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>>>箱と450の話 >>IF >>番外編 >>>その他

317 名前: 名無しオンライン [sage] 投稿日: 2006/11/01(水) 00:18:45.01 ID:4s4moXWK
プシュー
箱「ただいま」
450「おかえりなさいませ。ご苦労様でした」

何時ものように礼儀正しい仕草と台詞で迎えるパシリ

箱「ええと…」
450「今日の売上です。

そう言ってメセタを渡してくれる。何時ものように稼ぎは少ない。

450「値段交渉されたので3割引にしておきました」
箱「え、勝手に…」
450「今時相場の値段じゃ売れませんよ」
箱「…はい…仰る通りです」

相変わらず妙な所で優秀なお方ですね。原価割れしてませんか?

箱「…ところで仕込んでおいたメイガの出来はどう?」
450「光10%と12%が出来ました。たいした属性じゃありませんね。店に並べますか?」
箱「いや作ったのおま… お願いします」

と、ふと思い出す。

箱「あれ、そういえば3つ仕込んだんじゃなかったっけ?」
450「モノメイトですが要りますか?」
箱「ありがとうございます」

パシリのくれたモノメイトは少ししょっぱかった。畜生、美味いぜ。
もさもさとモノメイトを食べていると、
今日の探索で他のガーディアンズとの雑談で聞いた話を思い出した。

318 名前: 名無しオンライン [sage] 投稿日: 2006/11/01(水) 00:19:54.45 ID:4s4moXWK
箱「…ところで、最近ね、街とかでとっても仲の良いガーディアンズとパシリの話をよく聞くんだよね」

450に何を期待したのかわからないけど、話してみる。

450「他所は他所。うちはうちです」
箱「…仰る通りで」

相変わらずだ。基本的にうちのパシリはいつもこうだ。
仕事先でキャッキャウフフしているガーディアンズとパシリを見ていると正直羨ましくなり、
あまりよろしくない想像をしてみるが、
マイルームに帰ると決まってその想像は砕かれて掃除してくれる。パシリ自身が。

箱「……」
450「何かご不満でも? 戦闘中のレスタだけでは満足できませんか?」
450「なんでしたらアグディールばかりかけましょうか?」
箱「いえ、レスタで十分でございます」

…正直今のレスタ頻度から減らされると正直死活問題だ。
いやありがたいんだけどね。

450「……」
箱「……」
450「ところで」

珍しく話を振ってくる。妙に緊張するなあ。

箱「は、はい、なんでしょう」
450「ライセンスの更新はされましたか?」

ああ、そのことですか。
昨日しつこいほど念を押してきたのは誰だったかなー

450「何か?」
箱「何でもありません。勿論済ませてきました」
450「そうですか」
箱「そうですね」
450「……」
箱「……」

妙な雰囲気がマイルームに充満する。
頼む、今ばかりはお客様来ないでください。いやマジで。

320 名前: 名無しオンライン [sage] 投稿日: 2006/11/01(水) 00:20:16.60 ID:4s4moXWK0
450「…これからもいssy」
箱「はい?」
450「なんでもないです。次のメイガの属性は何にしますか?」

なんだかよく解らないけど、とりあえずメイガを作ろう。
正直聖地は地獄だ。先日パシリとライアさんと3人で突撃したが、
60回以上の死亡回数は正直へこむ。
ていうかCランクという散々な成績に対して戴くライアさんの説教がへこむ。
とりあえず注文をしておこう。

箱「じゃあ、今回も光でお願いします」
450「グラフォトンの在庫がありませんけど」

あ、そうか。最近使いまくってたからなあ。

箱「取ってまいります」
450「……」

パシリがじっとこっちを見てる。僕また何か悪いことしましたかー?

箱「…?」
450「……」
箱「…あ、レスタお願いできますか」
450「解りました。では参りましょう」

今日のパシリのレスタの頻度が少しだけ多かった気がした。




450ネタがあまり無い気がしたので投下してみた。特に反省はしていない


426 名前: 名無しオンライン [sage ま た 箱 か] 投稿日: 2006/11/01(水) 19:22:16.17 ID:4s4moXWK
ライア「大体アンタはね…」

教官の説教がかれこれ30分は続いている。
リニアライン通路の床が凄く冷たい。
触覚センサーではなく、なんというか…いわゆるココロに。

始まりはほんの出来心だった。
メギフォトンが欲しかったので、どうせ行くなら連絡通路Sだろってことで
たいした闇防具もないのに突撃したのがいけなかった。
因みに死亡回数は僕が13回、450が8回、教官が18回だ。
皆のHPがピンチになったので撤退しようとしても敵に突っ込む教官。
教官は「ガーディアンズたるもの敵に背を向けるな」ということを身を持っておしえてくれているに違いない。

箱「はい、ごもっともです。はい。」

正座をしながらぺこぺこ頭を垂れる。
そういえばライア教官と知り合ってから、やけに頭を下げる回数が増えた気がする。

450「…」

僕の450も一緒に正座して説教を聞いてくれている。
しかしなんか無表情だ…あ、こいつスリープモードにしてるんじゃないのか?

ライア「聞いてんのかッ!!」

教官の拳が脳天に炸裂した。
でも聖地で喰らった時ほど痛くなかった。頭頂部の装甲がへこんだけど。
ふと見ると説教を続けている教官の頭の上に、赤いアイコンが灯っていた。
あれは攻撃力低下状態…むろんFFの俺じゃない。まさか…
隣で正座している450を見ると、やれやれという顔をしている。
おまいか、教官にアグディールかけたのは。

相変わらず妙な所で優秀なお方ですね。バレたら折檻されるのは僕なんですけどね。

429 名前: 名無しオンライン [sage ま た 箱 か] 投稿日: 2006/11/01(水) 19:23:09.99 ID:4s4moXWK
それから2時間ほどして僕たちは解放された。
早速マイルームに戻って作戦会議だ。

プシュー
箱「ただいま」
450「おかえりなさい」

今日も先回りされたか。因みに僕は僕一人しかいない自分の部屋を見たことが無い。
必ずといっていいほど450が部屋にいる。一緒に出かけていたときもだ。
なんというか、ガーディアンズってプライバシーってないよね。

箱「えーと、今日の家族会議の議題ですが…」
450「…家族ですか?」
箱「あ、いえ、冗談です。」
450「…そうですか」

すみませんね、こんな箱と家族なんて心外ですよね…はいはいそうですとも…

箱「やっぱり高属性の闇防具が必要だと思うんです」
450「そうですね。そうすれば…」

そうすれば… なんですか?その続きをちょっと期待していいんですか!?もしかして!

450「いい値段で売れますね」
箱「売るのかよ!」
450「空気を和ませるためにボケてみただけです。本当に売るわけないです」
箱「…」

ねえ、箱って期待しちゃだめなの?だめなの?

450「とりあえずメギフォトンもあることですし、メイガラインでも作ってみますね」
箱「あ、はい、お願いします」
450「これでご主人様が死ににくくなればいいんですが…」
箱「…え?」

430 名前: 名無しオンライン [sage ま た 箱 か] 投稿日: 2006/11/01(水) 19:23:20.01 ID:4s4moXWK

いきなりの台詞にちょっと驚く。 箱…期待していいよね!いいんだよね!

450「ライア教官が居なくても行けるようになってくれればいいんですよね…」

箱☆超☆期☆待!!
ついにフラグたった!? 僕もキャッキャウフフできますか?できますよね!
星霊様ありがとう! 箱、生きてて良かったよ!!!
異常なテンションと相応の緊張を帯びつつ、450に聞いてみる。

箱「そ、それって、もしかして二人っきr
450「ライア教官って苦手なんですよね。すぐに暴力に訴えますし」
450「へこんだご主人様の装甲治すの私なんですから…」

箱「………寝ますわ」
450「? 解りました。お休みなさいませ。良い夢を」


照明が消えた部屋の横で、450がメイガラインの製作に勤しんでいた。
450「……高属性なのを作ったら、二人だけで潜れるかもしれないんですよね…」
誰に聞かせるわけでもない独り言を呟いて、いつもにもまして真剣に製作を進める450だった。


次の日、完成したメイガ闇50%に喜ぶ箱。通路に突撃する3人。

そして一人メギドで死にまくった箱に説教をする教官。
それを眺める450の溜息が、冷たいリニアライン通路の壁に吸い込まれていった。


502 名前: 名無しオンライン [sage] 投稿日: 2006/11/02(木) 04:48:44.19 ID:gtHUyWt6
450「課金したんじゃなかったんですか?」

箱「…ごめんなさい。ふかしまんの新しいのが食べたくて…」

450「…わた もといPSUの魅力は新しいふかしまんに劣ると。」

箱「当z …いえまさかそのようなことは…」

450「…そういえば」

箱「は、はい、なんでしょう」

450「私に★8斧と★8槍の基盤がセットされてるんですが」

箱「ちょwwwおまwwwwそれ2ndのパシリに挿そうとして共有倉庫に入れといた奴wwww」

450「素材もあったので知らない間にセットされていました」

箱「おまwww日本語でおkwwwwww」

450「成功率は…」

箱「いやああああああああ!!!言わないで!言わないで!!!」

450「これは難しいですね…」

箱「…モ、モノメイトですか?」

450「そうかもしれません。そうでないかもしれません」

箱「今わかりませんか?」

450「…ログインできないんですよね。 課 金 し て な く て」

箱「……明日課金します…ウゥッ」




半分実話(;・∀・)


574 名前: 名無しオンライン [sage] 投稿日: 2006/11/02(木) 20:30:56.35 ID:gtHUyWt6
450「只今帰りましt……何やってるんですか?」
箱「あ、おかえりー」

コンビニでスパイシーコルドバまんを買って来た450が、
帰って来た途端僕を眺めてそう言った。

箱「え、いや、その、なんというか、暇だったんで…」

今日はメンテナンス。更に延長のおまけつき。
あまりに暇だったのでマイルームでごろごろしていたのだ。

450「メンテナンスで暇なのは解りますが、インテリアルームの
  こんなところに体育座りするのはやめてください。恥ずかしい」
  ↓
  □
□   □
□   □
□   □

箱「だって、インテリアなんにもないんだもん…」
箱「だからせめて箱フィギュアとか陳列してみようかな〜なんて思って」
450「ああ星霊様、こんな馬鹿が、グラール星系の恥部が、この世に存在して申し訳ありません…」

両手を組んで、神に祈るようなポーズであんまりなことを言う450。
箱が存在しちゃいけないのでしょうか。箱だって生きているんだ友達なんだ。

箱「あのね、ラッピーの居る風景失敗したの誰よ。パノン6連敗中なのは誰よ」
450「私じゃないことだけは確かですね。2連敗しかしてませんから」
箱「え…じゃあ完成したウォーキングパノンは…」

450「食べました」
箱「な、なんで食べんの!!せっかく出来たのに!」

575 名前: 名無しオンライン [sage] 投稿日: 2006/11/02(木) 20:31:26.04 ID:gtHUyWt6
僕は450に詰め寄った。当然だ、折角完成したものを食べられては
これから先、箱をやっていけない。
しかし450はそんな僕を気にもせず、何時もの調子で尋ねてきた。

450「……一つお聞きしたいのですが」
箱「はい?」
450「ご主人様は、美人キャストと闇属性の蜂の巣面エネミーと、どちらが好きですか?」
箱「そりゃ美人キャストでしょ」

当然だ。当然でしょう。僕だって箱です。男の子です。

450「…そういうことです」
箱「どういうことですか」
450「……つまり、パノンよりも……いいということです」
箱「何が?」
450「……わかりませんか?」
箱「……」

しばらく考える。パノンよりもオイシいインテリアがあると?
うーん、箱的には…   あ、そうか!

箱「ああーーーーーっ!」
450「…!?(ビクッ)」

箱「オキクドールがあったか!」

450「……」



……

………

−パルム−

拝啓>みんな

僕は今パルムでディ・ラガンと戦っています。
勿論パシリと一緒です。450です。
今、僕の頭頂部装甲はへこんでいます。
グラール星系でも、杖は打撃武器として使えるようです。初めて知りました。
今、手持ちのメイトは残り少ないです。
今日のパシリはアグディールしかかけてくれません。
箱、とても悲しいです。箱は何か悪いことをしたのでしょうか?
星霊様、僕は幸せになれるのでしょうか? 哀れな箱に幸せをください…オネガイ


757 名前: 名無しオンライン [sage] 投稿日: 2006/11/03(金) 13:57:22.63 ID:IhEvGTGm
幸運というのはどこに潜んでいるのか解らない。

箱「……」

そしてその幸運は、時として悪魔の囁きの如く箱を誘惑するのである。

箱「……ぬうー」

箱は珍しく彼のマイルームで深刻な顔をしていた。
その手には、最大身長の彼からしたらあまりに小さいPM用のデバイスがあった。

箱「確かに、星霊様に幸せをくださいって言ったけど…」
箱「……マジで? これいいの?倫理的に」

経緯はこうだ。
今日、ニューデイズでふとあるパーティに入り、
ヒューマンの男性と2人+その男のパシリで探索をし、それが終了した時のことだ。
ミッションも終わり、出口直前のエリアでなんとなく雑談していると、パシリの話になった。

男「なぬ、おまいもパシリと一線を超えたいと仰るかッ!!」

箱「いやいやいやいや、そんなこと言ってませんって。もうちょっと優しくしてほしいなあと」

男「オン・ザ・ベッドで?」

箱「いやいやいやいやいや普通の生活でですよ!」

男「なんだ」
男「でも解る、解るぞその気持ち! 男たるものやっぱり可愛い女の子に優しくしてもらいたいよな、箱!」

バンバンと箱の肩を叩きながら男が言う。

箱「…ですねえ」

男「俺なんて、俺なんてなあ、>>447-452なことがあってなあ」

箱「……(ソニチ恐るべし…)」

758 名前: 名無しオンライン [sage ま た 箱 か] 投稿日: 2006/11/03(金) 13:57:53.35 ID:IhEvGTGm
男「更に教官に邪魔されるは教官に邪魔されるは教官に邪魔されまくったんだぜ!」

男の目に涙が滴る。これが男泣きという奴であろうか。

箱「教官に邪魔されまくってるんですね… っていうか段取りが悪いだけじゃ…」

男「よし、決めた!」

男は箱のツッコミを無視してそう言い、きょろきょろと辺りを見回す。
彼のパシリが少し離れたところで花を眺めているのを確認すると、
箱の肩に手を回し、小声で言った。

男「おまいにこれをやろう。」

箱「なんですかこれ」

男「これはな、俺がイヤッフォォォォォウオークションでゲットした、PM用のデバイスだ」

箱「デバイス? 何の?」

男「フフフフフ、これはPMデバイスERO。しかも2個目だ。
  これをパシリに使うともうなんだ、パシリが倫理的に問題ある行動を倫理的におkしてくれるステキアイテムだ!」

箱「えええええええっ、ちょ、それはまず・・・」

男が慌てて箱の口を手で抑え、440のの様子を伺う。
440はちょっとこっちを見るが、男が愛想笑いを返すとクスリと微笑んで
再び花をつんつんし始めた。

男「これはお前を同志と認めたから託すんだ。いいな、決して教官と待ち合わせした後に使うなよ」

箱「え、でも、あの、えーと」

男「じゃあ俺は行くぜ。おーい440、次いくぞー!」

440「はーい、わかりましたぁー。 では箱さん、また会いましょうね」

男「じゃあな、箱。俺達は聖地奪還にいってくるぜ!」

箱「え、ちょっとま…」

男「お前もお前の聖地に行けるといいな!! グッドラック!」

男は異常にさわやかな笑顔を浮かべ、親指をぐっと立て、
キラーンと歯を輝かせた後に、箱をキックした。

440「あれ、箱さんキックしちゃったんですか? 彼と聖地まで行くんじゃないんですか?」

男「ああ… 男ってやつはな、全てを賭けてヤらなくちゃいけない時があるんだぜ…」

440「そうなんですかぁ…まさに男の浪漫ですねえ…」

男「箱… 死ぬんじゃねえぜッ!」

彼らが見上げた空はさわやかに青く透き通っていた。


805 名前: 名無しオンライン [sage ま た 箱 か] 投稿日: 2006/11/03(金) 16:02:11.43 ID:IhEvGTGm
一方、ガーディアンズコロニーのショッピングモール。
450がメモを片手にきょろきょろしていた。
450「ええと、まずはラストサバイバーの基盤と、ユピテリンが3個。あとは…」

ざっと眺めたメモの、終わりのほうが目に入った450の足がふと止まる。

450「……パノン…ゼリー……?」

そこには「オネ[-人-]ガイ」という顔文字とともにそう書いてあった。

450「…はぁ…」

溜息がひとつ。

450「全然懲りてない… まったく、パノンなんかのどこがいいのか…」
450「可愛いかもしれませんが、敵は敵。それにどう考えたって私のほうが…」

そう呟きかけて慌ててメモを持った手で口を抑え、きょろきょろと周りを見る。
セーフだ。聞いた者はいないようだった。

450「コホン」

咳払いでそれまでの言動を打ち消し、丁度目の前にあった素材屋の扉をくぐった。

「あれ、450ちゃん?450ちゃんじゃないですかぁ!」

そんな声が店内に入った450を迎えた。

450「え? あ、410さん」

唐突にかけられた声に驚くも、すぐに状況を理解する450。

410「お久しぶりですねー。半月ぶりくらいですか?」

彼女(410)はこの450と同時期に進化したパシリだった。
近い場所に住んでいる主人に配備されたのか、こうして街中で時々出会うことがある。

806 名前: 名無しオンライン [sage ま た 箱 か] 投稿日: 2006/11/03(金) 16:02:32.52 ID:IhEvGTGm
450「ええ。うちの箱が最近合成にハマっちゃって… その足りない素材や基盤を購入しにきたんです」

410「あ、うちのご主人様もそうだよー。これでもね、私結構成功率がよくて褒められるの」

450「410さんは合成が得意でしたからね」

410は打撃武器製作のエキスパートだ。これまで幾つか星の数の多い武器を作ったと聞いている。

410「あ、ごめん。450ちゃんは合成がちょっと苦手だったんだっけ…」

450「気にしないで。私を法30、防70に育てたあの箱が悪いんですから」

410「…うん… でも、それってさ」

450「…?」

410「防具を沢山作りたかったんだけど、450ちゃんに進化もさせたかったからじゃないのかなぁ?」

450「…?? どういうことですか?」

410「だからね、確実に防具を合成を成功させることよりも、450ちゃんのほうが欲しかったんだよ」

450「……」

ちょっと思考。 暫らくしてふと気付く。

450「まさか。う、うちの箱に限ってそんなことは…」
450「た、単にレスタマシーンが欲しかっただけですよ。友達居ないし」

当の箱がこの場にいたら「の」の字を書いて拗ねかねない台詞で
410の予想を取り消す450。

410「えー、そうかなぁ? 箱さん、優しそうじゃない?」

450「…お馬鹿なだけです」

410「まあでも、ちょっとはご主人様に優しくしてあげないと駄目だよ?」
410「450ちゃんそういうの苦手かもしれないけど」

450「……考慮してみます」

410「うん、がんばってね。じゃあ私もう行くね。ばいばーい」
450「はぁ… ではまた」

元気に手を振り去っていく410。
ぽつんと素材屋に残された450の頭の中で、410の言葉がぐるぐると回っていた。

936 名前: 名無しオンライン [sage ま た 箱 か] 投稿日: 2006/11/04(土) 07:35:00.24 ID:8Pj2RfLH

プシュー

箱の部屋の扉が開き、何者かが入ってきた。
それは、深刻な顔つきで、何かを考えながらてくてくとインテリアルームに、
そして箱の部屋に入っていった。

「きゃっ!」
「うわわっ!」

二つの声が綺麗にハモって、どすんという音と共に二つの姿が床に重なる。

450「な、なんですかご主人様、床に座って…」

箱「そ、そっちこそ、帰ってきたのなら一言いってくれればいいのに…」

450「あ、はい。只今帰りました」

箱「あ、お、お帰りなさい」

ふと、箱が床に転がった小さな直方体に気付く。

箱「qあwせdrftgyふじこlp お、遅かったね、な、何かあったの?」

慌てて直方体を後ろに隠しつつ、箱が立ち上がる。

450「…?」

怪訝な表情で不信な態度の箱を眺めながら、450も続いて立ち上がった。

箱「と、ところでさ、頼んでたものは?」

450「はい。これです」

箱「えーっと、ラスサバ基盤とユピテリンと他色々… あれ?」

450「どうしました?」

箱「……えぇと、パノンゼr」

450「買ってませんよ、そんなもの」

箱「[´;ω;`]」

937 名前: 名無しオンライン [sage ま た 箱 か] 投稿日: 2006/11/04(土) 07:35:13.32 ID:8Pj2RfLH
450「はいはいそんな顔しても駄目です…そもそもご主人様は表情が出づらいヘッドタイプなんですから…」

箱「…ごめんなさい。でもよく表情が解りましたね」

450「ご主人様が単純だからです。さて、夕ご飯作りますから準備お願いします」

箱「うん」

キッチンに向かう450、のそのそとそれに続く箱。
ほどなくして箱はテノラ社製の机「ダイ・チャッブ」を展開して準備を進める。
以前モトゥブで買って来た逸品だ。
どんなに乱暴に扱っても、フォトンの力で上に乗せたものはこぼれない。

箱「……」

ダイ・チャッブを前にし、あぐらをかいた箱は、深刻な顔をして再び例のデバイスを取り出し、眺める。
450は小さな身体をきびきび動かして食事を作っている。
そんなけなげな姿を見ていると、箱は箱の中に罪悪感がもわもわと沸いて来るのを感じた。

白箱(駄目だよ、450に手を出すなんて駄目だよ!! 450が傷つくかもしれないじゃないか!)

黒箱(何いってやがる、450だってオンナだぜ? お前のことを待ってるに決まってるじゃないか!)

白箱(そんなのは男の勝手な言い分だよ! ダメダメ!ダメ、ゼッタイ!!450とはこれからずっと一緒にいないと駄目なんだよ!)

黒箱(いーーーんだよ。長い付き合いだから、身も心も一緒になる方がいいんだよ!)

箱の心の中で白と黒の二色の箱が言い争う。

そんな混沌とした口喧嘩の騒音をかき消すように

チリンチリーン

と自転車のベルの音が響いた。

白と黒の動きがとまり、その音の主の方を注視する。

一人の男が自転車をこぎながら、二人の箱の前に止まって、二人を見て言った。

男「倫理的におk!」

938 名前: 名無しオンライン [sage ま た 箱 か] 投稿日: 2006/11/04(土) 07:38:04.93 ID:8Pj2RfLH
箱「……やっちゃおうか…」

とうとう箱を決心という名の下心が支配した。
ともあれこうなったら行き着くところまで行くしかないはずだ。
このアイテムを手に入れたのが星霊様のお導きだというのなら、
これから起こることはきっと僕と450にとって良い事に違いない!!

妙な方向で気合を入れていると、ほどなくして嗅覚センサーにいい匂いが漂ってきた。

450「お待たせしました。スパイシア・ペロリーメイト入りと、コルトバスープです」

相変わらず料理は妙に上手い。450は家事洗濯が妙に得意だ。
きっと良いお嫁さんになれるだろう。…いや、まあ、僕のオヨメサンになったりして…エヘー
浮かれまくる内心を必死でなだめ、努めて冷静な態度を取る箱。

箱「今日も美味しそうですね」

450「当たり前です」

そんな何時もの会話をした後、正座をして二人の食器に料理をよそい始めた450。

隙はないか…隙はどこだ…
獲物を狙うアリクイのような視線で箱は食事を進めながら450の気配を探る。
が、そんな隙ができよう筈も無い。このパシリは妙に優秀なのだ。箱などとは違って。

箱「(むう〜〜困っ)げふっ、げふんげふんげふん ゴフッ!!」

突然箱がむせた。慣れない事をしながら食事をしていたからだろう。

450「もう…… だいじょうぶですか? 今水と布巾持ってきます」
箱(ちゃ、ちゃああああああああああああんす!!!)

早かった。あまりに早かった。Sランクの敵よりも早かった。
普段から想像もつかない速度で、箱が例のデバイスを450のスープの入ったカップに入れる。

450「もうちょっと落ち着いて食べたほうがいいですよ」

450が帰ってきて水を差し出した。
よし、バレてない!僕グッジョブ!!ありがとう>>775の人!!

箱「す、すみません。 ちょっと考え事してて」

450「…慣れない事をされないほうがいいと思いますが…」

箱「すみません…」

450はそそくさと箱や机に飛び散ったスープの飛沫を拭いていった。

箱「……」

なんだか妙に照れくさい。っていうかなんか今日は450がやけに優しい気がする。
箱(こ、これはもう箱的に期待度二倍にばーーーいッ!!ってことなんですかーーーッ!!)
箱の期待は、これまでになくうなぎのぼりで上昇していくのであった。

13 名前: 名無しオンライン [sage ま た 箱 か] 投稿日: 2006/11/04(土) 15:55:25.44 ID:8Pj2RfLH
しばらくして、布巾を片付け終えた450が再び席につく。
そして静かに食事を再開した450が、いきなりデバイスの入ったカップを小さな口に持っていった。

箱(い、いきなりきたぁぁぁぁ!!)

箱の目には、まるでスローモーションのように映る450の動き。
450とカップ距離が近づくにつれ、箱の妙なテンションもどんどん上がっていく。

ついに白いカップと、450の薄いピンクの唇が接触した。
その唇がかすかに動き、コルトバスープを食べていく。
細い喉がこくりと動いたのを確認した箱の身体がカタカタと震え始めた。おそらく緊張で。

箱「ゴゴゴゴゴゴゴゴチソウサマママママ」

450「…? もうよろしいのですか?」

箱「うううううんんん、ももももう寝るね」

450「はい、お休みなさいませ。良い夢を…」

あまーーーーーーーい!!  夜はこれからなんですよ450さん!
箱の夢は夜咲いちゃうんですってば!!
ぎこちない動作でベッドに横たわった箱を訝しげに見ながら450は片付けを始めた。

そして、数時間が過ぎた。
真っ暗な室内のベッドの上で、時折もぞもぞと動く大きな影。…箱だ。

箱(う、ううーん…眠れない…)

スリープモードに入ろうとするも、なかなか入れない。
箱の中の何かが拒否をするのだ。

箱(…今…何時だろ?)

ふと考える。あのデバイスは即効性じゃなかったのだろうか。

箱(…もしかして、騙されたとか…)

心の中でがくーんとくる箱。
やっぱり箱は箱。過度に期待を持ってはいけないのかもしれない。

箱(ハァ… 幸せが欲しいなァ…)

今度こそ寝ようと、もぞもぞと身体をくねらせて布団の中に身体を潜らせる。

と、その時だ。

コツ… コツ…
何かの音が、暗い部屋に響く。音からして、おそらく足音だ。

箱(んあ? え?誰? まさか…泥棒とか…!?)

箱の身体に緊張が走る。武器は無い。しいていうなら拳くらいなものだ。
しかし相手がキャスト、いや万が一ビーストだっりしたら…敵う自信はあまりない。
箱は身を強張らせ、相手の出方を待つしかなかった。

15 名前: 名無しオンライン [sage ま た 箱 か] 投稿日: 2006/11/04(土) 15:56:10.76 ID:8Pj2RfLH
すると、そっと箱の身体に何かが触れた。
それは暖かく、柔かいものだった。

箱(!?)

予想外の感触に、びくりとする箱。
その時、部屋中に張り詰めた緊張の糸を断ち切る声がした。

「ご、ごしゅじん…さまぁ…」

箱「へ?」

声の主、足音の主は箱にとって想像もできない…
いや、ココロのどこかで予想していた相手……450だった。

箱「え、あ…  え?えぁ?」
450「ごしゅじんさまぁ…」

450の潤んだ双眸にココロを捕まえられ、パニックを起こす箱。
そんな箱を意に介さず、450は箱の寝るベッドに登り、箱との距離をどんどん縮めていった。

450「わたし、わたしぃ、なんだか変なんですぅ…」
箱(え、こ、こここれはもしかして!?)

箱の中で、一つの考えがまとまる。

箱(こ、これはもしかしてあのデバイスの効果って奴!?)

まるでその問に答えるかのように、450の身体が箱の腕の中に収まる。

箱(それは最大身長の箱にとってあまりに小さすぎた。小さく、柔かく、軽く、そして繊細すぎた。
  それはまさに450だった…)

昔読んだ漫画のフレーズをパクって、わけのわからないモノローグをしつつ、
聖地のオルアカのように口をパクパクする箱。いや口らしい口はないんだけど。
もはや正気というものが箱のなかにあったのかどうかはわからない。
小さな身体に相応な、控えめに膨らんだ胸が箱の身体にそっと触れる。
これまで女性との接触いえば、ライア教官の鉄拳かルゥ教官の毒舌くらいしか
経験したことの無い箱の身体に、今まで感じたことの無い感触が広がっていった。

68 名前: 名無しオンライン [sage ま た 箱 か] 投稿日: 2006/11/04(土) 21:16:59.67 ID:8Pj2RfLH

箱(や、やわらかいなぁ… これがおんなのこなのかぁ…)

天国に上る気持ちとはまさにこういうことなのであろうか。
未知の感触に、箱は夢心地で呆けていた。見た目の表情は変わらないけど。

450「あぁ… ごしゅじんさまぁ…」

吐息と共に零れる450の声。
彼女の小さな手が、箱の外部装甲の上を滑る。
彼女の頬が、箱の胸に押し当てられる。
450の瞳がすっと閉じられた時、箱に限界が来た。

箱「よ、よ、450… ぼ、僕…」

感極まったのか、突然箱がぎゅうっと450を抱きしめる。

450「はぁ…」

450が吐息を漏ら……

……あ、あれれー?おかしいなぁ〜〜
これはもしかして吐息っていうよりー、溜息ーって奴ですか?

箱「へ?」

間抜けな台詞に、450が何時もの声で答える。

450「満足されましたか?」

一体何事かと、カタカタと振るえながら恐る恐る腕の中の450の顔を覗き込む箱。
そこには、あの潤んだ瞳の450……

…ではなく、何時もの、何時ものクールな眼差しの450がそこに居た。

69 名前: 名無しオンライン [sage ま た 箱 か] 投稿日: 2006/11/04(土) 21:18:22.09 ID:8Pj2RfLH
十数分後…

箱「ごめんなさい…」

マイルームの床に、箱が正座をしてうなだれている。
その前には450が、何時もの表情で…
いや、僅かに不機嫌な表情を混じらせ、腕組みをして箱を見ている。

箱「ごめんなさい…」

何度目の「ごめんなさい」なんだろうか。
箱はただそれを繰り返す。口調からして、かなり落ち込んでいるのがよく解る。

箱「ごめんなさい…」

繰り返される謝罪の言葉に、450がやっと口を開いた。

450「具の少ないスープに、こんな固形物が入っていたら気付くのは当然でしょう」

450の手の中には、例のデバイスがあった。

箱「…ごめんなさい…」

溜息を一つ挟み、450が続ける。

450「何かと思って、検索したら… こんなもので何をするつもりだったんですか?」

箱「……ごめんなさい…」

二つ目の溜息。

450「…言えないようなことを……しようとされてたんですか?」

箱「うぅ… …ごめんなさい…」

箱がまた謝る。流石の450にも、限界というものがある。

450「たしかに、PMと『そういう』関係になるガーディアンズもいると聞きます」
450「たしかに、私にも『そういう』機能が無いとはいいません」
450「……ご主人様は、そういう関係がよろしかったのですか?」

ブンブンと必死で首を左右に振る箱。

450「はぁ…」

三つ目だ。

450「それなら何故こんなものを…」

箱「…それは…なんというか、魔がさしたというか… その…ごめんなさい…」

情けない…情けなさ過ぎる。
自分のPM相手にさっきから謝ってばかり。ていうかいつも低姿勢。
これが自分の主かと思うと……

70 名前: 名無しオンライン [sage ま た 箱 か] 投稿日: 2006/11/04(土) 21:19:11.39 ID:8Pj2RfLH
呆れ果てる寸前の450の脳裏に、ふと唐突に昼間のことが思い浮かぶ。

410「確実に防具を合成を成功させることよりも、450ちゃんのほうが欲しかったんだよ」

…私が…欲しかった…?

