モンゴル地域研究講義
 

斎藤晶牧場から「近代」を問う

    〜蹄耕法による山地酪農−北海道旭川市の斎藤牧場にて〜    

        遊牧社会の地域研究プロジェクト実践チーム  


 
      インタビュー&まとめ  −5−  今岡良子      
      1987年5月2日   うちの牧草はゴルフ場の芝より短いんですよ    斎藤晶      


    斎藤晶さんの話:

    

    目に映る現象だけ追うと、

    うちの牧場なんか、あきれかえることでいっぱいでしょう。へへへ

    政府がかなり期待して、

    一戸あたりに2億円もかけて、

    根釧台地にパイロットファームを作ったんですが、

    うまくゆかなかったんですね。

    それで、一昨年、10〜20人くらいの酪農家が見学に来たんです。

    資本かけずに大きくなった斎藤牧場が、いったいどんなものか、見に来たんでしょう。

    それで、私は、

    「うちには皆さんに見てもらえるような、立派な機械や牛舎、サイロはありませんよ」

    と言って、牧場を見てもらったんです。

    そしたら、びっくりしてるんですよ。

    「こんな短い牧草地に牛を放したら、うちの牛なら骨と皮になる」って言うんです。

    うちの牧草は、ゴルフ場の芝より短いんです。

    そのうえ、石や岩が、ゴロゴロしてるでしょ。

    私が思うに、牧地を維持するということは、

    いかに、雑草を駆除するか、いかに、牧草の伸びを低く抑えるか、

    そこにかかってるんですね。

    うちの牧場では牛を使ってやっているんですね。

    牛が牧草をなめるように食べるから、牧場がビロードのようになっています。

    牧草が短いと栄養価の一番高いところを牛が食べることになります。

    牧草も食べられることによって、再生力が旺盛になるんですね。

    縦に伸びられなければ、横に伸びようとするものなんですね。

    よく1平方メートルあたりの牧草の草生量をカマで刈れないんですよ。

    だから、数字にすると、うちの牧草はダメってことになるんです。

    これだけ、牛が元気で、ピンピンしていてもね!

[6:「私のやってきたこと全部話したら、・・・・・」へ]

| [インタビュー4] [インタビュー3] [インタビュー2]| [インタビュー1]| [17号−目次−]|[オナック]


 
|[日本農政の戦後史]|[1940年代後半]|[1950年代]|[1960年代]|[1970年代]|[1980年代]|[1990年代]
|[3、4年生の講義][授業のトップ]|[3、4年生の演習2]|[3、4年生の演習2]|[今岡良子研究室]|