グアバ、バンシルー、バンジロウ、蕃石榴
(フトモモ科) Psidium guajava L.

 17世紀末には台湾にも既に存在したとの記録があり、沖縄県でも古くから栽培されていたことが伺える。グアバのことを、沖縄ではバンジロウ、またはバンシルーと呼ぶが、これは中国の蕃石榴を読んだものだと言われている。

 果実は球形か卵形、もしくは洋なし型で(品種により違う)、先端に萼(がく)がついている。直径は3−9cmで、長さが4−12cm、果皮は黄緑色である。
 果肉は、白色、黄色、ピンク色、赤色と品種により様々(品種数は約
150とも言われています)。食感としては、なめらかな顆粒状の果肉であり、これまた品種により甘い物から酸っぱい物まである。そして果実の中には直径5mm程度の堅い種子が多く含まれているため、慣れていないと食べづらいかもしれない。熟した果実は芳香が強く、甘酸っぱいトロピカルな香りがする。
 果実が少しやわらかくなった頃が食べ頃で、食べ方としては生食の場合、ワイルドな方は皮ごと丸かじりで種子も全て飲み込む。上品な方は皮をむいて、包丁で適度な大きさに切り、フォークで刺して食べる。このとき面倒でなければ種子は出すが、なかなか面倒である。このほかジュースにするときは、皮をむき、果肉を種子ごとミキサーにかけ、茶こしでこすと美味しくいただける。管理人は、どちらかと言うと生果よりジュースの方が好きである。沖縄では、グアバドリンクなる缶ジュースが販売されている。

 沖縄では年中果実が採取されるが、一番収穫量が多いのは8月から9月。グアバは水はけの良い弱酸性の土地で発育が良いようだが、基本的には土質を選ばず、強勢な植物であるため沖縄中で庭木として栽培されている。余談ではあるが、太平洋のフィジー諸島では、邪魔になるほど生えて、政府の手で根絶が図られたこともあるとのこと。

 果実中成分としては果実100g中におおよそ、タンパク質1g、炭水化物10g、ビタミンC270mg(レモンの約6倍)、その他相当量のビタミンB1とビタミンA、いくらかのミネラル分が含まれている。

グアバの果実

 グアバは当年生の枝に発生した新梢、または成熟枝に発生した新梢に開花結実する。着蕾位置は新梢の2〜4節の葉腋である。
 無剪定の樹では結果枝の頂から次々と発育し、結果枝の発育が終わった後に、新梢が発生し開花に至る。沖縄では無剪定の場合4月に開花が集中し、8〜9月に果実熟期が集中する。
 剪定により着果促進を行うときは、結果枝を着果部位から10節前後で早めに摘心を行う。そうすると結果枝の充実を良くし、結果率を高めることができる。
 
 グアバの花は対になり葉腋に着花する。このとき樹勢により1対〜3対の花が着き、着果過多になりやすい。そこで、果実肥大の促進、果実品質の向上、樹勢維持のために摘果を行う。
 摘果は小玉果、奇形果、病害虫被害果を中心に行う。また弱小枝に着果した果実は枝ごと剪除する。
 基本的な摘果方法として、1節に2〜3個着果したものは1果にしぼり、1枝には枝毎の樹勢を見極め1〜4個の着果とする。樹全体で見るときは、1果あたり10〜12枚の葉数をめどにする。
 グアバの樹は樹勢が強く、放任させると側枝や立ち枝が繁茂し、日照不良や通気不良となり病害虫が発生しやすくなり、着花も減る。
 そこで剪定を行うわけだが、グアバでは経済的に確立された剪定技術が定まっていない。しかし多くの場合、定植後40〜50cmのところで剪定し、そこから発生した側枝を将来の主枝とする。このとき残す側枝数は、「摘心型」であれば3〜4本、「開心型」であれば5〜6本、「盃状型」であれば6〜8本、程度である。
 剪定は主に12〜2月の冬場に行う。
 

グアバの花 




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