この世界においての、合成の比重はとても高い。
中途半端に育成されてしまったがために、PMデバイスZEROを与えられ、
初期化されたPMの話も何度か聞いたことがある。

私は、今まで何度合成を失敗しただろう。
きっと、失敗するたびにご主人様は落胆していた筈だ。
でも、今まで「私」の合成能力について不満を言ったことは一度も無かった。

…そんな……まさかそんなこと…

私なんかより、優しいPMなんて沢山居る。
私なんかより、可愛いPMなんて沢山居る。
それなのに、ご主人様はPMデバイスZEROを買う素振りすら見せたことが無い。

450は再び、大きな身体を小さくしてうなだれる箱を見る。

ふと、この姿に進化した時のことを思い出した。
ヒヨコの姿から、突然この姿になって腰を抜かした最大身長の箱。
こんな大きな身体で情けない…と思ったものだ。
こんな主人の下でこれから生活していかなければならないのか…と落胆もした。

でも、そろそろと差し伸べられた大きな手、「こ、これからも、よろしく…」と言った声。
それらに安心感を覚えたのも事実だ。

本心を言えば、そこまでして私を求めたという行動は嬉しくないわけじゃない。
でも… その方法に納得することができない。

450「今回は…」

暫らく続いた沈黙を破り、450が口を開いた。

450「今回は、許します」

箱「…ごめんなさい」

箱が相変わらず俯いたまま繰り返す。

450「もう、謝られなくても……いいです」

箱「…ごめんなさい」

450「だから謝らなくていいです」

箱「はい…」

箱の謝罪ループにピリオドを打って、450が続けた。

71 名前: 名無しオンライン [sage ま た 箱 か] 投稿日: 2006/11/04(土) 21:21:04.07 ID:8Pj2RfLH
450「今回は、ご主人様の気の迷いということにしておきます」

箱「はい…」

450「今後からは、ちゃんと言っ…」

はっとして、零れ落ちそうになったココロを慌てて拾い直す450。
箱は「?」な表情を浮かべている。どうやら聞いてはいなかったようだ。

450「コホン …今後は、事前に冷静になってよーくお考えください」

箱「はい…」

もしここに第三者が居たならば、
「それって考えた後ならOKってことなんじゃないのかよ」
とツッコミを入れたくなるような台詞であるが、
無論450も箱もそこまで考えてはいない。

450「…それでは…」

450は思う。きっとこのままご主人様に任せていたら、
たとえここで許したとはいえ、二人の関係はぎくしゃくするだろう。主にご主人様の方が。
だから、私がちょっとだけ勇気を出すことにした。

箱「はい…」

まだ何か言われると思った箱が再びしょげる。

450「…ぱ…」

箱「ぱ?」

しかし…意外にも勇気が必要だ。ちょっとどころでは済まなかった。
でも、私がなんとかしないといけない。
これは使命だ。パートナーマシ―ナリーとしての…
いや、これはこの箱のPMをやっている「私」の使命なんだ。

450「パ…」

も、もうすこし…っ いけっ私!!

450「ぱ、ぱぱーん!ぱぱーんっ!」

いきなりの出来事に呆気に取られ、ぽかーんとする箱。
恥ずかしさで、バンフォトンよりも真っ赤な顔をする450。

72 名前: 名無しオンライン [sage ま た 箱 か] 投稿日: 2006/11/04(土) 21:21:25.33 ID:8Pj2RfLH
450「お、おめでとうございます。ラストサバイバー、ちょ、丁度今完成しました。属性は10%です」

中途半端にクールな口調とは裏腹に、オーバーヒートしそうなくらい真っ赤になりながら、
箱の目の前に出来上がったラストサバイバーを差し出す450。
箱はまるで状況が理解できず、必死に現状の把握をしようとしている。
時はまだ夜明け前。二人は時が止まったかのように微動だにしなかった。

数分の後、なんとか一部を把握した箱が先に動く。

箱「あ、ありがと…ぅ」

450「い、いえ。仕事ですから」

本当は、打撃100パシリを持つガーディアンズにお願いして作ってもらおうと思っていたのだが、
そんなことは箱の頭には微塵も残っていなかった。

手渡された小剣を俯き加減で眺めながら、箱は呟いた。

箱「もう、寝ようか?」

450「…はい」

450が答える。更に箱が続けた。

箱「きょ、今日は、450がベッドに寝ていいよ…」

450のココロに必死で答えようとした箱の台詞だった。
それがなんとなく解った450は、照れからか回れ右しつつ、極めてクールな口調で答える。

450「…駄目です。PMが主人を差し置いて、主人よりいい場所で寝るわけにはいきません」

箱が少し寂しそうに
箱「あ、そ、そっか… そうなの…」
と呟く。
しかしその呟きが終わる前に、後ろを向いたままの450が続けた。

450「……一緒の場所なら……別にいいです」

一瞬の間を置いて、箱が照れくさそうに頭を掻いた。

その夜、初めて二人は床にひいた一つの布団で寝た。
ぎこちない、あまりにぎこちない空気が流れたものの、
何時の間にか二人は眠りについていた。

明日から、また同じような日常が始まる。
相変わらずクールな450。妙に低姿勢の箱。寝る場所も別々に戻った。
特に何も変わり映えしないこれまでの何時もの生活。
変わったといえば、二人の記憶装置に少しだけデータが増えた程度だ。

しかし、二人のココロの距離は、二人が気付かないほど少しだけ近づいた…筈だ。
それは箱の願いを聞き届けた、星霊様の導きであったのだろうか。
それともPMデバイスEROの予定通りのプログラムであったのだろうか?

どちらにしろこの超レアアイテムは、
今日もグラール星系のどこかでドロップされて……いるかもしれない。

おしまい

599 名前: 名無しオンライン [sage ま た 箱 か] 投稿日: 2006/11/08(水) 01:22:46.02 ID:bbhp7eHJ
ぱら…
一定の間隔で、紙をめくる音がする。
ぱら…

音の主は、450だった。
ぱら…

ショップカウンターの内側の影に座りながら、450は雑誌を読んでいた。
−月間パートナーマシーナリー通信− 略して「月間パシ通」。価格は260メセタ(税込)。
主人達も知らぬ、パシリの間で密かに出版されている雑誌だ。

450「……」

ショップに客が来なく、暇を持て余していたのだろうか。
何時もの表情で機械的にページをめくる450。

450「……?」

ふと、450の手が止まる。
その視線の先に、ある記事があった。

『合成を上手に成功させる、私の秘訣!』

450「……」

そこは、読者パシリの投稿で構成された、
所謂「私のゲン担ぎ・ジンクス」が羅列されたページだった。
「私は合成の前にラッピーの居る風景のラッピーを撫でてます。成功率は9割です!」
とか
「私は合成の前にご主人様に頭を撫でてもらうんですよー! 成功率はきっと上がってる…筈です!」
など、理論的にまるで説明できそうにもない文章が並んでいた。

450「……そんなことで成功したら、苦労はしません…」

ちょっとだけ翳りを帯びた表情で450が呟いた。
いくら箱が気にしていなくても、やはり「法30」に割り振られた能力が
450にとってコンプレックスになっていたのだ。

450「はぁ…」

一つ溜息で区切りを打って、450はまたページをめくり始めた。
と、刹那
ぼふん!!
450の顔が、表情はそのままでみるみる赤くなっていく。
450の視線のその先には…

【綴じ込み付録!パシリと主人のムフフ☆体験!!】
今までのバックナンバーにはなかった付録が、450の視界の中にあった。

450「…」

ぷるぷると振るえる手に、かろうじて命令を与え、雑誌を閉じる450。

638 名前: 599の続き [sage ま た 箱 か] 投稿日: 2006/11/08(水) 16:05:56.04 ID:bbhp7eHJ
450「…わ、私には、関係のない ことですね。興味無しです」

努めて冷静に装ってはいるが、
最近の450の場合、普段が普段だけに一度感情が爆発すると良く目立つ。
ちょっと前までの450ではなかったことだ。

気を逸らす為に店番に戻るが、相変わらず客が来ない為、ついつい雑誌が気になってしまう。
そんな妙な時間が1時間程経ったであろうか、ついに450が耐え切れなくなった。
床に落ちていた雑誌に恐る恐る手を伸ばし、綴じ込み付録のページを開く。

450「これは、情報収集…情報を収集するための仕事なんです。だから、いいんです…」

珍しく言い訳を呟きながら、再びカウンターの内側に座った450が
綴じ込み部分に手を伸ばす。「…まー」

450「情報を収集するためなんです。これは必要な行為なんです…」

ブツブツと自分を納得させる台詞を呟く450。
ぴり…
切れ目が生まれる。「…だいまー」

450「……」

真剣な表情で450の手が動く。
今まさに、450の手によって袋綴じが開けられようとしていたその時。

「ただいまーー、450、いないの〜?」
450「ひゃあっ!!」

スパァン!!

ぼわっ!

「わわっ!」

一瞬の出来事だった。
突然の声に驚き、凄い勢いで本を閉じる450。突然発動したギ・フォイエ。
そして灰と変わり果てた雑誌。いきなりの炎に驚く箱。

箱「ど、どうしたの? 今何か燃えたけど、大丈夫?」

慌てて箱がカウンターの後ろに回ってきた。

450「はい、大丈夫です。なんでもありません」

あっというまに何時もの表情に変わった450が、
服に少しかかった灰を払いながら立ち上がる。

450「お帰りなさいませ。探索はいかがでしたか?」

箱「あ、うん。 ええとー ええとー」

箱の挙動がおかしい。 こういう時は、必ずといっていいほど何かある。
主に「問題」が

450「……なにか、隠してらっしゃいますね…」

箱「あ、う、うん… えぇと… あの…その…」

647 名前: 638の続き [sage ま た 箱 か] 投稿日: 2006/11/08(水) 19:08:07.10 ID:bbhp7eHJ
450「…仰ってください」

何時ものようにクールな物言いだ。それが箱の言葉を押しとどめているのか。

箱「えぇっと、実は、お願いしたいことが…」

450「……なんで……」

450にさっきの綴じ込み付録のタイトルが思い浮かぶ。
そして、それに呼応するかのように、自らの「あの」台詞が…

「…今後は、事前に冷静になってよーくお考えください」

確かに私はそう言った…らしい。覚えは無いけどメモリーに残っている。
でも覚えがないから言っていない筈。きっとご主人様が勘違いしてるんだろう。
でも、例え勘違いでも、ご主人様にとって「真実」であったら、
この挙動不審もおかしくはない…と、いうことは…ま、まさか、お願いって…
そんなことを一瞬のうちに考え、言葉を続ける。

450「…すか…?」

450は、自分の身体が徐々に熱くなっていくのに気付いた。
AIがフル回転しているのだろうか。おそらく、このまま抱き…

箱「あの…… これ……」

450の思考の邪魔をして箱が何かを差し出した。
それは、何か甲羅のようなものと、基盤。
450は呆気に取られて答える。

450「…これは…?」

それは、ラプチャシェル3個と基盤/ラプチャだった。

箱「あの…作って、もらえないでしょーか…?」

450「……」

648 名前: 名無しオンライン [sage ま た 箱 か] 投稿日: 2006/11/08(水) 19:08:24.73 ID:bbhp7eHJ
なんというか、馬鹿馬鹿しい。
このやり取りが…というよりも、あんな雑誌の記事に影響された自分が馬鹿すぎる。

箱「あ、嫌ならいいんだよ。 売ればお金になるし」

450「……解りました。すぐに作ります」

箱「あ、うん、お願いねー」

てくてくとインテリアルームへの扉に向かう450の背中に箱が一言かける。

箱「あ、成功率はいくつだっけ?」

450「……2%です」

プシュー
450のクールな声を残して扉が閉まった。

箱「あ?あ、え、ちょ、ちょっと、作るのやめた!!中止するってば!!」

どんどんと扉を叩く箱。
今まで通り、まるで変わりの無い箱。
変わったのは、彼を心配していた450の方だったのかも…しれない?

おしまい

665 名前: 名無しオンライン [sage たまには箱に幸せを] 投稿日: 2006/11/08(水) 21:32:32.79 ID:bbhp7eHJ
箱「……」
【※箱の視線】ttp://www.psu-wiki.info/upbbs/data/amiami.jpg

箱「あ、あのー」
450「何か?」

箱「ひっぱっていい?」
450「何をですか?」

箱「ええっと… 紐?」
450「紐ですか?」

箱「うん」
450「……どうぞ」

箱「い、いいの!?」
450「ご主人様さえよろしければ…」

箱「じゃ、じゃあ…」
する…するる

箱「ほどいちゃった…」
450「……はぃ…」

箱(どきどき…)
450「……これで…お止めに…なるのですか?」

箱(ぶんぶんぶん)
箱(ごくり…)
450「……」
するする…ぱさっ
______  _______
          O
         o  __
    ___。__(   ()
    |       .|  ̄ ̄
   /\[´;ω;`] .|  …夢かい…
   //\\    コ
  //  \\_ ヽ |
  //    //|_| .|
  \\  //    |
   \\// ̄ ̄ ̄
     \/

693 名前: 箱、添い寝をお願いする [sage] 投稿日: 2006/11/09(木) 00:44:49.71 ID:ViB89x1h
箱が雑誌を読んでいる。

箱「へ、へぇぇぇ、パシリって、一緒に寝るとあったかいんだ…」
箱「こ、今度僕も試してみようかなあ…」

〜数日後

箱「450ー、450ー」

450「何か御用ですか?」

箱「今晩、寒くないかな?」

450「寒いでしょうね。もう11月ですし…」

箱「で、ででで、」

450「?」

箱「ででで、でね」

450「はい」

箱「ある雑誌にさ、夜寒いときはパシリにお願いするとあったかく寝れるってあってね」

450「…はぁ」

箱「で、でね、今夜お願いしようかな〜〜〜と」

450「……わかりました」

箱「え、いいの!?」

450「はい」

箱(や、やったぁ!!)


〜その夜


   , ノ)
  ノ)ノ,(ノi  ゴォォォォ
  (    (ノし                  クスンクスン
┐@) t=t   ノ                 __  ____
..|( | (...v:) )  <ギフォイエ ギフォイエ     |   |/ / ♯\__
 ̄ |ノ/'''‡ ̄7 )                .|  ./  /  ※ ♯ ※\____
 o/    /ノ               / ,|_/  / ♯  ※  ♯   ./ /|
   ̄TT ̄                /__ /    ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ,/
↑ビジフォン              |      ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|


んじゃ寝るか。おまいらも風邪ひくなよ!ノシ

787 名前: 箱、450を温泉に誘う1/3 [sage ま た 箱 か] 投稿日: 2006/11/10(金) 00:33:42.07 ID:DFCkfo7Q
それは、ある日の夕食の時だった。

箱「あ、あのさ、明日、温泉いかない?」
珍しく、箱がそんな提案をした。

450「温泉…ですか?」
コルドバヌードルを食べる手を休めて、450が答える。

箱「うん。なんでも、ニューデイズに温泉があるんだって。
  今日オープンカフェで話してた人がいてね。
  で、最近ずっとモトゥブ周回だったじゃない? 気分転換っていうか」

450「はあ。私は構いませんが…」
というか、主人に行くと言われたら付いていくのがPMの役目であるわけで、
一々伺いを立てる主人というのも珍しい部類だ。

箱「じゃあ、朝イチでいこうよ。今日は早めに寝てさ」

450「はい。解りました」
食事が終わり、暫らくして箱がベッドに入るのを確認した後、450が後片付けを始める。

しばらくして、エプロンで手を拭きながら、ビジフォンの前に移動した450が検索を始めた。
450「温泉…おそらくクゴ温泉のことでしょうか…」
450の問に答えるように、クゴ温泉のデータが画面に映る。

450「紅葉が綺麗…ですか。ご主人様にしては風情があるチョイスですね。 …ふふ」
珍しく目を細めて微笑む450。と、ふと450の手が止まった。

450「……これ…混浴なんじゃ…」
じろりと振り返り、ベッドの上で寝ている箱を見る。
が、溜息を一つして再びモニターに視線を戻した。
混浴…そんなものが目的なら苦労は…もとい、そんな度胸がご主人様に限ってあろう筈もない。
ただ単に温泉と聞いて、行こうと言ったにすぎないだろう。

788 名前: 箱、450を温泉に誘う2/3 [sage ま た 箱 か] 投稿日: 2006/11/10(金) 00:34:58.81 ID:DFCkfo7Q
450「……まぁ、別にいいですけど…」

ちょっとだけ頬を赤らめ、ふと何かを考えついた450はそそくさとバスルームに向かった。
2時間ほど経って、やけに外装が綺麗になった450がバスタオルを巻いて出てくる。
が、どうも足がおぼつかない。長湯で体温が上がりすぎ、人間で言うところの、のぼせたのだろうか。

450(うぅ… でも…これくらい綺麗にすれば…)

そのままふらふらとした足取りでドレッシングルームに向かう。
そして、ドレッシングルームにあるクローゼットを開けた。

450「どれにしよう…」

クローゼットの中には、450が何時も着ている服と同じものが何着も並んでいた。
それを一つ一つ吟味しながら、450が悩み始める。

450「うーん… これはちょっとへたってるかな…」

傍からみれば、どう見ても同じつくりの服なのだが、
450からすれば何かが違うのだろう。じっくり一つ一つ吟味をしている。

450「…これに…しようかな」

30分ほどかかってやっとチョイスした黒いスパッツを穿き、
バスタオルを取って鏡を見る450。

450「うぅ…ちょっとこれは…光沢がありすぎて、えっちぃかも…」

それはそうだ。上半身はブラだけ、下半身はスパッツだけの格好で、
お尻を突き出すような格好をすれば普通にエロい。

450「…ま、いっか…」

なんだか妙に納得しつつ、450は次の衣装の吟味に入った。


〜そして〜


箱「うわぁっ!!」
箱の素っ頓狂な声で450は起こされた。

450「ふぁ… あ…おはよーございまふ…」
ぽわ〜んとした顔で答える450。
それに対し、焦りまくる…というよりは顔を真っ赤(因みに外装の色はブルー)にしている箱。
手で顔を隠しているが、指の間からしっかりとこっちを見てるのは、
まだ寝ぼけている450でもよくわかった。。

789 名前: 箱、450を温泉に誘う3/3 [sage ま た 箱 か] 投稿日: 2006/11/10(金) 00:37:08.67 ID:DFCkfo7Q
450「…??」
段々とはっきりしてきた頭で、自分の現状を確認する。
まわりに散らばる衣装。その中心にいる自分。どうも服を選んでいる間に寝てしまったらしい。
その自分は…スパッツと…白い肌。 他には、何も身に着けていない。
450の中でみるみる現状が整理されていく。と、同時に顔も赤く…

450「きゃああああああああああっ!!」
箱「えぁ? げふっ!」

箱の耳をつんざく悲鳴がして、箱の顔面に何かが直撃する。
450がナノトランサーから預けてあるアイテムを箱に向かって投げたのだ。

450「えっち!へんたい!すけべ!えろえろきゃすと!ヒューガ的な何かーーーっ!!」

箱「ちょっとま げぶっ! かぼっ! だぶっ!! るせいばっ!!!」
マシンガンのように飛んでくる武器、防具、素材。
あ、これはこの前できた光30のサバエザシ。うわー、凄く綺麗なフォトンの刃だ〜
さすが切れ味いいねー さっくりと頭に刺さってるよー

450「ばかばか!えろ箱!!鈍感!倫理的にギリギリアウトーーーーーーーっ!!」
飛んできたもので箱が埋もれ尽くした頃、やっと450が落ち着いた。
そして、現状に気付くと慌てて身嗜みを整え、アイテムの山の中から箱を発掘する。
しかし発掘された箱はまるで反応がない。目の光が消えているのだ。

450「う…やりすぎちゃったかも… ん…んしょ」
すぽん!という音と共に頭に刺さっていたサバエザシが抜けた。

450「ご主人様? 大丈夫ですか? ご主人様?」
箱の反応はなく、みるみる450が青ざめる。

450「ご主人様!ご主人様!!目を開け…じゃない目を光らせてください!ご主人様っ!!」
目尻に光るものを浮かべつつ、懸命に箱を揺する450。
暫らくの後、箱の目が切れかけの蛍光灯のようにパチパチと点滅して、点灯した。

箱「う、うぅ…」

450「ご主人様ぁ… だ、大丈夫ですか?」

箱「あ、う?うん。あれ?僕、何してたんだろう?」

790 名前: 箱、450を温泉に誘うEND [sage ま た 箱 か] 投稿日: 2006/11/10(金) 00:37:53.17 ID:DFCkfo7Q
450「え?あ、えと…」
どうも箱の記憶が混乱しているようだ。
おそらく頭に刺さったサバエザシのフォトンの力で上手い具合に記憶がすっとんでいるようだ。

450「申し訳ありません…私がナノトランサーをひっくり返してしまいまして…」
箱「あ、そうなの? うーん…なんだか…」

450「な、なんだか?」
箱「とっても綺麗なものを見たような気が…」

450「き…綺麗…ですか?」
箱「うん。なんだろう? 確か透き通るように白い…」
と言いかけたところで
450「あっ!早くニューデイズに行かないと温泉に到着するのが遅れてしまいますよ!」
450「さ、急ぎましょう!」
と、450がまくし立てた。

きょとんとしながらも、流石に現在最優先するものは解っていた箱が答える。
箱「あ、そうだね。じゃあいこうか〜」

450「は、はい。早速出かけましょう」
妙な汗を背中に感じながら、とりあえず胸を撫で下ろす450。

450(もう… 今日は大星霊なのに、いきなりツイてないです…)
寝不足でだるい身体を動かして、450は箱と一緒にスペースポートに向かった。
果たして、ニューデイズでは一体何が二人を待っているのか?
箱は、450は、大人の階段を昇ることが出来るのか!?

…転げ落ちなければいいんだけど…         おしまい

53 名前: 名無しオンライン [sage ま た 箱 か] 投稿日: 2006/11/10(金) 19:49:38.30 ID:DFCkfo7Q
箱「え? 今なんて言ったの?どういうこと?」
450からのあまりに意外な言葉に、驚く箱。

450「当分の間、探索に同行できません、と言ったのです」
箱の問いに450が答える。
その答えに、箱が呆然とした表情になる。

箱「な、何かあったの?」
心配そうに尋ねる箱。しかし450はまるで箱を突き放すように答えた。

450「極秘事項です」
箱「僕にも教えてくれないの?」

450「極秘事項ですから」
箱「…何か、困ったことがあったら相談に…」

450「…極秘事項です」

箱「あ、うん、わ、解ったよ… ちょっと、出かけてくるね…」
450に背を向け、とぼとぼと部屋を出る箱。

箱を何時も送り出す450の声はなかった。
プシュー

扉が閉まると同時に、450の目から涙が零れ落ちてきた。
そのままその場にへたり込むと、声にならない嗚咽を漏らし始めた。

顛末は実に単純なことだった。
この星系で450をパートナーとしているガーディアンズから、
450の行動について、突然苦情が噴出したのだ。
これに関してGRM社は、450系の一斉点検をすることになった。
当然同時に点検することは無理があるため、順番となっているのだが、
順番待ちをしているPMは、特に事情を知らない主人に対して緘口令が本社から下りたのだ。
当然、普段から能天気に過ごし、不平もあまり言わない箱が気付かないのは当然であった。

450「うう、ごしゅじんさま…ごめんなさい…ごめんなさいぃ…」

ぽとぽとと床が丸く濡れていく。目の前に居ない主に向かって、
450は何度も何度も繰り返していた。

PMは基本的に仕えた主人に対して従順であり、それが全てだといっても過言ではない。
事実、平均以上にPMを溺愛する主人も居れば、PMも居る。
しかし、今回の件はそれらを覆す出来事だった。
主人を超える絶対的な支配者。そう、それがGRM社である。
絶対に裏切りたくない相手を、欺かなければならない。
その強制プログラムへのせめてもの反抗が、涙となって顕現しているのか。

でも、この姿を箱には、箱にだけは見せられない。見せたくない。
一線を超えたら…きっと私はあの人から離れられなくなる。
必要以上の接触は、お互いを危機に晒す。それがガーディアンズだ。

せめて、見られないように…
力なく立ち上がり、とぼとぼとドレッシングルームに向かう450。
せめて、本社からの迎えが来るまでは…誰もこの部屋に入ってこないで欲しい。
プシューと音を立て、450を迎えるドレッシングルーム。
その中で、一人座り込む450。
いつかまた、あの箱の笑顔と共にグラール星系を歩くことが出来ることを祈って
彼女は静かに瞼を閉じた。

134 名前: >>53の続き 1/1 [sage ま た 箱 か] 投稿日: 2006/11/12(日) 12:15:21.69 ID:JxTrQHxw
とぼとぼと箱が歩いている。
悪いことは重なるもので、部屋から出たもののどうしようかと考えながらコロニーを歩いていたところ、
ライア教官に見つかってしまい、ついさっきまで研修という名目で、
無理矢理ミッションに連れて行かれていたのだ。

この箱の場合、戦闘能力は平均的なのだが、
生来の弱気な性格の為、大抵ミッション達成ランクはC。
さらにその性格がライアの機嫌を損ねるのか、毎度毎度説教を喰らっていた。
今日もまたその説教を喰らい、450の件もあいまって一層肩を落としているようだ。

箱「…450、ちょっとは元気になったかなあ…」
そう言って握っていた手を広げると、300メセタほどのお金があらわれた。

箱「…はぁ…今日もこれだけかぁ…」

余談だが、この箱の財政は芳しくない。
達成ランクはCが多く、収入の大半は高額な合成関係に費やされ、
他のガーディアンズのように貯金がまるでできないのだ。
そんな風に落ち込んでいる箱の傍を、
またガーディアンズがパートナーのPMと一緒に和気藹々と通り過ぎていった。
ふと、少し前に聞いた話が頭をよぎる。

「GRM本社に突撃して、莫大な金でPMを買い取るガーディアンズがいる」

箱「はぁ…」
また溜息をつく。
それもそうだ。この箱にとって、そんな行為は夢のまた夢なのだ。
正直なところ、ガーディアンズを早く辞めたいのが箱の本音だ。
しかし、生まれたパルムでキャストの恥と言われ、モトゥブではちびビーストに齧られ、
ニューデイズでは「だって箱だし」と蔑まれ、
逃げに逃げて、やっと落ち着けたのがこのコロニーであり、
なんとか生活がやっていけるのもガーディアンズだからなのだ。
今、ガーディアンズを辞めるという事は、箱にとってまた「逃げる」ことになってしまう。

それに…

箱「…なんとかしてあげたいなあ…450…」

もはや箱にとって、帰る場所が出来てしまった。
確かに450に苦労はかけっぱなしだ。450だって辛いんだと思う。
しかし、知らない間に箱にとって450の存在は、かけがえの無いものとなりつつあった。
そうこうしていると、ふと箱の足が止まる。
そこはルームグッズのショップの前だった。

箱「…何か、買っていこうかな」

再び持っているメセタに目を落とす箱。何か買えば、今日の収入はほぼゼロだ。
また450に無駄な買い物だと言われるかもしれない。
少し逡巡した後、箱は店の扉をくぐった。

暫らくしてマイルームの扉の前に居る箱の手には、 メセタの変わりに一つのプレゼントの箱があった。
箱「これで少しでも元気が出てくれたらなあ… でも、こんな安物の花じゃ、ダメかも…」
ちょっと苦笑いを浮かべ、マイルームの扉を開く。

プシュー

扉が開くと、箱は何時もより少し元気な声で言った。
箱「ただいまーっ!」

229 名前: 名無しオンライン [sage] 投稿日: 2006/11/15(水) 00:58:54.39 ID:4zikfk3C
「くちんっ!」

小さなくしゃみが、燃えるように紅い森に木霊した。

箱「大丈夫? 風邪?今日は帰ったほうがよくない?」

450「ぐす…いえ、問題ありません。普段引き篭もりがちのご主人様が折角遠出をする気になったのです。
 ちゃんと帰宅までサポートするのがPMの努めですから」
引き篭もりといわれて「の」の字書き作業に入った箱を尻目に、
450には密かな気合が入っていた。

450(折角人工皮膚を見られてもいいように念入りに洗って、服も一番いいのを選んだのに…
  このまま温泉に入らずに帰るなんてできるもんですかっ!)
「くちんっ!!」

再びくしゃみをする450。…キャストも風邪引くのだろうか…


暫らくしてエリア2も中盤にさしかかると、突如通信が入った。

「こんにちわー。よろしくお願いしまーす」
乱入者だ。
一人はニューマンの女性。もう一人はヒューマンの女性だった。

箱「あ、は、は、はい。ど、どうぞよろしく…」
目の前に居ない通信相手にわたわたと焦る箱。

そんな箱を見ながら、450が溜息を漏らす。
全く持って情けないというかなんというか。何時までたっても女性に対しての免疫がない。
私と一つ屋根の下暮らしているんだから、いい加減慣れて欲しいもものだ。

箱「あれ、どうしたの?450、行くよ」

450「あ、は、はい。今参ります。…ところで、お二人は?」

箱「ああ、なんでも準備してから行くから先に行っててってさ」

450「はぁ…」

ふと、450に少し不安がよぎる。もしかしてあの二人…
しかし、その不安はテンゴウグの登場により忘れさせられた。

箱「ぼ、僕が引き付けるから、フォイエ頼むよ、450」

450「了解しました」
久しぶりの指示に少し喜びを感じながら、450は杖を握り締めた。

230 名前: 名無しオンライン [sage ま た 箱 か] 投稿日: 2006/11/15(水) 00:59:36.36 ID:4zikfk3C
暫らくして、中継地点に到着した箱達に、女性二人が言った。
「あ、私呼ばれたので抜けますねー」
「私も急用ができたので。ではー」

そそくさとパーティを離脱する二人。

箱「あ、おつかれさまー。ま、またよろしくー」
箱の言葉を最後まで聞かずに、二人は姿を消した。

箱「忙しそうな人だったねえ。じゃあ、行こうか」

450「……はい」
450は不満そうに答える。
さっきの二人はおそらく通り抜けに箱を利用したのだろう。
エリア3の終盤になってようやく戦闘に参加したことからも間違いない。
自分の主人が利用されたのだから、450の機嫌が悪くなるのも当然だ。
しかし箱がそこまで考えているはずも無い。
箱の性格を知っている450は何時もは黙っている。いちいちそんなことを箱に言いたくないからだ。
しかし、今回はそれまで上機嫌だっただけに、つい口を出してしまった。

450「ご主人様」
箱「ん?何?」
450「いいのですか?」
箱「何が?」

やっぱり何も気付いていない。

450「先ほどの二人、単に通り抜けのためにご主人様を利用したんですよ?」
箱「…え、そうなの!? よかった、無口だったのは僕の事が気に食わなかったからじゃないんだ」

少々頭痛を感じる450。こいつは絶対詐欺に逢うタイプだ。

箱「でも、まあいいじゃない。僕なんかでも役に立ったってことでしょ?」
450「そ、そうかもしれませんが!」
憤慨する450に、箱が続けた。
箱「それにさ」
450「?」
箱「まあ、えと、ほら、その 450がね…」
何時ものように何か都合が悪そうになるとぼそぼそとしてはっきりしない箱。

450「…解りました。ご主人様がそういうのであれば別にいいです」
どうせ何時ものことと、450が話を切った。

箱「…ごめんなさい」
なんだか訳もわからず謝る箱。

また謝る…と文句を言いたい450だったが、ともあれ今は目的がある。
うなだれる箱の手を取って、

450「さ、行きますよ」
と箱を引っ張り歩き始めた。

小さな450が、大きな箱を引っ張る妙な光景を見る人はいない。
450はこの幸せな時間を満喫しながら、次のエリアへと少しだけゆっくり歩いて行った。

つづく

273 名前: 箱&450、温泉に行く(1/5) [sage ま た 箱 か] 投稿日: 2006/11/15(水) 20:12:02.35 ID:4zikfk3C
―クゴ温泉―
箱「うう… やっと終わった…あれはズルいよ…」
オンマゴウグをどうにかして倒した二人は、
やっとクゴ温泉に到着していた。

450「全く…まさかハンドガンを持ってきていないとは思いませんでした」
箱「うう、ごめんなさい…」
空を自由に飛びまわるオンマゴウグに相当苦戦したらしい。

箱「と、ともあれ倒したからいいじゃない?」
450「まあ、そうですけど…」

しかしすぐに450の気は別の方向に向いていた。

450(やっと、やっと到着… 身体、汚れてないかな…)
それはここで気にするべきことなのかどうかが甚だ疑問ではあるが、
ともあれ450の緊張は徐々に高まりつつあった。

450(さ、最初は、やっぱりお背中から流せばいいんだよね……)

箱「…450?」
450は答えない。少々自分の世界に没頭しちゃっているようだ。

450(も、も、もしもご主人様が「洗ってあげるよ(声色)」とか言ったらどうしよう…)

箱「もしもーし」

450(それでそれで、「胸、最近おっきくなった?(声色)」とかバレちゃったりして…)

箱「おーい」

450(そ、それでもって「450…綺麗だよ(声色)」とか言ってそのまま…倫理的な方面の問題になったら……っ!!)

