dinsributorノススメ

ここでは日本でdistributorによる配信がいかに自主出版者にとって有利か、また便利かを説明します。
檜原まり子の今までの記事を読んで下さった方ならもうおわかりかとは思いますが、
まずはここまでの経緯とその都度立ちはだかった壁をおさらいします。

第一に、日本ではDRMのかけられる自主出版サイトが少ない。
あるにはありますが、DRMをかけるために高額な費用が要ったり、
安価であれば簡易DRMというメアドを埋め込むタイプだったりと、
小説はともかく、コミックには不向きでした。
そこで成功報酬である海外の自主出版サイトを使わざるを得ない。
成功報酬体系をとっている海外の自主出版サイトはamazonのKDPおよびkoboのKWLのみ。
ほかにもありますが、日本語対応はこの二カ所だけです。
しかし、海外のサイトであるからにして、印税は海外から支払われます。
また、そのサイトのある国で課税される場合もあり、課税を回避するためには納税者番号が必要な場合もあります。( 詳しくはここ
さらに海外からの送金を日本で受け取る場合は、円建てであれば中継する日本の銀行に中継手数料を支払わねばならず、
ほとんどの都市銀行では一件につき4000円がかかります。(詳しくはここ
そしてサポートとのやりとりはすべて英語。
その点、dinstributorを利用すれば、日本円で日本国内から入金されます。
さらに自主出版者を受け入れていない国内の電子書店サイトへも配信できます。
日本国内でdistributorシステムを取っているサイトは「Mediatunes」以外にも幾つか存在します。
たとえば「パブー」。
ここはプロ版を利用すれば、ほかの書店へ配信することができます。
今のところはkindle storeとkobo書店のみのようですが、将来は増える予定とのこと。
しかし、プロ版は月額525円の利用料がかかり、現在の所、配信コンテンツはkindle、koboそれぞれ5点まで、
さらに簡易DRMをかけパブーでも配信しなくてはなりません。kindle storeやkobo書店のみへの配信ができないようです。
また、ePub3からmobiへの変換は機械的で配信サイト独自の固定レイアウトや全画面表示には対応していないようです。
(ここんとこ、推測なのはプロ版を使ったことがないからで、
使っていて「そうでない」という情報をお持ちの方は連絡お願いします。すぐさま訂正いたします)
全画面表示・固定レイアウトが必要ないテキストリフロー型の小説の場合はいいかもしれません。
ここでの利点は縦書き・ルビ対応の自作「ePub3」をパブーを使うことによってkobo書店へ配信できるということに尽きます。
(あ、レヴェニューシェアが50%と、「Mediatunes」より少しいいです。)
総括すれば、自分で小説をePub3に作成でき、コンテンツの数も5点以内と限られており、
さらに月額525円を払うことに問題がない人は、パブーがいいと思われます。
パブー以外のdistributorもありますが、ePubなどのフォーマット変換に料金がかかるところがほとんどです。
そのほかでは「幻冬舎」。
ここは幻冬舎で高額な紙版の自主出版をした人には、電子書籍配信を行うというなかなか素敵なやり方~~;
まあ、さすが幻冬舎と言うべきでしょうか。
また、コミック作家にとって、自主出版ではなくdistributorを使うことはほかにもメリットがあります。
それはファイルサイズの問題です。
KDPではファイルサイズの上限はありませんが、1枚の画像のサイズが127KBと決められています。
そして70%のレヴェニューシェアを取るためには、パケット代の負担がかかります。
現在、日本国内の配信の場合は、KDPでのパケット代負担は1MBにつき1円ですが、
そもそも日本国内で配信する場合レヴェニューシェアは35%となっていて、パケット代の負担は必要ありません。
1MB1円というお得なプランは、個人ではKDPセレクトというシステムに登録しないと使えません。
KDPに登録すれば、70%のレヴェニューシェアを取ることが出来ますが、
いったん登録すると、90日間同じ本を他の書店で売ることは出来ません。
また90日が過ぎて登録を解除すると35%に戻ります。
なので現実的にはamazonにおける画像のサイズの問題点は127KB以内にしなくてはいけないということでしょう。
KWLの場合、パケット代の負担もなく、大変いいのですが、ファイルサイズの上限は25MBとなります。
出版社から配信されているコミックは180Pで80MB前後。
不必要に重すぎる気もしますが、それでもコミック作家にとって画質は命ですから、
自主出版者はつねにぎりぎり重さとの闘いです。
その点、distributorを使えば、好きなだけ画像の質が上げられます。(過剰にならないことは重要ですが)
コミック配信をするためにパブーを使った場合のメリットは、
amazonではレヴェニューシェアは35%と個人出版と変わりませんが
「Mediatunes」より若干よいことと画像サイズが127KB以上に上げられること、
またkoboではファイル全体のサイズを25MB以上に出来、 なをかつ50%の取り分がもらえること、
デメリットは簡易DRMでパブーでも配信しなくてはならないこと。
コミックの場合、メアドをPDFの余白に書き込む簡易DRMは現実的には不可能で、
またePub3は、「書誌情報」というファイルを抜き取ることによって簡単に簡易DRMを破ることが出来ます。(詳しくはここ
kindle storeとkobo書店ではDRMに守られますが、パブーでは簡易DRMでもかまわない、
配信サイトも今のところその二カ所で十分、というコミック作家さんなら、全く問題ないと思います。

というわけで、私が利用すると決めたのは「Mediatunes」というdistributor。
レヴェニューシェアの数字を見ると、ちょっとがっかりという気がするかもしれませんが、
(KWLの70%とかに比べると、ね)
すでに出版経験をお持ちの方であれば、
現在の日本の出版社では電子書籍の印税がせいぜいよくて15%であることはご存じでしょう。
それから比べれば雲泥の差であり、
なおかつここのよいところは完全な成功報酬であること、
データを自分で作成しなくてもよいところです。
また海外からの入金で悩むこともありません。
絶版になったコンテンツをお持ちの方は、ぜひトライしてみて下さい。
詳しくはこのサイトで!

 

 
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