はじめに

 ゲームに関する特許を集めていくページです。簡単な解説も加えますが、権利範囲についてや、そもそも現在生きている権利なの?というレベルで不確かですので、関係する方は十分に調査してください。
 また、ゲームに関する特許情報の豊富にしていくため、こういうのがあるという情報提供をお待ちしております。
 JPOのIPDLからテキストデータがテキストデータが入手できるものはテキストで、できないものはpdfで収蔵しています。

マジック:ザ・ギャザリング特許

 Wizards of the Coastのカードゲーム『マジック:ザ・ギャザリング』に関する米国特許です。

米国特許第5,662,332号

特許番号:
第5,662,332号
登録日 :
1997年9月2日
出願番号:
08/544306
優先日 :
1994年6月22日(親の08/263,447の出願日)
名称  :
Trading card game method of play
特許権者:
Wizards of the Coast
クレーム1
1. A method of playing games involving two or more players, the method being suitable for games having rules for game play that include instructions on drawing, playing, and discarding game components, and a reservoir of multiple copies of a plurality of game components, the method comprising the steps of:

each player constructing their own library of a predetermined number of game components by examining and selecting game components from the reservoir of game components;

each player obtaining an initial hand of a predetermined number of game components by shuffling the library of game components and drawing at random game components from the player's library of game components; and

each player executing turns in sequence with other players by drawing, playing, and discarding game components in accordance with the rules until the game ends, said step of executing a turn comprises:

(a) making one or more game components from the player's hand of game components available for play by taking the one or more game components from the player's hand and placing the one or more game components on a playing surface; and

(b) bringing into play one or more of the available game components by:

(i) selecting one or more game components; and

(ii) designating the one or more game components being brought into play by rotating the one or more game components from an original orientation to a second orientation.

解説

 マジック:ザ・ギャザリングを取り上げているページのリーガル・ノーティスで見かける特許です。特許番号だけでぐぐるとマジック:ザ・ギャザリング関係のページがヒットします。
 独立クレームは3つあり、いずれも概ね、入手したトレーディングカードからゲーム中に使うライブラリーを構築し、ライブラリから手札を取ってゲームをしていく、というものです。カードを横に倒すタッピングに関する限定事項が入ったクレームもありますが、ルールの詳細にまで限定されてものではなく、マジック:ザ・ギャザリングのというより、最近のトレーディングカードゲームのコンセプト自体を押さえた特許といえます。
 また、クレーム形式はmethodクレームですので、この特許を侵害するのはプレイヤーになりますが、叩きどころはカード製造/販売者を間接侵害で、ということになります。
 日本では審査基準上、ゲームの遊び方は発明ではない、とされており、日本に出願されても特許にならなかったと思います。なお、マジック:ザ・ギャザリングの発売開始(Limited Edition)は2003年8月(優先日よりも10ヶ月ほど前)のようで、この点からもグレースピリオドが1年もない(そもそも販売行為に新規性喪失の救済のない)日本では特許にならなかったと思います

 なお、本特許は再発行(RE37,957 )されていますので、検討される際はこちらも見てください。

召喚魔法特許

 日本を代表するRPG、ファイナルファンタジーシリーズの召喚魔法に関する特許です。

特許第3220111号

特許番号:
特許第3220111号
出願番号、優先日
特願平11-123259、1999/2/10
権利者
スクウェア
特許請求の範囲(請求項1)
表示画面上のキャラクタ間の戦闘を制御するゲームプログラムを実行するゲーム装置であって、
操作入力に応じて、前記キャラクタ間の戦闘に他のキャラクタを参加させるための動作項目である召喚が選択された場合に召喚処理に処理の制御を移し、選択可能な召喚キャラクタを表示し、所定の召喚キャラクタが選択された場合に連続使用可能な魔法回数を設定する魔法回数設定手段と、
操作入力に応じて、前記キャラクタの戦闘を支援するための動作項目である魔法が選択された場合に魔法処理に処理の制御を移し、連続使用可能な魔法回数が設定されている場合に、連続使用可能な魔法回数をリスト表示する魔法回数表示手段と、
リスト表示された連続使用可能な魔法回数の中から、操作入力に応じて、選択された連続使用する魔法回数を設定する魔法使用設定手段と、
前記キャラクタに対応させて予め用意された魔法をリスト表示し、操作入力に応じて、表示された魔法の中から連続使用する魔法の選定を、連続使用の回数分行う連続魔法選定手段と、
前記連続魔法選定手段により選定された連続使用する回数分の魔法を、連続して実行する連続魔法実行手段と、
を備えたことを特徴とするゲーム装置。

