シリーズ検査紹介 冠動脈CT

                         放射線2科技師長 中村 公継

 2008年3月より64列マルチスライスCTが稼働し、今まで当院では不可能であった、心臓の血管である冠状動脈の撮影(冠動脈CT)が可能となりました。これまで、狭心症や心筋梗塞の原因となる冠状動脈を診るためには心臓カテーテル検査が主となり、通常は入院が必要でしたが、冠動脈CTでは、腕の静脈から造影剤を注入するため、外来での検査が可能となりました。

 冠動脈CTのメリットは、何と言っても、普通の造影CT検査と同様に短い検査時間で、冠動脈の狭窄の有無などの形態情報が得られる事です。

 図1は心臓と冠動脈を立体的に観察できる、VR(Volume Rendering)画像です。図2は、心臓カテーテル検査の冠動脈造影と同じ表現をしたAngiographic View(MIP画像)です。いずれも、回転させる事によってあらゆる方向から観察可能です。 

図1.VR 図2.MIP

 また、CPR(Curved Multi Planar Reconstruction)画像(図3)では、蛇行した冠動脈を任意の曲面に沿った切断面を再構成する事によって、冠動脈の狭窄の有無を観察する事ができます。さらに、直線上に伸展して表示するストレートビュー(図4)では、より分かりやすく表現する事ができます。

図3.CPR 図4.ストレートビュー

 検査の手順は

  1. 腕(通常は右正中静脈)に血管確保して、検査のベッドに寝ていただきます。
  2. 心電図モニタを付け、しっかり息を止めて頂くために酸素をカヌラで2リットルを流します。
  3. 血管を拡張させ撮しやすくするために、ミオコールスプレーを舌下へ投与します。
  4. 頻脈あるいは不整脈のある方は、β遮断剤(インデラル)を静注する場合があります。
  5. 撮影は約10秒間、しっかりと息を止めて頂きます。
  6. 検査終了。通常10分から15分で検査終了となります。
  7. 検査終了後、コンピュータによる画像処理を行うため、検査結果は後日お知らせ致します。

 簡単で有用な冠動脈CTですが、造影剤を使用するため、造影剤アレルギーの方、喘息の方、腎機能障害のある方は検査する事は出来ません。息がきちんと止められない方や不整脈が多い方では画像の構成が難しく、冠動脈像が良好に見えない場合があります。病状やその他の検査所見から、明らかに治療の必要な冠動脈の動脈硬化を持っておられると想像出来る患者様に対しては、冠動脈CT検査以外の検査をお勧めする場合が有ります。また、はじめて中央病院に受診される方は、あらかじめ、当院循環器内科で診察を受けていただく場合があります。