モンゴル地域研究講義
 

斎藤晶牧場から「近代」を問う

    〜蹄耕法による山地酪農−北海道旭川市の斎藤牧場にて〜    

        遊牧社会の地域研究プロジェクト実践チーム  


 
      インタビュー&まとめ  −3−  今岡良子      
      1987年5月2日   地方の大学が、その地域から学ばないなら、一体、何を学ぶのだろう??    山本克郎      


    山本克郎さんの話:

    

    もちろん、いろんな大学があっていいわけですよ。

    でも、旭川大学を『ミニ東大』にはしたくないですねえ。

    旭川には何もない。

    何もないけど、斎藤牧場がある、っていう大学にしたいですね。

    この牧場には、自然環境の問題があって、

    人間社会のシステムの問題もある。

    我々の日常食べる食品のことから、

    教育・福祉・医療、あらゆることに関連する問題を考え直すものが凝縮されているわけです。

    ここをフィールドだと認識すると、

    社会科学だって、人文科学だって、自然科学だって、

    どんな角度からでも学んでいけるわけですよ。

    そういうフィールドの中で生活し、研究することができるのは、

    地方の大学の特権なんですよ。

    フィールドワークに出かけていかなくても、ここがフィールドなんです。

    我々の場合。

    にもかかわらず、自分の足元を探しもしないで、

    東京の学会に何かあるような固定観念にみんなとらわれているんですよ。

    なんでわからんのかなって、はがゆい思いでいるんですが、

    まだまだ、少数派なんですなあ、我々は・・・・。

    みなさんの外国研究だって、きっと同じことでしょう。

    語学を使うぐらいなら、

    翻訳用のコンピュータ−ソフトの開発に力を入れた方が効率いいですよ。

    言葉だけが、問題なんじゃないんだなあ。

    自分のこと、自分の生き方を追求して、

    自分の足元、自分の生まれた国のことわからないで、

    どうして他人の気持ち、しかも文化の異なる外国人や外国についてわかることができますか?

    そういうことでしょう。

    みなさんがやっておられるフィールドワークというのは。。。

    

  山本先生も、斎藤さんも、同じ昭和3年生まれ。

  昭和を支えてきたこのお二人の言葉は、非常に重い。

  私たちは、寒くなったので小屋の中に入り、暖炉を囲んで話を続けた。

  まきのパチ、パチという音が、私にはもの珍しかった。

  炎に照らされて飲むビールは、飲み屋でじとじと汗をぬぐいながら飲むビールとは別物だ。

  石狩川の清流を飲み干すように、グラスをおいた斎藤さんの声は一段と冴え渡った。

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