リウマチの整形外科的治療

                勤医協中央病院 整形外科科長 大川 匡

1.はじめに

 リウマチの整形外科的治療には、リハビリ、自助具・装具作成、関節注射治療などの保存療法と、滑膜切除術・関節形成・固定術、人工関節などの手術療法があります。

リウマチの保存療法

膝サポーター、外反母趾固定装置

 頚椎・足関節の固定装具や膝サポーターなどは整形外科医の処方に基づき、専門の装具業者が作成します。個々の患者さまの体格や変形した骨格にあわせて、オーダーメイドです。外反母趾・槌趾・足底胼胝など足のトラブルには靴型装具や足底装具、足関節の痛みには足関節固定装具を作成します。趾関節が変形し骨が突出した所では圧力が集中するために胼胝(たこ)ができます。変形にあわせて圧力を分散し、しかも変形が進まないようしっかり支える靴をつくります。

 自助具やオペロン装具は、できあいのものもありますが障害にあわせて作業療法士が作成・調整します。便利棒やソックスエイド、握りを太くしたスプーンなどが代表的です。伏古ひまわり薬局2階ではさまざまな福祉用具を扱っています。

 関節注射にはステロイド注射とヒアルロン酸注射の2種類があります。ステロイド注射はとても効きますが、関節破壊はむしろすすんでしまいますので繰り返し注射することは避けましょう。ヒアルロン酸注射は劇的な効果はありませんが、軟骨にうるおいをあたえ滑りを良くする効果があり、副作用が少ないので継続できます。

2.リウマチの手術療法

 病期と部位により適切な手術は異なります。

 現在の進歩した薬物療法でも十分におさまらない少数関節炎には、滑膜切除術が適応です。手関節の滑膜炎が著しいと指伸筋腱の自然断裂を生じてることがあります。小指・環指に起きやすく、指が自力では伸ばせなくなります。このようなときは手関節形成術が適応です。指の腱を他の腱とつないで伸ばせるようにして術後に尺側偏位が進まないようにSauve-Kapandji法を採用しています。滑膜切除術はこのほか指関節、膝関節、肘関節などで適応となることが多いです。

   変形した関節の機能を改善するには関節形成術や固定術をおこないます。足関節では人工関節もあり、ガイドラインでの推奨度は高いですが十分な長期成績が得られていないので固定術が第一選択です。頚椎環軸椎亜脱臼はソフトカラーなどの装具療法でも頭痛・後頭部痛などが改善しないときには固定術が良いです。Magerl法が有名ですが、椎骨動脈損傷のリスクを避けるため当院では後方固定術を採用しています。趾変形が装具治療でも耐え難いときや普通の靴が使いたい方には趾関節切除形成術をおすすめします。

人工股関節手術、全人工膝関節部品、片側人工膝関節

 関節機能を再建するときには、人工関節手術をします。膝関節、股関節は古くから開発が進み、広く行われています。リウマチの方の比率が多いのが他院と異なる当院の特徴です。開院以来の累計でリウマチの人工関節は膝で600件余、股関節で200件余、肘関節は約100件、手指は約30件、肩の人工骨頭は10件余、足関節は10件弱です。

 免疫抑制剤やステロイド治療、最近では生物製剤(坑TNF療法)を受けているリウマチ患者さまは感染に弱く、骨は粗鬆化し、貧血があって皮膚は薄く萎縮しているなど人工関節手術には細心の注意が必要です。また手術刺激で間質性肺炎や関節炎が急激に増悪することや、汎血球減少症を起こすこともときに経験します。

 当院はバイオクリーンルームを備え、院内感染対策チーム、リウマチ内科医や呼吸器科医との緊密な連携の元、生物製剤使用中の患者さまをはじめさまざまな合併症をもつ症例の手術経験も豊富です。


大川 匡

大川 匡

1958年愛知県生まれの名古屋市育ち
1987年岐阜大学卒業

 だから、プロ野球はふるさと球団ドラゴンズ、ついで第二のふるさと球団ファイターズです。直接対決になればやっぱりドラゴンズ。2006年は周りが快哉を叫ぶ中唇をかみ締め、2007年はこっそりと溜飲を下げました。

 卒業後は直ちに北海道勤医協に参加。神威診療所勤務、福岡大学での膝関節外科専門研修などを経て現職。人工膝、人工股関節、人工足関節、人工肘など関節外科を守備範囲としています。

 研修と子育ての一段落したいま、学生時代の趣味を再開。競技スキーと自転車ツーリング。北海道は競技スキーのレベルが高いです。最近は粉雪滑雪に興味津々。愛車は小径折りたたみの名車、BD-1W。昨年の当協会共済企画健康チャレンジを契機にツーリングを再開。「鉄と銀」(鉄道と銀輪)が面白い。田舎道へうまいものを食べに行くのが楽しみです。