解説

 優先日からしてファイナルファンタジーVIII(1999/2/11)に関する特許だと思います。召喚自体はファイナルファンタジー特有のギミックとして初期の頃からあり、本特許の審査過程においてもそれらが引用されていますが((56)【参考文献】を参照)、本特許の特徴部分は“連続”して召喚、のようです。
 ということで、召喚魔法特許といいつつ、召喚魔法の基本特許というわけではないのですが、召喚魔法を採用するゲームが他社からも出るようになったので、その牽制、という効果はあると思います。

落ちものゲーム特許

 落ちものパズル(「テトリス」、「ぷよぷよ」などのようないわゆる落ちゲー)に関する特許です。

特公平03-71154

特許番号:
特公平03-71154
出願番号、出願日
特願昭57-95666、1982/6/4
権利者
カシオ計算機
特許請求の範囲
ゲーム表示装置と、
このゲーム表示装置に落下物を一方向から他方向へ落下移動するように表示する落下物表示制御手段と、
この落下物表示制御手段で表示される落下物を順次積み上げ表示する積み上げ表示制御段と、
外部操作スイッチと、
この外部操作スイッチの操作により上記積み上げ表示制御手段によって落下物が積み上げ表示される位置を変更する表示位置変更手段と、
この表示位置変更手段によって積み上げ表示された表示内容に応じた得点データを得る得点記憶手段と、
この得点記憶手段に記憶された得点データを表示する得点表示手段とを備えたことを特徴とするゲーム機能付電子機器。

解説

 ゲームウォッチのようなミニゲーム機(詳しくは図面を参照)に関連して出願したと思われる特許です。特許されたクレーム自体も表示装置と操作スイッチを構成要件としており、落ちものパズルのゲームプログラムのみでは直接侵害を構成しないと思いますが、落ちゲーであれば当然備えているだろうという要件のみで構成されており、広いです。
 2002/6/4に満了を迎えました。

特公平06-55230

特許番号:
特公平06-55230
出願番号、出願日
特願昭57-95667、1982/6/4
権利者
カシオ計算機
特許請求の範囲
ゲーム制御する命令を記憶する記憶手段から読み出された上記命令に従い、表示装置に対して移動物が移動してきてそれを積み上げることによって得点を競うゲームを表示するゲーム装置において、
ゲームの難易度を決定する難易度決定手段と、
この難易度決定手段にて決定されるゲームの難易度に従って、上記表示装置に対し、複数の移動物の移動速度又は移動密度を変化させて、順次一方向から他方向へ移動表示させる移動表示制御手段と、
外部操作手段と、
この外部操作手段の操作により上記表示装置に移動表示される上記複数の移動物の積み上げるべき位置を変更する変更手段と、
上記表示装置に表示される上記複数の移動物の表示状態に応じて得点を得る得点手段と、
この得点手段にて得た得点を上記表示装置に対して表示させる得点表示制御手段と、
を具備したことを特徴とするゲーム装置。

解説

 特公平03-71154と同じ日に出願された落ちものパズルに関する特許です。特公平03-71154に比べ、難易度を決定するという要素が加わっています。公告後異議を受けて、得点手段がさらに限定されています。→補正内容
下に紹介するようにいくつかの分割出願を生んでいますが、いずれにせよ、権利期間は2002/6/4に満了を迎えました。

特許第2526840号

特許番号:
特許第2526840号
出願番号、出願日
特願平06-50018(特願昭57-95667の分割)、1982/6/4
権利者
カシオ計算機
特許請求の範囲
ゲームを制御する命令を記憶する記憶手段から読み出された上記命令に従い、表示装置に対して複数の移動物が移動表示してきてそれを固定する位置を変更することでゲームを競うゲーム装置において、
上記表示装置に対し、上記複数の移動物を、順次一方向から他方向へ移動表示させる移動表示手段と、
外部操作手段と、
この外部操作手段の操作により上記表示装置に移動表示される上記複数の移動物を固定すべき位置をその移動途中で変更する変更手段と、
上記表示装置に対し上記複数の移動物を左右複数の位置で積み上げて固定し、この複数の位置の積み上げ状態を同時に表示させる積み上げ表示制御手段と、
上記表示装置における上記移動物の固定状態を判断してゲームを終了させるゲーム終了制御手段と、
を具備したことを特徴とするゲーム装置。

解説

 特公平06-55230の分割です。移動物(パズルピース)を固定すべき位置(積み上げていく場所)を変更するという要素が加わっています。権利期間は2002/6/4に満了しています。