箱「450さんってば」
返事のない450に、箱が肩をぽんぽんと叩いた。
450「ひゃああっ!!」


メゴッ… 静かな温泉に、そんな鈍い音が響き渡った。

箱「を゙を゙を゙を゙を゙を゙」
450「な、なななななんですかいきなりっ!!」

箱「顔は、顔はあかんて450さん…」
450「と、突然声をかけるご主人様が悪いんですっ!!」

箱「ご、ごめんなさい…」
装甲の隙間からだらだらとオイルを垂らしながら箱が謝る。謝る必要あるのかどうかが疑問だが。

箱「ええっと、と、ところで、脱衣所ってあるのかな、ここ?」
オイルを拭きながらキョロキョロと辺りを見回す箱。
450「ええと……あれではないでしょうか」
450の指差した方向にあるのは、どうやらドレッシングルームへのワープポイントだった。
そばにあった看板を箱が読む。

274 名前: 箱&450、温泉に行く(2/5) [sage ま た 箱 か] 投稿日: 2006/11/15(水) 20:13:13.71 ID:4zikfk3C
箱「ふむふむ、一人づつ別の部屋に転送されるみたいなんだ… んじゃ、いこっか」

450「は、はい」

ドレッシングルームに入ると、450はふうっと一息ついた。
そして、備え付けの鏡に身体を映しながら、服を脱ぎ始めた

450(傷とか、ないよね… あーーー、肩がちょっと焦げてる…)
450(うぅ、テンゴウグの馬鹿… よりによってこんな時にギフォイエ使うなんてぇ…)
ブツブツ言いながら、手でこしこしと焦げ目をこすると、少し目立たなくなった。

450(これで少しは目立たないかな… んしょ)
バスタオルを小さな身体に巻いて準備万端の450。

450(…よしっ、あとはなるようになれっ!!)
最後に一つ気合を入れた450は、最近大きくなったらしい胸を高鳴らせドレッシングルームを出た。


450「あれ?」
温泉には誰も居なかった。
450「もう、何をもたもたしてるんだろ… くちんっ!」
文句を言いながら流石にこの格好では寒いこともあり、先に湯船に入ることにする。

450「ふぅ…いい気持ち…     ごぼっ!」
少し気の緩んだ450が湯船に沈んだ。
湯船は人間サイズで掘られている為、背の低いPMでは、気を抜けば湯の中に沈んでしまうようだ。

450「ごほっごほごほ…けほっ」
咳き込む450。

450「もう、ご主人様が来るのが遅いから…」
照れ隠しか、箱に責任転嫁すると、少し浅めの場所を見つけて湯船を移動する。

450「ふぅ… まだかな…」
肩の焦げ目を洗いながら、箱を待つ450。




と、しばらくして、独特の足音が響いた。

450(! き、きたーーーーーーーーっ!!)
火照った身体を更に赤らめて、450がおそるおそる足音の方に目を向ける。

箱「ごめんー、装甲外すの手間取っちゃって」

275 名前: 箱&450、温泉に行く(3/5) [sage ま た 箱 か] 投稿日: 2006/11/15(水) 20:13:56.76 ID:4zikfk3C
450「遅いですよご主じ…」

……450の言葉は最後まで続かなかった。
目は点に。唖然とした表情。そしてぼそりと一言。

450「デ、デガーナ……カノン……」

狂信者の杜を護る巨大マシーナリー。その左腕に装備された武器がなんでここに…
半ばパニックに陥りながら、必死に状況を整理しようとする450。

450(お、おとこのひとってみんなこんななの!? こ、こんなのみんな物理的に大丈夫なの!?)
450(こんなの…どう考えてもサイズ的に………え、ええええええええええっ!?)

箱「ん?どしたの? あれ、450バスタオル巻いて入ってるの?」

450「えぁ? あ、は、はい…」
なんとか正気を取り戻した450が胸元のバスタオルをきゅっと握り締める。

箱「駄目だよー、温泉なんだからそんなものつけて入っちゃ」

450「え?え?え?え?えええええええええええええ!!」
簡単に掻い摘んで言えば、「脱げ」ということだ。多分そうだ。
全く想像を超えた箱の発言に慌ててあとずさる450。

450「ちょ、ちょっと待ってくださいっ! ま、まままままだ心の準備というものがっ!」
慌てる450に、ありえないくらい普段通りの箱が答える。

箱「大丈夫だって。僕が450に酷いことするわけないじゃない」

450「で、でも、でもっ!!」
450としては絶好の機会…の筈なのだが、もはやそれどころではない。
ある意味命に関わる問題だ。450は、今ほど自分がPMだということを呪ったことはなかった。

箱「ほら、ね。だからそれ取って」
箱の大きな手がゆっくりと450の肩口に伸びる。もう駄目だ。後ろに逃げる場所は無い。
大人しくこの状況を、「アレ」を、受け入れるしかないのか…

450「うぅ…」
覚悟を決めたのか、目をきゅっと閉じて身体を強張らせる450。

箱「さぁ、450、僕を…」

450「や、やっぱり…」

箱「ん?どうしたの?」

450「やっぱり、私にはそんなの無理ですっ!!」


メゴッ… 静かな温泉に、再び鈍い音が響き渡った。

276 名前: 箱&450、温泉に行く(4/5) [sage ま た 箱 か] 投稿日: 2006/11/15(水) 20:14:50.38 ID:4zikfk3C
「を゙を゙を゙を゙を゙を゙を゙を゙を゙を゙を゙を゙」

450「……あ、あれ?」

一面の紅い空が450の目に入る。
そして、上半身をゆっくり起こして、あたりを見回す。
湯船の外、身体にかけられたバスタオル。
そして、顔を抑えて悶絶する箱。

450「ご、ご主人様、大丈夫ですか!」
少々頭がくらっと来て、身体が思うように動かない。

箱「いやほんと、顔は、顔はホントあかんて450さん…」

いつか見た光景。だらだらと顔からオイルを滴らせる箱。

450「私…一体…」
ぼんやりとした頭で呟くと、箱が顔を抑えながら言った。

箱「そ、装甲外すのにもたついちゃってね、んで、湯船のほうに来たら450がのぼせて湯船に沈んでて…」
箱「んで、慌てて引き上げて、ずっとこれであおいでたんだよ」

よく見ると、胸元には濡れた冷たいタオル、箱の横には薄い木の皮が落ちていた。

450「あ…申し訳ありません…」
PMともあろうものが主人に介抱されるなんて… 450は申し訳ない気持ちで一杯になる。

箱「んーん。構わないって。それより大丈夫?」

450「はい…」
そう答えてふと気付く。
450「あ、あの…」
妙に神妙な言いように箱も緊張する。

箱「は、はい?なんでしょう?」

450「あの……ひょっとして……ご覧になりました?」
顔を真っ赤にして、胸元のバスタオルを握り締め、うつむきかげんでおずおずと450が尋ねる。

277 名前: 箱&450、温泉に行く(5/5) [sage ま た 箱 か] 投稿日: 2006/11/15(水) 20:15:57.95 ID:4zikfk3C
ぼふんっ!
箱の顔が真っ赤になる。曖昧な問にこの反応…どうやら箱は…

箱「ご、ごごごごめん!で、でも、ちょっとしか見てないから!ホントだって!!」

450「……そうですか」
ほっとしたような、残念なような、複雑な気持ちで目を逸らす450。

と、箱が呟く。
箱「あ、え、えと、その…でも、あの ……キレイダッタヨ…」
語尾に行くほどどんどん小さくなる声で呟く箱。
しかし、その声を待ち望んでいた筈の450には届かなかった。ていうかまるで聞いていなかった。

450(夢…?幻覚だったのかな…    ……ど、どこから…どこまで??)
450(…ま…まさか…まさかまさかまさか… まさかーーーーーーっ!!)

突然がばっと箱に向き直り、箱の腰のタオルの裾をめくり上げる450。
箱「な、なななななななななななな!?!?!?!?」

突然の450の行動にパニックを起こして股間を隠す箱。
めくった中身をまじまじと凝視する450。
確認すべきものはよく見えなかった…っていうか、自分の取った行動にはたと気付く450。
めくった姿勢で停止したまま、みるみるボディが赤くなる450…  あ、白熱化。

箱「エッチ[*´;ω;`*]」
ぼそりとこぼした箱の言葉はすぐにかき消された。

「きゃあああああああああああああああああああああああああああああああああっ!!」

その甲高い悲鳴に、テンゴウグが飛び立ち逃げる羽音がする。そして…



メゴッ…  今日三度目の異音が、静かな温泉に響き渡ったのであった。

おしまい

360 名前: 名無しオンライン [sage ま た 箱 か] 投稿日: 2006/11/16(木) 20:28:13.89 ID:Cku+Fir5
「ご一緒にどうですか」
「ご一緒にどうですか」
最初の声に従うように、もう一つの声が続く。

「よろしくお願いします」
「よろしくお願いします」
ホワイトボードに書かれた文字を指示棒で指しながら、それを読む450。

450「私は左に行きますね」
箱「私は左に行きますね」
それに続く、正座をした箱。

450「ちゃんと仰ることができるじゃないですか」
両手を腰に置き、ふうっと息を吐く450。

箱「あ、う、うん。なんとか、どうにか」
申し訳なさそうにうつむく箱。

450(はぁ…)

溜息を漏らし、どうしたものかと悩む450。

現状を説明するには、少々過去に遡らなければなるまい。
それというのも、温泉からの帰り道から二人の間に奇妙な距離感が出来てしまったのだ。
帰り道から2日ほどの間、二人の間には会話が殆どなかった。

450からしてみれば温泉での出来事は痛恨の極み。
超星霊を越えるくらいの折角の大チャンスを、自分の不覚であんな形で逃してしまった。

それでも、なんとかガーディアンズとPMの関係を良好に保つために、
ちょこちょことアプローチをしてはいた。してはいたのだ。

しかし肝心の箱のほうは、まるで腫れ物を触るかのように、
前にも増して450にへりくだるようになってしまったのだ。

450(もう…  ご主人様の馬鹿… 私の馬鹿…)
2つの情けなさで一杯になる450。
こんなことなら温泉なんかに行かなければよかった…
内心そんな後悔を繰り返して、数日が経ったある日のことだった。

箱が何時もに増して肩を落として帰ってきたのだ。

450「お帰りなさいませ…なにか、あったのですか?」
箱「う、うん…」
なかなか目を合わせようとしない箱。

361 名前: 名無しオンライン [sage ま た 箱 か] 投稿日: 2006/11/16(木) 20:30:14.39 ID:Cku+Fir5
450「悩み事でしたら、微力ですがお力になりますよ?」
箱「……」
黙っている箱。

流石に心配になってきた450は、なんとかしようと言葉を続ける。

450「ご主人様… どうかご遠慮なさらずに…」
そっと箱の手に触れる450。 久しぶりの接触に、少し頬を赤らめる450。
しかし今はそれどころではない。

箱「あ、あのね…」
ついに箱が口を開く。

450「はい…」

箱「今日、ブルースさんが、なんかテストプログラムを作ったんだって」
450「はい」

箱「でね、ガーディアンズも全員そのテストに参加することになったんだけど…」
450「はい」

箱「それ、2人以上じゃないと参加できないんだって…」
450「は、はぁ…」

箱「で、モトゥブの支部の前で参加者が集まるって聞いて行ったんだけど…」
450「まさか…」

箱「何も出来ずに帰ってきちゃった……」
450「……」

450は内心_| ̄|○となっていた。
どんな深刻な悩みだと思っていたら…いや、この箱からすれば深刻なのだろうが…

「…で、では、練習をいたしましょう」
ともあれ気を取り直した450がそう提案する。
馬鹿馬鹿しいことではあるが、主人の悩みの解消をするのもPMの努め。

箱「で、でも…」
躊躇する箱を無視してナノトランサーからホワイトボードを取り出し
ついでに指示棒と伊達眼鏡を装備。450先生の個人授業が開始されたのだ。
……ってアンタなんでそんなものを…

そんなこんなで、冒頭の授業風景となる。

つづく

373 名前: >>361の続き [sage ま た 箱 か] 投稿日: 2006/11/16(木) 21:27:10.56 ID:Cku+Fir5
450「これでいけそうですか?」
450が尋ねる。しかし、箱はなんとも頼りなさそうに俯きつつ首を左右に振る。

450「駄目ですか…」
箱「だって、おんなのひとが一杯で… 声出そうにも…緊張して…」
なんというか…
私だって一応とりあえず分類するとしたら女じゃーーーーーーーーーーっ!!と叫びたいのを
ぐっと我慢して、なんとかならないものかと思案する。

450「でも、私とはちゃんと会話できるじゃありませんか」
箱「え、だって…… …450は特別だもの…」
きゅぅぅぅぅぅぅんと450のココロが音を立てる。多分HDDを読み込む音だと思うけど。
450(え、?今なんて言った? 私は…特別?特別!!?? それって、それってもしかしてっ!!)

どぎまぎする内心をぐっと抑えつつも、期待感をだだ漏れにして、肝心な所を聞いてみる450。

450「わ、私が、と、特別とはどういう…」
箱「だって、450はタマタマ(※GH101)の時から見てるから、なんか安心で…」

450は初めての体験だった……失意体前屈。聞いてはいたが、まさか自分がしようとは想像もつかなかった。
嗚呼泥沼、まさにこの姿勢のまま、泥沼の中でスポットライトを浴びつつ沈んでいきそうなこの気分っ!
ああ、星霊様、このアホ箱に裁きを!裁きをお与えください!…でもあんまり酷いことしないでね…

箱「??」
450の内心も知らず、わけのわからない箱。
暫らくしてどうにか立ち直った450が話を元に戻す。

450「つ、つまり、私は見慣れているから平気だということですか?」
なんだか微妙にいい方向に軌道修正した表現をする450。

箱「う、うん」
450「うーん、どうしましょう…」
と、ふと450に案が浮かぶ。

450「そうだ、こうしましょう」
するすると自分の三つ編みを解いていく450。

なんだか妙に恥ずかしい。
今まで箱の前で解いたことの無かったものを解く。
自分が箱にどう見られるのか、心配でありどことなく期待もしている。

ほどなくして髪をといた450が箱の方をちらりと横目で見る。
(参考資料:ttp://moemi.mithra.to/~psu/uploader/src/psu0936.jpg 出典:>>292氏)


450「ご主人様? これで…」
450を指差しつつ、口をぱくぱくする箱…まあ口は無いけど。

450(うぅ……やめてくださいその反応… 余計恥ずかしいじゃないですか……っ)
更に頬を赤らめる450。たしかにかなり別人っぽい。

450「こ、これで練習すれば大丈夫ですよね?」

箱「う、うん… で、でも」
450「で、でも?」

箱「今から定期メンテだって…[ ´・ω・`]」
450「……」

そんなある木曜の朝の出来事であった。

412 名前: 平行世界の箱と450 [sage こ の 時 間 に 箱 か] 投稿日: 2006/11/17(金) 05:19:31.84 ID:iFvlFYlb
箱「あの、最近ほんとレスタかけてくれないですよね」

450「そうですね」

箱「どうしてですか?」

450「……機嫌が悪いからです」

箱「[´・ω・`]」
箱「どうすればレスタかけてくれますか?」

450「………」

箱「くれますか?」

450「……私に『好き』って言ってくれたら1回かけてもいいです」

箱「[ ゚ Д゚]」

450「さん、はい」

箱「[ ゚ Д゚]」

450「さん、はい」

箱「[ ゚ Д゚]」

450「さん、はい」

箱「……スキ…デス」

450「……わかってます。 ……ん…レスタ」

458 名前: 名無しオンライン [sage 箱の人] 投稿日: 2006/11/17(金) 20:57:50.57 ID:iFvlFYlb
箱「[´;ω;`]」
450「い、いかがいたしましたご主人様!」

箱「[´;ω;`]」
450「ふむふむ、ジョギリで斬られる夢を見た…   何をですか?」

箱「[*´;ω;`*]」
450「? はっきり仰ってください」

箱「[*´・ω・]ボソボソ」
450「……(赤面)」
げしっ 照れ隠しで箱を軽く蹴る450。げしげしっ

箱「[´;ω;`]」
450「と、とにかく、ネタにされるような疑惑があるから悪いんです」

箱「ウン[´・ω・`]ウン」
450「…こ、こほん。      だ、だから確認してはっきりさせないと…」

箱「Σ[´・ω・`]」
箱「ハコハコ[[[[´;ω;`]]]]]プルプル」
あとずさる箱。普段とはまるで違う450が迫る。

450「さ、さあ… おとなしくしてください… もう逃げられませんよ…」
故石川賢絵的な目を宿しながら小さな450が大きな箱を追い詰める。

450「あ、主の疑惑を晴らすのがPMの努めなんです。これがお仕事なんです…フフフフフフ」
箱「いやーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!」

459 名前: 名無しオンライン [sage 箱の人] 投稿日: 2006/11/17(金) 20:58:02.18 ID:iFvlFYlb
450「はぁはぁ… これで… ( ゚ Д゚)」
そこには装甲を剥ぎ取られ、一回り小さくなった何時もと同じ、装甲装備状態の箱が居た。

箱「[´;ω;`]」
450「は、箱だけに箱の中にも箱があるということですか…流石ご主人様…」
450「しかし、こんなことで私の気持ちは止められませんよ! えいえいっ!」
再び装甲を剥ぐ450。さらに一回り小さくなる箱。

450「……」
箱「[´・ω・`]」

どんどん剥ぎまくる450。
どんどん小さくなる箱。
そしてついにパシリと同じくらいの大きさになってしまう。

450「……」
箱「[´・ω・`]」

450「…フフ」
箱「?[´・ω・`]?」

450「これで…丁度いいサイズですね…」
箱「Σ[;・ω・]」

450「さぁ… お覚悟を決めてくださいね☆」
箱「いやあああああああああああああああああああああああああああ!!」
\________________________/
         o
           。
             。 ヽ从/
        ガバッ    t=t      / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
             ソ;゚-゚)ノ:. _ < ハッ!? ゆ、夢…?
            r'⌒と、j ミ ヽ  \_________
           ノ ,.ィ'  `ヽ. /
          /       i!./
           (_,.         //
          く.,_`^''ー-、_,,..ノ/
            `~`''ー--‐'

555 名前: >>548に捧ぐ箱と450 [sage 箱の人] 投稿日: 2006/11/19(日) 20:26:58.54 ID:cSZyY5my
箱「ただいまー!」
やけに明るい声の箱を450が迎える。
450「お帰りなさいませ。今日はいかがでしたか?」

箱「あ、あのね、今日は4回も協力ミッションでS取れたよ」
どうやら順調に協力ミッションに参加できているようだ。
450「練習の成果が出てるみたいですね」
450が少し嬉しそうな表情を浮かべて言う。

箱「あ…でも…」
450「?」

箱「男ばかりのチームなんだけどね…」
450「…またですか」
成果はあまり出ていないらしい。また特訓しないと駄目なのかな…
と、450がなにかに気付いた。

450「ご主人様、それは?」
箱が後ろに持っているものを指差す450。
箱「あ、これ? あのね、これ、450にプレゼント。いつもご苦労様っていうことで」

溜息を一つこぼす450。
そして片手を腰に手を当て、もう片手を箱の目の前に出し、指を一本立てて言う。
450「ご主人様、無駄遣いは駄目といつも言ってるじゃありませんか」
450「それでなくてもご主人様の懐具合は芳しくないのですから…」

箱がしゅんとうなだれる。
箱「あう、ごめんなさい…」

注意はしたものの、450の内心はかなり嬉しいようだ。
箱の手に合ったプレゼントに手を添えて、
450「でも…… これはこれでありがとうございます」
と言った。

それにほっとする箱。続けて
箱「あのね、PMの服の専門店で、福袋セールやっててね。2万メセタで買って来たんだよ」

450「に、にまん!?」
二万といえば、コルドバヌードルの基盤が200個も買える。
それだけあれば何日食べられるだろう…

450「今回…だけですよ…」
と、箱をじろりと睨む。

箱「はい…」
さらにしょげる箱。

450「…じゃあ、開けさせてもらいますね」
箱「うん」
するするとプレゼントの箱を開封する450。その中から出てきたのは…

556 名前: >>548に捧ぐ箱と450 [sage 箱の人] 投稿日: 2006/11/19(日) 20:27:48.49 ID:cSZyY5my
450「……………………………………………………なんですかこれ」

450が箱のなかから出てきた紺色の服のようなものを眺めながら言う。

箱「…………さぁ??」

450「『さぁ??』じゃありません、ご主人様、これが何かご存知なんでしょう!」
箱に詰め寄る450。450は慌てて弁解する。
箱「ほ、ほんとだって!福袋を適当に買って来ただけなんだよ!」

450がジト目で箱を睨む。まあ確かに箱が意図してこんなものを買ってくるわけが無い。
もしそうなら苦労はしていない…毎度のことながら…
ていうか、これは服というよりも…

450「これ、水着ですよ」

はっきりと『スクール水着』と言わないのは意図的なものなのであろうか?

箱「え、そうだったの!? なんだ、じゃあ普段着れないんだ…」
心底残念そうな箱。まったくこの箱ときたら、天然でたまにとんでもないことをやってのける…

450「とにかく、ありがとうございます」
と、プレゼントの箱に水着を仕舞おうとする450が、ふと視線を感じた。
何事かと視線の方向を見ると、箱がなにやら残念そうな顔をしている。

450「……………」

箱「……………」

450「……………………何ですか?」

箱「……………………え? い、いや、なんでもないよ」
そんなわけが無い。まったくもってこういうことには嘘がつけない箱だ。

450「……………………………………………………ご覧になりたいんですか?」

箱「え!? えと、あの、その……………」

450「……………………………………………………」
ジト目が箱に突き刺さる。

箱「えと… あー、まあー、なんというか……………………」

450「………………………………………………………………馬鹿」
箱には聞こえない小さな声でぼそりと呟く450。
頬を少し染めて、水着を持ってドレッシングルームに消えていった。

557 名前: >>548に捧ぐ箱と450 [sage 箱の人] 投稿日: 2006/11/19(日) 20:28:47.82 ID:cSZyY5my
―数分後―
450は後悔していた。
確かに、下心はあった。ばっちり装備していた。
でも、でもだ。これは予想外に恥ずかしい。

450「うう…胸がきつい…」
水着の胸の辺りを指で摘み、伸縮させる450。
450の視界には、綺麗な三角形が大きくなったり小さくなったりしている。
とりあえず胸まわりは諦め、お尻の裾に指をくぐらせすっと通す。
450「……やめておけばよかったかなあ…」
そう言ってももう遅い。おそらく外では馬鹿箱が期待しながら待っていそうだ。

箱「450〜 どう?サイズ合ってる?」
扉の向こうから箱の声がする。えぇい仕方ない、このまま行くしかない!
覚悟を決めた450が扉を開ける。


450「ど、どうでしょうか…」
つい胸の少し下で両手で両肘を持つような格好をしてしまったが為に、
やけに胸が強調されてしまう450。そうなると当然…

がたーん

箱が後ろにぶっ倒れた。
450「あ、ご、ご主人様!ご主人様!」
慌てて箱に駆け寄り、手で箱を揺する箱。
450「うう……………これって刺激が強すぎたってことなのかな……」
と、その時

プシュー
>>548「これいいなwww」

コンビニ袋を持った人が入口に立っていた。

450の時が止まった。

>>548「平らに伸ばして、両端を切る。スクール水着完成!」

ワーイと喜ぶ>>548の時も止まった。
どれくらい時が止まっていただろう。先に時が動き出したのは>>548だった。

>>548「すみません、部屋間違いました…」


プシュー


450、人生…もといPM生二度目の失意体前屈であった…

582 名前: 1/2 [sage] 投稿日: 2006/11/20(月) 04:25:45.24 ID:ttS2VBb5

「はぁ…」 今日も450は溜息をついている。
「まったく…ご主人様、何が悲しくてこんなお仕事を…」

ここはガーディアンズコロニーのある幼稚園の一室。
そこで椅子に座って頬づえをついて溜息を漏らしている450。
そもそも、一昨日箱が奇妙な依頼を持ってきたのが全ての始まりだった。

「幼稚園で演劇のお手伝いのお仕事なんだってさ」

はあ?といいたくなるような仕事だ。
どう考えてもこれはガーディアンズの仕事ではない。
箱の話によると、受付嬢が個人的なつてからの依頼だという。
なんのことはない、戦闘力にいまいち信用がおけなく、
頼まれたら嫌だとはいえない箱の性格を知った上で押し付けたのだろう。

「はぁ…」
またも溜息が漏れる。
自分の台詞はあらかた覚えた。
なんだかんだいってキャストである。記憶能力はよっぽどのことが無い限り優秀だ。
そういえば箱は何をしているのだろう? おそらく雑用だとは思うけど。

「おやゆび姫…ですか…」

全くもって冗談にもならない。いくらPMが小柄だといって、おやゆび姫とは…
と、ふと壁にかけてある衣装を見る。
PMサイズの衣装…
一目見て「お姫様」を連想させる、フリフリの沢山ついた白いドレス。
どう考えても自分に合わない。こういうのは410タイプや430、440や420。
あと自分を除いた450タイプにしか合わないだろう。

「…そうだ…」
台詞データの入ったメモリチップを手にする。

知り合いの450タイプのPMに代わってもらおう。見た目は同じだし相手は子供。
まずばれることはないだろう。
椅子から立ち上がり、ドアに向かう。
そおっとドアを隙間ほど開けて外を見ると、出演者などの関係者が慌しく動いている。

湧き出てくる罪悪感を押し止め、こそこそと裏口のほうに…

「あ、450さん、どこいくんですか!?」
最悪だ…見つかった。スタッフの男性がこちらに駆けてきた。

「え、あ、あの、ちょっとご主人様に用がありまして…」
適当に誤魔化す。これなら別に不自然じゃない筈だ。
ところがその男には通用しなかった。

「それどころじゃないですよ。早く着替えてください。箱さんも進行覚えるのに大変なんですから!」

「は?」
これには450も流石に驚いた。

583 名前: 2/2 [sage] 投稿日: 2006/11/20(月) 04:26:16.67 ID:ttS2VBb5
「もしかして、ご主人様も出演するんですか!?」
なんて無茶なことを…よりによってあの箱を観客の前に出すとは。
万が一台詞などあった日には目も当てられなくなるのはうけあいだ。

「はい。 台詞は特にありませんし、ほとんど演技も必要ないですから引き受けてもらいました」
とりあえず最悪の事態は回避したらしい。
しかし…これでまた逃げ辛くなった。主人が出演するというのに、PMが逃げるというのも問題だ。
…こうなれば仕方ない、辺り一面にラフォイエをぶっ放して…

450の脳裏に危険で危ない選択肢が浮かぼうかというところで、スタッフの男が言った。
「兎に角450さんも早く着替えてください。箱さんとの結婚式のシーンは上手く彼をリードしてあげてくださいね」



「…………………はい?」



男の胸倉を掴んで顔の前に引き寄せ、ギロリと睨む。


「何のシーンですって?」
…怖い。男が気圧される。

「あ、あの…」
「何のシーンですか? もう一度仰ってください。さん、はい」
まくしたてる450。

「け、けけけけ結婚式のシーンで…」
男の呂律がちゃんと回っていない。

「それならそうとはっきり言ってくださいっ!!」

男が解放された…と思った時にはもう450はそこには居なかった。
バタン! とドアの閉まる音。

そして、
「き、気合入ってるなあ…」
スタッフの男が、呆然と言ったのであった。


つづくかも?

592 名前: 名無しオンライン [sage 箱の人] 投稿日: 2006/11/20(月) 14:00:56.62 ID:ttS2VBb5
―控え室

鏡に映る自分を見る。
ちょっとくせのついた紫の髪。唇にはいつもはしないルージュ。
そして、彼女を引き立てる純白のドレス。
ちょっと見、別人でも通るくらいだ。

「はう…緊張してきちゃった…」
450が呟く。
劇に出ることに緊張しているのではない。
そう、彼女の中でのこの話でのメイン、結婚式のシーンに緊張しているのだ。

「たしか、古典のアンデルセン童話のお話でしたよね… この手のパターンは大抵最後は王子様とのハッピーエンド…」
真面目な顔で呟いている割には、ほんのりと頬が染まっている。
彼女が言う王子様、やはりここで妥当なのは…箱だろう。
「台詞でも最後は王子様と結婚するような感じですし…」
確かにおやゆび姫のラストは王子様と結婚してハッピーエンドを迎える。
それがいやがおうにも彼女の中の期待を加速しているのだろうか。

「も、もしも…うっかり『ご主人様』っていっちゃったらどうしよう…
 でも駄目。我慢しないと…これもお仕事ですから…」
と、彼女の中で、純白のタキシードを着た箱と、エスコートされる自分が想像される。

「こ、このまま…ホントに結婚なんてことになったら…」
ありえない方向に展開する450の想像。

「ま、まさかこのお仕事全部がドッキリで、最後に婚約指輪を差し出されて…
 『結婚しよう(声色)』なんて言われちゃったりしてっ!!」
両手を頬に当てていやんいやんする450。
人前では絶対に見せない異常な光景が、450ひとりきりの控え室で繰り広げられていた。
もはや止まることをしらない彼女の想像が、彼女の顔をどんどん紅色に染めていく。

と、その時、コンコンとドアをノックする音がした。
現実に戻される450。両頬を手でぴしゃりと叩き、何時もの表情に戻る。
「はい、なんでしょう」と応えると、扉の向こうから声がした。
「450〜 そ、そろそろ始まるよー」
箱の声だ。
「あ、はい。今参ります」
一つ気合を入れると、しずしずと扉に向かい、そっと開ける。

「お待たせしました」
何時ものようにクールに。何時もより優雅に。450が出てくる。
……あれ?
450の頭に「?」が浮かぶ。
箱が…緑だ。箱の装甲が緑色になっている。
疑問に思いつつも、ここは箱にアピールを… が、箱はあさっての方向を見てブツブツ何かを呟いている。

少々抗議を含んだ口調で、
「あの、いかがされました?」
と尋ねると、やっと箱が気付く。
「あ、ごめん。そろそろ出番だって。いこっか」

450のことなどまるで上の空だ。
内心、もうっ!ちょっとは見てよ!褒めてよ!と思いつつも、
「…はい」と答える450。


―そしてついに、激動(?)の舞台の幕が開いたのであった。

つづくはず

666 名前: 1/3 [sage 箱の人] 投稿日: 2006/11/21(火) 18:11:23.98 ID:ySLxvoAn
劇が進行している。
450のちょっと機械的なものの、淀みない台詞。
流石に…というべきか、自らの役目を完璧にこなしていく。
450の中にも安堵の気持ちが生まれる。
初めての劇、しかも主役を上手くこなせるかと少し心配だったのだが、
うまくできているようだ。
子供達も興味津々と見てくれているようだ。ちょっと嬉しい。

さあ、次は私が攫われるシーンだ。ベッドに入る450。
そして下手から


「ゲコっ」


(………………………………………………………………はい?)


「ゲコゲコっ」


(……この声、なんだかどこかで聞いたことあるような…)


[;`・ω・´]「ゲコゲコっ」


(箱だーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!!!!!)

