新苗で秋に勝負 3月

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3月

今月のメニュー  <赤玉ぼかしを作ってみよう> <鉢増しの方法>


 そろそろ接ぎ木苗の鉢増しの時期かと思いますが、どのような用土に植えるかはもうお決まりでしょうか? 一番楽をしようと思ったら、市販の適当な培養土に、ご自分の流儀(潅水のタイミングなど)に従って赤玉土を適宜追加し、それを用いるのが宜しいかと思いますが、今度植える土は秋まで使う勝負土です。よくよく考えないと、あとで後悔することになるかも知れません。

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 さて、左の写真をご覧下さい。5号ロングスリット鉢で接ぎ木して、鉢増しする直前のものです。5株とも同一品種ですが、明らかに生育のいい上の3株と、若干劣る下の2株、微妙に土の組成が違います。使った台木、穂木を採った株と枝、接いだ日、その後の管理(施肥、水、置き場など)、全て一緒です。










写真2.jpg<クリックで拡大>
 抜いてみるとこんな感じです。右側が生育のいい方、左側がイマイチな方です。根の太さと量が全然違います。

 種明かしですが、生育のいい方は次表に示す培養土を使って「突き固め植え」しています。イマイチな方、手抜きして市販の培養土を赤玉(小粒)で希釈?して普通に植えました。1枚目の写真の下2株、よく見ると表土が緑色になっていますね。










 さて、讃岐軍を中心に、どくまんサークルメンバーで検討した結果、表中の赤字で示しているものは「外せん!」という結論に達しています。個別にご説明しますと・・・

表1.jpg<クリックで拡大>

赤玉ぼかし・・・菊では昔から使われているもので、「リン酸を吸着してしまう」という赤玉土の欠点を、少量の米ぬか等を使って赤玉ごと発酵させることで改良したものです。作り方は後述します。

竹炭・・・多孔質で微生物の住処となるだけでなく、保水性・通気性・透水性のいい用土を作るために重要で、わざわざ説明する必要がないほどですが、四国テクノが販売している「元気竹ちゃん」が粒径バッチリでオススメです。ここだけの話ですが、埼玉の小久保様にご紹介したら「こんなのを探していたんだよ〜」とのことで、以後手放せないとか。

自家製堆肥・・・笹の葉でマルチングすると白根がどんどん走ってきますが、それを見て作り始めました。C/N比が高く、分解しにくいですが、「竹の葉で堆肥を作るな」という言い伝えに敢えて背いてみました。ケイ酸にも魅力を感じ、笹の葉のみならず、稲ワラ、ケイントップ(サトウキビ)など葉脈が平行な葉っぱばかりを集め、しかも3ヶ月程度しか発酵させていないものを使っておりますが、鉢植えであれば全然問題なし。むしろ(完熟)腐葉土と比べると良いくらいです。誌面の都合上、作り方は省略。
写真3.jpg<自家製堆肥(クリックで拡大)>

孟ツァルト・・・讃岐産の竹パウダーです。竹粉はいろいろありますが、間伐した古い竹を原料としているものがほとんどではないでしょうか? この製品は青竹を粉砕し、少量の米ぬかと共に竹自身が持つ乳酸菌で発酵させたものだそうです。根張りが格段に良くなるのでオススメですが、10%以上入れると窒素飢餓を起こしますので、5%前後が良さそうです。ネギを植えてみると、根っこのフサフサ度合いが明らかに変わってきますので、興味ある方はお試し下さい。 タケノコには各種植物ホルモンが豊富に含まれていますが、「皮が落ちたばかりぐらいの青竹で作ってみたら?」という製造元様へのご提案、その後どうなったことやら?

透水プロ・・・鉢内で水の通り道が出来ないよう、水の表面張力を下げるために用います。透水源、サチュライドなどもあります。水をはじきやすいピートモスを乾いたまま用土に配合しても、透水プロを使えば使用可能です。



<今月のお題1 赤玉ぼかしをつくってみよう>

 ご近所に、全国的に有名な菊栽培家が2人いらっしゃいます。「菊の鉢栽培はバラの30年先を走っているのではないか?」と思い、かねてから興味津々でしたので、ありとあらゆることをバラで試してみました。が、同じ植物といえどもバラと菊とは違うようです。数多くの「ドボン」も経験してます。
その中でも、赤玉ぼかしは「使える!」と思いましたので、ご紹介します。ネット検索で出てくる菊用の配合例とは異なりますが、より単純化し、必要と思われるものを追加したレシピとなっております。
用意するものは以下の通りです。

・ 赤玉中粒 40袋(560リットル)
・ 米ぬか 30キロ  ・ボカシコンブ 1袋
・ 糖蜜 1キロ ・バイムフード(種菌)1キロ
・ 麻袋、もしくは耐候性大型土嚢 20枚

手順
①米ぬか、ボカシコンブ、バイムフードを混ぜます。(左)

②これを、ポリ袋に10等分します。(右)

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③糖蜜液を120リットルつくります。

④赤玉4袋分に、上記糖蜜液のうち12リットルをジョーロなどで均一にしみこませます。(下左)

⑤ ②で小分けした「粉」を1袋赤玉にまぶします。(下右)

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⑥よく混ぜたら土嚢2袋に詰めます。

⑦これを10回繰り返します。

⑧雨のかからないところに置き、上から毛布をかぶせます。下にスノコを敷き、土嚢と土嚢の間は少し隙間を空けた方が良さそうです。(下左)

⑨温度計を挿しておけば、その後の温度変化をモニターすることで発酵の過程を知ることが出来ます。(下右)

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写真10.jpg<クリックで拡大>

 冬なら2週間、夏なら1週間程度で出来上がります。菌糸がびっしりと張って温度が下がり、真っ白になったら使用可能です。(左:生の赤玉、右:赤玉ぼかし)














<今月のお題2 鉢増しの方法>
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・ 表を参考にして土を作ります。堆肥やココピートなどの有機質系だけは、予め暇を見つけて混ぜ、ポリ袋などに小分け密閉しておくと後の作業が楽です。また、適度に結露してピートモスなどにも程良く水分が行き渡ります。

・ 用土を混ぜ合わせる際には、バケツなどを使ってキチンと規定量量り取るように心がけて下さい。作る毎にロット間格差があると、鉢(株)によって条件が変わってきますから、これから1年間色々な事を比較検討する際に支障が出てきます。

・ 良く混ぜ合わせた用土を、山盛りにしてみます。すると、左の写真のように「頂上」の部分には比較的粒子の細かいものが残り、「麓」の部分には粗いものが落ちてくると思います。この麓の部分の粗い用土を10号スリット鉢のスリットが半分隠れる程度に入れます。「上から下まで均一な用土」、「底に赤玉土を入れる」、あるいは「軽石やワラを敷く」でもかまいませんが、限られた鉢内スペースですので、「上から下まで同じ用土。粒径でそれとなくグラデーションをかける。」というのが、色々試した結果一番良さそうです。



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・ 一方、右の写真のように、苗は予めかなり傾けた状態で管理しておきます。「台木と鉢は斜め、芽は垂直」です。植え付ける際は、この角度のまま10号鉢に入れます。こうしておくと、下の写真のように「内芽剪定」したような状態で植え付けられるわけですが、以後どこから出てくるシュート芽も方向的な制約を受けることなく残せます。
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一本切り

 3月中にピンチ出来て、伸びてきた芽の太さが7 mm以上でしたら、そのまま咲かせてみて下さい。いきなり春のバラ展に出せそうな花が咲くことがあります。特にメルヘンケーニギン、初恋など。

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