている。都教育庁は国歌を録音したテープを各校に配布するなど、各校校長の取り組みを支援する態勢をとっている。

【大 阪】

 大阪府内の全日制公立高校87校では今月24日に卒業式が行われた。

 大阪市内のある府立高校では卒業式の朝、正門前で保護者に教職員組合がビラを配った。

 ビラには「卒業おめでとう」の文字の後に「君が代を持ちこまない卒業式を職員会議で決定しました」として、「押しつけは思想・信条の自由の侵害」と記していた。

 体育館で在校生や保護者、来賓らが着席して待つなか、午前9時45分、「卒業生入場」のアナウンスが流れた。しかし、式場に入ってきたのは卒業生約350人のうち60人程度。

 続いて「君が代斉唱」の声とともにメロディーが流れたが、在校生は起立せず、歌う人は少なかった。

 舞台上に国旗はなく、校旗のみが三脚で掲揚されていた。残りの卒業生が入場したのは国歌斉唱が終わってから。開式の辞の後、式は整然と行われた。

 同校では一昨年の卒業式で国歌斉唱をめぐって、一部の生徒と教職員が退場。混乱を避けるため、昨年から国歌斉唱の際の入場は生徒らの判断に任せているという。

 ある保護者は「君が代に反対する人がいるのは分かるけど、式典なのだからきちんとしてほしかった。入場しなかった生徒は本当に全員が反対しているのかな」と話した。

 大阪府教委は「学習指導要領に沿って、機会あるごとに校長に指導してきており、現状については遺憾。これからの国際社会で生きていくために、国旗に対して敬意を表することは大事」などと話している。

【北九州市】

 北九州市教委によると、同市の公立学校(小、中、高校、養護学校、幼稚園の計226校)の入学式、卒業式時の国旗掲揚、国歌斉唱の実施状況は、昭和60年代から現在まで、100パーセントとなっている。

 市教委は学習指導要領の改訂(平成元年)以降、国歌斉唱の徹底を図るため、斉唱時に起立しない教員を毅然として処分するなど、厳しい対応をしている。処分件数は「年々減少する傾向にある」(市教委学務部)といい、その理由については、「教員が組合レベルで協調路線に転換したこと、教育委員会がシビアに指導していることが大きい」としている。


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