450が固まる。ご主人様、あんた一体なにやってんですか…

勘のいい方なら既にお気づきであろう。
そう、おやゆび姫は王子様と結婚するだけではないっ!
序盤にヒキガエルと結婚させられそうになるのだっ!

大きい身体で必死にカエルのようにぴょこぴょこ…っていうかがっしゃんがっしゃん飛び跳ねて
450の寝る…むしろ固まっているベッドに近づいてくる箱

ナレーションが入る。
「ああっ、醜いヒキガエルがおやゆび姫を攫いにきましたっ!」

(ひ、人のご主人様捕まえて『醜い』とはなんですかっ!!!)
心中で必死に抗議する450。
しかし、彼女の思いを置いておいて、劇は進行する。

667 名前: 2/3 [sage 箱の人] 投稿日: 2006/11/21(火) 18:11:40.42 ID:ySLxvoAn
[;`・ω・´]「ゲコゲコゲコっゲコっ!」
ナレーション「これが噂の姫か! こんな美しい姫は見たこと無い!」

[;`・ω・´]「ゲコゲコっ ゲコゲコゲーコ」
ナレーション「よし決めた!連れて帰って俺の妻としよう!はっはっはー」





むかつく。なんかむかつく。


450の機嫌がどんどん悪くなる。
(そんな台詞ご主人様に言わせても別に構わないじゃないんですか!?
 …そのほうが……………そのほうが…その…………ちょっとは嬉しいし…
 ど、どうしてナレーターが言うのっ!なんでなんでっ!!)

そんな抗議も虚しく、ベッドの横まできた箱が立ち上がり、
ひょいっと450を小脇に抱え、えっさほいさと舞台袖へと引っ込んだ。

(おいこらちょっと待て馬鹿箱!!私は荷物ですかっ!
 もっとこう、ロマンチックな抱き方があるでしょうに!!)

…が、そのまま退場する箱。そして舞台が変わる。
舞台裏で文句の10や20を言いたい450であるが、
主役&序盤のメインである450と箱にはそんな暇は無い。

あっというまにカエルの結婚式のセットが組まれ、その中心に鎮座する450と箱。

[;`・ω・´]「ゲコっ!」

一生懸命カエルの役を全うする箱。
真面目に役をこなそうとする姿勢は偉いのだが、
今の450の中ではそれが逆に気分を逆なでする状態になっていた。

[;`・ω・´]「ゲコゲコっ!」
ナレーション「さあ姫よ、私の妻となれー」


(くっそー、ナレーター邪魔っ! せめて、せめて本人にっ!)

内心、るるるーと涙を流す450。しかしこれもお仕事。最後までやらなければならないジレンマ。
さらに悪いことに、状況もしっかりとマッチしている。
傍から見ればヒキガエルとの結婚を嫌がるいい演技だ。

668 名前: 3/3 [sage 箱の人] 投稿日: 2006/11/21(火) 18:12:55.79 ID:ySLxvoAn
そして逃走。箱の見せ場も終焉を迎えた。
ついでに450のささやかな希望も終焉を迎えた。
そんな二人の思惑を置いてけぼりにして、ストーリーは進む。


劇も終盤にさしかかり、ついにおやゆび姫は王子様と出会うことになるシーンに。
開幕前の高揚感はどこへやら。すっかり冷め切った450。
でもちゃんと役をこなしているところが流石というか。

(はぁ…早く終わらないかな…)
そんな450の前に、ついに王子様が登場した。

「ああ、美しい姫様、こうして僕たち二人が出会ったのも神様のお導き。運命を感じずにはいられませんねぇ…」



(うぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ…)

内なる450がすごい表情になる。
450はこの手のナンパ男が生理的に大嫌いだった。
きらびやかな台詞を吐く割に中身が無い。得てしてこういうタイプはそうだ。

(こんなのが…王子様… もうやだぁ…)

正直逃げ出したい。この王子にラフォイエを叩き込んで逃げ出したい。
しかし…劇を見ている子供達を裏切るわけにはいかない。
箱がせっかく取ってきた仕事を途中で投げ出すわけにはなおさらいかない。

(がまんがまん…もうちょっとのがま… ひゃあっ!?)

気が付くと王子の手が450の顎を、くいっと上げていた。
目の前の王子の顔。ちょ、ちょっと、この展開は子供達の前では倫理的にNO!なのではっ!?

「え? ええ? お、王子様!?」

一応ちゃんと役には従う。けなげな450。

669 名前: END [sage 箱の人] 投稿日: 2006/11/21(火) 18:14:02.57 ID:ySLxvoAn
「さぁ、僕たちの愛を確かめるために、誓いの口づけを…」

迫る王子に、突如窮地に陥った450が焦りまくる。
(ちょ、ちょ、ちょ、ちょっとまってーーーーーーーーーーーーーーーー!!
 これって子供相手の劇ですよ!? キ、キキキキスは不味いのでは!?
 っていうか、私の初めての相手はもう決まってるのにっ!!!)

そんな450を無視してどんどん接近する王子の馬鹿面。
耐える。耐える450。
ここでヒュ…もとい王子を突き放したら劇は台無しだ。

(うぅ… でも、せっかくご主人様が取ってきた仕事… わ、私が我慢すれば…)
いよいよ覚悟を決めざるおえなくなってきた450。進退窮まるとはまさにこのこと。
ふと助けを求めるように半目を開けて舞台袖を見る450。が、そこに箱は居ない。

(ば、馬鹿っ! 私がこんなピンチなのに何してるんですかっ! 馬鹿馬鹿っ!!馬鹿箱っ!!)

嗚呼あと数センチ。

(ごめんなさいご主人様… わたし、この物体に汚されちゃいます…… うぅ…)

きゅっと目を閉じる450。
刹那



がしゃああああああああああああん!!



…すンごい音がした。
薄目を開けて状況を確認すると、王子様的な物体の頭に、照明が乗っかっている。

すぐに大騒ぎになる舞台。もはや劇どころではなくなってしまっていた…


―つづいちゃった…

66 名前: 箱と450と親指姫(1/5) [sage 箱の人] 投稿日: 2006/11/22(水) 17:25:57.98 ID:W+auNVBI
―数時間後―
コロニーのショッピングモールをツカツカと歩く450。
その表情は…相当不機嫌であった。
その後を所在なさげについてくる箱。

「あのぉ…」
この空気に我慢できず、箱が声をかける。

「なんですか?」
顔だけでじろりと箱を見て、450が答える。ああ、不機嫌極まりない声…

「ご、ごめんなさい… 変な依頼受けちゃって…」

「別に気にしてませんっ!」
ぷいとまた正面を向きなおして歩き始める。

「あうあう…」
うろたえる箱。

確かにこんな依頼を受けてきたこと自体には450は怒ってはいなかった。
むしろ彼女の怒りどころは、箱をカエル役にしたスタッフと、変態王子、
そして貞操の危機(?)の時に助けてくれなかった箱に対して向けられていた。

「ごめんなさい……」
また謝る箱。

「謝って頂かなくても結構です」
歩きながら箱のほうを見ずに答える450。

「あう…  ねえ、どうしたら許してくれるの?」

「…」
箱の問に、450の足が止まった。

「ご主人様」
相変わらず正面を見たままの450。

「は、はいっ!」

「ご主人様は最後のシーンの時、どこにいらっしゃったのですか?」

67 名前: 箱と450と親指姫(2/5) [sage 箱の人] 投稿日: 2006/11/22(水) 17:27:00.44 ID:W+auNVBI
「最後のシーン?」
まるで理解していない箱。

「…キ…」

「キ?」

「キ、キスされそうになった時ですっ!」
450が振り向いて、怒りと恥ずかしさで顔を真っ赤にして言う。

「あ、え、えと、あの、その……」

「言えないんですかっ!?」
つい語気を強める450。

「あ、うあ、その…」

「言えないところなんですか?」
しかしすぐにクールな口調になるあたり流石450だ。

「ち、ちが…」

「じゃあどこなんですか?仰ってみてください」
ずいと迫る450。

「えっと…その…」

「仰ってみてください。さん、はい」

「……舞台裏です…」
しょんぼりとする箱。

「私が、あんな物体にキ…キスされそうになってるときにそんなところにいたんですか」
『キス』の部分の声がちょっと裏返る。

「…ごめんなさい…」
心底申し訳なさそうにする箱。
流石に450もだんだん可愛そうになってきた。

「……別に、いいですけど。うやむやになりましたし」

「ごめんなさい…」

と、ふと450が思いつく。
「……先ほど、『どうすれば許してくれるか』と仰いましたよね」
ちょっと意味深な表情で尋ねる450。
そんなことを気付きもせず、許してくれそうな雰囲気にちょっと嬉しそうに顔をあげる箱。
「う、うん。言った。言ったよ!」

68 名前: 箱と450と親指姫(3/5) [sage 箱の人] 投稿日: 2006/11/22(水) 17:27:43.33 ID:W+auNVBI
「じゃあ、今度お買い物に連れて行ってください」

「う、うん!」

「その後お食事に連れて行ってください」

「うんうん!!」

「その後、映画に行きたいです」

「うんうんうん!!」

「必要経費は全額ご主人様のお小遣いから出しますよ」

「うんうんうn… え、ぼ、僕の!?」

「嫌なんですか?」
ちょっと身体を斜めにして拗ねたように箱を見る450。

箱は……渋々答える。
「……倫理的におkです…」

「ふふ」
450が少し微笑む。しかし当分お小遣い天引き宣告を喰らった箱はそれに気付きもしない。
と、450が何かを思い出す。
「………そういえばご主人様、何か忘れてませんか?」

「え?」
ぽかーんとして答える箱。

「ほら、先ほどの劇に関してです」
思い出した。そういえば箱からおやゆび姫に扮した自分の感想をなにも聞いていない。

「劇?劇のことで?」

「はい。よーく思い出してみてください。何かあるでしょう?」
(べ、別に「綺麗だったよ(声色)」とか言って欲しいわけじゃないですけどっ!
 でもちょっと感想聞いてみたかったりみたくなかったり…)
やはり450も女性なのだろうか。そういうところが気になるらしい。

「なんだろう?何かあったっけ?」
が、そういうのに極めて鈍感なのが箱なのだ。

(あーもう、早く思い出してくださいっ!ここ、結構人通りもあるんですから!)
そんな450の祈りが通じたのか、ついに箱が動いた。

「ああー、はいはい。あれね!」
手をポンと叩く箱。

(そうそう、それそれ!)
期待に目を輝かせる450。

69 名前: 箱と450と親指姫(4/5) [sage 箱の人] 投稿日: 2006/11/22(水) 17:29:03.50 ID:W+auNVBI
「ほんと照明が450に当たらなくてよかったよね」
にこにこして450の頭を撫でる箱。がくーんとくる450。

(まあ、私を心配してくれてくれてるみたいだから100万歩ゆずってよしとしてあげます…)
一応満足はした450。うんうん、箱も進歩してるようだ。

「でも…王子さんには悪いことしちゃったなあ… 痛そうだったし…」
と、申し訳なさそうな顔をする箱。

(あんなの心配しなくていいんです…    …え?)
450がふと気付いた。

「あの、今なんて?」

「え? 何?」
急な質問にちょっと驚く箱。

「今、悪いことしたとか…」

「え?        あ、しまった…」
慌てて口を抑える箱。しかしもう手遅れ。

「も、もしかしてあの照明って事故で落ちたんじゃなくて…」
驚きの表情で箱を見る450。

「あー、そのー、なんというか…  内緒だよ?」
人差し指を立てて、シーッとする箱。
驚きと、嬉しさ、意外さ、etc そんな感情が混ざり合い、腰が砕けてその場にへたり込む450。
つい、目尻に涙が溜まってしまう。彼女の嬉しさが、実体となって溢れたのだ。

「あ、ちょ、450? ごめん、怒っちゃった? 450に当たらないようにはしたから許してっ!!」
それを見て慌ててしゃがみこんで手を合わせて謝る箱。

「あ、ち、違います。怒ってません。怒ってませんから…」
慌てて目尻をこする450。
「馬鹿…ほんと馬鹿なんですから…」誰にも聞こえなさそうな、小さな小さな声で呟く。

70 名前: 箱と450と親指姫(5/5) [sage 箱の人] 投稿日: 2006/11/22(水) 17:29:17.54 ID:W+auNVBI
もう、450のココロには嬉しさしかなかった。
お買い物はなるべく安いものにしよう… 食事はオープンカフェで安めに…
この箱さえ居てくれたら、自分は幸せなんだと思う450。

拭いた目尻がまた湿り始めた。
「じゃ、じゃあ、帰ろっか?」
立ち上がる箱。それに続けて立とうとする450。しかし…

「あ…」
脚と腰に力が入らない。

「どうしたの?」

「ぐす…申し訳ありません、駆動系の調子がよくないみたいです」
すまなさそうな苦笑い気味の笑顔。動けないのに、妙に嬉しそうだ。

「え?大丈夫? 運んでいってあげようか?」

存外に訪れた幸運。そういえば今日は大星霊だっけ…
たまにはご主人様に抱き上げてもらうのも悪くない。
贅沢を言えば、劇の時にしてもらえなかったお姫様抱っこがいい。
しかし、箱にそこまでの贅沢を言うのは酷だ。

「…はい。お願いします」
手を差し出してご主人様に抱き上げてもらうのを待つ450。
マイルームまでの距離はそれほどない。でも、それまでの間、存分に甘えよう。
久しぶりに、450は幸せを感じていた。

71 名前: 箱と450と親指姫END [sage 箱の人] 投稿日: 2006/11/22(水) 17:30:28.85 ID:W+auNVBI







ひょいっ

450を小脇に抱える箱。

「へ?」
450は何が起こったのか理解できていない。

「じゃあ、いこっか」
にっこりと右腕に抱えた450を見下ろして微笑む箱。


「………………………………………」
嬉しさが、怒りに変わるとき、
その爆発力が相当のものだということを箱が知るのは、ほんの数日後であった。

15 名前: 名無しオンライン [sage 箱の人] 投稿日: 2006/11/21(火) 21:20:17.45 ID:ySLxvoAn
450「ご主人様」
箱「はい?」

450「今日といい昨日といいその前といい(以下略)、私達450のレスタ回数が激減してるのに、
  どうしていつも私を連れてミッションに行くんですか?今回も死にましたし」
450「しかも職業はFFのまま。わざわざスターアトマイザーまで持ち歩いて」

箱「だって…」
450「はい」

箱「なんだか安心するから…」
450「………」

げしっ げしげしっ←箱を蹴る450

箱「痛い!痛いです450さん!」


ルウ「何やってるんですか?」
箱「あ、教官」

450(……お邪魔虫…)

ルウ「あら、怪我されてますね。レスタ!」
箱「あ、ありがとうございますです教官」

450(ムカッ)

ルウ「どこかのPMと違ってピンチの時にはレスタしますから、安心してください」
箱「あ、ありがとうございますです!」

450(ムカムカムカムカ)

ルウ「(チラッ)フッ…」

450(!!!!!!!)


―以下イメージ―

ルウ「フフ… この箱は私のもの…キャスト男とキャスト女…似合っていると思いませんかパシリ」
450「な、なにを仰ってるんですか!ご主人様との付き合いは私のほうが長いんですよ!このロボ子!!」

ルウ「くすくす 貴女のようなちんちくりんが、あの最大身長の箱に似合うとお思いですか?」
450「そ、そんなの愛でカバーできますっ!」

ルウ「パシリがですか? ププッ」
450「う、うるさいですよこの鉄面皮!さっきから表情かわってないから不気味ったらありゃしない!!」

ルウ「最近こういう無表情ヒロインは市民権を得ています。そういう貴女は少々、これ…古くないですか?」
450「ひ、人の台詞を取らないでください!このおそ松くん!!」

ルウ「フ…フフフフフフフ」
450「フ…フフフフフフフ」

バックに戦う竜虎。

そして小さくなって震える箱。

36 名前: 名無しオンライン [sage 箱の人] 投稿日: 2006/11/22(水) 02:39:26.02 ID:W+auNVBI
―プラント奪還S

箱「メ、メギゴフッ!」(メギドで死亡)
450「ご、ご主人様っ! ルゥ様、援護をお願いしますっ!」
ルゥ「まったく、メギドくらい避けてください。 はあっ!!」

450「ご主人様! えぇと、ムーンアトマイザーは・・・」

敵全滅

ルゥ「ふぅ… 箱さんの具合はどうですか?」
450「メギドってます」
箱(メギド怖いメギド怖い…)←二人に任せて死亡中

ルゥ「ムーンアトマイザーはないのですか?」
450「(ムッ)私達PMには使用許可が下りていませんから…」←立ち上がる

―以下イメージ
燃え上がる炎
がおー(たぬき@450)
ぎゃおー(きつね@ルゥ)

ルゥ「あらあら、ムーンアトマイザーも使えないのですかパシリ。合成失敗してそれを作るのは得意なのに…ププッ」
450「くっ、ガーディアンズなら知ってるくせにっ! そういう貴女も使ってないじゃないですかっ」

ルゥ「私は最初から持ってないだけです」
450「なっ!? そこまでケチりますかガーディアンズ本部はっ!!」

ルゥ「大体貴女がレスタしないのが問題なのではないのですか? 箱さんも内心泣いているでしょうに…」
450「そ、それは散々ネタにされてるでしょうっ!使いたくても使えないのです!!」

ルゥ「あらあらものは言いようですね。ところで貴女」
450「な、なんですか」

ルゥ「最近ギイガ、テイロ、メイガ、メイガ、メイガと5連敗中だそうですね」
450「な、何故そのことを!!」

ルゥ「箱さんが嘆いておられましたよ… 最近450が冷たいとか、相手してくれないとか(誇張)」
450「う、嘘言わないでください!!相手ならちゃんとしてますっ!この前も大勢の前で緊張しないように練習してましたし!」

ルゥ「それは相手じゃなくて授業でしょう… ププッ、可愛そうな箱さん…やっぱりこの私が…」
450「じゅ、授業でも個人授業ならスキンシップに発展したってこの前パシ通に書いてありましたっ!!」

―イメージ終了
ルウ「フ…フフフフフフフ」
450「フ…フフフフフフフ」

箱(ふ、ふたりともすかーとでかおのよこにたたないでもらえないでしょうか…っ)

102 名前: 箱と450、そして教官 [sage 箱の人] 投稿日: 2006/11/22(水) 22:31:10.57 ID:W+auNVBI
―HIVE内

箱「あちっ!あちちちちっ!!」
箱「ピキーン」←凍っている

450(うわぁ…面白いようにテクの被害にあってる…)
ルゥ(物理攻撃のダメージは0ばかりなのに…)

450(ハッ!?)

箱「あうあう、物理半減って卑怯だ…」

ルゥ(箱さんのHPが黄色に!)

450&ルゥ(ちゃーんす!!)
450&ルゥ「レスタ!」

箱「あ、ありがとです教官、450」
450&ルゥ「ジロッ」

―以下イメージ
きしゃーっ!!(ラッコ@450)
しゃぎゃー!!(カンガルー@ルゥ)

450「大体貴女ファイガンナーでしょ!? どうしてレスタできるんですかっ!!」

ルゥ「……………愛でカバーしているんですよ」

450「それ私の台詞ッ!!またパクった!鼻押しますよこのコピーロボット!!」

ルゥ「ププッ…届くんですか?貴女のちんちくりんな身長で」

450「こ、このっ!このっ!」(ピョンピョン)

ルゥ「どうしました?届いてませんよ」←必死に背伸びしている

450「くっ、胸の大きさなら勝ってるのにっ!!」

ルゥ「………そういうところに話を持っていく辺り、劣等感があるのではないのですか?」

450「フフフ… 一応言っておきますけど、ご主人様は私の胸を触ったことあるんですよ(照れニヤリ)」
450(私がGH101の時ですけど…)

ルゥ(なんですって? まさかあの奥手っぽい箱がそんなことを…)
ルゥ「フッ……きっと仕方なくだったんでしょうね。そんなちんまりしたモノを…ププッ」

450(うっ…!なぜそれを… 基盤挿す場所がわからなくてたまたま触っただけというのは秘密なのにっ!)

―イメージ終了

ルウ「フ…フフフフフフフ」
450「フ…フフフフフフフ」

箱(二人とも仲いいなあ…あんなに楽しそうに微笑んで…)
箱(ところでこのガオゾランの群れはどうすればいいのかなー やっぱり僕ひとりでやらないと駄目なんだろうなー)

139 名前: 名無しオンライン [sage] 投稿日: 2006/11/23(木) 19:00:56.72 ID:6tsBU+Rd
―モトゥブ酒場
450「…ふぅ…」

カランカラーン
マスター「いらっしゃいませ」

ルゥ「あら?」
450「あ、ルゥ様」

ルゥ「450さん、珍しいですねこんなところで」
450「ご主人様のお迎えに。ルゥ様こそ、何かあったんですか?」

ルゥ「ええ。ガーディアンズの仕事です」
450「そうですか、ご苦労様です」
ルゥ「いえ」

―以下イメージ
くぇぇぇぇぇっ!!(キーウィ @450)
けこーーーーっ!!(名古屋コーチン@ルゥ)

ルゥ「ププッ 貴女にお酒は似合いませんよ…っておもったら、それフルーツジュースじゃないですか」
450「う、五月蝿いですね!お酒はあまり呑まないんですっ!」

ルゥ「それにしても貴女、そうしているとまるで…」
450「な、なんですか!」

ルゥ「主人に捨てられた野良パシリのようですね。  プッ」
450「お、大きなお世話です!!」

ルゥ「なんでも、新規クエが配信されたというのにフリーミッションに全然連れて行ってもらえないとか」
450「そ、それは私のせいじゃありませんっ!ブルースクエに篭りっきりのご主人様が悪いんですっ!」

ルゥ「主人に責任転嫁ですか? ああ、箱さん可愛そう…うるうる」
450「…ていうか、連れて行ってもらってないのは貴女もじゃないですか…」

ルゥ「……私のは連れて行ってもらってないんじゃありません。放置プレイなだけです」
450「うちのご主人様にそんな趣味はありませんっ!!」

ルゥ「箱さんになくても私にはあるからいいんです」
450「………そ、そういう趣味だったんですか?」

ルゥ「………そんなわけないでしょう」

450「………」
ルゥ「………」

―イメージ終了
ルゥ「フ…フフフフフフ フゥ……」
450「フ…フフフフフフフ フゥ……」

450&ルゥ「マスター、きつめの一杯ください……」

362 名前: 名無しオンライン [sage 箱の人] 投稿日: 2006/11/27(月) 07:02:54.47 ID:r6hli/hL
450「只今帰りまし…」
ショップルームからルームグッズの置いてある部屋への扉を開けたまま450が固まった。
部屋を出たときには間違いなく何も無かった。
しかし今450の目の前には、紛れもなく不気味な石の像が12個聳え立っている。
そしてその中心には体育座りをして和んでいる……箱。

箱「はぁ……落ち着くなあ……」

450「………………………………………………とうっ」
450がジャンプする。そして空中でくるっと回転すると

450「450………………きーーーーーっく!!」
凄まじい飛び蹴りが箱に直撃した。

べこき

箱「おめがあしっどっ!?」

錐揉み回転をしながらぶっ飛ぶ箱。
どんがらがっしゃーんと壁にぶつかる。
そして幾つかのバランスを崩した石の像が、とどめとばかりに箱に向かって倒れる。

箱「ぎゃああああああああああああああああ」
マイルームは、地獄であった。

箱「な、なにするんだよ450!! いきなりTODOME−FINALはないだろっ!!」
石像の山から這い出した箱が抗議する。

450「そ、それは私の台詞ですっ!!なんですかこの不気味な像の森はっ!!また無駄遣いですかっ!!」

箱「えー、和まない? ブルースさんのミッション周回してやっと12こ集めたんだよ」
450「和みませんっ!」

箱「じゃあ、回転させ……」
450「させません!!」

箱「じゃあ、このてっぺんにオキクド……」
450「オキクドールの代わりに私が呪いますよっ!」

箱「じゃ、じゃあどうすればいいのさ!」

450「撤去してください」
箱「………………………………やだ」

450「してください」
箱「やだっ!」
珍しく450に反抗する箱。苦労の結晶のこの像の撤去にいまいち従えないようだ。

450「……………………むーっ!!」
箱「……………………むむむーーーっ!!」
顔を突き合わせてにらみ合う二人。律儀にも箱は、しゃがんで450の顔の高さに合わせている。

363 名前: 名無しオンライン [sage 箱の人] 投稿日: 2006/11/27(月) 07:03:56.64 ID:r6hli/hL
450「……じゃあっ、私が勝手に片付けますっ!!」
そういってナノトランサーに像を入れる450。

箱「さ、させるかあ!」
450を止める箱。

450「きゃっ!? もうっ、邪魔しないでくださいっ!」
ぽかぽかと箱を叩く450。

わーわーきゃーきゃどたんばたんと床の上で乱闘する二人。
ふと気付くと、箱が450を押し倒したような格好になっていた。

箱「う……」
450「あ……」
なんとなく目が合う。
時間が止まったインテリアルーム。像の呪い…ではないはずだ。

ふと、450が頭を横にして目を逸らす。
箱「………………………」

箱の手が、450に伸び…

ピピピ ピピピ ピピピ

450「びくっ!?」

箱「あ、ビジフォンがなってる。でないと」
超棒読みでそう言うと、かくんかくんした動きでベッドルームに行く箱。

450「………………」
さっきまでの状況の余韻でどんどん顔が赤くなる450。
それを振り払うためにそそくさと像をナノトランサーに仕舞い始める。

プシュー
扉が開く。
箱「あのね、ルウ教官が用事があるって言うから出かけてくるね」

450「……はい、行ってらっしゃいませ」

プシュー
箱が出て行った扉を見ながら、ふぅーっと大きく息を吐き出し、その場にへたり込む450。

そして
450「あ、あの人は……………っ!」
ルウへの怒りの炎を燃やす450の後ろには、
オーッホッホッホと無表情で笑うルウのイメージが炎と共に浮かんでいた。

413 名前: 名無しオンライン [sage 箱の人] 投稿日: 2006/11/28(火) 07:24:46.50 ID:wlqKRmQ7
箱「あのさ、これお願いしたいんだけど」

450「ギイガライン1つに…………アゲハセンバ5つ?」
450「ご主人様、防具はGRMのばかりじゃありませんでした?」

箱「え? あ、うん。そうなんだけど、知り合いが欲しいって」

450「…………どういう方なんですか?  …………私には関係ないですけど」

箱「えっと、ニューマンのウォーテクターの女の子。眼鏡がよく似合うんだよね〜」
箱「でね、今度HIVEに一緒に行こうかとか言われちゃって、それで防具が欲しいんだって。えへへ〜」

450「……………………………………………………………………わ か り ま し た」

箱「うん、じゃあお願いね」

〜一晩明けて

箱「ねえねえ450、昨日の合成はどうなった?」

450「はい。まずはモノメイトです。申し訳ありません」

箱「うっ… で、でもあと4つもあるから……」

450「次もモノメイトです。申し訳ありません」

箱「[´・ω・`]  ま、まだ3つもあるさっ!」

450「またもモノメイトです。申し訳ありません」

箱「確率確率。まだ2つもあるさあ」

450「モノメイトです申し訳ありません」

箱「……………………………………[´;ω;`]ウッ」

450「最後もモノメイトです。ついでにギイガラインもモノメイトです」

箱「_| ̄|□」
箱「しくしく」
とぼとぼとベッドに潜り込む箱

450(……………………プイッ)
ちょっと怒気を孕んだ表情でそっぽを向く450。
ふと、450は考える。
450(……………………今度、眼鏡かけてみようかなあ……)

546 名前: 名無しオンライン [sage] 投稿日: 2006/11/29(水) 21:14:16.08 ID:HSjTgP18
ご主人様のレベル  L70(キャップ上限)
パシリの生産レベル L100

その差30

こういうことじゃね!?



