早期関節リウマチのMRI画像診断

 関節リウマチは原因不明の全身性炎症性疾患で、慢性進行性の関節破壊が特徴です。

   図1に慢性関節リウマチの進行過程を示します。関節リウマチにおける関節病変の主な変化は滑膜の炎症・増殖とこれに伴う軟骨、骨の破壊です。初期の段階では滑膜の炎症が主体で、まだ骨の変化は見られません。滑膜組織の炎症性変化が進行するにつれて、炎症が関節内の軟骨におよび、しだいに軟骨の破壊がみられるようになります。さらに炎症が進むとパンヌスと呼ばれる炎症性肉芽組織が軟骨の上をはうように進入して軟骨を吸収、破壊してその下にある骨の侵食を引き起し、やがて骨破壊が起こります。その後、骨の周囲の滑膜、関節包については炎症が沈静化して線維化、瘢痕化し、後に高度の変形が残り、運動障害を残すことになります。

慢性関節リウマチの進行過程

 最近、リウマチの薬物治療が著しく発展してきています。また、関節リウマチ発症後なるべく早く診断を確定し、直ちに治療を開始することによって、骨・関節病変を極力抑止ないし阻止できれば、経過・予後を良い方向へもっていけることが明らかになってきており、早期診断・早期治療が重要だと考えられています。

 関節リウマチの画像診断は単純X線検査が出発点で、その簡便性、経済性などから、経過の観察などに最もよく使われる基本的手段となっています。単純X線検査では骨びらん、骨萎縮、骨破壊、変形、硬直など骨の変化をみるのには有用ですが、滑膜炎などの初期の変化は間接的にしか描出できす早期診断には限界があると考えられています。これに対してMRIでは滑膜や軟骨、腱の描出や単純X線では認識できない骨変化の評価が可能で、特に図2、図3の画像に見られるように、MRI用造影剤を便うと活動性の滑膜が造影剤で増強されて描出され、単純X線写真では認識できない滑膜の肥厚や骨の侵食、腱の状態などを直接観察できます。

 このことから早期関節リウマチの診断にはMRIが有用であると考えられています。

右手関節単純X線写真とMRI画像

右手関節単純X線写真とMRI画像