マンゴスチン
(オトギリソウ科) Garcinia mangosutana L.
 
  マンゴスチンはマライ原産の常緑大高木で、現在ではマレーシアやベトナム、フィリピンなどでも栽培されている。台湾南部でも結実するらしい。硬く厚い果皮に覆われたレイシの様な白濁果肉は上品な味をしており「果物の女王」の異名にふさわしい。ただし果物の女王というのは、大航海時代に7つの海を支配した大英帝国のビクトリア女王が「我が領土にあるマンゴスチンをいつも味わえないのは遺憾である。」とのコメントを残したとのエピソードからであるという説がある。

マンゴスチンの果実

  マンゴスチンは固い果皮に被われているため、ナイフで果実側部に切れ目を入れ、蓋を外す様に果皮をずらすと綺麗に果肉を剥き出すことができる。果肉は5〜7つの房状に分かれているが、種子は果実1個に対し0〜2個程度しか入っていない。
 果肉は柔らかく、強い甘み(Brix.15〜22度)と適度な酸味と香り、豊富な果汁と癖のない上品な味わいで、さらに過食部分が多い。マンゴスチンは単為結果をする植物であるため、種子で増やされた樹は全て母樹と同一の遺伝子をもつことになる。つまり品種改良が行われていない野生種が現在まで栽培されているわけであるが、それが品種改良された果樹に全くひけをとらないか、それ以上の味わいであることは驚愕に値する。



 2003年4月25日にタイ国産のマンゴスチンが輸入解禁措置を講じることになった。
 それまでは、ミカンコミバエと云う害虫がタイにいるため、植物防疫法により日本へのマンゴスチン輸入は長年輸入が規制されていた。しかし、蒸熱処理による
殺虫試験で、ミカンコミバエ種郡3種についても有効であることがタイ国より試験結果提出で明かとなり、輸入解禁に至った。
 
  日本国内で生マンゴスチンが食べられる様になっても、国産マンゴスチンを結実させたい、と願う果樹関係者は多いことだろう。
 しかし、フクギ属のマンゴスチンは成長が非常に遅く(栽培地域でも実生から結実まで8〜12年程度かかるとか)、なおかつ生育温度25〜30℃、年間降水量1,500mmを想定した灌水、有機質を含み多湿かつ水分が停滞しない土壌での育成、となると栽培条件をそろえるだけでも難しい。
 近年では、国内でも愛好家や研究機関での開花、結実、収穫の話題を数例聴く様になってきた。今後、さらなる生産量増加に期待したい。
 なお、海外から生マンゴスチンを懐に入れて持ち込むと、植物防疫法を犯すことになるので、栽培者は種子のみの状態で持ち込むことが多い様だ。
 種子で持ち込んだマンゴスチンを発芽させ、フクギなどに芽接ぎを行い結実を心待ちにし、結実を願う愛好家もいる。


 ※当ページに掲載しているマンゴスチンの写真は、タイから輸入された果実を撮影した。

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