1.林の数量化理論って何だ
  その6 数量化三類

 
☆第三ステップ:林の数量化理論の種類を知る
おわり
 
     (C)数量化三類
     今までの説明で、独立変数の種類が質的データの場合は数量化を利用した解析になり、それが量的データの場合は、数量化一類の処理が「回帰分析」に数量化二類は「判別分析」に似ていると言いました。その流れで話してしまうと、数量化三類は「主成分分析」「因子分析」に似ていると言えます。この場合も、変数として扱うのは数量化三類が質的データで主成分・因子分析が量的データということになります。
     でも、主成分分析も因子分析も知らないという前提で今回は説明していますので、そもそもそれらの分析は何をするものなのかを説明しなくてはいけませんネ。


     まずはあなたの周りを見てください。いろいろな人がいますよね。一生懸命仕事や勉強をしている人もいれば、居眠りをしている人もいます(これを読んでいる貴方だったりして・・)。また、やせた人や太った人、丸顔の人や四角い顔の人、強そうな人や弱そうな人・・・。これらをみんな「人類」というくくり方をすれば一緒ですが、どう見ても同じじゃないですよね。つまり、生活態度や体型、顔の形などというアイテムを使ってカテゴリーをそれぞれの人達に割り当てた後、類似した傾向を示す回答や人同士を集め、潜在的にある因子を発見しようとする試みが、数量化三類の目的です。
     野球選手は、強打力で生きている選手もいれば、走塁力を活かして生きている選手もいるし、守備力だけで生きている選手もいます。野球選手は誰もが野球選手ですが、これらをいろいろな角度(評価軸)から見ればそれぞれ違った潜在的因子が見つかり、その結果、打撃力の側から見れば“清原”や“松井”が目立つでしょうし、走塁力の側から見れば“緒方(広島)”や“飯田(ヤクルト)”が目立つでしょう。つまり、なんの分類もされていない状態から、それぞれに潜んでいる類似した動きをする因子を見つけているわけです。
     また、打撃力や走塁力・守備力に共通して良い反応を示す選手もいるわけで、その場合の軸は選手の総合的評価を表すことになるでしょう。前述したような別々の“因子を見つけて分ける”のが因子分析で、後述した“因子を統合する”のが主成分分析と言われるものです。
(注)因子分析と主成分分析は、変数に量的データが使われているときに行う解析処理。数量化三類の場合に使う変数は質的データである。
 
     打撃力や走塁力・守備力は、打率・盗塁率・出塁率・失策率・ホームラン数など、独立変数として利用できる量的データが豊富ですが、マーケティグ活動で使うデータは量的データより主に質的データです。例えば、顧客のデータベースから、地域・年代・性別・趣味・世帯構成・過去に購入した商品の種類(複数)を抜き出し、それぞれの潜在的因子を探索してダイレクトマーケティングをするとしたら、これらの変数はすべて質的データですよね。便宜上年齢は年代としてカテゴリーに分けましたが、その逆はできません。ですから、貴方がマーケティングの世界で活動している以上、数量化理論解析はどうしても必要になるわけです。




     さて、統計書に必ず出てくる難しい数式(でも大事なものですヨ)を全くださずに、まずは!「その意味を知っていただこう」と、数量化理論解析一類、二類、三類の説明をしてきました。どうでしたか・・・?。
     今回この解説書を読んで、「なんだこんな事かぁ」とか「そうだ!あれに利用できるぞ」とか「統計ソフト買っちゃおうかなぁ」などと感じてくれれば幸いです。
     そして、最後にお願いがあります。今回、なんとも雑に(雑と言っちゃー悲しいですが)数量化理論の内容を説明してきました。そして、次の章ででは統計ソフトを使って、実際の処理の流れとアウトプットを笑える事例でご紹介していきます。 しかし、これらの解析にはいくつか注意しなくてはいけないルールがあり、アウトプットされた結果だけを見てすべてを判断していくのは危険であるということを認識しておいて下さい。
     例えば、ある時サイコロを10回ふって、出た数が“奇数”か“偶数”かを実験したとします。これは誰でもわかる通り、1から6までそれぞれの目が出る確率は6分の1であり、奇数か偶数かの確率は50%対50%です。でも、その時にたまたま奇数が多く60%だった場合、「このサイコロは奇数の目が出る確率が高いサイコロだ」という結論をだしませんよね。今回はサイコロだから直感的にわかりますが、似たような危険を起こしかねないのです。やはり、このような部分をしっかりと説明した統計書を読んで、慣れるまでは専門家の意見を聞きながら解釈を行っていくことが必要です。
     さて、次章では実際に統計ソフト(SPSS for Windows)を使った場合の数量化理論解析をご覧いただこうと思っています。内容は何人かの芸能人に対する私のイメージを使って数量化一類から三類までの処理を楽しく行ってみようと言うものです。
     









 


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