ドリアン
(パンヤ科) Durio zibethinus Murr.

 マライ諸島原産の常緑大高木で、自然では20〜30mの高さの樹になる。現在ではマライ半島やインドシナ方面で栽培されている人気果樹である。人気果樹とは云え、果肉の発する異臭については経験していなくても逸話を幾つか聴いた人は多いことだろう。管理人も数度、タイや輸入果実を食したことがあるが、匂いは動物系の腐敗臭又はタマネギの腐敗臭に近く、味はまったりとした甘いクリームの様であった。匂いと味とのギャップが、かなり大きな食物と正直初めては食べたときは苦手意識が強かったが、食味の回数を重ねるうちに匂いは気にならなくなり、今では積極的に食べたい果物になった。近年ではタイで品種改良された「Mon Thong(モントーン)」と云う匂いが少なく果肉も適度に固く食べやすいタイ産の品種が国内にも生果で輸入される様になった。また高木になるのも栽培上の欠点であったが、接ぎ木をすることにより7〜8mに樹高を抑えることができる様だ。

 それでも日本国内での結実は難しいらしく、以前に熱海のバナナワニ園で開花したとのことだが結実までには至らなかった。沖縄でも樹は何度か見たことがあるが、結実したという話は聴かない。
 ドリアンが栽培される地域は熱帯雨林気候であり、沖縄を含む日本で結実させるには、解決すべき課題が多いと思われる。以下に幾つか解決すべき課題を挙げる。
 まず高気温の確保、多雨を想定とした灌水、なおかつ水分に富んだ肥沃な土壌で栽培、という条件は外せないだろう。そうなると沖縄でも施設栽培になるが、前記した通り樹高が最低7〜8mになるため、通常より屋根が高い施設が必要になる。そうなると沖縄では台風被害を受けやすくなるので、防風林を整備するか建設費が高いH鋼施設等の対抗性施設が必要となる。しかもドリアンは生果での輸入可能であり、近年は輸入果実の低価格化が進んでいるので経済栽培を目的とする場合は施設コストを安易に増やすべきではない。
 と、なると高い経費を出しても栽培するメリットがあるのは出荷果実目的の経済栽培ではなく、植物園や観光農園の見せ物的要素が強くなると考えられる。管理人も一度はドリアンが樹になっている姿を眺めてみたいので、国内で結実に成功したという話があれば、見に行ってみたいものである。

 ※なお、ここに掲載している写真のドリアンは東南アジアからの輸入品である。

収穫されたドリアンの果実


バンコクのドリアン売り




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