パッションフルーツ、クダモノトケイソウ
(トケイソウ科) Passiflora edulis SIMS.

 パッションフルーツは南米原産のつる性多年生熱帯果樹である。現在では世界中の熱帯、亜熱帯地域に広まり、オーストラリアや東南アジア、台湾などで産業的に栽培されている。日本では沖縄県以外にも、奄美諸島、小笠原諸島、最近では東北などでも栽培が行われている。
 沖縄で栽培されている主な品種は、紫種の奄美系黄色種、八重山で選抜されたキングルビーを主力に多くの品種が導入され、今なお生産者レベルでの選抜が盛んである。


パッションフルーツの果実・果実断面・蕾・花



 パッションフルーツを生果で食べる場合は、追熟すると酸味が抜けて甘みが増すので食べる当日に冷蔵庫で冷やすのが美味しく食べるコツである。食べる時期は果皮表面にしわが出始めた頃と言われるが、品種などによってしわの出方に差があるようなので、香りも目安にすれば良いと思われる。
 冷やした果実を半分に包丁で切り、そのまま果実を種ごとスプーンですくって食べる、というのが一番美味しい食べ方。種ごと食べるというのに抵抗があるかもしれないが、噛まずに飲み込むと口いっぱいにトロピカルな香りと甘酸っぱい食味が広がり最高である。このほか、ジュースにも適していてホテルや観光地などで広く取り扱われています。ジュースを作る場合は、お好みの量の砂糖を加え種ごと果肉をミキサーにかけ、ガーゼで濾すと濃いめのジュースができるので、これを飲みやすい濃さまで水で薄めると良い。このとき水の変わりに牛乳で薄めると、またひと味違った美味しさが楽しめる。

パッションフルーツの果実

 パッションフルーツを「情熱の果物」と考える人が多いようだが、実は「(キリスト)受難の(花の)実」というのが正解である。「passion」という単語には「情熱」の他に「(キリスト)受難」の意味がある。
 パッションフルーツの花とキリスト受難の関係は、16世紀に南米に渡ったイエズス会士がトケイソウの1種の花を見て、かつてアッシジの聖フランチェスコが夢に見たと伝える「十字架上の花」と信じ「受難の花( Passiflora )」と呼んだことに由来する。
 彼らは、この花を原住民が改宗を待ち望んだ印と信じ、誠意をもって布教につとめ、多数の入信者を獲得したとされている。
 トケイソウの花をどう「受難の花」に見立てかと言うと、葉は穂先とユダがキリストを売った代金の30枚の銀貨、5本のオシベはキリストが受けた5つの傷、巻きひげはムチ、脂肪柱は十字架、3本の柱頭は釘、副冠は茨の冠、5枚の花弁と萼(がく)は合わせて10人の使徒を、それぞれ象徴すると見たことによるものだそうだ。
 一方、キリスト教圏外である東洋(日本)では、花の形は「時計」に見立てられ「トケイソウ」となった。そのうち果実がつくものは「クダモノトケイソウ」になったわけである。

パッションフルーツの花 




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