Soaring,Gliding

大会で戦う選手にとって機体をどう飛ばせるか考えたときまるでプログラミングされたように判で押したように皆同じ動きをしたりする。条件とタスクを検討した結果、選手は自らの判断で効率的なフライトをするわけであるがそれが飛行コースサーマルを捕まえるポイント、移動のタイミングなどがよく似通ってくるのだ。心理的にも集団の中で動くほうが失敗が少ないとの理由からガーグル(飛びながら移動する昆虫のような集団)を形成して移動することになる。性能の変わらない機体で、能力的にも似通ったものが集団で動くわけであるから成績も似たようなものかというと、これは違う。ほんの一瞬のためらいで失った時間が取り返せないように判断ミスや失敗の数で成績は差が出でくる。機体性能を生かしたベストの飛びをしたものが上位を占めることになる。

・ソアリング  
サーマル(熱上昇風)の中でセンタリング(旋回)していれば上昇できる。サーマルには中央付近に強いところがあってそのコア(中心)付近でセンタリングすることがより良い上昇率を得る。バンク角(機体を傾けた角度)を小さくかけると翼の上昇率は良くなるが、旋回半径が大きくなってサーマルから外れやすくなる。バンク角を大きくかけると小さな旋回半径でセンタリングできるが翼は機体をぶん回す分機体とパイロットの遠心力にエネルギーを費やし、揚力から上昇成分を差っぴかれるので上昇率は悪くなる。こういう自前の理では納得のいかないこともある。実際、飛んでいるとサーマルでガンと上げられると機体には非常に大きな力がかかって、パイロットの意思とは別の動きをしようとしてしまう。たいていの者はベースバー(コントロールフレームの下に位置するバー)をこぶしひとつくらい、引き込んで自分の好きな旋回方向に体重をかけようとする。このコントロールが大変重要である。以前はハングは男のスポーツである。だから自然の暴力にはより強い力で対抗しなければならない。と、思っていたが実は力を使わない方が全然効率が良
い。 AとBを比べて見てほしい。

Aは突然のサーマルに合わせて引き込んだ例。

Bは突然のサーマルにも引き込まなかった例。

ハングは上昇気流に入っても失速することは無い。上昇気流の中では失速速度は非常に小さくなるしまっすぐ飛ばしているだけでセンタリングする必要も無く上昇してしまうこともある。だから、少なくともサーマルがあったからといってすぐに引き込んでセンタリングするのはやめたほうが良い。ハングの上級者には全く腕力を使わず腕を頭の上で乗せているだけの者もいる、という。

・グライディング
ハングをまっすぐ効率的に飛ばすグライディングに技術があるだろうか。他の機体といっしょに飛んでいてわずかの高度さ、わずかのコースの違い、わずかの性能の差、わずかのスピード差、いろいろのわずかの差が、5Km、10Km飛ぶうちに高度で100m、200m、、、 500mと開いてしまうことがある。ハングを飛ばすのにここで悩むとつらい。他の機体にいつでも 2km飛んで100mの高度差がついたら致命的だ。買い替えるしかない。今、kingpostless(つのなし)の機体が主流だが、kingpost有りの機体に比べてどのくらいの差があるかというと、条件によってまちまちだが、アゲンスト(正対する)の風が吹いていて高度1400mから3km先の 900mの尾根が超えられるか越えられないかの違いはある。kingpostlessは越せるが、kingpost有りは越せない。
グライディング技術のポイントは次のようになる。
 1.新しい機体ほどよく飛ぶ。
 2.スピードコントロール、偏流飛行、翼面荷重の計算もする。
 3.リフト帯でのグライディングと、リフト帯以外とでは性格が異なる。リフト帯ではドルフィン航法でゆく。リフト帯以外とでは少しでも高度が上のほうが有利。
 4.コース判断は1口で言いきるわけにはいかない。周りを見て、シンク帯に入らないこと、コースの変更は躊躇無く行うこと。
 5.機体、パイロットの有害抵抗が大いに効いてくる。心も体も風になること。