[ ´・ω・`]<ボク、L35ダヨ

( ゚-゚)<ジャア 私トノレベル差ハ 65デスネ

[ ´;ω;`]<…

295 名前: 箱と450 死闘!一日デート地獄 [sage 箱の人] 投稿日: 2006/11/25(土) 20:47:35.08 ID:elQeFjeQ
店員「まあ!お似合いですよ〜」
450「そ、そうですか?」
450が試着室から出て、店員と話をしている。
俗に言うチャイナ服というのだろうか、紅く、
袖は半袖、裾が膝の遥か上にあり、横にはスリットがある。
450「じゃあ、これもお願いします」
店員「はい〜 ありがとうございます」
450は再び試着室に消える。
箱「あ、あの、因みにこれ、お幾らなんでしょう…?」
戦々恐々と箱が尋ねる。
店員「はい〜、3万5千メセタになりまぁす」
箱「え、ええええええええええっ!!」
愕然とする箱。さんまんごせんめせたといえば、ブルースさんのミッションを
5回はクリアしないと手に入らない。
箱「うう………僕のお小遣いが…」
450「どうされました?」
何時もの表情の450が、何時もの服装で試着室から出てきた。
箱「これ、さんまんごせんめせたなんだって…」
450「そうですか」
箱「うん」
450「何かご不満でも?」
僅かに微笑みながら、意地悪そうに箱を見る。
箱「……ありません」
そして、箱の持つ箱がまた一つ増えた。

今回二人は、前回の仕事の後の約束どおり、ショッピングモールに買い物に来ていた。
本来ならば穏便にすむ、所謂「デート」的なものであるはずだったのだが、
箱の軽率な行動が引き金となり、まさしく懐の地獄絵図と化していたのだ。
自業自得だね… うん。

450「さ、次はお食事にまいりましょう」
箱「……ど、どこに?」
450「えぇと、ここがいいです」
と、ナノトランサーから何か紙を出す450。
箱「ん? ……え、これってもしかして」
450「はい、先日開店したニューデイズ料理のお店です」
箱「こ、ここって結構高いとか聞いたんだけど…」
450「ええ。知ってますよ」
当然と言わんばかりの450。
箱「……ここに、行くの?」
恐る恐る尋ねる箱。
450「はい」
箱「うぅ… 本気?」
450「お嫌ですか?」
箱「できることなら…」
450「はぁ…… 私もあの物体にキスを迫られたときは凄く嫌だったんですよね…」
頬に手を当て、ちょっと斜めに上目遣いで箱を見ながら、溜息混じりに言う。
箱「うぅ…  わかりました…」
箱が折れた。
450「ふふ、よろしい。 さ、行きましょう」
荷物で前の見づらい箱を先導しながら、何時もより少し楽しそうな表情で歩く450。

296 名前: 箱と450 死闘!一日デート地獄 [sage 箱の人] 投稿日: 2006/11/25(土) 20:48:05.77 ID:elQeFjeQ

暫らくして、目的の店に到着した二人。窓際の、宇宙が良く見える席につく。
箱「…あ、あわわわわわわわわ」
渡されたメニューを見て、箱が戦慄いた。
450「? なにを震えになっておられるのですか?」
箱「ぜ、ぜぜぜぜぜぜろが2つくらい多い…」
450「そうですね」
箱「げふぁ…」
あまりの数値にテーブルに突っ伏す箱。
450「も、もうっ、恥ずかしいことしないでくださいご主人様…っ!」
小声で注意する450。と、ウエイターがやってきた。
ウエイター「ご注文はお決まりでしょうか?」
450「はい。私はこの、シェフのお任せコースを」
箱「……僕は水でげふっ」
プシュウウウウウ  箱の脳天にハウジロドウが生えた。
450「お任せコース2つで」
何事も無かったように注文する450。ウェイターがちょっと焦っている。
ウエイター「は、はい。かかかかしこまりました」
ウエイターが去ると、再び450が小声で箱に話し掛けた。
450「もう、ご主人様、もう少しムードというものを大切にされてはどうですか…」
少し怒りながら言う。
箱「だ、だってさぁ…  僕は、水で…いいのに…」
450「だーめーでーす! ご主人様と一緒がいいんです…」
後半、ちょっと照れる。
箱「じゃあ、二人でみz」

めごす

珍妙な音に回りの客が一斉に発生源を見ると、頭にハウジロドウを二本刺した蒼い箱が死んでいた。
450(もう……馬鹿……)



軽やかに食事を進める450とは裏腹に、箱のほうはおっかなびっくりだ。

食事が終わり、店を出た頃には、もう箱はミッションを5つ6つこなしたほど疲れ果てていた。



そして地獄はまだつづく

451 名前: >>296の続き [sage 箱の人] 投稿日: 2006/11/28(火) 20:13:49.31 ID:wlqKRmQ7
しばらくして、二人は再びショッピングモールの通りにやってきた。
くたくたの箱がベンチに座り、その前に立ちメモ帳を見ている450。
450「さて、次は映画館に…」
次の予定を決める450に、とうとう箱が不満を漏らした。
箱「ええ〜〜〜〜 まだ行くの? もう帰ろうよ〜」
しかしあっさりと却下される。
450「だ・め・で・す」
右手の人差し指を立て、左手を腰に当て、一文字一文字釘を刺すように言う。
450「今日は一日私にお付き合いしてくださる約束じゃないですか。だから最後までお付き合いしていただきます」
箱「はう… でももう10万メセタくらい使ってるよ… 僕のお小遣い、何ヶ月貰えなくなるんだよ〜」
げんなりする箱。
450「そうですね、半年は貰えないですね」
箱「[´;ω;`]」
涙目でゴメンナサイと訴える箱に、やれやれという表情の450。
450「はい、これを」
そう言うと、ナノトランサーから小さな袋を取り出した。
箱「なに?これ?」
450「これは以前ブルース様の協力ミッションで初めてBレベルでSランクがとれたということで私にくださったメセタです。お忘れですか?」
箱「……ああ、そういえば」
450「これは高属性メイガが出来た時、ご主人様がその時の稼ぎを調子に乗って私に全額あげるといった時のメセタです」
箱「……そんなこともあったねえ」
450「これは初めてメイガが売れたとき、売上を二人で分けようと仰ったときの分、これは…」
数々の思い出と共に、メセタの入った袋を取り出す450。

450「これで補填します。一ヶ月くらいは反省期間ということにします」
箱がほっと胸を撫で下ろし、そしてふと聞く。
箱「…ねえ、どうしてこんなに残ってたの?」
450「え?」
突然の問に返答に詰る450。
450「べ、別に… 特に意味は… 私はそれほどお金使いませんし…」
箱「あ、そうなんだ」
あっけらかんと450の話を聞く箱。
更に450の言葉は続いた。かろうじて聞こえるくらいの小さな声で。
450「そのまま貯めてても良かったんですけど、一度お洒落とかしてみたかったし…」
450「どうせ使うなら、何か残るものにしたかったですし…」
箱「……なるほど」
本当に理解しているのかどうか怪しいが、箱が頷く。

452 名前: 名無しオンライン [sage 箱の人] 投稿日: 2006/11/28(火) 20:14:24.40 ID:wlqKRmQ7
450(だから、今回は、いい機会だったんです……)
ぽふっと箱の横に座る450。

450「でも、また明日からは無駄遣いはしませんから」
ちょっと笑顔。
箱「…でもさ」
450「はい?」
箱「時には、『無駄』なことも必要だと思うんだ」
450「え?」
箱の言葉に不思議そうに箱を見る450。
箱「だって、450っていつもなんか張り詰めてるような気がしてさ。時々は緩めたほうがいいと思うんだ」
糞真面目にそんなことを言う箱に450がくすりと微笑む。
450「ふふ、それが今日じゃないですか」
箱「……あ、そうか」
ぽんと手を叩く箱。
そんな箱を見ながら450は思う。
450(今まで、考えもつかなかったことですけれど…)
箱と一緒に暮らすようになって、自分は随分変わったなと思う。
微笑むなんて以前はできなかったことだ。
嫉妬なんてするとは思っても居なかった。
そんな変わった自分を思うと、なんだかちょっと恥ずかしいけれど、嬉しい。
そんなことを考えていると、突然箱が450をひょいっと抱き上げ、自分の膝の上に座らせた。
450「な!? えっ!? ご、ご主人様!?」
混乱する450に箱は「どうぞ〜」と言う。
何がどうぞなのか解らない450に、別の声がした。
「すみませんねぇ…」
450の座っていた所に老婆が座る。
「ガーディアンズの方ですか?」
箱「はい。この子が僕のPMなんですよ」
雑談をする箱に450が小声で抗議する。
450「ご、ご主人様、は、恥ずかしいですから……っ! 私立ってますからっ!」
少し脚をじたばたするが、腰を箱の腕にしっかりと拘束されて抜け出すことができない。
そんな450に箱が耳元でそっと囁いた。
箱「ちょ、暴れちゃ駄目だって。おばあさんが行ったらまた下ろすから」
それを聞くとだんだんと450の抵抗が止む。
そして頬をが徐々に紅色に染まっていくのが450自身でも解った。
450(これは……もしかして結構ラッキーな状況なんじゃ……)
箱とおばあさんの会話をそっちのけで幸せな現状に浸る450。
背中を箱の胸に預けて、手を箱の手と重ねてみる。
と、ふと声が聞こえた。

女1「ねえ、あれ似てないキャストの親子ね〜」
女2「えー、誘拐犯じゃないの?」
女1「誘拐犯がこんなところで雑談なんかするはずないじゃ〜ん」

453 名前: 名無しオンライン [sage 箱の人] 投稿日: 2006/11/28(火) 20:15:34.53 ID:wlqKRmQ7



――ご主人様、離していただけませんか。今あそこにラフォイエ叩き込みますから。
もンのすごいオーラを放ちつつ二人の女性の方を睨む450。
その頭上では、箱とおばあさんのほのぼのとした世間話が繰り広げられていた。
ほどなくして
「あら、もうこんな時間。そろそろ失礼しますね」
そういっておばあさんが立ち上がる。
箱「あ、はい。お気をつけて」
箱も立ち上がる。450も…立ち上がれる筈もなく、まるで人形のように箱に抱かれたまま宙に浮いている。
そして会釈をしておばあさんと別れると、再びベンチに座る。

450「さ、さあご主人様、私を下ろしてくだ…」
「よお、こんなところで何してるんだ?」
空いたベンチにどっかと座った人――ライアだった。
450(うっ、ライア教官…)
突然の乱入者に眉をひそめる450。
箱「あ、教官。ど、どうも」
おどおどと挨拶する箱。
ライア「最近あたしの手伝いに来ないね。なんかあったのかい?」
じろりと睨むライア。
箱「あ、えと、その…最近ブルースさんのミッションを受けることが多くて」
確かにあのミッションは現在人気があるミッションだ。
決してライアとのミッションが、レベル60になったので受ける気が失せたとか
いい加減飽きたとかわざわざやるメリットがないとかそういう理由ではない。

ライア「ふぅん。 まあいいさ。 ところで、それ以外はあんた暇してるよね?」
箱「は、はあ。大体は…」
ライア「ちょっとツラ貸しな」
そういうとベンチから立ち上がるライア。
箱「は、はぁ」
そう言って450を抱えたまま立ち上がる箱。
ライア「あ、PMは来なくていいから」
450「え?」
ライア「ちょっとね。PMのアンタにゃ関係のないことさ」
450「は、はぁ」
少しカチンとくるものの、なんとなくといった感じで同意する450。
箱「じゃ、じゃあ、いってくるよ。450は先に部屋に帰っててもいいよ」
450を床に下ろし、ライアについていく箱。
450「はい…   あ、あのっ!」
耐え切れずに二人を呼び止める450。二人が振り向く。
450「あ… その… お気をつけて」
にっこりと微笑んで手を振る箱。そして二人はその場から居なくなった。
一人残された450は、楽しい一時を邪魔された不快感よりも、何か言い知れない不安で一杯だった。

つづく?

524 名前: 箱の居ない日 前編 [sage 箱の人] 投稿日: 2006/11/29(水) 17:54:01.84 ID:HSjTgP18
何時ものように目が覚める。
何時ものように少し布団の中でもぞもぞしてから少し伸びをして、起きる。
何時ものように歯を磨き、顔を洗い、パジャマを脱いで身嗜みを整える。

「ご主人様、起きてください。朝ですよ」

何時ものようにベッドで寝る箱を起こす。しかしそこに箱は、居なかった。

「あ………… そっか。昨日ライア様と出かけたんだっけ」

緊急用のハウジロドウを仕舞うと、部屋の中をぐるりと見渡す。
箱が一晩部屋を空けることは滅多に無い。
軽い喪失感を感じつつ、450は一人分の食事を作る。

もぎもぎ
「………………なんだか微妙な味……」ぽつりとそう呟いた。

―何か、物足りない。


―二日目
今日も箱は帰ってこなかった。
(おかしいなあ…………  ま、まさかっ!!)
箱とライアがいちゃつく場面を想像…………できない。
(…………あの二人に限って……ありえないですよね……)
馬鹿な憶測に苦笑いを浮かべながら、部屋を掃除する。
「この部屋、こんなに広かったっけ…………」

―空間が、彼女を圧迫する。


―三日目
ちゃぶ台に頬づえをついて時間を持て余す450。
プシュー
唐突に開く扉。
「ご、ご主人様!?」
慌ててショップルームに走っていくと、そこには
沼子「あ、メイガライン売ってないかな? 闇とかあれば嬉しいんだけど」
お客様だった。
「あ、はい。4000メセタでございます」

―今日の売上は8630メセタ。喜んでくれる人は、居ない。

  後半に続く

541 名前: 箱の居ない日 後編 [sage 箱の人] 投稿日: 2006/11/29(水) 20:37:59.26 ID:HSjTgP18
―四日目
プシュー
肩を落としてガーディアンズ本部から帰ってきた450。
お小遣いをはたいて箱の捜索を依頼しようとしたのだが、
何故かガーディアンズは適当にあしらうだけだった。
……不安が募る。
箱の声がしない。箱の姿が無い。箱の存在が、無い。

―夜、一人泣いた。


―五日目
箱が持っているパートナーカードのガーディアンズに一斉にメールを送る。
「うちの箱、しりませんか?」
10通程度の簡単な作業。
これに箱の運命を託すのだろうか。そう思うと涙が溢れてくる。
「早く帰ってきてください、ご主人様…………」
つがいをなくした比翼の鳥のように、450は震えながらベッドの上で布団に身を包んで座っていた。
そして箱の匂いに包まれながら彼女は眠りに落ちる。
せめて、夢のなかで箱に逢えるように。

―夢は、見ることができなかった。


―六日目
コロニー内の捜索から帰ってきた後、メールのチェック。
しかしメールの返事には、なんの手がかりもなかった。
ふと、箱に頼まれていた合成があったのを思い出す。
ギイガラインが、成功していた。
(……………………形見……)
ふと思いついた単語に背筋が震える。
その悪寒に耐え切れず、450はまたコロニー内の捜索に出る。

―箱に、会いたい。450はただそれだけを願っていた。

599 名前: 名無しオンライン [sage 箱の人] 投稿日: 2006/11/30(木) 13:33:59.58 ID:bkl1PoQR
―HIVE・ライア―
「はぁ、はぁ」
荒い息遣いがする。
不気味なHIVE内の壁にもたれかかるようにして箱が居た。
焼け焦げ、切り傷、へこみ。いろんな破損がぱっと見にわかる。

「教官とカーツさん、無事かなあ…」
5つの端末の同時起動の為、ライアがそのうちの一つに残り、他を箱が起動することになったのだが、
途中、再び倒れている人を見つけ介抱しようとしたところ、突然ディルナズン化。
最初の遭遇ではライアの叱咤で撃退できたのだが、今回はそのライアが居なかったのが災いした。
箱が攻撃を躊躇ってしまった隙を突かれ、そのままライアとはぐれてしまったのだ。

何度日が変わったのだろう。この異常な世界は外界を遮断する。
出来る限り身体を休めながら、襲い掛かってくるパノンやデルセバンを倒す。帰り道を探して。
しかし、最初の頭部への打撃で一部の頭部装甲が破損。
通信能力も低下してしまったのが現状を更に悪いものにしていた。

「…情けないなあ」

自分の甘さを後悔する。

「こんな所で壊れたら、誰にも回収されないよ…」

壊れるのは嫌だ。でも、万が一はある。
その時に回収されれば、この武器や防具を売れば多少なりお金になる。
そのお金で少しでも早く450を自由に出来たのなら、それはそれで本望だ。
例えその売る物の中に自分のカラダが含まれていたとしても。

「でもなあ、僕じゃあなあ。…逆に回収費用取られたりして」

笑えない冗談を呟いて苦笑いする。しかし今はそんなことでも喋っていないと辛い。
そして思う。どんなことをしてでも生き延びて、マイルームに帰るんだと。
まだ自分は、450になにもしてやれていない。彼女の自由までまだ相当のお金が必要だ。
だからまだ壊れるわけにはいかない。壊れるのは、450が自由を得てからだ。

600 名前: 名無しオンライン [sage 箱の人] 投稿日: 2006/11/30(木) 13:35:12.51 ID:bkl1PoQR
「はは、ちょっと元気出たみたいだよ、450」
そう呟くと、バルディスを杖のようにして立つ。
ふと気付くと、まわりにはデルセバンの一団が居た。

「帰り……たいなあ」
その一言を踏み潰すかのように、デルセバンが箱に襲い掛かってくる。
白いフォトンが光跡を残しながら踊る。箱は、必死だった。

デルセバンの刃をかろうじて避けながら、なんとか4体ほどを片付ける。
しかし、多勢に無勢。限られた回復アイテムの数を考えると、そう無茶はできない。

「くっ、ここは…」

身を翻し、脱兎の如くその場を離れる。今は生き残ることが最優先だ。
今の箱にはそれしかなかった。後ろ指を指されるのには慣れている。
笑われようが、何をしようが、箱はただ生き残ることを考えていた。

暫らく走り、デルセバンの奇妙な鳴き声が聞こえなくなったあたりで、箱は脚を止めた。
「ここまで来れば…」
壁にもたれて気を抜く箱。しかし、HIVEはそんな行為を許す場所ではなかった。

「な!?」
次々と箱の周囲にワープアウトする物体。
手には杖。ガオゾランだ。それが3体も居る。
バルディスを構えようとする箱。刹那、フォトンが煌いた。

ブォン!

バルディスの柄が真っ二つになる。そして、ガシャンという金属質の音。
地面には蒼い鉄の塊。箱の胴から離れた右手がそこにあった。

「ぐ…!!」

バルディスを捨て、小剣を構える箱。
後ろは壁。逃げ場は、無かった。

40 名前: 名無しオンライン [sage] 投稿日: 2006/12/01(金) 11:21:43.34 ID:5DvACArF
―ガーディアンズコロニー

「あとは、3ヶ月経つか、貴女がこの書類にサインをすればOKです」
箱の部屋に見慣れぬ男が居た。

「そういうものは必要ありません」
少し怒気を含んだ声で、出された書類を拒否する450。

「それよりも、捜索はどうなっているのですか?」
と、男を睨みながら尋ねる。

「さあ?見たという報告は聞きませんね。こちらも捜索はしてるのですが」
眼鏡を直しながら白々しい言葉を吐く。
450の機嫌が更に悪くなる。

「わかりました。もうお帰りください」
やれやれという表情で部屋を出て行く男。

プシュー
扉が閉まる。
箱が居なくなって二週間が過ぎた。
450が行ける範囲は全て探した。しかし箱の行方はようとして知れない。

「ご主人様…」
ふと呟く。
これほど自分の無力が恨めしいことは無かった。
レスタの制限がかかった時以上に、自分がPMであることを呪う。
夜になるたびに、「もしかしたら」という気持ちが鎌首をもたげる。
しかしそれをどうにかして振り払う。
パートナーである自分がそれを認めたら、箱の生存を諦めたら、他に誰が箱を信じるのか。
そう、折れそうなココロを奮い起こさせる。
私は最後の砦。私が信じている限り、きっと箱は生きている。生きて、帰ってきてくれる。

そして再び450は部屋を出る。あてもなく、箱を探して。

41 名前: 名無しオンライン [sage 箱の人] 投稿日: 2006/12/01(金) 11:23:15.41 ID:5DvACArF
―HIVE・ライア
(駄目だ… でも、何か、何か手が…)
箱が最後の光明を探そうとした時、ガオゾランの頭部にフォトン弾が炸裂した。

「えっ!?」
驚く箱。2体目、3体目のガオゾランも頭部への狙撃に怯む。

「君!今だっ!!」
女の声だ。箱は怯んだガオゾランに小剣で攻撃を加える。
フォトン弾の援護を受けながら、箱が攻撃を加える。
最後のガオゾランが霧散すると、箱が腰が抜けたかのようにその場に座り込んだ。

「大丈夫か、君」
声のするほうに頭を向けると、そこにはニューマンの女性が居た。
身長は箱のよりも低いだろうか。箱から見れば小柄な女性だ。

「あ、ありがとうございますです」
緊張が解けたのか、相手が女性とわかったからか、箱の落ち着きが一瞬にして無くなった。

「落ち着け。敵はもういないぞ?」
女性は少し微笑んで箱にレスタをかける。
しかし、そのレスタに切断された腕を戻すほどの力はなかった。

「ふむ、すまないな。腕の修復はできなかったようだ」
「あ、い、いえ、その、あ、ありがとうございますですます」
すぐ傍に女性を感じて、どぎまぎしながら箱が答える。

「ふふ、面白いな、君は。それにしても何故こんなところに一人で?」
女性は箱の横に座って尋ねる。

「え、えと、教官と、このHIVEに来たんですけど、途中ではぐれちゃって… あ、貴女は?」
今度は逆に箱が尋ねた。

42 名前: 名無しオンライン [sage 箱の人] 投稿日: 2006/12/01(金) 11:24:00.85 ID:5DvACArF
「私か? 私はHIVEの調査の依頼を受けてここに潜入したんだが、どうも道に迷ってな
 どうしたものかと途方に暮れていたんだ」
その答えを聞いて、箱がしょげる。

「あ、貴女も迷子だったんですか…」
「ああ。でもキャストの君なら外界との通信が出来ると思うのだが、やってみてはくれないだろうか?」
女性がそう尋ねると、

「す、すみません、僕の通信機能、故障しちゃってて… ほんとすみません」
ぺこぺこ謝りながら小さくなる箱。まあイメージの中でだが。
箱の答えを聞くと、女性が困ったような顔をする。

「そうか…困ったな。さて、どうしたものか…」
思案する女性。箱もそれに習い脱出方法を模索する。

「そうだ」
女性が手をぽんと叩く。

「元々ここは発電衛星だ。奥に通信機があるかもしれない」
頼りになるんだかならないんだかいまいちよく解らない提案だ。
しかし今はそれに頼らざるをえないのも事実。

「じゃあ、そうしましょうか」
箱が同意する。

「PMにメーザーカノンの合成を頼んでいてな。早く帰って確かめたいんだ」
「あ、僕もギイガライン頼んでるんですよ。もうできてるだろうなあ」
今までのヒリヒリとしていた場の空気がふっと和む。
今の二人にはこんな会話をしている余裕はないのだが、
こんな雑談でも絶望を少しでも消すことができるのならそれはそれでいい。

「450、ちゃんとご飯食べてるのかなぁ」
ふと呟く。

「ほう、君も450タイプのPMを? 実は私もなんだ」
意外な接点を見つけ、会話が弾む。
互いの450の話をしているうちに、二人に奇妙な親近感が芽生え始めた。
そしてお互いに想う。自分の帰る場所に帰るのだと。

敵を駆逐していく二人。そしてたどり着いた大型のワープポイント。
お互いに頷き、覚悟を決めてそこに突入する。
ワープアウトした先には、巨大なエネミー。ダルク・ファキスが鎮座していた。

43 名前: 名無しオンライン [sage 箱の人] 投稿日: 2006/12/01(金) 11:24:33.00 ID:5DvACArF
「行くぞ、箱君!」
「はいっ!」

小剣の光跡と、フォトン弾がダルク・ファキスに襲い掛かる。
しかし、それを圧倒的な質量で迎撃するダルク・ファキス。
じわじわと削られる二人のHP。

「箱君、大丈夫か!?」
箱にレスタをかけながら尋ねる。
「な、なんとか。でも、もうあまり長くは…」
二人が一瞬気を逸らした刹那、ダルク・ファキスにエネルギーが収束し、放射された。

「なっ!?」
眼前が白く輝いたと思った瞬間、彼女の前に蒼いものが立ちはだかった。
轟音と灼熱。それが収まり恐る恐る目を開けると、そこには装甲が溶けかかった箱が居た。

「は、箱君!」
「だ、だいジョウブ デすカ?」

内部機能に異常をきたしたのか、箱の音声がおかしい。
「な、なんてことを!? き、君は馬鹿だ!!」
女性の目が潤む。
「は、ハヤくこうゲキを…  !!」
二人の隙をダルク・ファキスは見逃さない。巨大な刃の右腕を振り下ろす。
「しまっ!?」

どんっ

「きゃあっ」
箱に突き飛ばされる女性。目の前の、自分が今まで居たところには巨大な刃と、
床に転がる小剣。そして腹から上の箱。

「こ、このおっ!!」
狂ったようにライフルを乱射する女性。それに怯んだダルク・ファキスは、闇の壁を展開する。

「う、うううっ!!」
闇の壁に押される女性。
しかし、何故か箱はその壁の干渉を受けない。
その偶然生まれたチャンスを箱が突いた。

「…サ、SUVウェぽン、キドう開シ!!」
腹から上しかなくなった箱が、シュトルムバスターを召喚する。
「は、箱君ッ!!」
壁が消え、箱に駆け寄ろうとする女性。
ふと、箱の声が聞こえた。

「イッ緒ニ オ互イの450のトコろに……カエりましョウ……」

ボスエリアは、爆煙と爆音に包まれていった。
女性は、最後に断末魔の声を聞きながら、気を失った。

―つづく

187 名前: 名無しオンライン [sage 箱の人] 投稿日: 2006/12/03(日) 00:10:53.86 ID:4L01AyIN
ピポン
「…あ……メール?」
ビジフォンに突っ伏したまま寝てしまっていた450が、メール受信の音に目を覚ます。
目尻には涙の跡。今日も泣きながら眠っていたのか。
コンソールを操作してメールを開くと、そこにはまるで感情の篭っていない一文。

「あなたの主人の一部を回収しました。本部のモルグまでお越しください」
とだけあった。

「あ………ああ………………」
愕然とした表情。声が出ない。希望が、がらがらと崩れていくのが450本人にも解った。

「う、嘘…………」
どうにか搾り出す一言。これは、嘘だ。きっと、嘘だ。嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘…………

頭の中で「嘘」という言葉がぐるぐると回る。
もはや涙は涸れたのか、不思議と涙が出てこない。
そして450は、ビジフォンを閉じると部屋を出た。
もしかしたら別人かもしれない。この目でそれを確かめるまで、まだ希望は捨てたくない。
最後の、最後の希望の欠片を求めて、450はガーディアンズ本部へと向かった。

―モルグ
冷たい金属質の床と壁に囲まれた一室。
壁には、人が一人入るくらいの引出しのようなものが敷き詰められていた。

ギィィィ
重い扉が開く音。
それに続いてカツカツと足音がして、男とPM…450が入ってくる。

「こちらです」
無感情な声でコンソールを操作すると、壁の引き出しの一つがせり出てくる。
450が恐る恐る近づく。そして、震える手でシェラフのようなもののファスナーを下げる。

そして、その中に入っていたのは、蒼い塊。
装甲は半ば溶け、ところどころ黒焦げになっている。

「うぅ………っ」
涸れたと思っていた涙が零れてくる。
そこにあったのは、まぎれもなく箱…箱だったものだ。
頭部と胸、そして左腕。ただそれだけ。
目からは光が消え、何の反応も無い。

「ごしゅ…………じんさま…………」
かすれるような声で呼んでみる。 反応は無い。

「ご主人様………ご主人様…………」
もう一度、呼んでみる。 しかし、箱にはその声は届いていなかった。

「ご主人様ぁ………ご……しゅじん……さまぁ…………」
止まらない涙。止まらない呼ぶ声。ゆさゆさと箱を揺する。

「ごしゅじんさまぁぁぁぁぁ!!」

188 名前: 箱、死す!? [sage 箱の人] 投稿日: 2006/12/03(日) 00:11:50.40 ID:4L01AyIN
募る想いを吐き出すように箱の胸に顔を埋めて叫b







「うわああああああっ!!ごめんなさい!!ごめんなさいっ!!今起きますからハウジロドウはゆるしてっ!!」

残った左腕を軋ませて必死にガードする箱。

「………………」
伝う涙はそのままにひきつった顔で固まる450。

「………………あ、あれ?」
ガードを緩めつつ恐る恐るまさに今振り下ろされる筈のハウジロドウを探す。

「…………………………ここ、どこ?」


「ぎゃあああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!」
絶叫の450。
「ひえええええええええええええええええ!?」
それに驚く箱。

「お、オバケええええええええええええええええっ!!! …ふぅーーーー」
箱を指差したまま卒倒して後ろに倒れる450。

「え、え、オバケ!? オバケこわいいいいいいいいいいいいいいい!!」
左手で頭を抱えて小さくなる箱。
その時、モルグの扉が開いた。


「な、なんだ今の絶叫は!! 絶叫の騎士か!!」
「オバケだと!? ガオゾランがテレポートアウトしてきたかああああああっ!!」
「いや、俺ゾンビだって聞いた!!バイオハザード発生!?」
ガーディアンズ本部のスタッフだ。

「…………え?」
何事かと声の方向を見る箱。

「「「いたあああああああああああああああっっっ!!!」」」

「え?え?」

ジャキジャキジャキジャキ
何事かと呆然とする箱。銃器を構えるスタッフたち。

「目標、妖怪ハコモドキ!! 撃てぇぇぇい!!」

「え?え? えええええええええええええ!?」


その日、ガーディアンズ本部のモルグには、
朝の天気予報を無視した銃弾の雨が、450が目を覚ますまで降り注いだ。

189 名前: 箱、入院する (1/6) [sage 箱の人] 投稿日: 2006/12/03(日) 00:13:18.36 ID:4L01AyIN
―数日後

ケース1:とあるニューマンと450の場合。

「く、くくく、本当に面白いな君は」
ガーディアンズの病院の一室。
部屋の隅では450が2体、ほうじ茶とコルドバういろうを食べながらなにやら談笑している。
ベッドに寝る箱を見ながら、ニューマンの女性がくすくすと笑っていた。

「笑い事じゃないですよ。本気で死ぬかと思ったんですから」
ベッドに横たわる箱が答える。

「いや、すまない。で、新しい体に?」
ベッドの横にある椅子に座りながら尋ねる。

「えーと、その、なんというか。お金がなくて… 胴体パーツだけを換装して、
 あとは回収されたうちで使えるパーツで補ってもらうことにしました」

「そうか。それにしても、君は案外無茶をするな」
ふっと微笑む女性。

「え? いや、その、あのときは夢中で…」
左手で頭をかく箱。

「まったく、君は実に馬鹿だな」
またくすくすと笑う女性。

「あのときはもう死んだのだと思ったけど、君の生きるという執念は凄いな」
「そ、そうですかね?」
珍しく褒められたからか、照れまくる箱。

「…そういえば、まだお礼を言っていなかったな」
そう言って椅子から立ち上がり、
「……ありがとう」
箱の頬にすっと唇を寄せる。

190 名前: 箱、入院する (2/6) [sage 箱の人] 投稿日: 2006/12/03(日) 00:13:30.47 ID:4L01AyIN
「むあ!?」
突然の出来事に驚く箱。

ギンッ!!!

その箱に視線…というか殺気が放たれる。
びくっとしてその殺気のほうを視線を移すと、
その先には正座をして湯呑みを持ってこちらを睨む450と、それに怯える450が居た。

「さ、そろそろ帰ろうか450」
女性が少し照れながら怯える450を促す。

「じゃあな。御大事に」
「あ、ど、どうもありがとでした」
箱に見送られ、女性は最後に微笑を残し、450を連れて部屋を出て行った。

「……………………あ、あははは」
キリキリとぜんまい仕掛けの人形のように首を回転させる箱。

「……………………あら、いかがされました?ご主人様」
珍しくにこにこと微笑みながら箱のほうに歩いてくる450。あ、青筋…

「え、あ、あの、その、ぼ、ぼくはなにもしてないよ?」
上半身だけの箱はもはや震えるしかない。震えたまま450を迎える。

「…………ふふ、そうですね、ご主人様はなーんにもされていませんよね」


            めごす


「んぎゃあああああああああああああああああああああああ!!!」
絶叫が、静かな病院に響き渡った。

191 名前: 箱、入院する (3/6) [sage 箱の人] 投稿日: 2006/12/03(日) 00:14:02.40 ID:4L01AyIN
ケース2:とあるニューマンと440と+1の場合

「よう、箱!今回は災難だったらしいな!…って、お前何頭にハウジロドウ刺してるんだ?」
ニューマンの男が440を従えて病室に入ってきた。

「え?あ、あはははははは、ちょっとすっ転んじゃって…」
頭からオイルを垂らしながら箱が答える。

「ねえ、ご主人様、あのハウジロドウモギモギしていいですか?」

「…モギるのはいいが人様のはやめときなさい」

「…は〜い」
残念そうにしゅんとする440。

「おっと、忘れるところだった。これお見舞いだ」
そう言って440の帽子の中から黄色い何かを取り出すニュマ男。

「わ、わ、なんですかこれ!!」
驚く箱。

「「ラッピー!!」」
ニュマ男と440が綺麗にハモる。

「かわいいでしょー? すごくかわいいでしょー?」と440。
「こいつレア落とすんだぜぇ?さっそく殺ってレアアイテムゲットだぜ!!」とニュマ男。
お互いの台詞を聞いて、不満そうにお互いに抗議する二人。

「こんな可愛いラッピーを殺すなんて酷いです!!」
「何言ってんだ、今の箱にとっての一番の見舞いはレアアイテムなんだよ!!」
「ご主人様のわからずや!! モギモギッ!!」
「あーっお前なにモギってんだ!それこの前ゲットしたマジムラじゃねーか!!」
「ご主人様さっき人様のじゃなかったらモギっていいって仰ったじゃないですかっ!!」
「てめーっ、モギっていいものとよくないものがあるだろっ!!」
わーわーぎゃーぎゃーどたんばたんと口論…っていうか暴れる二人。

192 名前: 箱、入院する (4/6) [sage 箱の人] 投稿日: 2006/12/03(日) 00:14:23.92 ID:4L01AyIN
ぴ、ぷしゅー

突然糸が切れたように倒れる440。
「病室では静かにしな」
そんな声が聞こえた気がした。

「またアイツか…」
ニュマ男が呟く。

「アイツ?」
乱闘から(気分的に)避難していた箱が??な顔をする。

「あ、いや、なんでもない。今日はそろそろお暇するわ。んじゃまたな。御大事に」
動かない440を引きずって部屋を出る2人。

「あら、もうお帰りになったんでs…」
花瓶に花を生けにいっていた450が戻ってきた。そして入口で固まった。

「あ、お帰り」

箱の頭の上に止まってピヨピヨ鳴いているラッピー。
そして滅茶苦茶に散らかった病室…

「…大怪我して安静にしてないといけないというのに………………何ですかこのザマはッ!!」
450のこめかみがピクピクする。

「え?え? んぎゃああああああああああああああああっ!!」

そして、再びナースステーションから何人か走ってきたのであった。

193 名前: 箱、入院する (5/6) [sage 箱の人] 投稿日: 2006/12/03(日) 00:14:51.33 ID:4L01AyIN
ケース3:あるヒューマンと440の場合

「…お前、入院してるんだよな?」
呆気にとられた表情で箱を見るヒューマン。

「は、ははは」
引きつった笑いで答える箱。

「…なんで頭からハウジロドウとメイロドウ生えてんの? 新手のキャスト用パーツ?」
箱の頭を指差すヒューマン。ふと頬を染めて恥ずかしそうに俯く450。

「ちょっと寝返りうったときにベッドから落ちちゃって… ははは」
オイルがぴゅーっと出る。

「まあ、なんだはやく怪我治せよ」

「はあ… がんばります」
いや頑張っても無理なものは無理なのだが。

「それにしても」
男が箱と450を交互に見る。

「なんか……恋人みたいだよな」

「えっ?」
さっと頬に朱が走る450。
一方箱は
「えーーーーー、やだなあ、僕に恋人とかいませんよお」
あははと笑っていた。

「そうか?  …あ、いや、なんだ、そろそろ俺帰るわ。いくぞ440」
なにやら感付いた男が慌てて帰り支度をする。
「はい、ご主人様。では失礼します」
ぺこりと頭をさげるリボンのついた440。

そして病室の出際に…
「その…なんだ… 御大事にな… 特に命」
深刻そうな顔でそう残していった。

「?どうしたんだろ?  ………………ハッ!?」
なにやら得体の知れない気配に気付く箱。

「え、あ、あの、450さん、ど、どうしたのかな?」
カタカタと振るえながら450を見る箱。

「………………いーえ、何でもありませんよ?」
笑顔で答える450.こめかみに浮かぶ青筋のアクセントがよく目立つ。



             めごす


もう、ナースステーションからは誰も来はしなかった…

194 名前: 箱、入院する (6/6) [sage 箱の人] 投稿日: 2006/12/03(日) 00:15:25.36 ID:4L01AyIN
ケース4:ある男と440の場合

病室に突然元気な声が響いた。

『箱!元気に450とヤってるか!!』

ゴスッ

『な、なにすんだいきなりッ!!』
「ふふっ、お見舞いの第一声にはあまりそういうのは言わないほうがいいですよ♪」
強力に突っ込む440。確かに450がいなくて幸いであった。

「あ、ども、『』さん。お久しぶりです」

『ちょwwwwおまwwwwwなんだその名前wwwwww』

「だ、だって、なんて呼べばいいのか解らなくて…すみません。エロデバさんのほうがよかったですか?」
しょげる箱。頭にはメイロドウ、ハウジロドウに加え、クロサラが刺さっている。

『いや、それは勘弁してwww まあ、俺の作者がそのうち適当な呼び名つけるだろうから今回はそれでいいか……でだ』
深刻そうな顔になる『』。

「は、はあ、なんでしょう」

『お前、手足をパシリにモギられたって本当なのか?』

「は?

