竜騎士

Dragoon


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Story
 ORPM(リング粒子および土星磁気圏観測機)1号と2号は、その名の通り土星のリング構成粒子や磁場の性質を、もっぱらリング内部で調査するために設計されており、暴露実験用フィルムの長大なマストと船首の観測機器複合体支持トラスを展開した姿は、おとぎ話に出てくるドラゴンを連想させる。2機はいま、土星のAリング内部の「エンケの間隙」を公転する衛星「パーン」とのランデブーを試みていた。差し渡しわずか10キロほどの岩石と氷の塊に過ぎないが、土星にもっとも近い月であり、リング構造の進化に重要な役割を果たしてきた衛星だった。
 もっとも、この探査ミッションと20世紀のある物語との興味深い符合に気付いた人はそう多くは無かった。管制室のモニターの中で、パーンの不規則な地平の向こうに、「赤ノ星」タイタンの半月が姿をあらわした。計画主任は乗員たちに、2機のORPMを「ランス」および「カンス」と命名することを提案した。

Background
 土星上空133,583km、土星のAリング内を公転する衛星パーンの上空数キロメートルから観たパノラマです。初期状態で正面から下面に衛星パーンが広がっており、背面に土星が見えます。パーンの地平と外部Aリング面の上方には、土星系最大の衛星タイタンがオレンジ色の光を放っています。左手にはまるで宇宙に開かれた道のように、太陽に向かってエンケの間隙が伸びています。
 上記に出てくる「物語」は、アン・マキャフリィの一連の小説「パーンの竜騎士」シリーズ(ハヤカワ文庫SF)のことです。惑星パーンを舞台に繰り広げられるドラゴンと竜騎士たちの物語は一見ファンタジーのようですが、実は大昔の惑星植民者の末裔であることが次第に明らかになっていきます。「ランス」「カンス」とも小説に登場する竜の名で、「赤ノ星」は数百年ごとにパーンに接近して災厄をもたらす放浪惑星です。
 まあ、一番内側とはいえリング系のかなり外側なため、「羊飼い衛星」で描いた眺めとあまり代わり映えがしないのですが、せっかく「パーン」という名前だからというだけの理由で作ってしまいました・・・。

Production Note
 ボイジャーの画像で光の点として発見されたパーンは、むろん地表の様子まではわかっていません。ただ、凹凸を与えただけでは面白くないので、表面全体は赤みがかった色合いに、クレーター内部は少し新鮮な氷が見えて白っぽくなるようにマテリアルを設定してみました。
 土星、リング、背景等は「羊飼い衛星」で使ったモデルをそっくりそのまま流用していますが、今回はリングの内部での描画であるため、リングの粒子を立体マテリアルで加えています。タイタンは輝きを表現するため、実際の大きさの5倍程度に誇張した上で、マテリアルをファジーにしてあります。
 ORPM宇宙船は最初DoGA-L1で作ったのですが、どうもSFっぽくなりすぎてしまうため、結局Bryceで作り直しました。宇宙船自体はプリミティブオブジェクトで構成しており、表面テクスチャも全てプリセットのマテリアルをアレンジしたものです。フライトデッキにはShade実用データ集「人の森」収録のフィギュアで作った(色を変えただけですが・・)宇宙飛行士を乗せてあります。

flight deck
[Flight Deck of ORPM]
●おまけ・・・ORPM宇宙船について●
 せっかくフライとデッキ内部を作ったので、正面から望遠で捕らえてみました。
 ORPM宇宙船は、船長ほか数人の宇宙飛行士や研究者が搭乗して、数週間にわたる観測や実験を行うことができます(ですから、母港は土星系内のどこかの衛星としておきましょう)。
 船体は、乗員の研究と生活の場となる与圧球体と、電源や推進システム、燃料系を搭載した円筒形の動力区画からなっています。与圧球体には大きく分けて二つの実験装置が取り付けられています。ブームを伸ばすことで本体前方に突き出すことができる観測機器複合体と、普段は折りたたまれて頂部に収納されており、目的地についてから数分間かけて展開されるフィルム状の暴露実験装置です。前者は主に写真撮影や磁場・放射線等の観測、後者はフィルムに衝突してくるリング微粒子の計数、成分分析などに用いられます。これらと動力区画に取り付けられた高利得パラボラアンテナや4本の低利得アンテナによる電波科学実験を組み合わせて、数十項目の実験を行うことができます。
・・・などと、気合を入れて夢想した割には見栄えのしない絵になってしまいましたが・・・。(^_^;)

2001/06/17 公開

DATA
[Saturnian System]
1B = 100km


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