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2007年の日記でちょこちょこ書いた小噺をまとめてみました。 ひとつ嘘をついていい、そんな日だよと教えられた。だから彼に向かって力いっぱい、君なんか大嫌いだと言ってやったら、彼はにへらと笑い返して、ありがとう嬉しいよ、なんて答えてくれた。 あれは本当かはたまた嘘か、未だに判別がつかないでいる。 ********** エイプリールフールネタでした。 まったく彼には敵わない。 「どうして僕は生まれたのだろう」 「オレを幸せにするために」 「じゃあどうして君は生まれたんだい?」 「キヨイのヒーローになるためさ☆」 つくづく、彼には敵わない。 ********** 風が温い花の香りを運んでくる。めずらしく静かな日、少女達の寝息が聞こえた。 見上げれば青、あこがれ色の空だ。 ********** 東アジアの一部では、銀河を挟んで右と左に引き離された恋人がいるという。 「つまり、織姫が君で彦星がオレ、天の川が常識という名の非常識さ」 白金のたとえに僕はうなずいた。じゃあ今ではもう毎日が七月七日だね、と言ったら後ろから抱きしめられたので思わず一本背負いを決めてしまった。 僕は何も悪くない。 ********** ゲントウキdeお題 1ヶ月ばかり留守にした時の置き土産でした。お題はゲントウキの歌より。 トップニュース:キヨプラ 出会いこそ非凡なれどその後は平凡、そんなオレとキヨイの関係に新たな歴史が刻まれようとしております。約束の時間まであと三十分、ネクタイを整えて息をつく。 ひとから見れば何てことのない、ただの初デートでありましょう。しかしオレにとっては明日の朝刊一面を飾るほどの一大事なのです。 この幸せを分けてあげようと道行くひとに微笑みかけたら薄気味悪そうに目を逸らされました。 ********** →http://www.uta-net.com/user/phplib/view_4.php?ID=26727 号外とスクランブル交差点:キヨプラ 成人してから結構経つが、分からないことはまだまだ多い。たとえばキヨイの好みも知らなければ、どこへ連れて行くべきかも決まっていない。 無論この恋の行方など分かろうはずもなく、よい方向に転がるならば運命を信じるから助けて神様、なんて無責任なことを思ってみたりする。 ********** ひなたぼっこ:ハセコモ 太陽が好きだったという。春めいた日溜りが好きだったという。しかしこの身にそれはもはや毒でしかなく、青い空にさえ妙な憎らしさを覚えるという。 「分かるかハセ、これが死ぬということだ」 そしてコモンは寂しそうに笑った。少しだけ、その感情が理解できる気がする。 ********** 実際のみえるひと内では陰魄も陽魂も日中元気いっぱい活動してますけどね……。夜(闇)=陰魄の時間、というのはどういう理屈なんでしょう。 いちもくさん:キヨプラ つまらないことで喧嘩してしまった。喧嘩するほど仲がよい、なんて無責任な諺も確かにあるけど、非は明らかにオレにあるので許してもらえるかとびくびくしている。 これを乗り越えればまた少し、距離が縮まるだろうとは思うのだけど、心許ないのでいつもの店でとりあえずチョコレートを買ってみた。 あとは大至急誠意と一緒に届けるだけだ。 ********** 追憶のレイニーデイ:黒雪 澄んだ橙色は雨雲に隠され、水桶をひっくり返したかのように大きな水玉が空から零れ落ちる。 そういえばこんな日に、ずぶ濡れになりながらやって来たことがある。差し出したタオルで水気を切りながら、参った、なんて笑っていた。 でもなぜだろう、その記憶はやけに曖昧だ。時が流すのか雨が流すのか、面影は少しずつ薄れてしまう。 それとも、彼と自分は初めから、こういう運命だったのだろうか。夕立に驚いたひとびとが軒先に集う、ほんのひと時の偶然だったのだろうか。 ********** →http://www.utamap.com/showkasi.php?surl=B10572 素敵な、あの人。:キヨプラ テレビという虚構において、ヒーローとの触れ合いは長続きしない。時間が来れば彼は立ち去り、ボタンを押せば完全に消え失せる。 そして本当はこの世も嘘っぱち、実によくできた笑い話かもしれない。ならばここにいるヒーローもまたいつか消え去ってしまうのだろうか。正直に本心を打ち明けるならば、僕はそれを望まない。 ********** 猫のあくび:明ひめ 夜が来て朝になる、その光を眩しく、愛おしく思う。当たり前のような日常さえ実は複雑な偶然に支えられていて、俺と彼女が出会ったもまた小さな奇跡なのだろうと思う。 「明神さん」 黄昏の中、そう言って彼女がまた笑うから、つられてこちらも笑ってしまった。 ********** ムービースター:ハセコモ コモンは、銀幕の英雄に憧れる子どもに似ている。勇猛な彼の姿を見てはその背に惹かれ、スクリーンの向こうに行くことばかり願っている。 だが、お前はその術を知らない。