ビシャーン
ドアが思いっきり開け放たれる。自動ドアなんだけどね。

「わ、私そんなことしませんっ!!」

一瞬固まる2人。
「失礼しますっ!」
ビシャーン
ドアの閉まる音と共にすぐに居なくなる450。

195 名前: 箱、入院する (END) [sage 箱の人] 投稿日: 2006/12/03(日) 00:15:36.77 ID:4L01AyIN

『なあ……』
扉のほうを見ながら呟く。
「はい?」
『お前、結構大変だろ?』
「はあ、それなりに…」
と、我に返る『』。
『って、モギられたって聞いたぞ?おかしいな?』
「そんなことないですよう。一体誰に聞いたんですか?」
『いや、こいつに…』

「ハァハァ…箱さん…可愛美味しそう…」
突然の獲物を狙うその視線に怯える箱。

『ちょっと待てェェェェ!! お前、お前それだけはやっちゃいけねえっ!!人…じゃないパシリとしてッ!!』

「ハァハァ… じゅるり…」

『こ、こいつはやべえええええッ!!箱ッ、今日はもう帰るわ!んで、これは見舞いの品だ!じゃあな!』
包みをベッドに投げ、涎を垂らす440を抱えて走り去る『』。病室には呆気にとられる箱が残された。

「病院では静かになさってください! もう…やっと今日から面会が可能になったのにいきなり騒々しいですね…」
溜息をつきながら戻ってくる450。
「あら?」
ベッドの上にある包みに気付く。
「なんですか、それ?」

「さあ?」
ぺりぺりと片手で器用に封を開ける箱。
中から出てきたのは…

"美人女医ルウ先生シリーズVol.6 〜あ・ぶ・な・いお注射 デガーナ☆カノン〜【通常版】"

ガーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーンと固まる箱。
怒りでわなわなと振るえる450。

「い、いや、これは、その、さっきの!」

「言いぃぃぃぃ訳無用ゥゥゥゥゥゥゥ!!!」

「ひええええええええええええええええええええええ!!!」

病院に断末魔の悲鳴が木霊する。
箱が無事退院できるのは、一体何時になるのだろうか……

259 名前: 酒と泪と箱と450 [sage 箱の人] 投稿日: 2006/12/03(日) 20:04:52.33 ID:4L01AyIN
―箱が退院して数日が経ったある日。

プシュー
「ただいま帰りました」
450が買い物から帰ってきた。
「あ、おかえり」
ちゃぶ台の前に座った箱が珍しく真面目な顔で450を迎えた。
と、450がふとそのちゃぶ台の上に乗った瓶を見つける。
「あら、それはいかがされたのですか?」
ナノトランサーから冷蔵庫に食材を入れながら450が尋ねる。
「ああ、これ? 『』さんが退院祝いだってさっき持ってきてくれたんだよ」
『』からの差し入れ… なにやらいや〜な予感をしつつその瓶を見る。
瓶にはラベルが貼ってあり、それには

【ミズラキ銘酒 怨魔ごろし】

と書かれていた。

「お酒ですか?」
立ち上がって、フリルのついたエプロンをつけながら尋ねる450。
「うん」
こくりと頷く箱。

「そういえば、ご主人様はお酒はお飲みになるのですか?」
キッチンに移動しながら再び箱に尋ねる。

「んーん。呑んだこと無い。450は?」
「私も…呑んだことは… 今夜、呑んでみましょうか?」
キッチンから顔を出して三度尋ねる450。

「え?呑むの? …うーん………………まあ、いっか」
酒瓶をいじりながら、少し悩んで箱が答える。

「はい。じゃあなにかおつまみを用意いたしますね」
そう言って、キッチンに消えていった。

―食後

「あー、美味しかった」
「当たり前です」
何時ものやりとり。

「さて、お酒あけよっか」
「はい」

封を開け、とくとくと二人のコップにお酒を注ぐ箱。

「ありがとうございます。 では、頂きます」
「いただきまーす」

コクコク

450の細い喉が動き、酒を飲み下す。

「ふー、案外美味しいですね…… あら?」

260 名前: 酒と泪と箱と450 [sage 箱の人] 投稿日: 2006/12/03(日) 20:06:05.24 ID:4L01AyIN
「え?」
箱のコップを見た450が違和感を感じる。

「ご主人様、お飲みになりました?」
「あ、う、うん。呑んでるよ。はい、どんどんどうぞー」
再び450のコップに酒を注ぐ箱。

「あ……ご主人様ばかりに注いていただくのは…」
「いーのいーの。今日は無礼講無礼講」
「そう…ですか? ありがとうございます。ん…」

コクコク

「ふー」
ふと、再び箱のコップを見ると、やはり入った酒が減っていない。

「ご主人様」
「え、何?」
裂き干しコルドバ肉をマヨネーズに付けながら箱が450を見る。

「お酒、呑んでます?」
「え、あ、う、うん」
視線を外しながら答える。そんな反応では嘘がモロバレだ。

「嘘でしょう」
ジト目で箱を睨む450。自分で自分のコップに酒を注いで、一気に飲み干す。

「う… ごめんなさい… なんか臭いがきつくて…」
しょんぼりする箱。

「わらしとお酒が呑めらいって言うんれすか? それとも先にわらしを酔われてあんなころやこんなころを…」
ジト目をさらにジトらせて妙な喋り方で箱を追い詰める450。

「わ、わかったよ、呑みますよ…」
ちぴっ
一口酒を飲む箱。

「う」
箱の動きが止まる。
そして徐々に顔が赤くなってきた。
「?」
「う、う、うううう」
「???」
突然顔を真っ赤にした箱が、がばっと顔を上げて450を見ると
「ふーじ…じゃないよーんごーまるちゅわーーーーん!!」
呂律があまり回っていない叫び声を上げながら、ル●ンダイブで450に飛び掛った。

「えーーーーーー!? な!?な!?なに!?なにーっ!?」
あたふたと護身用のハウジロドウを構える450。でも顔はちょっと嬉しそうだ。
と、その刹那
「はう」
奇妙な鳴き声をあげると、そのまま床に墜落した。

「ご、ごしゅりん…らま?」
恐る恐る手にもったハウジロドウでつんつんしてみる。
…んが、反応は無い。
「こ、壊れちゃった? ん、んしょ」
箱をひっくり返すと
「スカー スカー ウェップ」
箱が……寝ていた。 それはもう、完璧に…

274 名前: 酒と泪と箱と450 [sage 箱の人] 投稿日: 2006/12/03(日) 23:02:59.11 ID:4L01AyIN
「……酒……弱すぎ……」ぺしっ

とりあえず箱にツッコミを入れると、450は一つ溜息をついて、一人寂しく再び酒を呑み始める。
暫らくすると、それなりに酒が回ってきた450が箱を杖でつつきながら愚痴り始めた。

「もー、ごしゅりんらまのあほー、もうちょっとつきあってくれれもいいらないれすか…」
ツンツン グビグビ

「らいらい(大体)ごしゅりんらまはろんかん(鈍感)すぎまふ。こんならぶりーなおなのこが
 がんらっれ(頑張って)ちょこちょこあぷろーりしてるのにれんれん(全然)きづいてくらさらない…」
ツンツン グビグビ

「おいこらはこー、きいれますかー! ここり、あんらのことがらいすきれらいすきれしかたらいぱしりがいるれすよーー!」
ゲシゲシ グビグビ

呑み方は上品なのだが、やってることと言ってることがかなりアレだ。

「まっらく、あらしがいつもいつもどんらけしんぱいしれるかわかってないれしょ? このあいら(あいだ)もないら(泣いた)んですよ?ぐしぐし。」
ゲシゲシ グビグビ

「…こんなにあらしがごしゅりんらまのことをおもっても、ごしゅりんさまのおこころはいつもそっぽむいれまふ」
「からし(悲しく)くって、れすなく(切なく)て、いつもいつもなきそうになるんれすよ」
ゲシゲシ グビグビ

「はこー! あほー! ばかー! もっとあまえさせろー!」
ボフボフ
ベッドの上の枕を取り横たわる箱の横に座り、今度はそれで箱の胴体を殴りながら抗議を始める。

と、ふと箱の顔に目が行く。
切れかけの蛍光灯のようにぼんやりとチカチカ点滅する目。多分これが酔いつぶれている状態なんだろう。
口元にはマヨネーズがついている。さっき食べていた干しコルドバ肉に付けていたものだ。

「もー、だらしないれすね…」
ポケットからハンカチを取り出し、箱の口元にそれを持った手を近づける。
「…………」
と、ふとその手が止まった。

「…………」
部屋の中の時も止まったようになる。
少しして、ハンカチの持つ手が箱の顔から離れた。
その代わりに近づいてきたのは、450の小さな頭だった。

「…………これって、酔ってるから…… うん、きっとそうら……よってるんら、あらし……」
(それに、ごしゅりんらまも、ぶれーこーっていってらし……)
450の唇が少し開き、その間から彼女の小さな舌がおずおずと現われる。
精一杯伸ばしているからか、ぷるぷると振るえる450の舌先。
いや、彼女の身体も震えているからだろうか。
箱に横から覆い被さるようにして、徐々に距離を縮める450。
そして、そっと目を瞑り…………

275 名前: 酒と泪と箱と450 [sage 箱の人] 投稿日: 2006/12/03(日) 23:04:15.38 ID:4L01AyIN
「ん…………っ」
ぺろっとマヨネーズを舐め取り、舌と共に口の中に収める。

「ん…………ハァ…………」
大きく息を吐き出すと、目を開ける450。
そして、これまでになく近づいた二人の距離を認識してしまう。

「………………ごしゅりん……らま…………」
450の顔が赤いのは、アルコールのせいなのか、それとも他の理由なのか。
そして左手をそっと箱の頬に置く。そして箱の頭を少し斜めにして、自分の方を向ける450。

(よってるせい、これはよってるせいらから、わらしにはなんのせきりん(責任)もないのれす…
 しいていうなら『』さまが悪いのれす…)
いわれない責任を転嫁される可哀想な男。
…いや、もしかしたらこれもあの男の計算なのかもしれない。あの男、恐ろしい子!

と、そんな話はさておき、450の中ではどんどん何かが盛り上がってきていた。
そして、そのまま目を閉じ、箱の頬に添えた左手をガイドに、再び徐々に顔を近づけていく。

静かな、とても静かな夜。邪魔するものは何もない。

あと5センチ。

ゆっくりと短くなる二人の距離。

あと4センチ。

(ごししゅりん……らま……)

あと3センチ。

(わらしの、わらしの想い……)

あと2センチ。

(うけろめれ…………くらはい…………)

あと、1センチ。

(……………………)
ふと、450の動きが止まる。

(……………………)
左手を頬から離し、すっと座りなおす。

276 名前: 酒と泪と箱と450 [sage 箱の人] 投稿日: 2006/12/03(日) 23:05:32.45 ID:4L01AyIN
(………………やめら…………)
ふっと目を開く。

(ごしゅりんらまが…………こんなじょうらいれキスしれも………… いみないれす…………)
少しだけ、悲しそうな目。

(ごしゅりんらまも、わらしも、ちゃんとしたきもちのときじゃないと、いみないれすから…………)
ペチン
優しく、とても優しく箱の頬を平手で叩く450。

「…………れも、いつまれも、まちませんろ?」
そう言うと、クスリと微笑む。

と、その時
「………………んあ〜〜? 何か言ったばっ!?」
突然目を覚ました箱の口に酒瓶をブッ刺す450。
ごぶん、ごぶんと酒が減る。

「あ、あぶらかった…」
ふぃー と冷や汗を拭う450。
一方箱はといえば…

「むをををををををををををを…………」
唸っていた。そして絶叫。
「てめえらの血はなにいろらーーーーーーーーーーー!!」

「…多分黒れす」
それに冷静につっこむ450。

「たわらば!」
ばたーん!
450に秘孔…ではなく冷静にツッコミを入れられ再び大の字にぶっ倒れる箱。

「はぁ…………」
溜息一つこぼすと、コップに残った酒を飲み干す450。
そして、箱の横に来て
「おやふみなさい、ごしゅりんらま……」
と、一言呟き、箱の腕を枕に箱に寄り添いながらそっと目を閉じ、夢の世界へと旅立ったのであった。

332 名前: 逆襲の450? [sage 箱の人] 投稿日: 2006/12/05(火) 01:32:09.17 ID:C4WFd1k5
カチ カチカチ
暗い部屋。デスクライトの光がほんのりと灯っている。

カチカチ カチ
しん…とした部屋に、ビジフォンを操作する音だけが響いている。
「……これが例のデバイスの出所ですか……」
450の声だ。
箱は……ベッドで枕を抱いてすやすやと寝ていた。

「…………それにしても…………なんですかこれ……」
画面にはとあるネットショップのサイトが映っていた。
「……こんな商品って大丈夫なのかな……」
そこに並んでいたのはPM用デバイスだった。
デバイスANE、デバイスRORI、デバイスTUN、デバイスDERE
いろいろと怪しげなデバイスが並んでいる。

「とりあえず、ここはブラックリスト入りですね……」
と、ふと450の手が止まる。

「………………これって……」

買い物カートに商品が一つ入る。
そして、めでたくこのサイトはブラックリスト入りとなり、箱の閲覧は不可能と相成ったのであった。。

333 名前: 逆襲の450? [sage 箱の人] 投稿日: 2006/12/05(火) 01:32:26.61 ID:C4WFd1k5

―数日後

プシュー
「ちわー オルアカ印の宅配便ですー」
その声を聞いてエプロンで手を拭きながら450が出てくる。

「ご苦労様です」

「ええと、箱さんちの450さんで間違いないですか?」
伝票を確認しながら450に尋ねる業者。
「はい」
「ではこちらにサインを。で、代金は9800メセタですね」
「はい」
さらさらと達筆でサインをして、9800メセタを渡し、小包を受け取る450。
「ありあとしたー。 またのご利用をー」
プシュー

「………………届いちゃった……」

小包を凝視する450。と、突然隣の部屋から声がした。
「450ー、誰だったの〜?」
箱だ。
びくっとする450。
慌てて小包を後ろに隠すと
「い、いえ、単にお客様がおいでになっただけです! 決して宅配便とかじゃないです!」
と、答える。
「あ、そうなんだ。何か買ってもらったかなあ?」
プシュー
扉が開いて箱がショップルームに入ってくる。
「い、いえ、特に何も!」
「なんだ、残念だなあ」
という言葉を残して再び元の部屋に戻っていった。
「ふぅ……」
一息付いた450は、カウンターの後ろに隠れ、がさがさと包装を開ける。
(危ない危ない… これはご主人様には見せられませんからね……)

そして、中から出てきたのは、小さな直方体。
その表面に書かれていたのは…

―PMデバイスHARI―

使えば、素直になれるという、魔法のデバイスであった。

つづく

388 名前: 逆襲の450? [sage 箱の人] 投稿日: 2006/12/05(火) 23:24:47.18 ID:C4WFd1k5
―次の日

「じゃあ、今日はニューデイズのほうに行ってくるね」
「はい。お気をつけて」

「じゃあ、いってきます」
「いってらっしゃいませ」

プシュー
箱が出かけた。
シュバッ!! バババッ!!
これまで見たことも無いような速度でカウンターの裏に移動する450。

「ついに……この時が……」
真剣な表情でデバイスの入った箱を開ける。
そして取り出した説明書を読んでいく。

1:口からモギモギすることで効果が発揮されます。
2:効果時間は1〜2時間程です。ただし個体ごとに効果に差が発生することがあります。
3:プレイを潤滑にお楽しみいただけるよう、PMにばれないように使用されることが望ましいでしょう。

「………………プレイ??」
何のことかさっぱりわからないが、とりあえず1〜2時間もあれば、
目標は達成できる筈だ。

「……も、もしOKしてもらったら……どうしよう……」

「……さ、最初は、ニューデイズにデートに連れて行ってもらおうかなあ……」

「そして、そして…………」
どんどん加速していく450の想像……というか妄想。
30分程で…

「子供は…………2人がいいなあ…………」
既に甘い新婚生活が始まっていた。
ぽわ〜んとした幸せそうな表情で頬を染めて、妄想界の住人になる450。
どれくらい経っただろう、突然扉が開いた。
プシュー

389 名前: 逆襲の450? [sage 箱の人] 投稿日: 2006/12/05(火) 23:25:21.82 ID:C4WFd1k5
「はっ!?」
何時の間にかたれていた口元の涎をごしごしと拭うと

「い、いらっしゃいませ!」
と客に向かって言う。

「…………あ」
そこに立っていたのは、箱だった。

「あ、すみません!部屋間違えました!!」
回れ右をして部屋を出ようとする箱。

「え……あ、ご、ご主人様!合ってます!ここで合ってますっ!!」
あわてて箱の後部装甲を掴んで引き止める450。

「え?あ、よかった…… た、ただいま」
「お、お帰りなさいませ。お早いお帰りですね」
向き合って会話を交わす。ちょっと妙な空気。

「え? もう夕方だよ?」
箱がきょとんとして答える。

「え!?あ、申し訳ありませんっ!すぐに夕食をお作りしますね!!」
慌ててエプロンを付け、キッチンに消える450。
そして武器を片付けながら彼女に声をかける箱。

「ねえ、今日の夕食は?」

「スキヤキですよ」

「え、そうなの? やったぁ!」
幸せそうな箱。片付けが終わると、ビジフォンに向かってメールのチェックなどの日々の日課を始めた。
そして暫らくして二人の晩餐が始まったのだ。

390 名前: 逆襲の450? [sage 箱の人] 投稿日: 2006/12/05(火) 23:26:25.54 ID:C4WFd1k5
「もにゅもにゅ ん〜、美味しいねえ、スキヤキ」

そう言ってまた糸こんにゃくを鍋から取る箱。

「ご主人様、糸こんにゃくだけじゃなく、白菜もお食べください」
そう言ってさささっと箱の取り皿に白菜を入れる450。

「はぁーい。 ところでさ、今日一緒にミッションやった人に聞いたんだけど」

「はい」

「その人がね、肉とか豆腐とか入れるのがスキヤキって言うんだよ」

「………………………………………………………………そうですか」
どきりとする450が長い沈黙の後答える。そしてちょっと冷や汗がたれる。

「だってさあ、スキヤキって……」
箱の言葉を遮って、箱から目を逸らしつつ450が言う。

「はい。糸こんにゃくと白菜を甘辛く煮たものですね」

「だよねえ。そう言ったら笑われたんだよ。失礼だよねえ」

「……そ、そうですね」
内心で、ロビーアクション[O]の女性版をしながら、450がさめざめと思う。

(うう、申し訳ありませんご主人様…我が家の今の家計では、本当のスキヤキなど夢のまた夢…)
(で、でも、貯金はしっかりたっぷりありますからっ!これも全てご主人様の夢の為なんですっ!どんな夢か知りませんが…)
(あ、でも、こっそり無駄遣いしちゃった…あれでコルドバのスジ肉くらいなら買えたかも…うう……)

どんどんどんよりする450。
と、ふと450の視線が箱に向かう。

(………………そういえば………………)
何かを思いついたような450の目が、糸こんにゃくの触感を楽しむ箱を見つめていた。

450 名前: 逆襲の450? [sage 箱の人] 投稿日: 2006/12/07(木) 02:58:26.70 ID:tNCT8Uiu
くにゃくにゃと箱が幸せそうに糸こんにゃくを咀嚼している。
その対面で、深刻そうに思案しているのは450だった。

(………………私も一種のキャスト……ご主人様も……キャスト……………………た、多分)
(あのデバイスが私達PMに効果があるのであれば、もしかして……キャストであるご主人様にも……)

あまりに際どい思いつきであった。
箱にあのデバイスを使うことにより、箱の本心が聞くことができるかもしれない。
これはある意味450にとって相当の誘惑であった。

(で、でも…………こんなことまでしてご主人様の本心を聞こうなんて……)

流石にあまりに倫理的に不味い。
某スレ住……じゃない神様たちも倫理的にNO!と仰るであろう。……多分。

その時。

ぱたぱたぱた……
黒いコスチュームに身を包み、背中には悪魔のハネ、
手にはデモニックフォークを持った小さな450が450の左の耳元で囁く。

(何言ってるの、あなたご主人様の本心聞きたくないの?今がチャンスじゃない!じゃない!)
(何時も何時も鈍感で能天気のアレが、自分のことをどう思ってるか気になるでしょ?でしょ?)

うんうんと頷いていると、今度は白いコスチュームに身を包んで背中に天使のハネをつけ、
手にはカジューシースを持った小さな450が450の右の耳元で囁く。

(いけません!PMが己の主人にそんな騙まし討ちをするなんてっ!倫理的にNOですっ!)
(大体PM用のデバイスですよ?キャストに効くはずないじゃないですか!しかも相手は箱ですよ!?)

うんうん。確かにそうだ。

(なーにいってんの。あの馬鹿箱が本音を喋ると思ってんの? こうでもしないと駄目なのよ!なのよ!)

うんうん。納得。

(だーめーでーすー! もしバレたらどうするんですか!ご主人様、きっと傷つきますよ!!)

うんうん。納得。

450の頭上では、黒と白、二人の小さな450がどたんばたんと大喧嘩を繰り広げる。

451 名前: 逆襲の450? [sage 箱の人] 投稿日: 2006/12/07(木) 02:59:31.32 ID:tNCT8Uiu

(やれー、やるんだ450ー!!)
(絶対絶対絶対だめー!!)

(もーっ、あんたたちあの箱に「450、愛してるよ(声色)」って言って欲しくないの!?ないの!?)
ぴたりと450と白450の動きが止まる。そしてぼそりと

((………………言って欲しい……))
と綺麗にハモった。

(あ、あんたら…………)
黒450が肩を落として少々呆れる。

((じゃあ、あんたは言って欲しくないのか!))
ビシィ!!と450と白450が黒450を指差す。

(い、い、いいいい言って欲しいわよ!悪いっ!?)

(よしっ、流石私っ!)と450。

(ここに三者同盟を締結しますっ!!)と白450。

(望むところよっ! こうなりゃとことんやってやるんだから!!)と黒450。

(よーし、やるぞー!!えいえいおー!!)と3人。

かくして、450の危険な作戦が展開されたのであった。



まだまだつづく

515 名前: 逆襲の450? [sage] 投稿日: 2006/12/08(金) 18:27:32.51 ID:MbC6Xj81
            ―キンコンカンコーン―
―業務連絡です。今回のお話は、前回に引き続き大半が450の脳内[()内会話]で進行致します。―
―それに伴い、450を450、白450を白、黒450を黒と表記させて頂きます。―
―何卒ご理解とご協力をよろしくお願い致します―
            ―キンコンカンコーン―

もにゅもにゅ
箱がまだ糸こんにゃくをくにゃくにゃと食べている。
幸せそうだ。実に幸せそうだ。本当にお手軽な奴だ。

黒(で、一体どうやってこれをあの箱に食べさせるの?させるの?)
ふよふよと浮きながらデモニックフォークで450の頭をツンツンして尋ねる。

450(うーん、どうしましょう…)

白(さっきからずっと糸こんにゃくばっかり食べてますから…)
 (これを投入したら触感が違いすぎてバレちゃいますよね……)
こちらもふよふよと浮きながら、450のポケットに入ったデバイスを眺める。

450(そうですね…   …あっ)
突然450がなにかに気付く。


450「ご主人様、糸こんにゃくばかり食べては駄目ですよ! さっきも言いましたよ」
さささっと鍋から白菜を箱の取り皿に投入する。

箱「う、ばれた…」
よっぽど糸こんにゃくが好きらしい。

450「バレたじゃありません。もう少しは食事のバランスをお考えください」
と言うと白菜をモギモギする450。

箱「はぁい」
そう返事をすると、もさもさと白菜を食べる箱。

516 名前: 逆襲の450? [sage 箱の人] 投稿日: 2006/12/08(金) 18:28:13.78 ID:MbC6Xj81
黒(あんた… ちょっと過保護過ぎじゃない?)

白(そうですよ… いくら心配だって言っても…)

450(……じゃあ、あなた達は
  「もう、ご主人様、白菜も食べないと駄目ですよ? はい、あ〜ん」
  「ありがとう、450。はむっ(声色)」
  「どうですか?(ニコッ)」
  「美味しいにきまってるじゃないか。450の味がするよ(キラーン)(声色)」
  とかいう展開に憧れたりしないのですかっ!?)
ビシィ!と黒と白を指差す450。
黒と白は少しの沈黙の後、顔を見合わせる。

黒&白(し…………してみたい…………)

450(うんうん、それでこそ私)

白(じゃあ、一体どうやって…)

黒(うーん、難しいわよね… あ、そうだ)
頭上に豆電球を灯らせ、手をポンと叩く黒。

450&白(え、何?何?)

黒(口移s)

450&白(できるかンなことっ!!)
顔を真っ赤にして全力で却下する2人。
そんな二人に追い詰められながら反論する黒。
黒(で、でも、やりたいでしょ?でしょ?)

450&白(やりたいっ! でーもーでーきーなーいー)
両手を頬に当て、涙をるるーと流しながらいやんいやんする2人。

黒(あんたらな………… じゃあこうなったらイチかバチかで白菜の影に隠して投入してみるとか)

白(それしかないですね…………)

450(うう、私のパシ生ってギャンブルだってことなの……? でもがんばる!私がんばる!!)

517 名前: 逆襲の450? [sage 箱の人] 投稿日: 2006/12/08(金) 18:28:41.84 ID:MbC6Xj81
黒&白(がんばってー!!450−−−!)
二人の応援を受け、遂に450が動く。
450(じゃ、じゃあいきますっ!)

450「あーーーーっ!!窓の外をオキクドールがHIVEにハコ乗りしてるっ!!」
突然窓の外を指差す450。

箱「え?何?どこ?」
慌てて窓の方を見る箱。
その隙に箱の取り皿にデバイスを投下。さらに白菜のカモフラージュも忘れない。

450(やったあ…………)

一瞬顔がほころぶ450。一瞬にして元の表情に戻る。

450「申し訳ありません。エアボードに乗ったイーサンが轢かれてただけでした」

箱「なんだぁ」

再び席につき、白菜をはむはむしはじめる箱。
と、
箱「ん?」

450「……ど、どうされました?」

箱「ボリボリ いや、何か変なの入ってた ボリボリ」

450&黒&白(喰ってるーーーーーーーーーーーーーーっ!!)


遂にデバイスを喰った箱。一体どうなるのか!?

もうちょっとつづく

543 名前: 逆襲の450? [sage 箱の人] 投稿日: 2006/12/09(土) 19:46:12.29 ID:JClT5x64
―前回までのあらすじ
箱「急にデバイスが来たので……」

――――――――――――――――――――――――――――――

―ハコ デバイス クッタ―

その日、この部屋に居る全ての450にこの衝撃的な一報が届いた。

黒(………………)
白(………………)
450(………………)

黒(あ………………)

黒&白(アホだ………………)
ぱたぱたとホバリングしながらがくーんと肩を落として箱を見る黒と白。

450(あ、あほゆうな! あほゆうなーーーーっ!!)
よくわからないが屈辱の涙を流しながら両手でえいえいポカポカと黒と白を叩く450。

黒(い、いたたたっ! でも、でもね、普通気付くでしょ!?でしょ!?)
白(…………ポカーン)

450(ううう、食べたからいいじゃないですか…… 結果オーライでしょ…………)
黒(いやまあそうだけど…………)
白(まさか、異物が入ってるのを解ってて食べるとは……)
450(正直私も驚いたです……)

黒(で、何時から効いてくるの?)
450(さぁ……? あ、コンロの火、消さなくっちゃ……)

鍋の中にはもう具材の姿はなく、それに気付いた450がカチリと火を消す。

箱「ふー、美味しかった。ごちそうさま」
至福の表情の箱。
450「当たり前です」
何時もの返事。

箱「さて、お腹もふくれたことだし、450、抱いていい?」
まるで「お茶淹れて」とでも言う感じでさらっととんでもないことを言う箱。

450「………………へ?」
450の頬にすっと朱が走る。それはもう光速で。

黒&白(………………はいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!?)
そして450の後ろでズビシャーンと雷に打たれて驚く2人
部屋の中。主に450の周囲が時間諸共凍りつく。

544 名前: 逆襲の450? [sage 箱の人] 投稿日: 2006/12/09(土) 19:47:12.83 ID:JClT5x64
450(しゅ、集合っ! しゅうごーーーーーーーーーうっ!!!)
3人の450が集まって急遽緊急対策委員会が設立される。

白(い、いいいいいいいいったいなんですか!なんですかいったい!!!)
黒(いいいいいいいきなり!?いきなり!? ももももももしかして性欲をもてあますって奴ゥ!?)
450(お、落ち着いて、落ち着いてみんな! わ、わたし汗臭くないよねっ!?)
黒&白(アンタが一番落ち着いてないだろーーーーーっ!!)

450(あ、う、うん、ごめん。 それよりも返事は?返事はどうするの!?)
白(え、えっと、やっぱりOK?)
黒(OKに決まってるでしょ! もうこうなったらこのまま一気にいきなさいっ!)

