要望趣旨

 「居住実態のない住民登録は住民基本台帳法に則って消除する」―この当たり前に聞こえる措置によって、大阪市は日雇い労働者の市民権を奪い、野宿者を社会福祉の枠外に放り出そうとしています。
 昨年一二月、釜ヶ崎解放会館への住民登録報道を受けて、大阪市は「住民基本台帳法に基づいて適正化を行う」として、住民票削除の基本方針を打ち出しました。その後対象は、NPO釜ヶ崎支援機構・ふるさとの家にも拡大されました。
 住民登録は、当たり前の社会生活を送る基礎を提供しています。「住所」があることで、国民健康保険の加入、郵便局・銀行の口座開設、運転免許証の切り替えにはじまり、就労、日雇い手帳の交付、特掃(高齢者特別清掃事業)登録も可能となるのです。つまり住民登録削除は、行政や民間が提供している様々なサービスの対象から排除することを意味しています。
 日雇い労働者は、泊まるドヤが毎日同じというのはむしろ特殊です。飯場仕事で長期にわたって釜ヶ崎から離れるケースも少なくありません。その間もカラ家賃をドヤに払い続けなければならないのでしょうか? また、仕事がなくなれば野宿もあります。住民票削除は、こうした日雇い労働者の生活実態を無視した措置に他なりません。
 「住民登録適正化」は、日雇い労働者・野宿者に限られた問題ではありません。悪質な消費者金融からの借金やDVをはじめとした家庭の事情で実際の居所では住民登録できない人もいます。長期にわたる遠隔地への派遣労働を繰り返している労働者の住民登録も、居住実態がないとして削除するのでしょうか?
 私たちは、大阪市による住民票消除の措置が、日雇い労働者・野宿者の基本的人権を奪うという意味で憲法に反する可能性がある措置であり、不安定な生活を強いられている全ての人々の市民権を奪う措置として大阪市に次の要望を行うものです。

要望事項

一、大阪市は、釜ヶ崎解放会館、NPO釜ヶ崎支援機構・ふるさとの家で住民登録している人々の住民票消除をやめよ
二、日雇い労働者・野宿者が諸々の社会サービスを受けるに必要な住民登録を行いうる代替措置を早急に講じよ
三、安定した住所をもつことができない人々に対して、住民登録を可能とする制度運用又は、法整備を行え

2007年2月
釜ヶ崎・住民登録消除を考える市民の会

大阪市長 關淳一 殿

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