特許第2526841号

特許番号:
特許第2526841号
出願番号、出願日
特願平06-50019(特願昭57-95667の分割)、1982/6/4
権利者
カシオ計算機
特許請求の範囲
ゲームを制御する命令を記憶する記憶手段から読み出された上記命令に従い、表示装置に対して複数の移動物が移動表示してきてそれを固定する位置を変更することでゲームを競うゲーム装置において、
上記表示装置に対し、上記複数の移動物を、順次一方向から他方向へ移動表示させる移動表示手段と、
外部操作手段と、
この外部操作手段の操作により上記表示装置に移動表示される上記複数の移動物を固定すべき位置をその移動途中で変更する変更手段と、
上記表示装置に対し上記複数の移動物を左右複数の位置で積み上げて固定し、この複数の位置の積み上げ状態を同時に表示させる積み上げ表示制御手段と、
上記表示装置における上記複数の移動物の発生動作又は固定動作に対応して、音響信号を発生する音響信号発生手段と、
を具備したことを特徴とするゲーム装置。

解説

 特公平06-55230の分割です。状況に応じてサウンドを出力するという要素が加わっています。権利期間は2002/6/4に満了しています。

音ゲー特許

 音ゲーとは、音楽に合わせてタイミングよくプレイヤー操作を行うというもので、ビートマニアやパラッパラッパー、最近では太鼓の達人などがこれに当たります。

特許第3058051号

特許番号:
特許第3058051号
出願番号、出願日
特願平07-127140、1995/4/27
出願人
ヤマハ
クレーム(請求項1)
【請求項1】演奏データを記憶する演奏データ記憶手段と、該記憶された演奏データに応じて楽譜情報を縦方向に表示する表示手段と、該表示された楽譜情報を、前記演奏データに応じたテンポで所定の方向にスクロールするスクロール手段と、難易度を設定するための難易度設定手段とを有し、前記スクロール手段は、該設定された難易度に応じて前記テンポを変更し、該変更後のテンポでスクロールすることを特徴とする音楽的アミューズメントシステム。

解説

 請求項1のみを紹介していますが、独立項は全部で6つあり、操作タイミングによる得点処理や、プレイヤー操作のずれの許容範囲の設定など、音ゲーでやりそうなフィーチャが権利化されています。

ビートマニア特許、ダンスダンスレボリューション特許

 コナミの誇る、ビーマニ、ダンレボDDRに関する特許です。音ゲーの中で紹介してもよかったのですが、有名どころですので節を改めて紹介します。

特許第2922509号

特許番号:
特許第2922509号
出願番号、出願日(優先日)
特願平10-218056、1998/7/31(1997/9/17)
出願人
コナミ
クレーム(請求項1)
筐体と、前記筐体の前面に設けられた表示装置と、前記筐体の前面で、かつその前面と向かい合ったプレイヤーからみて手元となる位置に設置された複数の演出操作手段と、音楽およびその音楽に対する演出手順に関するデータをそれぞれ記憶する記憶手段と、前記記憶手段の記憶内容に基づいて前記音楽を演奏する演奏手段と、前記演奏手段による演奏の進行に連動して、前記演出操作手段を用いた演出操作を前記記憶手段の記憶内容に従って前記プレイヤーに前記表示装置を通じて視覚的に指示する演出操作指示手段と、前記プレイヤーによる前記演出操作に応じた演出効果を発生させる演出効果発生手段と、前記記憶手段が記憶する前記演出手順と前記プレイヤーによる前記演出操作との相関関係に基づいて当該演出操作を評価する評価手段と、前記評価手段の評価結果に対応した情報をプレイヤーに対して表示する評価表示手段と、を備え、前記演出操作指示手段は、少なくとも一部の領域が、前記複数の演出操作手段のそれぞれに対応付けられた複数かつ所定方向に延びるトラックに区分可能なインジケータを前記表示装置の画面上に表示させるとともに、前記複数のトラックのそれぞれには、各トラックに対応付けられた前記演出操作手段の操作時期を示すための指示標識を、その指示標識に対応する演出操作手段の操作時期が到来したときに当該指示標識が前記トラックの一定個所に設定された演出操作位置に到達するように、前記トラックに沿って移動させつつ表示させることを特徴とする音楽演出ゲーム機。

解説

 ジャレコの「VJ」を攻撃して有名になったビーマニ特許です。
 プレイヤー操作に関するところがポイントの、3つの独立クレームからなり、具体的には、トラックごとに分離されるインジケータにおける表示についてが特徴の請求項1と2、操作後のサウンドに変化をもたせる請求項7のシリーズからなります。
 ビートマニアのゲーム性が発現するフィーチャが特許の対象になっていますが、インジケータ表示に関しては回避可能な権利範囲だと思います。

