親日反民族行為者財産の国家帰属に関する特別法

[制定2005.12.29法律第7769号]

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 1条(目的)この法律は、日本帝国主義の植民統治に協力して我が民族を弾圧した反民族行為者がその当時親日反民族行為により蓄財した財産を国家に帰属させて善意の第三者を保護し、取引の安全を図ることにより正義を具現して民族の旌旗を正しく立て、日本帝国主義に抵抗した3.1運動の憲法理念を具現することを目的とする。

 

2条(定義)この法律で使用する用語の定義は、次のとおりとする。

 1."財産が国家に帰属する対象である親日反民族行為者(以下"親日反民族行為者"という。)"とは、次の各目のいずれかに該当する者をいう。

 イ 「日帝強制占領下反民族行為真相糾明に関する特別法」第2条第6号から第9号までの行為をした者。ただし、これに該当する者であっても爵位を拒否・返却し、又は後で独立運動に積極的に参加した者等で第4条の規定による親日反民族行為者財産調査委員会が決定した者は、この限りでない。

  ロ 「日帝強制占領下反民族行為真相糾明に関する特別法」第2条の規定による親日反民族行為をした者中第4条の規定による親日反民族行為者財産調査委員会の決定により独立運動又は抗日運動に参加した者及びその家族を殺傷・処刑・虐待又は逮捕し、又はこれを指示又は命令した者等親日の程度が極めて重大であると認められた者。

 2."親日反民族行為者の財産(以下"親日財産"という。)"とは、親日反民族行為者が国権侵奪が開始された露・日戦争開戦時から1945年8月15日までに日本帝国主義に協力した代価として取得し、又はこれの相続を受けた財産又は親日財産であることを知りながら、遺贈・贈与を受けた財産をいう。この場合、露・日戦争開戦時から1945年8月15日までに親日反民族行為者が取得した財産は、親日行為の代価として取得した財産と推定する。

 

3条(親日財産の国家帰属等)@親日財産(国際協約又は協定等により外国大使館若しくは軍隊が使用・占有又は管理している親日財産及び親日財産中国家が使用し、又は占有又は管理している財産も含む。)は、その取得・贈与等原因行為時にこれを国家の所有とする。ただし、第三者が善意で取得し、又は正当な代価を支払って取得した権利を害することができない。

A親日財産の国家帰属に関する具体的手続き及びその他の必要な事項に関しては、大統領令で定める。

 

4条(親日反民族行為者財産調査委員会の設置)親日財産の調査及び処理等に関する事項を審議・議決するために大統領所属下に親日反民族行為者財産調査委員会(以下"委員会"という。)を置く。

 

5条(委員会の業務等)@委員会の業務は、次の各号のとおりとする。

 1.親日反民族行為者の調査及び選定

 2.親日反民族行為者の財産調査及び親日財産有無の決定

 3.日本人名義で残っている土地に対する調査及び整理

 4.その他大統領令が定める事項

A委員会は、第1項の規定による業務を遂行するために国家機関、地方自治体その他の関連機関又は団体に対して必要な資料提出及び事実照会等協力を要請することができる。

B前項の規定により委員会から協力要請を受けた国家機関等は、特別な事情がない限りこれに応じなければならない。

C第1項第1号の規定による調査及び選定をする場合において「日帝強制占領下反民族行為真相糾明に関する特別法」第3条の規定による親日反民族行為真相糾明委員会が調査した結果を援用することができる。

 

6条(委員会の構成)@委員会は、委員長1人及び常任委員2人を含む9人の委員で構成する。

A委員は、次の各号のいずれかに該当する者中から国会の同意を得て、大統領が任命し、委員長は、委員中から大統領が任命する。

 1.判事・検事・軍法務官又は弁護士の職に10年以上在職した者

 2.公認された大学で歴史関連学科の専任教授以上の職に10年以上在職した者

 3.歴史考証・史料編纂等の研究活動に10年以上務めた者

 4.3級以上公務員として公務員の職に10年以上あり、又はあった者

B委員中3人は、第2項第1号の規定に該当する者とし、2人は、同項第3号の規定に該当する者とする。

C委員長及び常任委員は、政務職で補する。

D委員の任期は、4年とする。

E委員が事故で職務を遂行することができず、又は空席となったときは、遅滞なく新たな委員を任命しなければならない。

 

