軍部官制沿革
(軍務衙門・親衛府を含む)

1894年(高宗31)6月28日〜
 軍部の前身となる軍務衙門は、1894年(高宗31)6月の官制改革により兵曹の後身として設置される。 兵曹をはじめ錬武公院、総禦営、統衛営、壮衛営、経理庁、扈衛庁、訓錬院、軍職庁、龍虎営、機器局、宣伝官庁、守門将庁、部将庁の管掌した業務を引き継ぎ全国の陸海軍を統轄した。 人員は大臣・協弁(次官に当る)各1名の下に、総務・親衛・鎮防・海軍・医務・機器・軍需・会計の8局を置き、各局に参議(局長に当る)1名、主事2〜8名を配置したが、海軍局と医務局は設置されなかった。各局の人員及び職掌は以下の通りである。

局名人員職掌
総務局参議1
主事2(秘書官兼任)
未だ設置されない局の事務を管掌
親衛局参議1 主事4大内所属の軍隊を管掌し、総ての徴兵・編制の事務と軍隊の事務を統督
鎮防局参議1 主事8京外の鎮防に関する事務を管掌
(海軍局)参議1 主事8全国の海軍を統督し、軍人・軍属及び管内の諸部を統率
(医務局)参議1 主事4陸海軍部隊の医務及び薬剤等に関する事務を管掌
機器局参議1 主事2軍器の製造・修理に関する一切の事務及び軍器の収買等の事務を管掌
軍需局参議1 主事4全国陸海軍の糧餉・服装等の事務を管掌
会計局参議1 主事4軍務衙門の出納財簿及び営鎮の会計事務を管掌

1895年(高宗32)4月1日〜
 軍部官制は1895年3月25日公布、4月1日に施行された。大臣・協弁各1名の下、大臣官房と軍務・砲工・経理・軍法・医務の5局、そして臨時的措置として整理局が置かれた。軍部大臣は軍政を管理し、軍人・軍属を統督し、軍隊及び所轄官廨要塞を監督した。また医務局は当分置かれず、軍務・整理局長は協弁が、軍法局長は軍務局長が兼任した。

1899年(光武3)8月18日〜
 1899年6月、高宗は皇帝権強化の為に宮中に元帥府を設置し、それに伴なって同年8月官制が改正され、軍部の権限縮小がなされた。軍部は単に軍備を管理し、各官廨及び要塞を監督する機関にすぎなくなった。これにより軍務局が元帥府に移譲された。

1900年(光武4)9月17日〜
 軍法・医務局が廃止され、その業務は元帥府軍務局に移譲された。

1904年(光武8)9月24日〜
 日露戦争開戦直後の1904年3月日本は陸軍少佐・野津鎮武を軍部顧問として送り込み、彼の指導の下、8月に軍制改革の為の軍制議定所が設置された。そこでの審議の結果、皇帝の強力な権力基盤であった元帥府の権限は、軍部と新たに設置された参謀部・教育部に移譲され、軍部は軍務・経理・医務・軍法・海防の5局を持ち、陸軍軍政を管理し、陸軍軍人・軍属を統督し、所管諸部を監督する機関に復活した。これにより元帥府所管であった憲兵司令部・陸軍法院も軍部に移管された。なお海防局については実施されなかったようである。

軍部職員表
大臣

大副将
協弁

参将
大臣官房
官房長 各兵科正副領正尉
副官 各兵科正副領正尉2 1人秘書官兼任
主事30
秘書課長 官房長兼任課員 各兵科参領正尉2
軍務局

参将正領
軍事課長 各兵科正副領1課員 各兵科参領正副尉3
    内1人参謀官
歩兵課長 歩兵科副領1課員 歩兵科参領正副尉3
騎兵課長 騎兵科副領1課員 騎兵輜重兵科参領正副尉陸軍獣医2
砲兵課長 砲兵科副領1課員 砲兵科参領正副尉2
工兵課長 工兵科副領1課員 工兵科参領正副尉1
経理局

司計監一等司計
第一課長 陸軍二等司計1課員 陸軍三等司計一二等軍司3
第二課長 陸軍二等司計1課員 陸軍三等司計一二等軍司3
医務局

軍医ハ提一二等軍医長
第一課長 二三等軍医長1課員 三等軍医長一二等軍医2
第二課長 二三等軍医長1課員 三等軍医長一二等軍医2
軍法局

軍務局長兼任
理事2
海防局

海軍参将正副領
軍務課長 海軍副参領1課員 海軍正副尉2
会計課施行停止

1905年(光武9)2月22日〜
 参謀部と教育部が軍部に吸収されて参謀局・教育局となり、教育部の所管であった陸軍幼年学校・陸軍武官学校・陸軍研成学校も軍部所管となった。また軍法・医務・海防局は軍務局の傘下に入り、軍法課・医務課・海防課となった。但し海防課も海防局同様実施されなかったようである。

1907年(隆熙元)8月26日〜
 1907年8月1日の軍隊解散に伴ない、26日に官制改正が実施された。内局は軍務・経理の2局に削減となり、所管官庁は陸軍武官学校・侍従武官府・東宮陪従武官府と新設された近衛歩兵隊・近衛騎兵隊(1907年12月20日設置)を残して、陸軍法院・陸軍監獄・陸軍幼年学校・陸軍研成学校・軍器廠・陸軍衛生院等は廃止された。

1909年(隆熙3)7月30日〜
 軍部と陸軍武官学校が廃止され、宮中に新たに親衛府が設置された。親衛府は全くの皇室親衛機関であるので、武官の養成は日本に、兵器弾薬の管理処分と軍人軍属の犯罪に関しては韓国駐箚日本軍に委託することになった。