
9月15日:日本の河川開発100年を検証し、21世紀の世界共通の河川思想を構築
する
目次
9月14日
9月16日
- かつては(江戸時代までは)技術的な制約により、現在のような大規模なダ
ムや堤防をつくることはできなかったが、遊水地や洪水防備林が築かれ、また
輪中や水屋によって洪水の被害を軽減するようにしていた。
- 洪水防備林は
- 洪水の流速を落し堤防の洗掘を防止し、
- 大きな物(流木や岩石など)が流れ出ることを防止し、
- 栄養分だけを田畑に供給する。
- 洪水防備林は大正時代まで作り続けられていた。(現
在のような河川工法が大大的に使われるようになったのは第二時大戦以後であ
る。)
- 近代的な河川工法は鉄とコンクリートで河川を塗りかためてしまった。
- 近代に入り、都市化が進み、少ない河川に水が集中して流れ込むなり、
中小河川が氾濫するようになった。
- これまで都市部の中小河川がよく氾濫したが、現在では大河川も氾濫す
る危険性をはらんでいる。
- 近年多自然工法が河川工法に採り入れられているが、実情にあったものと
なっていない。(例:淀川では洪水防止林を撤去して「多自然工法」が用いら
れている。)
- 洪水防備林・遊水地などを適切な場所に配置した流域全体での洪水コント
ロールが必要である。
- 建設省は生態学についてなにか知っているか?→研究している自分でさえ
わからないことが多いのにどうして建設省の役人にわかるだろうか。
- 発電のために川を水が流れていない。もう川は死んでしまっている。
- 参考資料:
- 「ダム建設よりずっと良い方法がある」嶋津 暉之, エコノミスト,'95
7.11 号,108〜111ページ
- 水資源のためにはすでに日本ではダムは必要がない。
- 建設省は「過大・架空」の水需要に基づいたダムを計画している。
- 長良川河口堰に関しては渇水時には水質が悪化して利用できない。
- それでは渇水時にはどうしたらよいのか?
- 農業用水の転用
- 農業用水は渇水時でもほとんど平常時と同じ程度多くの水量を利用してい
る
- →渇水時には農業用水の一部を生活用水に転用する
- 節水
- 横浜の生活用水使用量:260リットル/人・日
- 福岡の生活用水使用量:204リットル/人・日
- →150リットル/人・日 程度までなら節約可能
- 河川流水の利用
- 実際には川を流れている水のほとんどはダム以外の場所から流れ込んでお
り、緊急時には川の流水を生活用水として用いる。
- 雨水の利用
- 国技館で用いられているような、雨水を貯める方法は一般家庭では現実的
ではない。
- 都市においては、雨水はただ表面を流れていってしまう。
- →雨水を浸透させて地下水として利用できるようにする。そのためには、
透水性舗装などの工夫が必要である。
- 地下水の利用
- 地下水はかつてはよく利用されていたが、水道の普及に伴い次第に利用さ
れなくなっている。地下水は中小自治体の自己水源であり放棄するべきではな
い。
- これらの対策をしてなお渇水が起きるとすれば、これは人口が集中してい
るせいであり、人口集中を緩和する必要がある。
- 現在、日本は 440 兆円という膨大な財政赤字を抱えている。
- これ以上の公共事業の拡大は財政赤字の拡大を招くばかりである。
- 建設省は公共事業費の 67% も使っており、財政破綻を避けるには不要不
急のダムの建設を行なうべきでない。
- 現在の河川政策の流れを変えるには、制度を変える必要がある。そのため
には法律を変える必要がある。
- しかし、日本の立法府である(=法律を変える)国会はその役割を果たしていない。
- 立法は本来議員が行なうものであるが、実質的に議員立法は不可能になってい
る。(族議員の存在などによる)
- 現在立法も官僚の手に握られている。
- 立法を議員の手に取り戻す必要があり、そのためにはそのような議員を選
出しなくてはならない。
- 河川法(およびその関連法)には現在重要な課題となっている「環境」「自
治=地方分権」「持続可能な開発」「参加」「共生」という言葉はなく、全く
時代|おくれ|のものになっている。
- ダム建設には都道府県知事(+都道府県議会)の同意が必要だが、三割自治
の現状では、拒否できない構造になっている。(行政圧迫)
- 末端の市町村には拒否することはできない。
- 根本的な欠陥はダムの計画に対しては訴訟を起こすことができないことで
ある。(被害がないから)
かつて縄紋時代われわれの祖先は狩猟採集の「森の民」であった。いまから約
2300年前稲作が始まり、平地に移動し、「平地の民」「川の民」となった。
川は洪水をもたらす恐ろしいものであったが、同時に恵みをもたらすものであっ
た。....
