ブラジルトケイソウ、パッシフロラ・アラタ
(トケイソウ科) Passiflora alata Ait.
 
 ブラジルトケイソウは、南米原産の常緑多年生蔓草本である。
   茎は平滑で、四稜形。葉は広卵形ないし卵形で、基部はやや心形で先端はやや尖り、全縁で多少波状を呈する。葉柄に2〜4枚の腺がある。
   花は葉腋に単生して垂下し、下向きに花開く。花経は、7.5〜10cm程度で、花弁の内側は鮮紅色、外側は白色、糸状の副花冠は赤色、赤紫色、白色のストライプで、とても艶やかな花である。花の芳香は強い。
 花や葉、茎だけ見るとオオミノトケイソウに似るが、果実サイズや果形が異なる。

ブラジルトケイソウの花
( photo. by あさりん)

 果実の長経は8〜10cm、果重は300g前後。果頂は鈍く尖り、果皮色は収穫時には薄黄緑であるが、収穫後追熟するに従い山吹色になる。
   パッションフルーツ同様、可食部は種子とその周囲の果肉(種衣)と豊富な果汁である。ブラジルトケイソウは酸度が低く、糖度は高かった(収穫一週間後の2果で測定した結果、クエン酸率 0.3%、0.4%、Brix. 18.9%、17.7%)。つまり、普通のパッションFは甘酸っぱいが、ブラジルトケイソウは甘味が強い果物と云える。食味、香り共に洋ナシに似ていて良好である。ただし、種子がやや青臭く、苦いため、種子は噛まずに飲み込んだ方が良さそうだ。
   また、果実下部の果皮内側部分は半透明となり、ここもスプーンで掬って食べることができる。この部分の糖度もBrix. 10.5%で酸味がなく、食感、味ともに洋ナシに似る。

収穫後の果実と果実断面

 ブラジルではよく栽培され、マラクジャー・グランデ(Maracuja grande)の名で親しまれている。
 日本では、主として花を観賞する園芸種として知られ、果実がつくこともあまり認識されていない様だ。しかし、園芸用品種の「ルビー・グロー(Ruby Glow)」と云う品種は、果実がグレープフルーツ大ほどになるらしい。
 沖縄での栽培もまだ少なく、果実も市場に出回っていないが、今後の安定生産が期待される果樹の1つである。


ブラジルトケイソウの果実


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