7条(委員会の議決)委員会は、特別な規定がない限り在籍委員過半数の賛成で議決する。

 

8条(委員長の職務)@委員長は、委員会を代表し、その職務を統轄する。

A委員長がやむを得ない事由により職務を遂行することができないときは、委員長があらかじめ指名した常任委員がその職務を代行する。

 

9条(委員会の活動期間)@委員会は、その構成を終えた日から4年以内に活動を完了しなければならない。

A委員会は、第1項の規定で定めた期間以内に活動を完了することが困難である場合には、在籍委員3分の2以上の賛成で議決した後、大統領の承認を得て、その活動期間を1回に限り、2年延長することができる。

 

10条(委員の欠格事由)@次の各号のいずれかに該当する者は、委員にならない。

 1.大韓民国国民でない者

 2.「国家公務員法」第33条各号のいずれかに該当する者

 3.政党の党員

 4.「公職選挙法」により実施する選挙に候補者として登録した者

 5.親日反民族行為者と親族関係にある者

 6.その他この法律の趣旨に照らし、その職務を引き受けることが不適切であると認められる者

A委員が第1項第1号から第5号までに該当するようになったときは、当然退職する。

 

11条(委員の職務上独立及び身分保障)@委員は、外部のいかなる指示又は干渉を受けずに、独立して、その職務を遂行する。

A委員は、身体上又は精神上の障害により職務遂行が顕著に困難になり、又は不可能になった場合、及び刑の宣告による場合を除いては、その意思に反して免職されない。

 

12条(事務局の設置)@委員会の事務を処理するために委員会に事務局を置く。

A事務局には、事務局長1人及び必要な職員を置く。

B事務局長は、常任委員中1人とし、委員会の議決を経て、委員長が任命し、委員会の所属職員は、事務局長の提案で委員長が任免する。

C事務局長は、委員長の指揮を受けて、委員会の事務を管掌して所属職員を指揮・監督する。

 

13条(職員の身分保障)委員会所属職員は、刑の宣告・懲戒処分又は委員会の規定が定める事由によらずには、その意思に反して、退職・休職・降任又は免職されない。

 

14条(諮問委員会)@委員会の業務遂行に必要な事項の諮問に応じさせるために委員会に諮問委員会を置くことができる。

A諮問委員会の委員は、独立有功者及び関連団体の代表者、委員会の業務と関連した国家機関の公務員、親日反民族行の上に関して、専門的な知識及び経験を有する者の中から委員会の議決を経て、委員長が委嘱する。

B諮問委員会の構成・運営等に関して必要な事項は、委員会の規定で定める。

 

15条(委員会の運営等)この法律に規定されたもの以外に委員会の組織及び運営等に関して必要な事項は、大統領令で定める。

 

16条(秘密遵守義務)次の各号の者は、委員会の秘密に該当する情報・文書・資料又は物を他人に提供若しくは漏洩し、又はその他委員会の業務遂行以外の目的のために利用してはならない。

 1.委員会の委員又は委員であった者

 2.諮問委員会の委員又は委員であった者

 3.委員会の職員又は職員であった者

 4.第20条第1項第4号の規定による鑑定人又は鑑定人であった者

 

17条(資格詐称の禁止)何人も委員会委員、諮問委員会委員又は委員会職員の資格を詐称し、その権限を行使してはならない。

 

18条(類似名称使用の禁止)委員会でない者は、委員会又はこれと類似の名称を使用することができない。

 

19条(調査の開始等)@委員会は、親日財産に該当すると認めるに足りる相当な理由があるときは、議決でその対象財産の所有関係及び親日反民族行為者の財産状態等に関して必要な調査を開始しなければならない。この場合、委員会は、裁判所に保全処分を申請しなければならない。