薄弱で、しかし超えられない境界は爪を立てても破れはしないのだ。 己の無力を知った時に、お前は何を思うのだろう? ――もしもその時が来たのなら、 願わくば、彼の隣にあらんことを。 ********** 実は漫画版から持ってきただけです。手抜きですみません……。 青い車(カバー):ハセコモ 生きていた時分には近寄れなかった、海、とかいうものも好きになった。水を嫌うのは獣の肉体と炎の習性、それがないだけでこうまでも変わるとは思っていなかった。 だだっ広い青を見ていると思う。テメエなんてのは弱っちいモンで、世界から見ればどいつも同じだ。火も水も獣もヒトも、輪廻する魂の取る姿のひとつに過ぎないのだろう。 なあハセ、お前はどう思う? ********** 曲はスピッツのカバーです。 →http://www.uta-net.com/user/phplib/view_0.php?ID=10049 ありふれた未来へ:新世代案内屋男連中+α 「子どもはまず女の子が欲しいんだよね」 「いやそもそも無理だから」「現実を見ろセクハラ野郎」 「親子三人で川の字に寝たい」 「だから無理だって」「現実を見ろセクハラ野郎」 「で、『パパのお嫁さんになるー☆』って娘に言ってもらうんだ」 「死ね変態」「死ね変態」 「何だよさっきから冬悟も犬塚君もひとの夢の邪魔ばっかしやがって!」 もういいよ、とむくれるなり白金はその場で眠りこけてしまった。酒が回ってきたらしい。呆れる冬悟とガクを横目に、正宗は盃を傾けた。 「言わせといてやれ。案内屋には夢みることしかできない、平凡な幸せなんだから」 ********** 二人のカレーライス:キヨプラ 冬だし寒いしうたかた荘にはろくな暖房設備もないんだから、多少客人をもてなしたところで罰も当たらないだろう? むくれた顔で反論すると、雪乃は静かにため息をついた。 「でもね、お砂糖とお塩を間違える子に、台所は任せられないわ」 そう言って彼女が横から手まで出すから、結局僕は何もできなかった。 悔しいけれど、結果的には正しかったと思う。 ********** さらば!:白金サラリーマン時代、プラ澪 彼女が渡航してから三年が過ぎた。長い髪の女性を振り返ることがなくなった。夢にみることもなくなった。ふたりの女性を抱いて、別れた。 こうして思い出は記憶になるのだと思う。 ********** →http://www.uta-net.com/user/phplib/view_3.php?ID=26728 あめちゃん、ひとつ:冬悟 些細な過ちがわだかまっている。夕焼け色に染まった電車の柔らかいシートに腰を沈め、冬悟は小さく息をついた。 ここ最近は何の気もなしにポケットを探ると、小さな飴玉が出てくるようになっていた。このささやかな悪戯を仕込んだのは誰か、大方の検討はついている。包み紙をほどいて口に放り込むとじわりと甘さが広がった。 帰る場所があることは幸せだと思う。 ********** モノクローム・スマイル:キヨプラ 初めて見たのは泣き顔だった。張り詰めたように凛とした口元がかすかに揺らぎ、続いてはらはらと涙がこぼれた。 その次に覗かせたのは笑顔だった。といっても、嬉しくて笑ったわけではない。どこか自嘲するような、こちらまで胸締めつけられる笑顔だ。 それをどうにか変えたいと、そう願ったのがすべての始まりだった。 ********** →http://www.uta-net.com/user/phplib/view_9.php?ID=25810 雨上がりの朝:ガク きらきらと光る宝石を空高くに放ると長い旅を経てやがて星になる。そして流れ星として再び地上に降り注いだそれを掌にすくって優しく洗うとまたきれいに輝き始めるから、それを指輪にして君の薬指にそっと捧げよう。 そんな歌が君に届けばいいと思う。 ********** 七色飛行機:キヨプラ たとえば空が薔薇色で、花咲き乱れる都があって、涼やかな風が吹き抜けるとして。 オレがそこまで連れて行ってあげるよ、と言ったら君はどう思う? ――躊躇いながらも手を取った、それが正解かどうかはまだ分からない。 けれど、虹の向こうが世界あるとして、こんな感じなのかなと僕は思う。 ********** キヨプラのテーマは「キヨイを幸せにしよう」です。 メイクアップ:黒澪 うつむいて歩くとあいつに言われた。 「せっかくの美人が台無しだぞ! 視野は狭くなるし運も逃げる!」 だからオレが治してやろう、とどさくさ紛れにセクハラをかますので一々足蹴にしてやったのだが、思えばあの頃からちゃんと前を見て歩くようになった気がする。 あの頃から、少しだけ、強くなれた気がする。 ********** →http://www.uta-net.com/user/phplib/view_2.php?ID=26729 聞こえないリアル:キヨプラ 彼はまったく掴みがたく、知れば知るほど分からなくなる。いい加減なくせに妙に細かいし、僕を好きだと言っているくせに他の子達にも愛想がいい。とりあえず真意を確かめようかと明神冬悟に抱きついてみたらものすごい勢いで怒られた、明神が。 