450(で、でもぉ…………)
目尻に涙を溜め、戸惑うう450。

白(は、はじめてがこんな形というのは…………)
白も同じく戸惑っている。

黒(う…………た、確かに………… で、でも、ここで断ったら…………)
白(チャンスは…………)
450(ううっ…………)

黒(とりあえず、了承するだけして…………)
と言いつつハウジロドウを差し出す黒。

白(これ以上は倫理的にNO!になったら…………)
と言いつつメイロドウを差し出す白。

450(う、うん。わかった…………)
二本の杖を受け取りながら頷く450。

―この間30秒

450「…………は、はぃ…………  や、やさしく…………して、くださいね……」
箱をまともに見れない450が消え入りそうな声で答える。

箱「はーい」
そう言うと立ち上がり、450の後ろに回る。

450(…………)
何をされるのかと目をきゅっとつぶって、正座したまま身体を強張らせる450。

545 名前: 逆襲の450? [sage 箱の人] 投稿日: 2006/12/09(土) 19:48:20.25 ID:JClT5x64
箱「よいしょ」
そう言って450の後ろにあぐらをかいて座る。

箱「んじゃ、失礼して。 よっと」
後ろから450の腰に手をやり、持ち上げて自分の脚の上に座らせる。
そして、その細い腰に両腕を回し、ぎゅっと抱きしめる。

450「ぇ…………ぁ…………」

そして450の首筋あたりをふもふしながら
箱「ん〜〜〜〜しやわせ…… 450、石鹸のいい匂い…………」
と呟く。

黒(だ、抱くって…………)
白(だっこするって意味…………?)
二人して失意体前屈をかます。

黒(よ、450〜〜〜〜〜〜〜っ!!やれ!やっておしまいっ!)
白(そうです!このwktk感をどうしやがれとおっしゃるんですかっ!!)
そう言ってメイロドウとハウジロドウをばしっと差し出す2人。

しかし当の450は
450「ご、ごしゅじん……さま…… あの……あまり……匂いとか…………嗅がないでください…………っ」
顔を真っ赤にして恥ずかしがりながらも、未知のスキンシップに少し嬉しそうな450。

黒(……ちょ、あんたそれでいいの!? そんなので満足なのっ!?)
白(そうですよ! これ使っても全然OKですよっ! ほらっ、私達の後ろにwktkした人たちの亡霊がっ!!)
青筋立てて怒りまくる2人。
彼女達の後ろには、手には何かDVDを持ったヒューマンやら悪そうなキャストやらの姿をしたオーラ達が沸き立ち上る。

それに対して450は
450(……うん………………ぜんぜんおっけー………………ときよとまれ…………)
至福の表情で答えるのであった。


まだまだ続いちゃう

7 名前: 逆襲の450? [sage 箱の人] 投稿日: 2006/12/10(日) 11:26:14.21 ID:8gMNkRoN
450「ん……っ…………ぁ…………ぁ…………」

450のリズミカルな息遣いが部屋に響く。

箱「……どう? きもちいい?」
箱の大きな手が、小さな450の身体を揉みしだく。

450「は、はぃ…………ぁ…………ん…………」

箱「ここ…………かな?」
箱の手に少し力が入る。

450「あっ…………んっ…………ごしゅ……じんさまぁ…………やさしく……して……くださぃ……」
言葉と同時に450の背筋がぴくんと伸びる。

その反応に箱が慌てて力を抜く。
箱「あ、ご、ごめんね……」

450「ぃぇ…………」
弱々しくも、嬉しそうな声。ほんのりとピンクに染まる身体。

箱「ねぇ…………」
箱が、そっと尋ねる。

450「はい……?」
450が少し視線を下げて答える。

箱「450って…………柔かいね…………」
箱の手は、まだ450の肌に触れたままだ。
マシ―ナリーとは思えない450の柔肌が、箱の触覚センサーに心地よい感触を伝えていた。

450「ありがとぅ……ございます……」
行為による快感で胸に溜まった吐息を、はぁっと台詞と共に吐き出す。

8 名前: 逆襲の450? [sage 箱の人] 投稿日: 2006/12/10(日) 11:26:50.88 ID:8gMNkRoN
箱「でもさ、ちょっとは休まないと。肩凄くこってるよ」
450「ぁ…………いたた………… はい。解ってますけど、なかなか時間が…」
あぐらをかいた箱の脚の上に座り、箱の肩へのマッサージに身を任せる。

黒&白(……肩を揉んでたのかよっ!!!)
450(……はぁ……きもちいいです…………)

黒(まったく、一応突っ込んであげたけど、名うての住人達ならすぐに見破ると思うけどね)
白(……一体何のことですか)
黒(んーん、なんでもない)

450(はぁ…………)
箱のマッサージにより至福の表情の450。

黒(まったく…………いい雰囲気になったと思ったら肩を揉んでもらうなんて……)
白(しかも自分の主人に……)

450(だって、ご主人様がやってくれるって仰るから……)
黒(あのね、そういうので満足してるのはいいけど、タイムリミットもうすぐよ?」

450(え?)
白(もうすぐ1時間くらい経ちますよ。いいんですか?)

450(う、うそっ!? え、えっと、どうしよ?どうしよっ!!)
黒(とりあえず、この状況から脱出しなさいよ)

450(う、うん、わかった。…………勿体無いけど……)
450「あ、あの、そろそろ離していただけませんか?」
少し名残惜しそうに言うと、箱が即答する。

箱「うん。わかった」

黒(まったくもって何時にも増して素直ね…これがデバイスの効果?)
白(多分…………)
黒(じゃあ、キスしてっていったらしてくれたりして!?)
450(え゙!? ちょ、ちょっと待って、私から言うの!?それ!)
驚愕の表情の450。

しかし黒は平気な顔をして
黒(あの箱から言ってくると思う?)
白(思わないですね)
450(…………そんなの…………言え……言えるわけないじゃないですかっ!)

黒(じゃあ、「もしも」って感じで言ってみたら?別に本当にすることないわけだし)
450(そ、それなら…… いえる…かも……)
もじもじしながら答える450。

黒(よしっ、じゃあ言ってみなさいよ。見届けてあげるから!)
白(ウンウン)
9 名前: 逆襲の450? [sage 箱の人] 投稿日: 2006/12/10(日) 11:28:26.36 ID:8gMNkRoN
450(……どうでもいいけど、好奇心とかそういうんじゃないですよね?)
黒&白(ちがうちがう!)目キラキラ

450(あんたら…………)
黒&白(ほらほら、頑張れ!頑張って!)
450を煽る2人。

450(……なんだか自分に玩具にされてるような気がする……
  でも、まあ、ここはちょっとだけ……頑張ろっかな……)
ありったけの勇気を振り絞り、やけっぱちで覚悟を決める450。
今日は酒の力は無い。彼女の本心からの質問なのだ。

450「あ、あの、ご主人様?」
上目遣いで恥ずかしそうに尋ねる。

箱「ん?何?」
450「あの…………もしも…………私が…………キ…………」

黒&白(がんばれっ!がんばれ450!!)
450「キ………………キス……………………とか…………して……ください……って言ったら……」
ぼふんっ!
幾ら相手がデバイスの効果の下だとはいえ、相当恥ずかしい。
真っ赤になった顔で、箱の返事を待つ。

箱「やだ」

450「………………へ?」

箱「恥ずかしいから、やだようー」
と、頭をぽりぽりと掻いて答える。

黒&白(す、素直だーーーーーーーーーーーーーーーーっ!!!!)

ヒュウウウウウウウウウウウウウ
真っ白に燃え尽きる450。

しばしの沈黙の後、
白(解説の黒さん、これは一体どういうことなのでしょうか?)
そう言ってマイクを黒に向ける白
黒(これはですね、あの箱的にはキスとかは恥ずかしくてやだというのが本音だったということではないでしょうか)

10 名前: 逆襲の450? [sage 箱の人] 投稿日: 2006/12/10(日) 11:28:43.30 ID:8gMNkRoN
白(というと、450は……)
黒(ええ、報われてませんね、全然)
白(そうですか…… あ、箱に異変が!!)

箱「クェッ」
珍妙な鳴き声と共に床にぶっ倒れる箱。

白(うわぁ…………これはダブルノックダウンということですか?」
黒(ねえねえ、それよりもこの説明書見てよ)
白(え?なんですか? 何々?)

4:後々の関係の為に、このデバイスの効果が切れると同時に効果中の記憶は綺麗さっぱりなくなります。

黒&白(………………なんてご都合主義…………)


こうして、デバイス事件は幕を閉じた。
因みに、450が立ち直るまでたっぷり1週間はかかったという……

450「も、もうデバイスなんてこりごりですっ!!」



そこのあなたも、デバイスいかがですか?   おしまい


IF Story...
153 名前: 名無しオンライン [sage] 投稿日: 2006/11/13(月) 00:42:15.83 ID:nM52PNUf
狭い部屋に、カチャカチャという音がする。
粗末なベッド、粗末なサイドテーブル。
サイドテーブルの上には、場違いのように明るい色合いのプレゼントの包み。

色あせた室内には、一人、青のボディカラーのキャスト…箱がいた。
先ほどの音は、彼が装備を整える音であった。
ほどなくして、準備が終わった箱が座っていたベッドから立ち上がる。
そして、サイドテーブルに向かって、
「じゃあ、行ってくるね、450」
と微笑みかけた。


あの日と同じ。
プレゼントを買って、何時もより少し元気な声でただいまと言ったあの日と同じ。


それに答える声は、なかった。

箱は続ける。彼だけの450に向かって。
「うん、多分、今日は遅くなると思う。ニューデイズでね、マガシさんの手伝いをしないと駄目なんだ」
「はは、大丈夫だよ。相手は原生生物だし、なんとかなるって。 じゃあ、いってくるよ」

サイドテーブル…いや、プレゼントが置かれたサイドテーブルに向かって手を振ると、
箱は部屋から出て行った。
誰も居ない部屋は、主を無くし、再びまた静寂に支配をされた。


―ニューデイズ―

「そうだ。君にはこのエリアの原生生物の捕獲をやってもらう」
キャストの男がそう言った。

「は、はい。後は何時ものように…ですよね?」
答えたのは…箱だった。

「そうだ」

「わ、わかりました。いってきます」

「…」

わたわたとシャトルから外に出て、指示どおりのエリアに向かう箱。
それを見届けた後、ある兵士がキャストの男に尋ねた。
「マガシ様」

「なんだ」

「大丈夫なのでしょうか。あのような物を我らの組織に組み込んで…」
どうやら、彼は箱の弱気っぷりを知っているらしい。
マガシと呼ばれたキャストは、箱の出て行った扉を一瞥し、答えた。

「アレでも元はガーディアンズだ。駒にはなる」

154 名前: 名無しオンライン [sage] 投稿日: 2006/11/13(月) 00:43:03.44 ID:nM52PNUf
それでも兵士は不満そうに続ける。
「アレの部屋から、ブツブツと独り言が聞こえるという話も聞くのですが…
 壊れたキャストが役に立つとは思えません」

兵士の表情とは裏腹に、マガシがニヤリと笑う。

「なに、その点なら心配は無い。奴はどこも壊れてはいないからな。
 奴はどうも溺愛していたPMを失ったらしくてな。パルムの草原を彷徨っていたのを拾ったのだ」

そして、視線を扉に向けて続ける。

「そこで、奴のプログラムを少々いじったのだ。簡単だったぞ?
 奴の記憶にPMの存在を刷り込んだだけで、この俺を恩人だと言ったからな!」

邪悪な笑みを浮かべ、マガシは言う。

「弱きモノが、たかがモノを溺愛するからこうなるのだ。せいぜい使わせてもらうぞ…
 フフフ……フワーッハッハッハァ!!」



―ニューデイズ・クゴ温泉方面―

紅葉の山の中を、一人の女性…ビーストのハンターが歩いていた。
その横には、とてとてとPMがついてくる。

「ふぅ…もうちょっとでオンマゴウグだね」

「はい。でも…今回は敵の数が少なかったような気がするのですが」
疑問を投げかけるPMに、女が笑いながら答える。

「あはは、あんたは心配症だねー。いいじゃない、敵が少ないほうが楽だし」

「はぁ… このあたりでイルミナスの兵士がいるという噂もあるんですよ。少しは緊張してください」
少し呆れるPM。

「それよりさ、とっととオンマゴウグ倒して温泉入りたいねー」

PMの心配をよそに、うーん、と伸びをする女。
ふと、PMが妙な表情を浮かべた。

155 名前: 名無しオンライン [sage] 投稿日: 2006/11/13(月) 00:43:18.48 ID:nM52PNUf
「温泉…ですか?」

「そーだよ。どしたの?」
PMの妙な反応に、訝しげな表情をする女。

「……いえ、なんだか前に温泉に行くことをご主人様と約束したような気がしまして…」

「約束?したっけ? アハハハ、あたし記憶力自信ないから、アンタがしっかりしてくれないといけないんだよ?」

深刻な問題を豪快に笑い飛ばす女。
PMは、再び呆れたような表情を浮かべた。
と、その時、突然女の眼差しが厳しいものへと変わる。

「しッ! 何か…来るッ!」

ブォンという音と共に大剣を取り出し、臨戦体勢を取る女。
同じく杖を構えて主に続くPM。
藪の向こうに蒼い何かを見たとき、女が叫んだ。

「行くよッ!450!!」

「はいッ!」




未来は誰にもわからない。
しかしせめて、未来を信ずるものに星霊様の加護が…あらんことを…


500 名前: 1/4 [sage ま た 箱 か] 投稿日: 2006/11/18(土) 05:36:31.37 ID:cH/hqbjT
ガサガサと草むらが音を立てる。
「450、あっちから回り込んで!」
「了解しましたっ!」
ぴったりと合った二人の呼吸に、ターゲットは、徐々に追い詰められる。

いつものことだ。じきにターゲットは逃げ場をなくし、ご主人様に斬り伏せられる。
ターゲットが居るであろう方向から、途切れ途切れに飛んでくるフォトン弾。
しかし、450が避けるまでもなく弾丸は逸れていく。

馬鹿だな…とふと思った。
そんなあたりもしない弾を撃つなんて、自分の居場所を敵に教えるだけ。牽制にもならない。
「これが完全燃焼です!」
弾丸が飛んできた方向にラ・フォイエを叩き込む。
そうすれば…
「はっ!」
短い掛け声がして、金属が壊れる音がした。

刹那、静寂が訪れた。私は警戒を持続したままご主人様のほうに歩いていく。
草むらをわけて進むと、ほどなくしてご主人様の姿を見つけた。
「ふぅ、手間かけさせてくれるね。 さ、覚悟はいいかい?」
ご主人様の大剣が、蒼い何かに向けられている。
その何かは、左肩を抑えてうめいていた。その肩から先にはなにもない。


…なにかが、おかしい。


この場合、私はご主人様に従い、このターゲットの逃走を防ぐべきだ。
いつもなら、この一択。他の選択肢はご主人様の指示がないかぎり、ありえない。
しかし、今私の中にはそれ以外の選択肢が発生していた。
ご主人様を助けるために「女ビーストを撃退する」。
こんな選択肢が出てきた理由がわからない。

501 名前: 2/4 [sage ま た 箱 か] 投稿日: 2006/11/18(土) 05:37:19.07 ID:cH/hqbjT
女ビースト、この場にそれに該当する人物は一つ。私のご主人様だ。
私が、私の主を撃退する? 理解できない。そんなことは絶対にあってはいけないこと。
「あんたの知ってる情報を流せば、命だけは助けてあげる。さ、どうする?」
ご主人様が迫る。何か…その男性キャストは何か呻き声をあげるだけだ。数字の羅列。数字?
「うぅ……450…450…」
確かにそう言っている。このキャストにも、PMがいるのだ。
私と同じ、GH-450タイプのパートナー。もうひとりの私。
そのPMのために、必死でPMの待つ自分の部屋に帰ろうとしている。このキャストはそういう人だ。


…なぜ、そう思うんだろう。


「仕方ない。あんたがあんな組織に関わったからいけないんだよ。自業自得さ」
振り下ろされる大剣。破壊されるキャスト。
いつもならこれでおしまい。今回もこれでおしまい。
…その、筈だった。

「450! あんた何やってんの!!」
ご主人様の大剣は、振り下ろされなかった。
私が、ご主人様の腕にしがみ付いたからだ。
「やめなさい! やめなさいって、450!!」
厳しい声で私に言うご主人様。早く止めなければ、私、ご主人様に何をやってるんだろう!
しかし、私の口から出た言葉は、想像も出来ないことだった。
「お願いします、止めてくださいご主人様。この人を傷つけるのは…お願いします…!」
私は…壊れてしまったのだろうか。こんなこと、言う筈ないのに。

ふと、ご主人様がこぼす。
「…450……あんた、泣いてるの?」
「え?」
唐突な言葉に、ふと、頬を手で撫ぜてみる。…指先が、濡れていた。理由が…わからない。
「あ… ど、どうして… 私、私…」
メモリーの奥底に、私の知っている筈の無いぼんやりとしたデータの断片があった。
こんなの知らない。私じゃない。私は生まれてすぐにご主人様の所に配属されて……
「あ…あ…」
頭を抱えてうずくまる私に、ご主人様が私の肩を揺する。
「だ、大丈夫!? 450!!どうしたの?ねえ、どうしたの!?」
勝手に組み合っていくメモリーの断片。
……私じゃない私が、そこに立っていた。

502 名前: 3/4 [sage ま た 箱 か] 投稿日: 2006/11/18(土) 05:37:46.93 ID:cH/hqbjT
―GRM社―
「駄目だな、これは」
白衣の男が呟く。
「いくら上書きしても、元のデータで上書きしてきやがる。ウィルスよりもタチが悪いな」
呆れ果てる男に、別の男が言う。
「450タイプの主人に対する忠誠レベルを少々高く設定しすぎたのかもしれませんね」
ずらりと並ぶカプセルに、450が一人づつ寝かされている。
そんな異様な光景の前で二人の白衣の男が話していた。
「まったく、設計ミスもここまできたら笑うしかないな。こりゃ長引くぞ」
やれやれといった表情の男に、もう片方も同じ表情で言う。
「でも、はやく主人の下に返さないと、またクレームが来まくりますよ」
「とりあえず思考パターンは今のままで、回復行動の回数を減らすように『戒め』をしておくか」
再びコンソールに向かって操作を始める男。

と、別の男が思い出したかのようにポケットを探り始めた。
「そうだ、忘れてました。これ使わないと駄目なんだ」
ポケットから小さな立方体を取り出すと、コンソールに向かっていた男がそれを見た。
「なんだ?デバイスZEROじゃないか。どうしたんだそれ」
「ええ。ナンバー350012の主人が失踪したようなんですよ」
最後に溜息を付け加えて男が言った。
「へえ、酷い主人もいたもんだ。よっぽどガーディアンズやるのが嫌だったんじゃねえの?」
呆れた表情を浮かべる男。
「で、なんでこれの出番なんだ?」
と、デバイスを指しながら尋ねる。

「なんでも、コスト削減の為に初期化して別のガーディアンズに配備するそうですよ」
「かーっ、不景気だねえ。うちの会社も落ちるだけってことないだろうな?」
呆れる男にさらに続ける。
「で、この役目、先輩にお願いできます?」
「なんでだよ。お前やりゃいいじゃん」
後輩の男は心底嫌そうな顔をして答えた。
「えー、やですよ。大抵のPMってこれ使うのに凄く抵抗するんですよ?先輩やってくださいよ」
「まったく、仕方ねえな」
後輩の手からデバイスをひったくり、一つのカプセルに向かう先輩の男。
「こういうのはな、とっとと無理矢理食わせればいいんだよ」
カプセルのフードを開けると、そこに寝ているPMの口に乱暴にデバイスを押し込む男。
「ん!?んんんっ!!」
その、言葉にならない言葉が、彼女の最後の言葉だった。

503 名前: 4/4 [sage ま た 箱 か] 投稿日: 2006/11/18(土) 05:38:21.05 ID:cH/hqbjT
―ニューデイズ―
「ねえっ!大丈夫!?一体どうしたの!?」
ご主人様の声が聞こえる…
「あ…あう…」
知らないメモリーが私の中にある。私は、過去に別の私だったことがあるのか…
でなければ説明がつかない。私は、一度デバイスZEROを食べさせられたことがある。
そうだ…私は、私は主に捨てられたパートナーマシ―ナリー…

「違う!」

突然の私の強い言葉にビクッと身体を強張らせるご主人様。
違うそうじゃない。私のご主人様はそんなことしない。
臆病で、頼りなくて、不器用で、鈍感だけど、
あの人は絶対に私を捨てたりなんかしない。
でも…そんなの私のご主人様じゃない。そんな記憶は無い筈だもの。
私のご主人様は、ビーストの女性。がさつで大雑把。でも意外なほど優しい。そんな女性。
と、その時、ふと何かが聞こえた。
「……ぼ、ぼくは… 僕は…」
蒼いキャストの声。
「僕は…帰らなくちゃ…いけな…いんだ… 絶対、何があっても、僕の帰るべきところは…」
そう呟きながら、よろよろと立ち上がるキャスト。

私の目から涙が溢れる。
ああ…… ご主人様…私だけの…ごしゅじんさま……
私は、私は…ここにいます。あなたの、あなただけのパートナー。私は、ここに…
気が付くと、私はそのキャストに向かって必死で手を伸ばしていた。
それを必死で邪魔するビーストの女。
もうすこし、もう少しで届く。お願い、邪魔しないでご主人様…

「…君に…そっくりなんだ…」
はい… だって私ですもの。馬鹿ですよ…そっくりなんじゃないんです。
「……今、帰るから、450…」
はい。いつものように、お迎えします。だから、だから…
「はい…… お帰りなさ…」
ご主人様をお迎えする私の言葉は、
「SUVウェポン、起動開始!」
……かき消されてしまった。

放たれる無数のミサイル。
手を伸ばしたままの私を抱き上げて逃げるご主人様。
爆風が収まったその場所には、焦げたキャストの左腕が転がるだけで、もう、誰もいなかった。
ふと、手を見る。何かを求めて伸ばした手。何かにとどかなかった私の手。
そして、再び静まり返ったニューデイズの森に、私の叫びが響き渡った。

212 名前: 1/7 [sage] 投稿日: 2006/11/24(金) 19:11:02.06 ID:fo/73wL0
―GRM社、PMメンテナンス受付

一人の女ビーストが、技術者に噛み付いていた。
「どうなんだよッ!治せるのか、治せないのかはっきりしなっ!!」
胸座を掴まれたヒューマンの技術者がブンブン振り回されながら弁解する。
「だ、だから解らないんですよ!貴女の言ってるようなことは普通ありえないんですから!」
ニューデイズでの出来事の後、数日が経っていた。
女ビーストは、あの時異常な行動をとった450のメンテナンスのため、GRM社に来ていたのだ。
しかし、その結論は「不明」。まるで原因がわからないらしい。
「だからってね、はいそうですかって言えるかッ!!事実うちの子はそれで悩んでるんだからね!!」
まるで納得いっていない口調で更に迫る女ビースト。
技術者はなんとか説得を試みようと同じことを繰り返すが、彼女を納得させることはできない。

「…もう、いいんですご主人様」
二人のやり取りから少し離れたところで、うなだれていた450が口を開いた。
「申し訳ありません…私が不甲斐ないばかりに…」
そう伏せ目がちに呟く。
「あんたが悪いわけじゃないよ…」
やっと技術者を解放した女ビーストが450の下に駆け寄った。
「でも、あのキャストを見たとき、私、おかしくなったのは事実ですから…」
淋しそうな声。相当こたえているようだ。
「450…」
450の頭を優しく撫でる女ビースト。と、技術者が口を開く。

「もしかしたら、そのキャストに操作をされたのかも……しれませんね」
くしゃくしゃになった髪を整えながら、技術者が言った。
「操作?」と、女ビースト。
「はい。PMといっても突き詰めれば機械なわけですから、外部からの干渉を100%阻止する保証はありませんからね」
その言葉に、女ビーストが拳に力を込める。
「ってことは、原因はあのキャストか………ッ アイツをなんとかすれば、450も苦しまなくてよくなるんだね!?」
ギロリと技術者を睨む女ビースト。その迫力は相当のものだ。
「た、多分ですよ! 憶測ですからね!!」
その視線に気圧され、慌てて言葉を続ける技術者。

そんなやり取りを見ながら、450は、ココロの中でちくちくと痛むものを感じていた。
……あのキャストにまた逢いたい。逢って……逢って何をしたいのかよくわからない。
でも、逢いたい……
(でも、そう思うのは…………私が壊れているから……)
半ば無理矢理にその思いを押し止める450。今は、そうするしか、そうするしかないのだ。
と、悩む450に声がかけられた。

213 名前: 2/7 [sage 箱の人] 投稿日: 2006/11/24(金) 19:11:56.40 ID:fo/73wL0
「450、あんたは部屋に帰ってな」
女ビーストだ。
「え?」
呆気に取られる450に、女ビーストが続ける。
「アタシはあのキャストをブッ倒してくる。あんたは部屋で待ってな」
相当の怒気を孕んだ目。今まで見たこともないような迫力。
「ま、待ってください。私も行きますっ!」
その言葉に慌てて答える450。
駄目だ、ご主人様一人で行かせてはいけない。きっと何か悪いことが、悪い予感がする。
が、女ビーストは450の意見を却下する。
「駄目だ。あんたは部屋で待ってるんだ」
しかし450は引き下がらない。
「いえ、私も行きます。私の使命はご主人様のサポートをすること。私も……行きます」
その目には強い意志が宿っていた。それを感じた女ビーストが折れてしまった。
「…………解ったよ……好きにしな。ただし…」
ただし…その後は解っていた。頷く450。
「わかった。がんばろうな」
笑みを浮かべて450の頭に手を乗せる女ビースト。

450は……ふと、疑問に思う。
自分の言ったことは、果たして本心だったのか。何か他に真意があったのではないか。
本当に「私」の言葉なのか、不安であった。
もしかしたら、私は私ではないのかもしれない。そんな不安が拭い去ることができなかった。
そして、二つの思惑と共に二人はニューデイズに向かう。
そこに求めるものがあると、信じて。


―とある場所

粗末な部屋。そのベッドにはぼろぼろになった箱が寝ていた。
装甲は所々焦げ、フォトンの刃による大小の傷。左腕は無い。
あの時喪失したまま、修理もままならず放置されていたのだ。
と、箱が呟く。
「で、でね、君にそっくりなPMと出会ったんだよ」
箱は、彼だけの450に向かって話していた。明るい声で。
相当の痛みはある。が、それを心配させまいと無理に明るく振舞っているようだ。

(あ、あれ…?)
唐突にごしごしと目をこする箱。尤も、キャスト故に効果はないのだが。
そして再び450を見つめる。が、異変は治らなかった。
(450の姿が…またぼやけて…見える…)
心配そうな表情の450の姿が、ぼんやりと見える。あの日から、そんなことが頻繁に起こるようになった。
(僕も…ガタがきちゃったのかなあ…)
実はこの箱は元々ジャンク品やバルク品、スクラップが多く流用されて組み上げられている。
それが原因か、パルムではゴミ扱いされたことなどしょっちゅうであった。
故に、彼がそう思うのも無理からぬことなのだ。

214 名前: 3/7 [sage 箱の人] 投稿日: 2006/11/24(金) 19:12:31.49 ID:fo/73wL0
ふと、箱の記憶が途切れ途切れにフラッシュバックする。
目覚めたのはジャンクショップの粗末なベッド。
パルムででも、モトゥブでも、ニューデイズでも、見つからなかった己の居場所。
ガーディアンズコロニーに流れ着いて、ガーディアンズに末席で合格して、PMが配備され、
やっと得ることの出来た自分の居場所。
それがあのささやかなマイルームであった。
そして、450へと進化したPM。
ある日聞いた噂。彼に生きる目的ができた瞬間だ。
―お金さえあればPMに自由を与えることができるらしい。
そんな途方も無い目的の為に、箱は戦いを続けた。
制限される武器。圧倒的な敵の力。高額な物価。しかし箱はガーディアンズを辞めなかった。
自分が誰かの役に立てる。それが幸せだった。
それは、まるで自分には見えない未来を、PMに託すかのように。

(……僕が壊れる前に、450だけは自由にしてあげたいなあ…… でも、まだ足らないんだよなあ)
ふと、枕元に置いてあった端末を手にする。そして端末を操作して、自分の財産を見る。…少ない…
「ごめんね、450、沢山稼げなくて」
申し訳なさそうに呟く箱。微笑んで頭を左右に振る450。その姿は、やはりぼやけていた。
「ごめん、ごめんね…」
一人ぼっちの部屋で、箱はそこに居ない誰かに延々と謝りつづけていた。
二度と届きはしない手、言葉の代わりに、せめて想いだけは届いて欲しいと祈るように。
箱は、泣いていた。

そして彼が、マガシにニューデイズへの出動を命じられたのは、それからほんの数時間後のことだった。


―ニューデイズ

アテは無かった。ただ、前に遭遇したのがここだから。
たったそれだけの理由で、彼女達はニューデイズの森に来ていた。
「多分、ここに来たら会える気がするんだよね」
意味もなく自信ありげに彼女はそう言った。

アテもなく、歩く二人。変わり映えしない風景。
そんな沈黙を破るかのように、唐突に女ビーストが口を開いた。
「ねぇ、450。あんた、あのキャストと何かあったのかい?」
「え?」
突然ココロを抉るような質問を投げかけられ、動揺する450。
「な、なんでも…ないです」
目を逸らして話を逸らすように答える。しかし女ビーストはそれを許さなかった。
「今からあたしのやろうとしてることは、無事に済む可能性があるかどうかわからないんだ。
 多分、あたしかあのキャスト、どっちかが死ぬかもしれない」
遠くを見つめながら続ける。
「だから、後悔のないようにしたいんだ。本当のこと、教えてくれるよね」
450が目を伏せる。地面に、零れた雫が痕を作っていた。
「ズルいやり方だと思ったんだけどね。こういう時にでも聞かないとあんた喋ってくれないと思ってね」

215 名前: 4/7 [sage 箱の人] 投稿日: 2006/11/24(金) 19:13:02.52 ID:fo/73wL0
辛そうな表情で450を見る。と、450が口を開いた。
「あのキャストは…………もしかしたら私のご主人様だったのかも……しれません」
雫の痕が増える。肩を震わせながら、続ける。
「そんなことある筈ないんです!私のご主人様は貴女だけなんです!
 でも、でも私のメモリーの中に、あのキャストの姿が……う、うぅ…」
女ビーストが膝をついて、450を抱きしめる。
「私、私、ご主人様以外にご主人様なんて居ないのに…どうして…どうして…」
450の頭を撫でながら女ビーストが優しく囁く。
「ありがと。よく言ってくれた。大丈夫、それはきっとアイツに操作された記憶なんだよ。
 見てな、その呪縛を、絶対に、絶対に断ち切ってあげるからね……」
彼女の目に宿った炎は、怒りと悲しみで燃え上がっていた。

(違う…違うんです、あの人はそんなことしない…)
そう、450は言いたかった。言わなければならなかった。
しかし、それが声になることはなかった。450の中の何かが、それを押し止めた。
(この想いも、「操作された記憶」なんだ。だから、言ってはいけない。言ってはいけないんだ)
そう思うしかなかった。だから言葉を飲み込んで、ご主人様に、流れに身を任せたかった。
もしかしたら、450は疲れていたのかもしれない。
他のPMが経験したことのない経験に、彼女は耐えられなかったのかもしれない。
ただただ、誰も死なないで欲しい。そう思いつづけていた。
「ご主人様、死な…」
泣き顔で言いかけた450の口を、女ビーストが手で塞いだ。
「!?」
「シッ、なにか、いるッ!」

警戒する女ビースト。ふと、幾人かの話し声が聞こえた。
何時ものように大剣を取り出し、臨戦体勢を取る。
「イルミナスの尖兵…? 原生生物狩りか?」
さらに450に向かって続ける。
「奴らの中心にラフォイエを叩き込むんだ。あとは私がやる」
と声を殺して指示した。それに頷く450。
杖を取り出し、詠唱の後、爆炎が上がる。
刹那、女ビーストが飛び出し、怯んだ一人を袈裟懸けに切り伏せた。
混乱する部隊。横薙ぎされる大剣。上半身だけの兵士がまた数人地面に伏した。
「さぁ、かかってきな!あたしはガーディアンズだッ!!」
叫ぶ女ビースト。飛び交うバレット。そこは戦場だった。

どれくらいの時が過ぎただろう。
辺りの雑草は紅く染まり、血と死の匂いが立ち込める。
震える450。肩で息をする女ビースト。そして二人の前には、小剣を構える蒼いキャストが居た。
「はっ、失った腕は修理したってわけか」
キャストは答えない。
「あんたの所為で、うちのPMがおかしくなっちまってね。責任、とってもらおうと思ってさ」
返ってきたのは、沈黙。
「だんまりかい? それとも怖いのかい?」
女ビーストは見過ごしていなかった。キャストの脚が僅かに震えていたことを。
「臆病ってのはかわいそうだけど、あんたのやり方が気に入らないんだよね」
キャストが、口を開いた。
「僕は…僕は、この仕事が終わったら、報酬を貰うんだ… だから、邪魔は、させない…」
震える声。
しかしそれがビースト女の気分を逆撫でした。
「あんたの報酬なんて知らないねッ! あんたは、あたしのPMを苦しめる存在なんだ!
 ここで、その呪縛を断ち斬らせてもらうよ…ッ!!」