特許第3003851号

特許番号:
特許第3003851号
出願番号、出願日
特願平10-209879、1998/7/24
出願人
コナミ
クレーム(請求項1)
記憶された少なくとも1曲以上の音楽から1曲を出力する音楽出力手段と、複数配列され、それぞれ踏み位置指示マークが標記された踏み台部を有する床盤面体と、前記音楽に合わせて前記各踏み台部に対する踏み動作指示を行う案内手段とを備え、前記案内手段は、前記床盤面体の前方で、かつ前記床盤面体上に位置する標準的な身長を有するプレーヤの目の高さとほぼ同じ高さ位置に表示面が位置するように取り付けられた、画像を表示する第1の表示手段を有し、該第1の表示手段への前記踏み位置指示マークのスクロール表示による静止マークとの一致により踏み動作のタイミング指示を行うものであることを特徴とするダンスゲーム装置。

解説

 DDR特許です。床に操作盤を備えた筐体に関して権利化されています。

早押しクイズ実用新案

 コナミから「VJ」を攻撃されたジャレコが、カウンターとしてコナミの「ドレミファグランプリ」を攻撃した実用新案です。

実用新案第2576202号

実用新案番号:
実用新案第2576202号
出願番号、出願日
実願平05-31424、1993/6/11
出願人
ジャレコ
クレーム(独立項)
【請求項1】
オン操作されたときの操作順から早押し順を判定するための複数の早押し手段と、
各多肢選択式問題に対する複数の解答選択肢をそれぞれ選択する解答選択手段と、
上記多肢選択式問題を少なくとも表示装置に出力する一方、上記早押し手段の早押し順を判定し、最も早く押したものについて解答権を与えるゲーム制御演算手段と、
を有することを特徴とするクイズゲーム機。
【請求項2】
オン操作されたときの操作順から早押し順を判定するための複数の早押し手段と、
各多肢選択式問題に対する複数の解答選択肢をそれぞれ選択するための解答選択手段と、
上記多肢選択式問題を少なくとも表示装置に出力する一方、上記早押し手段の早押し順を判定し、その早押し順に従って、上記解答選択手段により選択された解答の正否を順次判定し、最も早く正解したもののみを正解と判定するゲーム制御演算手段と、
を有することを特徴とするクイズゲーム機。

解説

 早押しクイズゲームに関する実案で、請求項1は解答権を得るための早押しを、請求項2は解答自体の早押しをクレームしています。確かに、早押しクイズって、いずれかの形式ですよね。もっとも、ウルトラクイズのように何かプレイさせた結果で解答権を決めるとなると、明らかに権利範囲から外れると思います。

ミニゲーム特許

 コナミから「ギタージャム」を攻撃されたナムコが、カウンターとしてコナミの「実況パワフルプロ野球'99 開幕版」を攻撃した特許です。

特許第2742394号

特許番号:
特許第2742394号
出願番号、出願日
特願平06-329695、1994/12/2
出願人
ナムコ
クレーム(独立項)
【請求項1】
記録媒体からゲームプログラムおよびデータをゲーム装置本体に読込んで所定の処理をする、ゲームプログラムおよびデータの読込み方法であって、
前記記録媒体には、メインゲームのゲームプログラムおよびデータと、副次的なプログラムおよびデータとが記録されており、
プログラムまたはデータを読込んで処理する場合、副次的なプログラムまたはデータを先に読込み、次にメインゲームのプログラムまたはデータを読込むことを特徴とするゲームプログラムおよびデータの読込み方法。
【請求項2】
記録媒体からゲームプログラムおよびデータをゲーム装置本体に読込んで所定の処理をする、ゲームプログラムおよびデータの読込み方法であって、
前記記録媒体には、メインゲームのゲームプログラムおよびデータと、副次的なプログラムおよびデータとが記録されおり、
プログラムまたはデータを読込んで処理する場合、副次的なプログラムまたはデータを先に読込んで処理し、その処理が行われているときに並行してメインゲームのプログラムまたはデータを読込むことを特徴とするゲームプログラムおよびデータの読込み方法。

解説

 PlayStationの初期に発売されたナムコの「リッジレーサ」ではメインプログラムのロードの間にギャラクシアンが遊べたのですが、その技術に関する特許だそうです。

記載については充分注意を払っておりますが、なにぶん無資格者が学習の目的とはいえ趣味の範囲で行っているものですので、万一内容に起因する損害や不利益などが生じても一切責任は負いかねますので、予めご了承下さい。