A親日財産に該当すると疑うに足りる財産に関して「公共機関の情報公開に関する法律」による公開要請がある場合、国家及び地方自治体は、委員会に親日財産有無に対する調査を依頼しなければならない。この場合、委員会は、調査を開始し、親日財産有無の決定をした後、その結果を国家又は地方自治体に通知しなければならない。

B国家及び地方自治体は、必要であると認めるときは、委員会の調査決定の時まで、第2項の規定による情報公開手続きを中止することができる。

C親日財産に該当すると疑われる財産に関して、訴訟が継続中である場合、裁判所は、職権又は当事者の申請により委員会に親日財産有無に対する調査を依頼することができる。この場合、委員会は、調査を開始し、親日財産有無の決定をした後、その結果を裁判所に通知しなければならない。

D裁判所は、必要であると認めたときは、委員会の決定がある時まで、第4項の規定による訴訟手続きを中止することができる。

E委員会は、第1項の規定により調査対象者又は対象財産を選定したときは、その選定事実に当該調査対象者、その配偶者及び直系卑属又は利害関係人に通知しなければならない。

F委員会は、第6項の規定による通知をする場合において通知対象者に異議申請の提起及びその手続き及び期間その他必要な事項を通知しなければならない。

G第7項の規定により通知を受けた者は、その調査対象者及び対象財産の選定に対して異議がある場合、通知を受けた日から60日以内に委員会に書面で異議申請をすることができる。

H委員会は、異議申請を受けた日から30日以内に異議申請に対して決定をし、その結果を申請人に遅滞なく書面で通知しなければならない。

I第7項の規定による異議申請の手続きに関して必要な事項は、大統領令で定める。

 

20条(調査の方法)@委員会は、調査を遂行する場合において次の各号の措置を採ることができる。

 1.親日財産を管理・所有している者に対して財産状態及び関連資料の提出要求

 2.親日財産を管理・所有している者の出席要求及び陳述聴取

 3.関連国家機関・施設・団体等に対する関連資料又は物件の提出要求

 4.鑑定人の指定及び鑑定の依頼

A委員会は、必要であると認めるときは、委員又は所属職員をして第1項各号の措置を採らせることができる。

B委員会は、必要であると認めるときは、委員又は所属職員をして親日反民族行為者の財産状態等を糾明するために必要な場所において関連資料・物件又は施設に対する実地調査をさせることができる。この場合、委員会は、委員又は所属職員をして大統領令が定めるところにより指定された場所において親日反民族行為者の子孫又はこれと関連する者の陳述を聴取させることができる。

C第3項の規定により実地調査をする委員又は所属職員は、実地調査の対象である機関・施設・団体等又はその職員又は親日反民族行為者の子孫に対して必要な資料又は物件の提出を要求することができる。この場合、資料又は物件の提出要求は、調査目的達成に必要な最小限の範囲内に留まらなければならず、資料又は物件の提出要求を受けた機関等又はその職員又は親日反民族行為者の子孫は、遅滞なくこれに応じなければならない。

D第3項及び第4項の規定により調査をする委員又は所属職員は、その権限を表示する証票を携帯し、これを関係人に提示しなければならない。

E第1項第4号の規定により鑑定人と指定された者は、虚偽の鑑定をしてはならない。

F調査の手続きその他必要な事項に関しては、大統領令で定める。

 

21条(異議申請等不服手続き)@委員会の実地調査、資料提出要求、陳述聴取等において親日財産と直接的な利害関係がある者は、異議申請をすることができる。

A前項の規定による異議申請は、その行為があった日から60日以内に委員会に書面ですることができ、この場合、委員会は、異議申請を受けた日から30日以内に異議申請に対して決定をし、その結果を申請人に遅滞なく書面で通知しなければならない。

B第1項の規定による異議申請手続きに関しては、第19条の規定を準用する。

 

22条(調査対象者の欠席)委員会は、第20条第1項第2号の規定による出席要求を受けた者が正当な事由なく出席要求に応じないときは、該当人が出席しない状態で調査を進行することができる。