216 名前: 5/7 [sage 箱の人] 投稿日: 2006/11/24(金) 19:13:42.16 ID:fo/73wL0
「やめてくださいっ!!」
ついに耐えかねた450が飛び出した。
「お二人が争うことなんてないんです!! もう止めてください!!私は、私は何も壊れてませんからっ!」
女ビーストの前に立ちはだかり、必死に止めようとする450。
「ご主人様、お願いです、あのキャストは悪い人じゃ…」
バチッ!という音と共に、450が膝から崩れ落ちた。
「あ………………あ………………ごしゅ…………じんさま…………やめ…………て」
女ビーストの手には、スタンガンらしきものが握られていた。
「ごめんよ。でも、あんたの呪縛を断つ為には、こうするしかないんだ……」
450を抱きかかえ、少し離れたところに寝かせると、キャストのほうを向き直り、一言、言った。
「さぁ、始めようか」
フォトン同士がぶつかり、戦いが始まった。

先手を取ったのはやはり女ビーストだった。
大剣を軽々と振り回し、キャストを追い詰める。
しかしキャストも必死に避ける。当たれば致命傷になりかねない。
降り注ぐ巨大なフォトンの刃を小剣でいなしつつ隙を伺う。
「ハッ、左手は飾りなのかい!? どうやら応急処置程度で、神経回路の接続が間に合わなかったようだね!!」
ブォン!という音と共に横薙ぎされる大剣。
バックステップでかろうじて避けるキャストだが、刹那斬り返しの一撃がキャストの左横腹を襲う。
「もらったよ!!」
凄まじい勢いの大剣。吹っ飛ぶキャスト。
「チッ」
手ごたえが感じられずに舌打ちする女ビースト。
キャストは、かろうじて小剣で大剣の刃を受け、そのまま身体を浮かせてダメージをいなしたのだ。
「うぅ」
身体を起こすキャストに、縦回転で女ビーストが突っ込んできた。
左肩をかすめてキャストの頭の横の地面に突き刺さる大剣。
そのままの勢いでキャストにマウントポジションを取った女ビースト。
「ツメが甘いね。策を弄するからこうなるんだ」
大剣から手を離し、双小剣を取り出す。
キャストが左腕で女ビーストの脚を掴む。なんとかこの体勢を脱出するために。
「なんだい、動くんじゃないか左腕。でもね、これで終わりだよ!」
「うわああああああああああああああああああああああっ!!」
キャストの右腕が女ビーストの顔を狙って動く。
「くっ!」
紙一重でのけぞる女ビースト、そのままキャストの右腕が…
「うわああああああああああああああああああああああああっ!!」
彼の左肩を襲った。
「何っ!?」
呆気に取られる彼女の耳を劈くように金属質の音がして、キャストの胴から左腕が離れる。
「あんたっ!?」
一瞬怯む女ビースト。その隙を見逃さず、彼女の脚の間で身体をよじるキャスト。
女ビーストの体勢を崩すと、そのまま上半身を起こして頭突きを叩き込む。
「あうっ!?」
頭を抑える女ビースト。脚にはキャストの執念とでも言おうか、左腕が噛み付いていた。
「くっ、あんた狂ってるよ!!」
距離を取るキャストにそう吐き掛けると、よろよろと立ち上がろうとする。
ふとキャストを見ると、右手には小剣ではなくハンドガンが。
「何!?」
「その腕には、爆薬を仕掛けてあるんだ。もう逃げられない」
脚に噛み付いた左腕に放たれるバレット。爆音が響き、もうもうと煙が立つ。

217 名前: 6/7 [sage 箱の人] 投稿日: 2006/11/24(金) 19:14:34.89 ID:fo/73wL0
肩で息をするキャスト。ハンドガンを下ろすと、背を向けようとした、その時。
「待ちな!」
慌てて再び警戒するキャスト。
煙の中からは白いオーラを放つ、青い獣が現われた。
「くっ…」
「ぬかったね。こういうときのために、わざわざブラストバッジを交換しておいたんだよ!」
そう言うと、稲妻の如き速度でキャストに迫る。
「うあっ!!」
そして、キャストの頭を掴むとそのまま地面に叩きつけた。
二度、三度、繰り返される衝撃。装甲がひしゃげる。狂ったようにキャストを叩きつけるビースト。
青い獣と蒼いキャスト。二つの青が混ざり合うように動く。
何撃目だろうか、地面に叩きつけると、そのまま頭から手を離し、
片足を上げてキャストの頭部に狙いを定めるビースト。
「終わりだよっ!」
まさに脚が下ろされようとした瞬間、声が聞こえた。
「SUVウェポン…起動ッ!!」
黒い空間のボルテックスが、キャストの上に巻き起こる。
「何ッ!?」
ボルテックスの中から、巨大なパワーアームが顕現し、キャストに装備される。
「くっ!」
慌てて飛び退るビースト。しかしアームはそれを逃がさない。
青い獣を掴む巨大な腕。獣の動きが束縛される。
「は、はなせっ!」
その言葉と共に、獣の姿が元の女ビーストへと変わっていく。タイムリミットがきたのだ。
「し、しまった…ッ!?」
焦るビースト。しかし巨大な腕に掴まれ、もはや抵抗はできない。
「こ、これで…とどめだあっ!!」
巨大な腕の一撃が女ビーストを襲う。

「待ってくださいっ!!」
寸前で止まる拳。声の方向を見るキャスト。
その声の主は、450だった。

「もう、止めてください。どうしてお二人が戦わなければならないんですか…」
その言葉に力が抜けるかのように消え去るメテオバスター。
どさっという音と共に地面に投げ出される女ビースト。
「どうしてお二人が戦うんですか… お二人とも、私のご主人様なのに…」
涙でくしゃくしゃの顔と、震える声で450が言う。
「よ、450…あんた…」
息も絶え絶えに450を見る女ビースト。
「……」
無言で450を見るキャスト。その時、彼の中で変化が起こっていた。
ぼやけていた450の姿が、徐々に鮮明になってきたのだ。
はっきりとなる450の姿。それは、目の前に居る450であった。
「き…君は…」
呆然とするキャスト。今、彼の目の前に居るのは、紛れもなく…
「違うっ!!」
突き刺さる言葉。
「あんたの主人はこいつじゃない、あたしだっ! こいつは、イルミナスの兵士だっ!
 そんな奴のPMがあんたなわけないっ!」
女ビーストがよろめきつつ立ち上がりながら片手剣を構える。
激しく頭を左右に振る450。
「違います、違うんです。きっと何かすれ違いがあったんです!この人は間違いなく私の…」
涙目で訴える450の言葉を阻んだのは、キャストだった。

218 名前: 7/7 [sage 箱の人] 投稿日: 2006/11/24(金) 19:16:18.48 ID:fo/73wL0
「…そうだよ…君は僕のPMじゃない」
ぽつりと、そう言った。
「そんな!?違います。あなたは私の!!」
「違う! 僕の450は今僕の部屋に居るんだ。君じゃない。君じゃ……ないんだ」
視線を落として言うキャスト。
「…君は、君なんだ。未来を掴みたいのなら、僕を……消すしかないよ… 僕は君の…敵なんだ」
まるで搾り出すかのように言葉を紡ぐキャスト。
しかし、450は首を振る。
「違います! きっと私はあなたのPMだったんです!! 私は、私はそれを確かめたい…っ!!
 だから、お願い…お願いですから…」
ぽろぽろと涙が溢れる。お願い星霊様、この想いを届けてくださいっ!!それだけが彼女の願いだった。
しかし、ゆっくりとキャストの右腕が動く。持っていたハンドガンを、450に向けて構えた。
「!?」
信じられないような表情の450。そんな彼女にキャストが言い放つ。
「もう一度言うよ。生きて未来を掴みたいのなら、僕を消すしかない!」
「そんな!そんなことあんまりですっ!! 私は、私はあなたの!!」
450の言葉を無視して、引き金にかかったキャストの指が動く。

と、その時、キャストの脇腹にフォトンの刃が深々と突き刺さった。
「あ……ああ……」
呆然となる450。
「が、ぐふ…」
彼の口からオイルが漏れる。
「させないよ… あの子は、私の… 私のPMなんだ…」
キャストがよろける。その表情は、苦痛に歪みながらも、どこか微笑んでいるようだった。
「ご、ご主人様っ!!」
駆け寄ろうとする450をキャストが制する。
「ぼ、ぼくは… 僕は、僕の…450のところに…行くから…」
脇腹の穴からオイルが漏れる。
「君も…君のご主人様のところに… 帰るんだ…」
よろよろとその場を去るキャスト。女ビーストはもう追いはしなかった。
「あ…あ…」
言葉が出ない450。
と、キャストが振り向く。
「……ばいばい、450…」
450が最後に見たそのキャストの表情は、とても満ち足りた笑顔だった。

219 名前: もう一つの箱と450END [sage 箱の人] 投稿日: 2006/11/24(金) 19:17:05.57 ID:fo/73wL0



―数日後、ある建物



「おーい、そっちはどうだー?」
「いや、駄目だ。もぬけの殻だな」
二人の男の声がする。
「畜生、マガシの奴、さっさと逃げやがったのか… じゃあ、俺、こっちの方さがしてみるわ」
「ああ、頼む」
片方の男、緑と白の服で身を包んだヒューマンの男が扉を開く。
「やっぱり誰も居ないか… ん?」
ふとサイドテーブルに目をやると、
粗末な部屋とは少々場違いな、古ぼけてはいるものの明るい色の包みがあった。
「なんだこれ?」
その包みに手を伸ばし、リボンを解く男。
中から出てきたのは、枯れて、もはや光らなくなったパープルフラワの鉢植えだった。
「なんだこりゃ? 枯れるまで放置するなんて酷い奴だな」
男は、枯れた花をそばにあったゴミ箱に包みと共に入れる。
「さて、マガシを追うとするか!」
男は部屋から出て行った。

もはや渡されることのないプレゼントを残して。


おしまい


番外編

 [´・ω・] <ハコデモ アイシテ クレル?
  |\ \
 ロニコ コ

   t=t
  ソ ゚-゚)ノ <ソレガ シゴト デスカラ
  .<|: :|ソ
  レ| |レ
   .∞

 [´;ω;] <…
  |\ \
 ロニコ コ

  t=t 。oO(440ニ テヲダシタラ モノメイトニ シマス
  ソ ゚-゚)ノ
  <|: :|ヽ[*・ω・] 。oO(ヤサシク シテネ
  .レ| |レ |\ \
  .∞ ロニコ コ

  t=t 。oO(ダレモ キタイシテマセンガ
  ソ ゚-゚)ノ
  <|: :|ヽ[*・ω・] 。oO(ココハ ハコガヤルシカ
  .レ| |レ |\ \
  .∞ ロニコ コ

  t=t 。oO(チョットダケ ミナオシマシタ…
  ソ;゚-゚)ノ
  <|: :|ヽ[*・ω・] 。oO(ヤッタ!! ボク ヤッタヨ!!
  .レ| |レ |\ \
  .∞ ロニコ コ

140 名前: 箱、威厳を見せる(1/2) [sage ま た 箱 か] 投稿日: 2006/11/05(日) 07:59:04.37 ID:0ae6EgUT

 [`・ω・] 。oO(ソウダ ボクハ ハコダッタンダ!! ココハ450ニ ハコノ イゲンヲ ミセナイト!!
  |\ \
 ロニコ コ


                    キョロキョロ
                  t=t
                 ソ ゚-゚)ノ <ゴウセイ オワッタノニ ハコガイナイ…
                 .<|: :|ヽ
                 レ| |レ
                  .∞


                      て
 | <450ー            t=t   そ
 |                 ノ(゚-゚ソ
 |                 .<|: :|ヽ
 |                 レ| |レ
                    .∞


 |      ガオー ハコダゾー!! 
 | ヽ[=[ ゚Д゚]ノ          t=t
 |ミ. /  /           .ノ(゚-゚ソ
 |  ノ ̄ゝ            .<|: :|ヽ
 |                 レ| |レ
                    .∞


 |
 | ヽ[=[ ゚Д゚]ノ          t=t
 | . /  /           .ノ(゚-゚ソ
 |  ノ ̄ゝ            .<|: :|ヽ
 |                 レ| |レ
                    .∞

141 名前: 箱、威厳を見せる(2/2) [sage ま た 箱 か] 投稿日: 2006/11/05(日) 07:59:14.81 ID:0ae6EgUT
 |
 | ヽ[=[ ゚Д゚]ノ         .t=t
 |  ./  /            ノ(>_<ソ <キャー ハコダワー
 |  ノ ̄ゝ             レV)
 |                 レ| |レ
                    .∞


 |
 | ヽ[=[ ゚Д゚]ノ          t=t
 |  ./  /           .ノ(゚-゚ソ <サテ ゴウセイガ オワッテマスヨ
 |  ノ ̄ゝ            .<|: :|ヽ    トットト トリダシテ クダサイ
 |                 レ| |レ
                    .∞


 |     ブンブン
 |   [   .]ノシ <ガ、ガオー ハコダゾー ハコー
 |  ノ|   |
 |___[ニロロ  =[ ゚Д゚]   ロ←モノメイト

       。oO(…
  t=t (@)
 ソ#゚-゚)ノ.|       n
  <|: :| ̄|  [*・ω・]E) 。oO(>>198 GJ!!!
  .レ| |レ    |\  |ア
  .∞    ロニコ コ
270 名前: 名無しオンライン [sage] 投稿日: 2006/11/05(日) 21:21:30.78 ID:0ae6EgUT
  t=t <>>262サマノ オッシャルトオリ カドノ ナレアイハ キンモツデスヨ
  ソ゚-゚)ノ
  <|: :|ヽ[・ω・ ] 
  .レ| |レ |\ \
  .∞  ロニコ コ

  t=t 
  ソ゚-゚)ノ
  <|: :|ヽ[;ω; ] <ボクラモ ダメナノ?
  .レ| |レ |\ \
  .∞  ロニコ コ

  t=t 
  ソ゚-゚)ノ
  <|: :|ヽ[;ω; ] 
  .レ| |レ |\ \
  .∞  ロニコ コ

  t=t <ワタシタチハ ジュウニンジャ アリマセンカラ…
 ノ(-゚.ソ) 
  <|: :|ヽ[;ω; ] 
  .レ| |レ |\ \
  .∞  ロニコ コ

  .t=t
 .ノ(//ソ) 
  .<|: :|ヽ[`・ω・] <ナルホド
  ..レ| |レ |\ \
   .∞ .ロニコ コ


ま、そのうち住人達の中でスレのルール(?)の取捨選択が行われていくんじゃないかと思うんだ。

>>> >>599後
   [;・ω・] 。oO(450ニ バレナイヨウニ チマチマ トウコウ シナイト…
    |\ \
   ロニコ コ

>>> >>638後
<ハコー!

   [;・ω・] 。oO(ハウッ 450ガ カエッテキチャッタ!!
    |\ \
   ロニコ コ

<〜♪

   [;・ω・] 。oO(ゴハンノマエニ サイゴマデ トウカスルネ
    |\ \
   ロニコ コ
>>> >>647へ

58 名前: 名無しオンライン [sage] 投稿日: 2006/11/10(金) 20:37:53.70 ID:DFCkfo7Q
レスd! 450連れて通路A行ってきたぜ!


   |
   |
   ∧
   ∪
   .ロ
   .| |   ]
   |   |
    |  |
    ロ.ロ
    | ̄ ̄ ̄ ̄
                    っ
                  t=t   っ
               . ヽノ v)ノ 
                 . | j |

はやいとこ、せめて元に戻らないかな…450…

         。oO(アブナカッタ…
  |ヽロ´・ω・]
 ロニコ コ

568 名前: もうひとつの>>555 [sage 箱の人] 投稿日: 2006/11/19(日) 22:06:35.12 ID:cSZyY5my
 [`・ω・] 。oO(>>548 フンフン ナルホド
  |\ \
 ロニコ コ



   
 [`・/凡_凡 <デキタ
  |  |   .|
 ロニコ|    .|
     \___/



 |      <450!プレゼント!!! 
 |  [`・/凡_凡            t=t
 |ミ. |  |   .|         .ノ(゚-゚ソ
 |  ノ ̄ゝ|    .|          .<|: :|ヽ
 |      \___/   .       レ| |レ
                       .∞



   __  Ω
ロ=[   [´゙゚'ω゚']_      ノ===
    ̄ ̄ヽ            ゙゙
                  ポタポタ

326 名前: 名無しオンライン [sage] 投稿日: 2006/12/05(火) 01:14:45.17 ID:C4WFd1k5
       おk、ルウ教官のパンティラ画像ゲット

     [ `・ω・´]       
 ̄\  /   / ̄ ̄ ̄ ̄/   t=t   
 ̄ ̄| /   ./  GRM /  ノノノハハヽ
 ̄| |(__ニつ/____/ __ノ(゚ -゚_レ_______
田| |        ))\   O  O
ノ||| |    ̄ ̄ ⌒ ̄

       ||
       ||
      ヽ||ノ ピュー
     [ ´;ω;]       
 ̄\  /   / ̄ ̄ ̄ ̄/
 ̄ ̄| /   ./  GRM /
 ̄| |(__ニつ/____/ _______
田| |        ))\ 
ノ||| |    ̄ ̄ ⌒ ̄


こうですか!?わかりません!

353 名前: 名無しオンライン [sage 箱の人] 投稿日: 2006/12/05(火) 12:13:21.32 ID:C4WFd1k5
>>351>>352
       おk、何も考えないで書いてた。今度から気をつける…っと

     [ `・ω・´]       
 ̄\  /   / ̄ ̄ ̄ ̄/   t=t   
 ̄ ̄| /   ./  GRM /  ノノノハハヽ
 ̄| |(__ニつ/____/ __ノ(゚ -゚_レ_______
田| |        ))\   O  O
ノ||| |    ̄ ̄ ⌒ ̄


            

 ̄\  /   / ̄ ̄ ̄ ̄/   t=t   
 ̄ ̄| /   ./  GRM /  ノノノハハヽ モギモギ
 ̄| |(__ニつ/____/ __ノ( ゚ ロ゚ レ_______
田| |        ))\ O[´;ω;`]O
ノ||| |

440 名前: 名無しオンライン [sage] 投稿日: 2006/12/07(木) 00:02:57.25 ID:tNCT8Uiu
Σ[´・ω・] ハッ!? 喧嘩の気配が!!
  ( つ旦O
  と_)_)


        [`・ω・] 喧嘩なら止めに行かないと!
       __〃`ヽ 〈_
   γ´⌒´-−ヾvーヽ⌒ヽ
  /⌒  ィ    `i´  ); `ヽ
  /    ノ^ 、___¥__人  |
  !  ,,,ノ爻\_ _人 ノr;^ >  )
 (   <_ \ヘ、,, __,+、__rノ/  /
  ヽ_  \ )ゝ、__,+、_ア〃 /
    ヽ、___ ヽ.=┬─┬〈  ソ、
      〈J .〉、| .デ |, |ヽ-´
      /""  | .ガ |: |
      レ   :|: | | リ
      /   ノ| ナ | |   スック
      | ,,  ソ ̄ ̄  )
     .,ゝ   )  イ ヽ ノ
     y `レl   〈´  リ
     /   ノ   |   |
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  彡 〉 〈      〉  |
 彡  /  ::|    (_ヽ \、
   (。mnノ      `ヽnm

509 名前: 名無しオンライン [sage 箱の人] 投稿日: 2006/12/08(金) 15:38:05.36 ID:MbC6Xj81
>>494
            ヤロウ、ヨクモボクノ 450ヲ!!
     [#`・ω・´]       
 ̄\  /   / ̄ ̄ ̄ ̄/
 ̄ ̄| /   ./  GRM / 
 ̄| |(__ニつ/____/_______
田| |        ))\ 
ノ||| |    ̄ ̄ ⌒ ̄

            イイゾ モットヤレ!! ギリギリマデヤレ!!
     [*`・ω・´]       
 ̄\  /   / ̄ ̄ ̄ ̄/
 ̄ ̄| /   ./  GRM / 
 ̄| |(__ニつ/____/_______
田| |        ))\ 
ノ||| |    ̄ ̄ ⌒ ̄

   ドスッ      マケルカ!! ドナタカ エシ ノ カタハ イラッシャイマセンカー!?
   ノ=[ ´;ω;`]== ≡≡
 ̄\  /   / ̄ ̄ ̄ ̄/ ピュー
 ̄ ̄| /   ./  GRM / 
 ̄| |(__ニつ/____/_______
田| |        ))\ 
ノ||| |    ̄ ̄ ⌒ ̄

             ||
            ¬
            ,,・  <イヤ アノ ホントスンマセン
            ε
             ,,・
            ¬  t=t   
            ||  ノノノハハヽ
            || ノ(゚ -゚ #レ_______
            O ̄ ̄ O


その他
53 名前: プチホラー注意(1/2) [sage] 投稿日: 2006/11/04(土) 19:26:15.55 ID:8Pj2RfLH

「なぁ、知ってるか?」
モトゥブの酒場で一緒に呑んでいた仲間のニューマンがそう言った。
「ん?何が?」
そう言って俺はつまみを口のなかに放り込む。
「オンナの怨念って、人形に篭るんだってよ」
おいおいホラー話かよ。この科学万能の時代に。
俺はククッと笑って酒を呑む。
「ほれ、ニューデイズの店にオキクドールってやつあるだろ?」
「ああ、あの不気味な人形な」
ニューマンはにやりと笑いながら顔を近づけてきた。
「あれにも宿ってるらしいぞお、怖いねェ、怨念って奴は」
「勘弁してくれよ、野郎と顔を突き合わす趣味はないんだ」
俺は苦笑いを返す。ついでに呪いとか怨念とかいうのも趣味じゃない。
「まぁ、ニューマンは信心深いからな。そういう噂もあるのは当然か?」
再び二人の周囲がいつもの雰囲気に戻る。
「ははは、そーだな。しかしな、ヒューマンのお前もちょっとはそういうこと信じてみたほうがいいかもよ?」
俺は椅子から立ち上がりながら答える。
「はは、考えとくよ。んじゃ、ここは支払っとくぜ」
「おう、またな!」
ニューマンの声を背に受け、俺は上げた右手をひらひらと振って酒場を出た。

プシュー
「おかえりなさいませ」
ふよふよと浮かぶPMが俺を出迎えた。
このまま寝るのもいいが、そのまえに一仕事―PMの餌をやっておこう。

「ほれ、喰えよ」
「モギモギ これ・・古くないですか?」
「はいはい、次これな」
「モギモギ これ・・古くないですか?」

何時ものように何時もの言葉のリフレイン。
もうちょっと気の利いたことを言ってもらいたいものだが、
PM相手にそれは贅沢ってもんだな。

そうやって機械的に餌をやっていると、突然PMが光りだした。
これが最終進化って奴か!
期待の中、その進化を見守る。
「ん…」
そこには、一人の少女が居た。カタログ通りだ。すげえなあ。
「……」
そしてPMが俺を凝視する。
「よう、俺が主人だ。わかるか?」
その言葉に答えるようにPMが微笑んだ。

54 名前: プチホラー注意(2/2) [sage] 投稿日: 2006/11/04(土) 19:26:25.89 ID:8Pj2RfLH
「ああ…やっと逢えました…」
ん? 妙だな。聞いた話と少々台詞が違うが…
「ずっと、ずっと逢いたかったんですよ…」
おかしい。絶対におかしい。他の奴らのPMと雰囲気がまるで違う。
「お、お前、本当にPMなのか?」
緊張に耐え切れず、恐る恐るそう聞いてみる。
「はい。今は…」
今は?今はってどういうことだよ。今は…じゃあ…
「…『前』は違ったのか…?」
後から思えば聞かなければよかったと思う。しかしその時の俺は聞かずにはいられなかった。
「はい…私はずっと、ずっとずっと貴方を見てました… 
  貴方の歩く姿、話をする姿、お店で商品を買ってくれた姿。全部見ていました」
「全部…って…」
俺の脳が高速回転する。そして一つの記憶を呼び覚ました。
そう、忘れていた…いや、意図的に記憶の奥に封じ込めていた出来事。
それは、1年ほど前の出来事だ。俺のところにプレゼントが届き始めたのだ。
最初は、怪しむものの取っておいていた。しかしそれが連続し始めた頃には友人に相談し、
髪の毛が編み込まれたマフラーが届いた時にはもう駄目だった。

俺はすぐ家を飛び出た。そして一人暮らしを始め、ほどなくしてガーディアンズに入ったのだ。
引越しによってそのプレゼントはこなくなり、安心していた。
ガーディアンズの激務が過去を忘れさせてくれていた。

しかし、あの髪の毛からして、相手はヒューマンかニューマン、もしくはビーストだ。
キャストでは…当然PMなわけがない。
小刻みに震える俺を見ながら「彼女」はこう言った。
「わたし、身体を作りかえたんです。すべてをかえて、PMになって、あなたのそばにずっといたかった…」
かえた?こうかん?ど、どういうことなんだ…
「すべてをかえましたけど、まだもとのままのところがあります」
こんなことがあるのか?あっていいのか?PMは工場で作られた機械なんじゃないのかよ!
「のう と しきゅう です。 わたし、あなたのこどもがほしいんです」
腰が砕け、しりもちをついた。丁度PMの視線と同じ高さ。PMの目が、俺を見ている。
PMの目に俺が映っている。
「わたわたわたわたし あなたをををを あいしてててていますすすす」
表情が固まったままのPMが、妙な言葉遣いをしながら近づき、俺に馬乗りになる。
動けない。恐怖…いや、これが怨念なのかもしれない。
普通のPMにはない、いや、絶対にあってはいけないものだ。
「ささささああ わたわたわたわたしと ひとつつつつつつに」
そっと俺の頬に触れたPMの手が暖かく感じたのは俺の気のせいだったのだろうか。
「ひとひとひとひとつになって えいえいえいえんににににに」
「うわあああああああああああああああああああああああああああああ!!!」
絶叫がマイルームに響き渡る。と、同時に、乾いた音が響いた。

紅い、果てしなく紅いものが部屋に飛び散る。
PMにある筈のない器官が、そのPMにあったという確かな証拠が壁に、床にペイントされた。
「ふむ、やっぱり失敗じゃったか… だから無理だといったんじゃよ。哀れな娘じゃの」
そんな言葉を最後まで聞くことが出来ず、俺の意識はなくなっていった。


貴方のPMは、本当にPMですか?


299 名前: 名無しオンライン [sage] 投稿日: 2006/11/05(日) 23:39:27.29 ID:0ae6EgUT
プシュー
主「いらっしゃいませー」

客「どんな素材あるかなーっと」

主「こち
パ「こちらです」

客「じゃあ、これとこれを。」

パ「全部で3600メセタです」

客「はいこれ」

主「ありがとうございましたー」
パシュン

主「…なあ、俺の居る意味なくね? 価格はギリギリまで抑えてあるし、俺のやれることって挨拶するだけじゃん」

パ「でもいないとお客様来ませんよ。検索に引っかかりにくくなりますから」

主「…・・放置しててもいい?」

パ「いいですよ。でも値引き交渉された時はどうします?」

主「……してくれませんか?」

パ「いいんですか?」

主「どうして?」

パ「私達の金銭感覚は、"ユーザーからムシるだけムシる"ですよ?」

主「……がんばります」


<チラ裏>
まあ俺はパシリとその主人のネタか、暇が無くなるまでここは見るつもりだけどなー
正直はやく前のようにマターリしたい( ´・ω・`)

761 名前: 名無しオンライン [sage 暇潰し支援] 投稿日: 2006/11/09(木) 17:59:47.37 ID:ViB89x1h
主「また失敗か」
パシリ「うぅ…ごめんなさい…」

主「まだ能力上げないといけないのか」
パシリ「モギモギ…そうですね」

主「何ガミサキ喰ってやがる!!!」
パシリ「だ、だって、ご主人様が能力上げるって言ったから…」

主「だからといって食っていいものと悪いものがあるだろうがっ!!」
パシリ「ごめんなさぃぃ〜〜 パシリって何でも食べちゃえるから…」

主「……そうか、そうだよな」
パシリ「はぃ?」

主「じゃあ、これ飲んでみ」
パシリ「水? はい…コクコク     …!!」

パシリ「うぎゃああああああああああああああああ」
パシリ「ぐおおおおおおお〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!」


主「超神水。 猛毒に打ち勝つことで己の中に隠れ持っているパワーを
  全て引き出すことの出来る素晴らしい水だ」

パシリ(どっからそんなもん手に入れやがった〜〜〜〜っ!!)どたんばたん

60 名前: 名無しオンライン [sage] 投稿日: 2006/11/10(金) 22:16:13.22 ID:DFCkfo7Q
以前
主「いてて、450、ちょっと怪我治してくんない?」
450「もう…仕方ないですね…レスタっ!」

現在
主「いてて、450、ちょっと怪我治してくんない?」
450「これくらいの怪我、ガーディアンズのご主人様だったら平気でしょう?」
450「…でも一応 …イタイノイタイノトンデケー チュッ←傷口にキス」
主「( ´∀`)レスタなんていらないや…」


144 名前: 名無しオンライン [sage じゃあ俺もエロネタ投下w] 投稿日: 2006/11/12(日) 20:15:56.16 ID:JxTrQHxw
前略、母上様。
なんだかんだでパシリと致すことと相成りました。

主「…まあ、なんだ、唐突だが、いくぞ」

パシリ「ちょっとドキドキします」

主「ぬぎぬぎ」

パシリ「うわっ ガチガチに強そう!」

主「ほっとけっ! では、いただきます。むにむに」

パシリ「体の底から 力が抜けていきます」

主「むにむに」

パシリ「熱暴走し…てしまう…」

主「ん、んじゃ、いくぞ」

パシリ「一緒にがんばります!」

主「こういう時に気合入れんな! 萎えるだろ!」

パシリ「まあ ザコですね」

主「( ´;ω;`)」

パシリ「およばずながら援護いたします」

主「う、うお、これは…っ! やべ、もう…」

パシリ「なんか 弱すぎ!」

主「言うなっ!言わないでっ!! ぁぅ…」

パシリ「ちょっと 多すぎません?」

主「すみません。ご無沙汰してましたから… って、ほっとけや!えぇい、一気に突撃だ!」

パシリ「ご主人様が一緒なら怖くないの」

主「やっとそれっぽいこと言ったか… んじゃ失礼して…」

―倫理的に作業中―

145 名前: 名無しオンライン [sage じゃあ俺もエロネタ投下w] 投稿日: 2006/11/12(日) 20:16:07.89 ID:JxTrQHxw
―倫理的に作業中―

パシリ「ああ もうダメかもしれない」

主「お、俺も…っ! うっ!」

パシリ「…」

主「あ、わりぃ、中で…」

パシリ「助けてください 毒が…毒が回って……」

主「これは毒じゃねえ!! むしろ、こう、なんつーか神聖なもんだ!」

パシリ「後ろががら空きっ」

主「え?ちょwおまwww」

パシリ「後ろから失礼しますっ」

主「な、何をする気だ!!」

パシリ「散りましょう」

主「何が!? ねえ何が散るの!?」

パシリ「突っ込みます!援護をお願いします!」

主「援護なんてしねえよ! ちょ、ま、待て…アッー」



前略、母上様。 現実は、厳しいです…

367 名前: 名無しオンライン [sage] 投稿日: 2006/11/16(木) 21:04:57.22 ID:Cku+Fir5
シャト「フゥゥゥゥ!!」

420「うにゃあああああっ!!」

主「…喧嘩すんなよ」(首根っこを掴んで持ち上げる)

シャト&420「うにゃああああああっ!!」

主「ぎゃああああああああああああっ!」


>>362
ワロタw つかクオリティ高いなおい。
とりあえず440には、嘗めるな、喰え!頬張れ!と注意を促したいw


もはやここのおかげでメンテの終了時間がどうでも良くなってきた俺ガイル。

>>>箱と450の話 >>IF >>番外編 >>>その他

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