経緯とコンセプト

●ことのおこり

筆者が3DCGに手を出すきっかけとなったのは、当時建設に関わっていた港の海底地形を再現してみたいと思ったことでした。まずはVistaPro2を購入して、港の周囲を飛行しながらいろいろな角度で眺められるアニメーションなど作りましたが、そのうち水面や船も配置してみたくなり、Bryce3Dを購入しました。
 Bryce3DはVistaProと異なり地形だけでなく様々なオブジェクトも扱えるのですが、まっさきに取り組んだのがラリィ・ニーヴンのリングワールドでした。あまりに巨大なため平面画ではその一部しか描くことが出来ず、なんとか小説で味わったような広大さを疑似体験してみたいと思っていたためです。
 首をめぐらせないと全体が見えないリングワールドをモニタ上に再現する手段として、ムービーか360度パノラマが考えられました。Bryceにはアニメーション機能があったので試しにいくつか作ってみましたが、とにかく容量が大きくなりやすく、Web公開に不向きという難点があり、しかもインタラクティブ性に欠けていました。また、Bryce3DにはQuickTimeVRパノラマ描画機能もありましたが、QTVRはMac環境でないと扱いづらいのと、天地が再現されないので真の360度とは言えないという不満がありました(QTVR5のCubicVRで可能になりましたが)。
 そんなときWebを検索していて出会ったのがLivePictureパノラマでした。jpeg画像と拡張VRMLであるIVRファイルからなっているため特別なオーサリングソフトが必要なく、比較的低容量で表現でき、しかも天地が見えるということで、まさにうってつけの方式でした。画像のつなぎ合わせ精度がいまひとつとか、複数ファイルなので扱いが面倒などの不満点はありますが、いまのところ筆者の環境ではこれに優る方式がないため、当面はこの方法でパノラマを作成していくことになるでしょう。

●コンセプト

このサイトで公開しているパノラマの主眼は、とかく主観的なスケールで描かれてしまいがちで、かといって数値だけでは感じがつかみにくい天体の情景や、リングワールドのようにあまりにも巨大で基本的に画面に収まりきらず、通常の平面画像では全貌を描けないものを再現することにあります。このため、まず天文年鑑や小説に記載されている数値からスケールモデルをつくり、その中にカメラを置いて、「描かせてみる」という手順を踏みます。
 正直なところ、結果はあまり面白みの無い絵になることが多いのですが、新しい発見もあるため、基本的には見た目優先のアレンジは控えるようにしています(だいいち筆者の腕ではたいしたアレンジは出来ないのですが・・(^_^;))。

●今後の課題

 つまらない絵になる要因のひとつははっきりしていて、解像度にかかわるものです。これは現在の記憶・通信容量が劇的に改善されない限りどうにもなりません。巷で目にする天体イラストレーションの多くはかなり望遠の画角で描かれていて、イオの地平にかかる画面いっぱいの木星などが好例です。360度パノラマでは実際の視直径を正しく再現できますが、それを十数インチの画面に投影した場合はかなり広角の画像になってしまいます。画角が正しいのは画像の上での話であって、肉眼で見た情景に比べると、いろいろなものがかなり小さく写ってしまうのです。
 筆者が使用する最高解像度は、立方体を構成する各画像の辺長が640ピクセルですが、仮に1m離れたモニタ上に解像度を落とさず正しい画角で投影するには、一辺2m、つまり3000×18000ピクセル程度の解像度が必要となってしまいます。
 こんな画像をWebで公開するのはいくらなんでも非現実的なのですが、環境さえ整えば改善していきたいところです。 

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