 

23条(決定等の通知)@委員会は、親日財産という理由でこれを国家に帰属させる決定を第7条の規定により議決した場合には、その対象財産を管理・所有している者にこれを通知しなければならない。

A前項の規定による議決に対して異議がある者は、行政審判又は行政訴訟を提起することができる。

 

24条(公務員等の派遣)@委員長は、委員会の業務遂行のために特に必要であると認める場合には、国家機関・地方自治体に対して所属公務員の派遣及びこれに必要な支援を要請することができる。この場合、派遣要請を受けた国家機関又は地方自治体の長は、業務遂行に重大な支障がない限りこれに応じなければならない。

A前項の規定により、委員会に派遣された公務員は、その所属国家機関又は地方自治体から独立して、委員会の業務を遂行する。

B第1項の規定により、公務員を派遣した国家機関又は地方自治体の長は、委員会に派遣された者に対して人事上不利な措置をしてはならない。

 

25条(国家帰属財産の使用)この法律により国家に帰属する親日財産は、「独立有功者優遇に関する法律」第30条の規定による用途に優先的に使用させなければならない。

 

26条(罰則適用における公務員擬制)公務員でない委員会の委員又は職員は、刑法その他の法律による罰則の適用においては、これを公務員とみなす。

 

27条(罰則)@調査業務を遂行する委員又は委員会所属職員若しくは委員会の調査に参加する参考人を暴行又は脅迫する等の方法で委員会の業務遂行を妨害した者は、3年以下の懲役又は3千万ウォン以下の罰金に処する。

A第20条第6項の規定に違反して、虚偽鑑定をした者は、2年以下の懲役又は2千万ウォン以下の罰金に処する。

B次の各号のいずれかに該当する者は、1年以下の懲役又は1千万ウォン以下の罰金に処する。

 1.第16条の規定に違反して、秘密に該当する情報等を提供又は漏洩し、又は他の目的のために利用した者

 2.第17条の規定に違反して、資格を詐称し、その権限を行使した者

 3.第18条の規定に違反して、類似の名称を使用した者

 

28条(過怠金)正当な事由なく次の各号のいずれかに該当する者は、1千万ウォン以下の過怠金に処する。

 1.第20条第1項第1号の規定による財産状態及び関連資料の提出要求に応じず、又は虚偽の資料を提出した者

 2.第20条第1項第2号の規定による出席要求に応じず、又は陳述をしない者

 3.第20条第1項第3号の規定による資料若しくは物件の提出要求に応じず、又は偽りで資料若しくは物件を提出した者

 

29条(過怠金賦課権者及び不服手続)@第28条の規定による過怠金は、大統領令が定めるところにより委員長が賦課・徴収する。

A委員長は、第1項の規定により過怠金を賦課しようとするときは、10日以上の期間を定めて、過怠金処分対象者に口述又は書面による開陳の機会を与えなければならない。この場合、指定された期日まで開陳がないときは、意見がないものとみなす。

B第1項の規定による過怠金処分に不服がある者は、その処分の告知を受けた日から30日以内に委員長に異議を提起することができる。

C第1項の規定による過怠金処分を受けた者が第3項の規定により、異議を提起したときは、委員長は、遅滞なく管轄裁判所にその事実を通知しなければならず、その通知を受けた管轄裁判所は、「非訟事件手続法」による過怠金の裁判をする。

D第3項の規定による期間以内に異議を提起せず、過怠金を納付しないときは、国税滞納処分の例により、これを徴収する。

E委員長は、過怠金の金額を定める場合において、当該違反行為の動機及びその結果を参酌しなければならない。


附則<第7769号、2005.12.29>

@(公布日)この法律は、公布した日から施行する。

A(公開要請された情報及び訴訟継続中である事件に対する適用例)第19条の規定は、この法律施行当時親日財産と疑われる財産に対して「公共機関の情報公開に関する法律」により公開要請され、係留中である懸案又は裁判所に訴えが提起され、継続中である事件に対しても適用される。


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