というような言葉で始まる講演。川で生活し、川を本当に必要としている人々
の手に川を取り戻そう。
パネリスト
- ダニエル・ビアード
- フィリップ・ウィリアムズ
- フレッド・ピアス
- 大熊 孝
- 鷲見 一夫
- 天野 礼子
これら識者によるパネルディスカッションが行なわれました。
内容の一部(要約)を以下に示します。
- 日本でダム建設が止まらないのは
- 今日の一連の講演を聞いていると日本では既にダムを止めるための基礎的
な研究は既にできているようだ。それなのにダムの建設が止まらないのはどう
してか?(海外ゲストから)
- 日本でダム建設が止まらないのは政治的・経済的な問題であろう。
- ダム建設を止めるには日本の政治構造を根本から変革する必要がある。
- 日本の現状は 20 年のヨーロッパに似ている。20年前ヨーロッパではダム
が必要であるといっていた。しかし、現在はダムはいらないといっている。
- 我々は 20 年も待つことはできない。いますぐにでも転換させたい。
- 日本がかわることは世界的にもおおきな意味を持つ。現在中国の三峡ダム
に日本は融資しているが、日本が変われば海外におけるダム建設も大きく後退
する。
- ダムの堆砂について
- ダムに土砂が溜り、いずれ使えなくなる。
- ダムに土砂が溜り、海に流れ出さないために海岸浸蝕が激しくなっている。
- 日本の「出し平ダム」では排砂の実験が行なわれているが、
最初の排砂実験ではヘドロが放出され、環境に大きな悪影響を与えた。
- その後の実験では洪水時などに毎年少しずつ排砂すればなんとかうまくい
きそうであることがわかった。
- 「出し平ダム」のような小規模なダムでは排砂はある程度可能であるが、
大きなダムでは実質的に不可能である。
- 中国の三門峡ダムはたった二年で堆砂のために使用できなくなった。
むろん、土砂を排出する努力はしたが全くの無駄であった。
- 三峡ダムも同じ轍をふむのではないか。
- アメリカにおいてもダムに溜った土砂を取り除くことのメドはたっていな
い。
- ハイドロマフィア(土建業界)
- 欧米諸国では国内ではダムを建設しなくなったが、国内で仕事がなくなっ
たハイドロマフィアたちは発展途上国に ODA がらみの市場を求めている。
- 日本ではもっとひどく、国内・国外両方でダム建設を推進しようとしてい
る。
- 国際的なダム建設に反対する NGO の連帯が必要である。
日本人になった(日本国籍をとった) C. W. ニコルさんによる黒姫の生活の様子なども交えた閉会の挨拶
今年、家の近くの川が暴れた。小さいけれどきれいな川でした。むかしは鮭が
登ってきたそうです。(しかし、今ではダムでせき止められてしまって登って
こない。) いままでこんなことはなかったので、おかしい
と思って上流へいってみたら保安林を切って杉を植林していました。
洪水のあとは川をコンクリートで固めてしまった。こんなおかしなことはやめ
させなくてはいけない。
ここで、アメリカで撤去されたダムのかけらをプレゼントされる。
記者会見では質問に対して国際ダムサミットを世界各地で今後も継続していくことを
宣言する。
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