紫種のパッションフルーツ(奄美系)

 沖縄県で一番初めに経済栽培品種として普及したパッションフルーツは、台湾から奄美大島を経て導入された「奄美系」と呼ばれる果皮が濃赤から紫色の品種であろう。それ以前にも果皮が紫色や黄色の品種が庭先栽培で導入されていたらしいが、果実が小さかったためか、色のりが悪かったためか経済栽培までは至らなかった様である。


奄美系の果実と花


 本品種は、現在沖縄で栽培されている中で最も香りが良く、糖度と酸度のバランスもよく、自家受粉するため広く栽培されている。しかし花や果実に雨がかかると疫病や立枯症になりやすい等の欠点もある。
 そのため、より高品質、安定生産を目指す生産者は、屋根掛け栽培、施設内栽培を実施した。近年では、生食用果実の生産者の多くは、施設内で電照栽培を行い周年出荷体系を確立し、夏期に出荷が集中する露地栽培と差別化を図っている。

奄美系パッション出荷状態

 導入初期から栽培に取り組んだのは、沖縄島北部の本部町の生産者で、そこで実生栽培を行ったのか同品種の中でも果皮の色が淡いピンク色のものから、赤色、濃紫色のものが現れた。
 同じ系統とされながらも、数種類の果皮色が出たのは、奄美系の元となった品種が交雑種であることや実生繁殖では品質に差がでる(品質が十分固定されていない)ことが示唆される。
 また同一の樹であっても、栽培方法等により果皮色が相当変わるとも考えられている。管理人の観察では、収穫期後半に果皮色が悪くなることが多いので、樹勢(施肥効果等)が果皮色を左右しているのではないかと考えている。
 

奄美系パッションには果皮が濃紫色のものもある。 




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