少しだけ安心してしまったのは内緒だ。 ********** →http://www.uta-net.com/user/phplib/view_6.php?ID=26341 君が笑う時:キヨプラ 美姫を笑わせる、そのためだけに一国を滅ぼした王もいるらしいが、その気持ちは実に痛いほど分かる。あの子の笑顔のためならば、流星の雨をざんざと降らせ、地上を壊滅させてしまっても、オレは後悔しないだろう。正しいかどうかなんて知ったこっちゃない、ただキヨイが自由に活きられることを願っているだけだ、これは当然の感情だろう? そう開き直りつつある昨今。 ********** 涙がかれるまで:ガク姫 長い髪が歩くたびに踊り、時折風に吹かれてなびく。それは手を伸ばせば届く距離で、しかしこの身には決して触れ得ないものだ。まるで掴むことのできない明日の行方のようだと思う。 手を伸ばしては引き戻す。自分は何度これを繰り返すのだろう。 ********** 夏の思い出:キヨプラ 思い出はいつでも優しいし、いつでも胸に秘めておける。取り出せばじわりとあたたかく、楽しい夢をみせてくれる。 だから僕は彼が好きだったあの場所に行ってみようと思う。 ********** 白金から下って2代目くらいの頃を想定しております。 はじまりの季節:姫乃 昔からあちこちを転々としてきたけれど、この町は一番長くいただけに何だか別れがたいものがある。 公園のブランコはこんなにも小さかったろうか。よく遊んだ路地裏はこんなにも狭かったろうか。ひとつひとつを確かめるように、私はゆっくりと歩いて回った。 明日、私は上京する。 ********** →http://www.uta-net.com/user/phplib/view_0.php?ID=25809 満たされて心は:ガク 眠りから覚めた幼子の心地だ。状況を確認できない不安、しかし未来への妙な希望に溢れている。願いが何度も潰えるとひとはこのような心情になるのだろうか。とりあえずこの雨がやんだらもう一度運命を探そうと思う。 ********** ぼんやり夢:キヨプラ ふわふわとした頼りない足元にピンクの雲がかかった世界でつれないあの子が笑顔で振り向き飛びついて「大好き♪」と囁いた。 ――おかげで朝食抜きだったけど、こんないい気分になれるのならば寝坊も悪くないなと思う。 ********** 鈍色の季節:白金、サラリーマン時代 すべてが空虚に飲まれたようだ。空は鉛色、世界から色は失せ、影のようにひとびとは行き交う。その間に立ち尽くし、目を瞑った。 こんな時、思い出すのはあのひとの声だ。 ********** ミチナリ:キヨイ ふと思い出すことがある。昔のこと、彼のこと、彼の残したもののこと。 僕がこれからどこへ向かうのか、それは曖昧でよく分からない。けれど標は彼がつけてくれたから真っ直ぐに進めばいいと思う。 そうして僕はこの白い髪の子を見つけたんだ。 ********** →http://listen.jp/store/artword_1151193_32066.htm おぼえたてのメロディ:ガクツキ 「いいかツキタケ、人生は旅だ。大概においては精神的な意味合いで使われるが、実際に旅をしてもよいとオレは思う。松尾芭蕉もまた曰く、月日は百代の過客にして、行かふ年も又旅人也……」 「要するにどういうことですか」 「要するにまだ見ぬスウィートを求め彷徨うオレ達は旅人であるということだ」 ――とか何とか言っていたのだけど、姉ちゃんを見つけてからこちら、「旅人」を気取るのもやめたらしい。 まあアニキがそれでいいんなら、オイラは構わないわけだけど。 ********** いくらアニキ大好きとはいえよく分からん目的についていけたツキタケの意外な底力と愛に乾杯。 →http://www.uta-net.com/user/phplib/view_1.php?ID=26730 夢のかけら:キヨプラ 許されざる恋かもしれない、叶いはしない愛かもしれない、しかし前例がないというだけで諦めるほどオレはさわやかな性格ではない。 穏やかで平凡で満ち足りた幸せ、それを願うのは当然の権利だろう? 目前にどれだけの困難があろうとも、耐えてみせるだけの根性はあるつもりだ。 誰もが躊躇する暗闇を照らし、手を取り合って進むような、そんなおかしなふたりでありたいと思う。 ********** 個人的キヨプラテーマソングです。同名の別SSもあります。 →http://www.uta-net.com/user/phplib/view_8.php?ID=25811 感情のタマゴ:キヨプラ 小さな公園で、空は晴れていて、僕の隣に彼がいた。――これは夢だ。求める未来だ。妙にはっきりした意識で、僕はそんなことを考えた。 今、目を覚ましたら僕は何を思うだろう。 彼は笑ってくれるだろうか。 ********** ユー幸せにしてもらいなよ☆ →http://www.uta-net.com/user/phplib/view_0.php?ID=26731 Last up 07/011/06 |