ミラクルフルーツ
(アカテツ科) Synsepalum dulcificum (Schum. & Thonn.) Daniell

  ミラクルフルーツは、西アフリカ原産の常緑低木である。樹高は4m程度になると云われている。葉は広披針形から倒卵状披針形で長さ5〜15cm程度で側脈が目立つ。また新芽が芽吹いて間もなくは、葉色が赤みがかっているが数日のうちに緑色がかってくる。
 ミラクルフルーツの果実は長さ2cm程度の卵形、熟した果実の果皮色は鮮やか赤色で薄く、皮ごと食べられる。果肉は白く、樹上完熟させたものはほのかな甘味があるが、無味に近く無臭である


ミラクルフルーツの果実

 ミラクルフルーツの果実は、それ自体は前述のとおり無味無臭で嗜好性に欠けるが、ミラクルフルーツの果肉を 舌の上で1分間ほど転がした後に酸味のあるものを食べると甘く感じる不思議な体験を実感することができる。これは、果実に含まれるミラクリンと云うタンパク質が単体では入り込めない甘味を感じる味蕾に、酸味と反応することにより入ることができる様になるためである。そのため、酸味が強いレモン等を食べても、脳には『甘い』という電気信号が伝わり、味覚修飾がおこり『甘く感じる』という仕組みである。また酸味を感じる味蕾に対しては作用していないため、酸味を感じなくなるわけではなく、酸味以外の味覚は通常通りである。
 ミラクルフルーツによる味覚修飾は個人差があるが、0.5〜2時間程度継続する。
蛇足ではあるが、果肉は粘性で種子離れはやや悪いので、口中で種子から果肉をはがそうと舌の上で転がす場合は、うっかり飲み込まない様に注意するべきである。
 
 収穫したミラクルフルーツは直ちに食することが基本であるが、長期保管をする場合は冷凍庫で保管してもミラクリンの効果は損なわれない(味覚修飾の継続時間は減少する様だが・・)。また近年(2006年1月15日付)『ミラクルフルーツのタブレット化技術の確立に関して』が味覚修飾植物研究家の島村光治氏のサイトでプレスリリースされた。今後は、医療現場やダイエット食品市場等で話題になるかもしれない。
 
 沖縄県ではミラクルフルーツの花は盛夏の高温下では出蕾・開花が止まる傾向がある様だが、それ以外の季節であれば出蕾・開花し結実に至る様だ。ミラクルフルーツの花は葉腋に着き、大きさは米粒ほどで、色は白く、まとまった量が開花した際は甘い香りが強くする。


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